低速ネットワークが引き起こす問題
レプリケーションでは、ネットワーク接続上でスナップショットおよび増分変更の形式でデータが配信されます。待機時間、スループット、信頼性など、ネットワークのパフォーマンスに影響を与えるすべての要因が、レプリケーションに影響を与えます。
ユーザーの操作
ネットワーク パフォーマンスの問題を緩和するのに役立つレプリケーション設定は存在しますが、レプリケーションは Microsoft Windows および Microsoft SQL Server 2005 の接続コンポーネントによって作成される、基盤となるネットワーク接続に依存します。ネットワーク接続の待機時間が長い場合 (サテライト リンクなど) は、サブスクライバとパブリッシャの両方のコンピュータでオペレーティング システムの転送制御プロトコル (TCP) の設定を変更することを検討してください。Windows のネットワーク パラメータに関する詳細については、こちらの Microsoft website を参照してください。
ネットワーク オプションを設定することに加え、以下の項目を考慮してください。
- トランザクション レプリケーションでは、ディストリビューション エージェントのパラメータ -CommitBatchSize に低い値を設定することを検討してください。値を低くすると、スループットは低下しますが、信頼性の低いネットワークでの失敗が減り、失敗した場合にロールバックおよび再適用するトランザクションの数が減ります。このパラメータは、エージェント プロファイルまたはエージェント コマンド ラインで指定できます。
- マージ レプリケーションの場合は、-DownloadGenerationsPerBatch と -UploadGenerationsPerBatch、および -SrcThreads と -DestThreads の各マージ エージェント パラメータに、低い値を設定することを検討してください。-DownloadGenerationsPerBatch と -UploadGenerationsPerBatch の値を低くすると、スループットは低下しますが、信頼性の低いネットワークでの再試行の回数は減ります。これらのパラメータは、"低速リンク" というタイトルのエージェント プロファイルで指定されていますが、エージェント コマンド ラインで指定することもできます。これらのパラメータを設定することに加え、Web 同期の使用も検討してください。それにより、通常はネットワーク往復の回数が減ります。詳細については、「マージ レプリケーションの Web 同期」を参照してください。
ネットワーク接続が、待機時間は長くても信頼できる場合は、-DownloadGenerationsPerBatch と -UploadGenerationsPerBatch には既定値を使用し、-LoginTimeOut と -QueryTimeOut には高い値を指定することを検討してください。
レプリケーション エージェントのパラメータの指定に関する詳細については、以下を参照してください。
- レプリケーション エージェント プロファイルを操作する方法 (SQL Server Management Studio)
- レプリケーション エージェント コマンド プロンプト パラメータを表示および変更する方法 (SQL Server Management Studio)
- レプリケーション エージェント プロファイルを扱う方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)
- レプリケーション エージェント実行可能ファイルのプログラミング.