埋め込みデータセットと共有データセット (レポートビルダーおよび SSRS)

[アーティクル]
06/13/2017

レポートにおけるデータセットとは、外部データソースに対してクエリを実行することによって返されるレポートデータをいいます。外部データソースに関する情報はデータ接続に含まれており、データセットは、そのデータ接続によって異なります。レポート定義にデータそのものは含まれていません。データセットには、クエリコマンド、フィールドコレクション、パラメーター、フィルター、および大文字と小文字の区別と照合順序を含むデータオプションがあります。データセットには次の 2 種類があります。

共有データセット: 共有データセットはレポートサーバー上でパブリッシュされ、複数のレポートで使用できます。共有データセットは共有データソースに基づく必要があります。キャッシュ更新計画を作成することによって、共有データセットをキャッシュおよびスケジュールできます。
埋め込みデータセット: 埋め込みデータセットは 1 つのレポートで定義および使用されます。

これらの 2 つのデータセットでは、作成、格納、管理の方法が異なります。

注意

SQL Server データツールのレポートビルダーまたはレポートデザイナーを使用して、レポート定義 (.rdl) を作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、「microsoft.com で Web 上のレポートデザイナーおよびReport Builder (SSRS) でレポートを設計する」を参照してください。

共有データセット

共有データセットは、複数のレポートで使用できるクエリを作成するために使用します。共有データセットはレポートサーバー上に格納され、レポートまたは共有データソースとは別に管理されます。たとえば、レポートサーバー管理者は、パフォーマンスの高いインデックス作成や他のクエリのパフォーマンスの最適化を実施するために、クエリを更新することができます。

可能な限り共有データセットを使用することをお勧めします。クエリを最適化するか、クエリ結果をキャッシュすると、レポートのパフォーマンスを向上できます。データへのアクセスが管理しやすくなり、レポートやレポートからアクセスするデータセットの安全性とパフォーマンスを高めることができます。

レポートデザイナーでは、レポートプロジェクトの一部として共有データセットを作成し、レポートサーバーに配置するかどうかを制御できます。レポートサーバー上の保存先を参照して共有データセットを選択し、レポートに追加することはできません。

レポートビルダーでは、次の操作を実行できます。

共有データセットを作成するには、共有データセットのデザインビューを使用します。それをレポートサーバーまたは SharePoint サイトに保存することによって、他のレポートと共有することができます。レポートサーバー上の保存先を参照して既存のデータセットを選択し、編集することもできます。このビューでは、クエリを作成してすべてのデータセットオプションを設定できます。詳細については、「共有データセットデザインビュー (レポートビルダー)」を参照してください。
レポートに共有データセットを追加するには、レポートデザインビューでレポートビルダーを開きます。ウィザードかレポートデータペインから、レポートサーバーを参照し、共有データセットを選択してレポートに追加します。このビューでは、フィールドを追加する以外に、クエリは変更できません。他のデータオプションをオーバーライドし、フィルターを追加することはできます。フィルターは削除できません。

次の表には、レポートサーバー上の共有データセットの定義とレポート定義内の共有データセットのインスタンスで構成できるプロパティを比較しています。

プロパティ	定義の構成に関する注意事項	インスタンスの構成に関する注意事項
クエリテキスト	クエリを構成する (クエリを式として定義するなど)	クエリの変更は不可
クエリパラメーター	レポートパラメーターの参照は不可既定値を含む読み取り専用フラグを含む	定義で読み取り専用とマークされていないパラメーターを構成する
フィルター	フィルターを定義する	定義の一部を構成するデータセットフィルターの表示または変更は不可追加フィルターの作成は可能
Data Source	共有データソースである必要がある	データソースの変更は不可
フィールド	クエリコマンドのフィールドデータセット定義の一部を構成しない計算フィールド	フィールドの表示 (変更は不可) フィールドコレクションは静的で、共有データセットをレポートに追加したときのクエリに基づきます。更新するには、 [データセットのプロパティ] ダイアログボックスの [フィールドの更新] をクリックします。定義内の現在のクエリから返されるコレクションが、実際のフィールドコレクションです。計算フィールドの追加
データセット	大文字と小文字の区別などのデータオプション	インスタンスのデータオプションのオーバーライド