マージ レプリケーションの概要
Microsoft SQL Server Compact 3.5 (SQL Server Compact 3.5) のレプリケーションは、SQL Server のマージ レプリケーションを基礎にしています。マージ レプリケーションは、SQL Server 2005 データベースまたは SQL Server 2008 データベースを使用して実装できます。
マージ レプリケーションは、ポータブル デバイスでの利用に適しています。マージ レプリケーションを使用すると、ポータブル デバイスとサーバーとの間のデータ更新を単独かつ別々に行うことができます。デバイスとサーバーのデータは、デバイスの接続時に同期できます。つまり、クライアントからサーバーに変更を送信し、サーバーから新しい変更を受け取ります。
マージ レプリケーションは、リモート データ アクセス (RDA) よりも厳密なサーバーの構成と保守を必要としますが、多くのデバイスが含まれたアプリケーションには適しています。また、マージ レプリケーションでは、組み込みまたはユーザー設定による競合解決機能が用意されており、複数のテーブルのデータのレプリケーションを同時に行うことができ、SQL Server を使用することにより監視ツールを使用できます。さらに、アーティクルの種類やフィルタ選択などのデータ レプリケーションのオプションが多数提供されており、データのニーズと ID 範囲管理に応じたパフォーマンスの向上を実現できます。
マージ レプリケーションは、競合解決が必要な場合、デスクトップ コンピュータ、ポータブル コンピュータ、およびポータブル デバイス間でのデータの反映が必要な場合、および優れたデータ配布機能が必要な場合にも優れた手段となります。
マージ レプリケーションの一般的なシナリオを以下に示します。
- 読み取り専用データのダウンロード
- 新しいデータの入力とアップロード
- データの更新と同期
多くのアプリケーションでは、上記シナリオを組み合わせたものが使用されます。たとえば、販売サポート用アプリケーションでは、ダウンロード専用アーティクルの使用により価格表の参照データがデバイスにダウンロードされ、一方ではデータのキャプチャとアップロードの実行により新規受注がデバイス上でキャプチャされ、その受注内容がサーバーにアップロードされます。
参照
概念
レプリケーションの計画 (SQL Server Compact)
レプリケーションの実装 (SQL Server Compact)