デスクトップ コンピューターへのインストールと配置 (SQL Server Compact)
SQL Server Compact 3.5 Service Pack 2 (SP2) は、Visual Studio 2010 または SQL Server 2008 R2 のインストール時にユーザーのコンピューター上にインストールされます。ユーザーのコンピューターに Visual Studio も SQL Server もインストールされていない場合、または Visual Studio あるいは SQL Server の以前のバージョンがインストールされている場合は、デスクトップ コンピューター用の SQL Server Compact 3.5 SP2 インストーラー (SSCERuntime-ENU.msi) を使用すると SQL Server Compact 3.5 SP2 をインストールできます。インストーラーは、ダウンロードして入手できます。 デスクトップ コンピューター用の SQL Server Compact 3.5 SP2 インストーラーには、デスクトップ コンピューター専用のランタイム バイナリ ファイルが含まれています。
インストーラには次のライブラリが含まれています。
SQLCESE35.DLL
SQLCEQP35.DLL
SQLCEME35.DLL
SQLCEOLEDB35.DLL (OLEDB データ プロバイダ)
SQLCECA35.DLL
SQLCECOMPACT35.DLL
SQLCEER35xx.DLL (エラー メッセージ。xx は言語を表す)
System.Data.SqlServerCe.dll (ADO.NET データ プロバイダ)
System.Data.SqlClient.dll
System.Data.SqlServerCe.dll
Microsoft.Synchronization.Data.dll
Microsoft.Synchronization.Data.Server.dll
Microsoft.Synchronization.Data.SqlServerCe.dll
インストールの必要条件
OLEDB データ プロバイダを使用していない場合、SQL Server Compact 3.5 のインストールには Microsoft.NET Framework 2.0 以降のバージョンが必要です。.NET Framework 2.0 は、.NET Framework 2.0 ダウンロード センターからダウンロードできます。
デスクトップ コンピュータ用の SQL Server Compact インストーラにはランタイム バイナリ ファイルだけが含まれるため、インストールの際、次のソフトウェアは必要ありません。
インターネット インフォメーション サービス (IIS) 5.x 以降 (32 ビットのみ)
ActiveSync 4.0 以降
Internet Explorer 6.0
SQL Server Compact をデスクトップ コンピュータにインストールする場合、Visual Studio と SQL Server はいずれも必要ありません。
重要
SQL Server と SQL Server Compact の間でデータをレプリケートするには、レプリケーション コンポーネントをインストールする必要があります。SQL Server レプリケーション コンポーネントの詳細については、「必要なハードウェアとソフトウェア」を参照してください。また、サーバー ツール (SSCEServerTools-ENU.msi) をインストールする必要があります。サーバー ツールの詳細については、接続ツールを参照してください。
インストール先
デスクトップ コンピューター用の SQL Server Compact 3.5 SP2 インストーラーでは、SQL Server Compact が固定の場所にインストールされます。固定の場所にインストールすることによって、SQL Server Compact のサービス性を高めることができます。SQL Server Compact 3.5 SP2 セットアップ プログラムでは、System.Data.SqlServerCe.dll などのマネージ アセンブリがグローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) にインストールされ、OLE DB Provider (sqlceoledb35.dll) などのネイティブ DLL がレジストリに登録されます。
重要
このようにレジストリを使用するため、SQL Server Compact をインストールできるのは管理者の資格情報を持つユーザーのみに制限されます。
SQL Server Compact 3.5 SP2 は、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5 にインストールされます。たとえば、Program Files ディレクトリが C ドライブにある場合、SQL Server Compact 3.5 ランタイム バイナリは C:\Program Files\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5 ディレクトリにインストールされます。
インストールした SQL Server Compact 3.5 SP2 は、[プログラムの追加と削除] に [Microsoft SQL Server Compact 3.5 SP2] というプログラムとして表示されます。
DataDirectory のサポート
DataDirectory は、データベースのパスを示す代替文字列です。DataDirectory を使用すると完全なパスをハードコードする必要がなくなり、プロジェクトの共有やアプリケーションの配置を簡単に行うことができます。たとえば、次の接続文字列の代わりに指定します。
"Data Source= c:\program files\MyApp\Mydb.sdf"
|DataDirectory| と記述する (パイプ記号で囲む) と、次の接続文字列を指定できます。
"Data Source = |DataDirectory|\Mydb.sdf"
AppDomain.SetData を呼び出すことにより、AppDomain に DataDirectory プロパティを設定します。
注意
AppDomain.SetData は、.NET Compact Framework ではサポートされていません。ただし、モバイル デバイス用のアプリケーションを作成するには .NET Compact Framework データ プロバイダが必要です。そのため、モバイル デバイス用アプリケーションのプログラムを作成する際に DataDirectory プロパティを使用すると、SQL Server Compact はエラーを返します。
DataDirectory プロパティを設定しない場合、データベース フォルダのパスへのアクセスには既定で次の規則が適用されます。
アプリケーションをクライアント コンピュータ上のディレクトリに配置する場合、データベースへのパスはアプリケーションが格納されているフォルダになります。たとえば、MyApp.exe が /MyDir フォルダにある場合、アクセス先は /MyDir フォルダになります。
アプリケーションが ClickOnce で実行される場合、専用のデータ フォルダが作成され、そのフォルダがアクセス先となります。
Web アプリケーションの場合のアクセス先は App_Data フォルダです。AppDomain.SetData を使用すると、App_Data フォルダに DataDirectory を設定できます。