スナップショット レプリケーションに関する注意点
通常、初期スナップショットはすべての種類のレプリケーションで適用されるので、トランザクション レプリケーションまたはマージ レプリケーションを実装する場合でも、スナップショット レプリケーションを計画する際の注意点について理解しておく必要があります。スナップショット レプリケーションには以下の分野で計画が必要です。
- スナップショット フォルダの作成とセキュリティ保護
- スナップショット ファイルの転送と格納
- スナップショットのスケジュール設定
スナップショット フォルダの作成とセキュリティ保護
スナップショット フォルダは、共有として設定されている単なるディレクトリです。このフォルダに対して読み取りや書き込みを行うエージェントには、フォルダにアクセスするための十分な権限が必要です。フォルダの適切なセキュリティ保護の詳細については、「スナップショット フォルダのセキュリティ」を参照してください。レプリケーションを実装する前に、レプリケーション エージェントがスナップショット フォルダに接続できるかどうかをテストしてください。各エージェントで使用されているアカウントでログオンし、スナップショット フォルダにアクセスします。
スナップショット ファイルの転送と格納
スナップショット ファイルの転送および格納を計画するときは、スナップショット ファイルの場所とスナップショット ファイルを受け取るサブスクライバで必要となるディスク領域を見積もります。1 つのスナップショットに必要なディスク領域は、パブリッシュされるアーティクルのサイズや数、ファイルが圧縮されているかどうかなど、いくつかの要素の影響を受けます。
スナップショット ファイルの格納先については、既定の場所 (通常はディストリビュータ) 以外に指定することも、既定の場所に追加して指定することもできます。代替位置として、他のサーバーやネットワーク ドライブ、または CD-ROM やリムーバブル ディスクなどのリムーバブル メディアを指定できます。さらに、データを Microsoft CAB ファイル形式で書き込むことでスナップショット ファイルを圧縮し、ネットワーク パフォーマンスを向上することができます。詳細については、「スナップショット オプション」を参照してください。
スナップショット ファイルを既定のフォルダと同じドライブの別の場所の両方に作成すると、各ファイルは初めに既定のフォルダに作成され、それから代替位置にコピーされます。圧縮スナップショット ファイルを使用している場合、ファイルをコピーおよび圧縮してから、スナップショットの別の場所に配置されます。この状況ですべてのスナップショット ファイルに必要な空き領域は、既定の場所の元のスナップショット ファイルのサイズと代替位置の圧縮スナップショット ファイルのサイズの合計です。
スナップショットのスケジュール設定
容量の大きいスナップショットを生成するとリソースが大きく消費される可能性があるため、サーバーでの実行の回数を減らすようにスナップショット エージェントをスケジュールする必要があります。
スナップショット エージェントの実行に最適なスケジュールを計画するには、スナップショット エージェントがスナップショットを完了するのにかかる時間を見積もってください。スナップショットは bcp ユーティリティを使用して作成されるので、データセットのテスト一括コピーを実行し、それが完了するまでにかかる時間を計ります。データセットが非常に大きい場合は、データセットのサンプルに一括コピーを実行して、データセット全体の所要時間を推定します。bcp の詳細については、「bcp ユーティリティ」を参照してください。
参照
概念
レプリケーションの旧バージョンとの互換性
スナップショット レプリケーションの概要
レプリケーション トポロジにおける複数バージョンの SQL Server の使用