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マージ アーティクル競合回避モジュールを指定する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)

マージ パブリケーションのアーティクルを定義するときに、カスタム競合回避モジュールを指定できます。詳細については、「マージ レプリケーションの競合検出および解決の詳細」を参照してください。Microsoft SQL Server には定義済みカスタム競合回避モジュールがいくつか用意されていますが、自分で記述することもできます。競合する行だけでなく、レプリケートされた各行に対して実行するカスタム ロジックを実装する必要がある場合は、「マージ アーティクルのビジネス ロジック ハンドラを実装する方法 (レプリケーション プログラミング)」を参照してください。

カスタム競合回避モジュールを登録するには

  1. 固有のカスタム競合回避モジュールを登録する場合は、次のいずれかの種類を作成します。

  2. 目的の競合回避モジュールが既に登録されているかを判断するには、パブリッシャの任意のデータベースに対して sp_enumcustomresolvers (Transact-SQL) を実行します。これにより、カスタム競合回避モジュールの説明、およびディストリビュータに登録された各 COM ベースの競合回避モジュールのクラス識別子 (LSID)、またはディストリビュータに登録された各ビジネス ロジック ハンドラのマネージ アセンブリの情報が表示されます。

  3. 目的のカスタム競合回避モジュールがまだ登録されていない場合は、ディストリビュータで sp_registercustomresolver (Transact-SQL) を実行します。@article_resolver に競合回避モジュールの名前を指定します。ビジネス ロジックの場合はアセンブリの表示名です。COM ベースの競合回避モジュールの場合は、@resolver_clsid に DLL の CLSID を指定し、ビジネス ロジック ハンドラの場合は、@is_dotnet_assemblytrue@dotnet_assembly_name にアセンブリの名前、@dotnet_class_nameBusinessLogicModule をオーバーライドするクラスの完全修飾名を指定します。

    ms147288.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    マージ エージェント実行可能ファイルがあるディレクトリ、マージ エージェントを同期的に起動するアプリケーションがあるディレクトリ、およびグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) の、いずれとも異なる場所にビジネス ロジック ハンドラ アセンブリが配置されている場合は、@dotnet_assembly_name にアセンブリ名を含む完全なパスを指定する必要があります。
  4. 競合回避モジュールが COM ベースの場合

    • カスタム競合回避モジュール DLL をプッシュ サブスクリプションのディストリビュータ、またはプル サブスクリプションのサブスクライバにコピーします。

      ms147288.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
      Microsoft カスタム競合回避モジュールは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\COM ディレクトリにあります。
    • regsvr32.exe を使用して、カスタム競合回避モジュール DLL をオペレーティング システムに登録します。たとえば、次のコマンドをコマンド プロンプトから実行すると、SQL Server Additive Conflict Resolver が登録されます。

      regsvr32 ssradd.dll
      
  5. 競合回避モジュールがビジネス ロジック ハンドラである場合は、マージ エージェント実行可能ファイル (replmerg.exe) と同じフォルダ、マージ エージェントを起動するアプリケーションと同じフォルダ、または手順 3. で @dotnet_assembly_name パラメータに指定したフォルダのいずれかにアセンブリを配置します。

    ms147288.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    マージ エージェント実行可能ファイルの既定のインストール先は、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\COM です。

マージ アーティクルを定義するときにカスタム競合回避モジュールを指定するには

  1. カスタム競合回避モジュールを使用する場合は、上記の手順に従って競合回避モジュールを作成および登録します。

  2. パブリッシャで、sp_enumcustomresolvers (Transact-SQL) を実行し、結果セットの value フィールドに示された目的のカスタム競合回避モジュールの名前を確認します。

  3. パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して、sp_addmergearticle (Transact-SQL) を実行します。@article_resolver に手順 2. の競合回避モジュールの名前を指定し、@resolver_info パラメータを使ってカスタム競合回避モジュールの必須入力をすべて指定します。ストアド プロシージャ ベースのカスタム競合回避モジュールの場合、@resolver_info はストアド プロシージャの名前です。Microsoft によって提供される競合回避モジュールの必須入力の詳細については、「Microsoft COM ベースの競合回避モジュール」を参照してください。

既存のマージ アーティクルに対するカスタム競合回避モジュールを指定または変更するには

  1. アーティクルに対してカスタム競合回避モジュールが定義されているかどうかを判断するには、sp_helpmergearticle (Transact-SQL) を実行します。アーティクルに対してカスタム競合回避モジュールが定義されている場合は、article_resolver フィールドに名前が表示されます。競合回避モジュールに対するすべての入力が結果セットの resolver_info フィールドに表示されます。

  2. パブリッシャで、sp_enumcustomresolvers (Transact-SQL) を実行し、結果セットの value フィールドに示された目的のカスタム競合回避モジュールの名前を確認します。

  3. パブリッシャ側のパブリケーション データベースに対して、sp_changemergearticle (Transact-SQL) を実行します。@property にビジネス ロジック ハンドラの完全パスを含む article_resolver を、@value に手順 2. の目的のカスタム競合回避モジュールの名前を指定します。

  4. カスタム競合回避モジュールの必須入力を変更するには、sp_changemergearticle (Transact-SQL) を再度実行します。@propertyresolver_info を、@value にカスタム競合回避モジュールの必須入力を指定します。ストアド プロシージャ ベースのカスタム競合回避モジュールの場合、@resolver_info はストアド プロシージャの名前です。必要な入力の詳細については、「Microsoft COM ベースの競合回避モジュール」を参照してください。

カスタム競合回避モジュールの登録を解除するには

  1. パブリッシャで sp_enumcustomresolvers (Transact-SQL) を実行し、結果セットの value フィールドに示された、削除するカスタム競合回避モジュールの名前を確認します。

  2. ディストリビュータで sp_unregistercustomresolver (Transact-SQL) を実行します。@article_resolver に、手順 1. のカスタム競合回避モジュールの完全な名前を指定します。

使用例

次の例では、新しいアーティクルを作成し、競合が発生したときに UnitPrice 列の平均の計算に SQL Server Averaging Conflict Resolver が使用されるように指定します。

DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @article AS sysname;
SET @publication = 'AdvWorksSalesOrdersMerge';
SET @article = 'Products';

EXEC sp_addmergearticle 
    @publication = @publication, 
    @article = @article, 
    @source_object = @article, 
    @article_resolver = 'Microsoft SQL Server Averaging Conflict Resolver', 
    @resolver_info = 'UnitPrice';
GO

次の例では、アーティクルを変更して、競合が発生したときに UnitsOnOrder 列の合計の計算に SQL Server Additive Conflict Resolver が使用されるように指定します。

DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @article AS sysname;
SET @publication = 'AdvWorksSalesOrdersMerge';
SET @article = 'Products';

EXEC sp_changemergearticle 
    @publication = @publication, 
    @article = @article, 
    @property='article_resolver', 
    @value='Microsoft SQL Server Additive Conflict Resolver';

EXEC sp_changemergearticle 
    @publication = @publication, 
    @article = @article, 
    @property='resolver_info', 
    @value='UnitsOnOrder';
GO

参照

処理手順

マージ アーティクルのビジネス ロジック ハンドラを実装する方法 (レプリケーション プログラミング)

その他の技術情報

マージ レプリケーションの競合検出および解決の詳細

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手