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スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントの比較

Integration Services デザイナの [制御フロー] ウィンドウで使用できるスクリプト タスクと、[データ フロー] ウィンドウで使用できるスクリプト コンポーネントは、Integration Services パッケージ内での目的がまったく異なります。スクリプト タスクが汎用の制御フロー ツールであるのに対し、スクリプト コンポーネントはデータ フロー内で変換元、変換、または変換先としての役割を果たします。ただし、目的は異なっても、コード作成に使用するツールや、開発者が使用できるパッケージ内のオブジェクトについては、スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントには似通った点があります。共通点と相違点を理解すると、このタスクとコンポーネントをより効率的に使用するために役立ちます。

スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントの共通点

スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントには、次のような共通の機能があります。

機能 説明

デザイン時の 2 つのモード

タスクとコンポーネントのどちらの場合も、最初にエディタでプロパティを指定し、次に開発環境に切り替えてコードを記述します。

Visual Studio for Applications (VSA) のコード開発環境

タスクとコンポーネントのどちらも、同じ VSA IDE や Visual Basic .NET プログラミング言語を使用します。

スクリプトを事前コンパイル可能

タスクとコンポーネントのどちらにも、スクリプトをバイナリ コードに事前コンパイルすることを指定するブール値のプロパティがあります。既定値は常に True です。事前コンパイルすれば実行速度が向上しますが、パッケージ サイズは増加します。

スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントの相違点

スクリプト タスクとスクリプト コンポーネントには、次のような顕著な相違点があります。

機能 スクリプト タスク スクリプト コンポーネント

制御フローとデータ フロー

スクリプト タスクはデザイナの [制御フロー] タブで設定され、パッケージのデータ フローの外で実行されます。

スクリプト コンポーネントはデザイナの [データ フロー] ページで設定され、データ フロー タスク内で変換元、変換、または変換先のいずれかを表します。

目的

スクリプト タスクはほとんどの汎用タスクを実行できます。

スクリプト コンポーネントでは、変換元、変換、または変換先のどれを作成するかを指定する必要があります。

実行されるタイミング

スクリプト タスクは、パッケージ ワークフロー内のある時点でカスタム コードを実行します。ループ コンテナまたはイベント ハンドラ内に配置しない限り、実行されるのは 1 回のみです。

スクリプト コンポーネントも実行されるのは 1 回のみですが、通常、メイン処理ルーチンはデータ フロー内のデータ行ごとに 1 回ずつ実行されます。

エディタ

[スクリプト タスク エディタ] には、[全般][スクリプト][式] の 3 つのページがあります。ReadOnlyVariables プロパティおよび ReadWriteVariables プロパティのみが、ユーザーが記述できるコードに直接影響を与えます。

[スクリプト変換エディタ] には、[入力列][入力および出力][スクリプト][接続マネージャ] の、最大 4 つのページがあります。この各ページで設定するメタデータやプロパティにより、コードを記述する際に使用できる、自動生成された基本クラスのメンバが指定されます。

パッケージの操作

スクリプト タスクのコードでは、グローバル オブジェクトである Dts を使用して、パッケージのその他の機能にアクセスします。

スクリプト コンポーネントのコードでは、型指定されたアクセサ プロパティを使用して、変数や接続マネージャなど、特定のパッケージ機能にアクセスします。

変数の使用

スクリプト タスクでは、Dts オブジェクトの Variables プロパティを使用して、タスクの ReadOnlyVariables プロパティおよび ReadWriteVariables プロパティで使用できる変数にアクセスします。例 :

Dim myVar as String

myVar = Dts.Variables(“MyStringVariable”).Value.ToString

スクリプト コンポーネントでは、自動生成された基本クラスの型指定されたアクセサ プロパティを使用します。このプロパティは、コンポーネントの ReadOnlyVariables プロパティおよび ReadWriteVariables プロパティから作成されます。例 :

Dim myVar as String

myVar = Me.Variables.MyStringVariable

接続の使用

スクリプト タスクでは、Dts オブジェクトの Connections プロパティを使用して、パッケージで定義された接続マネージャにアクセスします。例 :

Dim myFlatFileConnection As String

myFlatFileConnection = _

DirectCast(Dts.Connections("Test Flat File Connection").AcquireConnection(Dts.Transaction), _

String)

スクリプト コンポーネントでは、自動生成された基本クラスの型指定されたアクセサ プロパティを使用します。このプロパティは、エディタの [接続マネージャ] ページでユーザーが入力した、接続マネージャの一覧から作成されます。例 :

Dim connMgr As IDTSConnectionManager90

connMgr = Me.Connections.MyADONETConnection

イベントの発生

スクリプト タスクでは、Dts オブジェクトの Events プロパティを使用してイベントを発生させます。例 :

Dts.Events.FireError(0, "Event Snippet", _

ex.Message & ControlChars.CrLf & ex.StackTrace, _

"", 0)

スクリプト コンポーネントでエラー、警告、情報メッセージを発生させるには、ComponentMetaData プロパティから返される IDTSComponentMetaData90 インターフェイスのメソッドを使用します。例 :

Dim myMetadata as IDTSComponentMetaData90

myMetaData = Me.ComponentMetaData

myMetaData.FireError(...)

ログ記録

スクリプト タスクでは、 Dts オブジェクトの Log メソッドを使用して、有効なログ プロバイダに情報を記録します。例 :

Dim bt(0) As Byte

Dts.Log("Test Log Event", _

0, _

bt)

スクリプト コンポーネントでは、自動生成された基本クラスの Log メソッドを使用して、有効なログ プロバイダに情報を記録します。例 :

Dim bt(0) As Byte

Me.Log("Test Log Event", _

0, _

bt)

結果の返送

スクリプト タスクでは、 Dts オブジェクトの TaskResult プロパティ、および場合によって ExecutionValue プロパティを使用して、ランタイムに結果を通知します。

スクリプト コンポーネントはデータ フロー タスクの一部として実行され、プロパティを使用して結果をレポートすることはありません。

デバッグ

スクリプト タスクでは、設計環境におけるコードのデバッグ時に、ブレークポイントを使用したステップ実行がサポートされます。

スクリプト コンポーネントでは、デバッグはサポートされていません。詳細については、「スクリプト コンポーネントのコーディングおよびデバッグ」の「スクリプト コンポーネントのデバッグ」を参照してください。

参照

関連項目

スクリプト タスクによるパッケージの拡張

その他の技術情報

スクリプト コンポーネントによるデータ フローの拡張

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手