システム変数
更新 : 2007 年 9 月 15 日
SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) では、実行中のパッケージとそのオブジェクトに関する情報を格納する、システム変数のセットが用意されています。これらの変数は、式およびプロパティ式の内部で使用でき、パッケージ、コンテナ、タスク、およびイベント ハンドラをカスタマイズできます。
すべての変数 (システム変数とユーザー定義変数) を SQL 実行タスクが使用するパラメータ バインドで使用して、パラメータに変数をマップできます。
パッケージ用システム変数
次の表では、Integration Services がパッケージ用に提供するシステム変数について説明します。
システム変数 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
CancelEvent |
Int32 |
タスクに実行を停止させる際のシグナルの送信先となる Windows イベント オブジェクトへのハンドルです。 |
CreationDate |
DateTime |
パッケージが作成された日付です。 |
CreatorComputerName |
String |
パッケージが作成されたコンピュータです。 |
CreatorName |
String |
パッケージの構築者の名前です。 |
ExecutionInstanceGUID |
String |
実行中のパッケージのインスタンスの一意識別子です。 |
InteractiveMode |
Boolean |
パッケージが対話モードで実行されているかどうかを示します。SSIS デザイナでパッケージを実行中の場合、このプロパティは True に設定されます。DTExec コマンド プロンプト ユーティリティを使用してパッケージを実行中の場合、プロパティは False に設定されます。 |
LocaleId |
Int32 |
パッケージで使用するロケールです。 |
MachineName |
String |
パッケージが実行されているコンピュータの名前です。 |
OfflineMode |
Boolean |
パッケージがオフライン モードかどうかを示します。オフライン モードでは、データ ソースへの接続は取得されません。 |
PackageID |
String |
パッケージの一意識別子です。 |
PackageName |
String |
パッケージの名前です。 |
StartTime |
DateTime |
パッケージの実行を開始した時刻です。 |
UserName |
String |
パッケージを開始したユーザーのアカウントです。ユーザー名は、ドメイン名によって修飾されます。 |
VersionBuild |
Int32 |
パッケージのバージョンです。 |
VersionComment |
String |
パッケージのバージョンに関するコメントです。 |
VersionGUID |
String |
バージョンの一意識別子です。 |
VersionMajor |
Int32 |
パッケージのメジャー バージョンです。 |
VersionMinor |
Int32 |
パッケージのマイナー バージョンです。 |
コンテナ用システム変数
次の表では、Integration Services が、For ループ コンテナ、Foreach ループ コンテナ、およびシーケンス コンテナ用に提供するシステム変数について説明します。
システム変数 | データ型 | 説明 | コンテナ |
---|---|---|---|
LocaleId |
Int32 |
コンテナが使用するロケールです。 |
For ループ コンテナ Foreach ループ コンテナ シーケンス コンテナ |
タスク用システム変数
次の表では、Integration Services がタスク用に提供するシステム変数について説明します。
システム変数 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
CreationName |
String |
タスクの名前です。 |
LocaleId |
Int32 |
タスクが使用するロケールです。 |
TaskID |
String |
タスク インスタンスの一意識別子です。 |
TaskName |
String |
タスク インスタンスの名前です。 |
TaskTransactionOption |
Int32 |
タスクが使用するトランザクションのオプションです。 |
イベント ハンドラ用システム変数
次の表では、Integration Services がイベント ハンドラ用に提供するシステム変数について説明します。すべての変数がすべてのイベント ハンドラで使用できるわけではありません。
システム変数
データ型
説明
イベント ハンドラ
Cancel
Boolean
エラー、警告、またはクエリのキャンセルが発生したときに、イベント ハンドラが実行を停止するかどうかを示します。
OnError イベント ハンドラ
OnWarning イベント ハンドラ
OnQueryCancel イベント ハンドラ
ErrorCode
Int32
エラー識別子です。
OnError イベント ハンドラ
OnInformation イベント ハンドラ
OnWarning イベント ハンドラ
ErrorDescription
String
エラーの説明です。
OnError イベント ハンドラ
OnInformation イベント ハンドラ
OnWarning イベント ハンドラ
ExecutionStatus
Boolean
現在の実行ステータスです。
OnExecStatusChanged イベント ハンドラ
ExecutionValue
DBNull
実行値です。
OnTaskFailed イベント ハンドラ
LocaleId
Int32
イベント ハンドラが使用するロケールです。
すべてのイベント ハンドラ
PercentComplete
Int32
完了済みの作業の割合です。
OnProgress イベント ハンドラ
ProgressCountHigh
Int32
OnProgress イベントによって処理される操作の総数を示す、64 ビット値の上位部分です。
OnProgress イベント ハンドラ
ProgressCountLow
Int32
OnProgress イベントによって処理される操作の総数を示す、64 ビット値の下位部分です。
OnProgress イベント ハンドラ
ProgressDescription
String
進行状況の説明です。
OnProgress イベント ハンドラ
Propagate
Boolean
イベントが、上位レベルのイベント ハンドラに反映されるかどうかを示します。
メモ :
パッケージの検証中は Propagate 変数の値が無視されます。 子パッケージで Propagate を False に設定しても、イベントは親パッケージに反映されます。親パッケージでイベントが処理されないようにするには、パッケージ実行タスクのDisableEventHandlers プロパティを True に設定します。
すべてのイベント ハンドラ
SourceDescription
String
イベントを発生させたイベント ハンドラ内の実行可能ファイルの説明です。
すべてのイベント ハンドラ
SourceID
String
イベントを発生させたイベント ハンドラ内の実行可能ファイルの一意識別子です。
すべてのイベント ハンドラ
SourceName
String
イベントを発生させたイベント ハンドラ内の実行可能ファイルの名前です。
すべてのイベント ハンドラ
VariableDescription
String
変数の説明です。
OnVariableValueChanged イベント ハンドラ
VariableID
String
変数の一意識別子です。
OnVariableValueChanged イベント ハンドラ
パラメータ バインドでのシステム変数の使用
パッケージの実行時に、システム変数の値をテーブルに保存すると役立つことがよくあります。たとえば、テーブルを動的に作成し、このテーブルを作成したパッケージ実行インスタンスの GUID をテーブル列に書き込むパッケージなどです。
システム変数を使用して、SQL 実行タスクが使用する SQL ステートメントのパラメータにマップする場合、各パラメータ バインドのデータ型を、システム変数のデータ型に設定することが重要です。このように設定しないと、システム変数の値が誤って解釈されることがあります。たとえば、ExecutionInstanceGUID システム変数は文字列データ型で、実行中のパッケージのインスタンスの GUID の文字列表現を保持しますが、パラメータ バインドに GUID データ型を使用すると、パッケージのインスタンスの GUID は誤って解釈されます。
この規則は、ユーザー定義変数にも当てはまります。ただし、システム変数のデータ型は変更できないため、システム変数を使用する場合はそのデータ型に合わせた調整が必要ですが、ユーザー定義変数にはそれに比べると高い柔軟性があります。パラメータ バインドで使用するユーザー定義変数は、通常、マップ先パラメータのデータ型と互換性のあるデータ型で定義します。
参照
概念
Integration Services パッケージ
Integration Services コンテナ
Integration Services タスク
Integration Services のイベント ハンドラ
Integration Services の変数
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
---|---|
2007 年 9 月 15 日 |
|
2005 年 12 月 5 日 |
|