SQL Server のインスタンスの登録 (SQL Server ユーティリティ)
SQL Server のインスタンスを既存の SQL Server ユーティリティに登録し、 SQL Serverのマネージド インスタンスとしてそのパフォーマンスおよび構成を監視します。 ユーティリティ コントロール ポイント (UCP) では、15 分ごとに、 SQL Server のマネージド インスタンスから構成情報およびパフォーマンス情報を収集します。 情報は UCP のユーティリティ管理データ ウェアハウス (UMDW) に格納されます。UMDW ファイル名は sysutility_mdw です。 SQL Server のパフォーマンス データはポリシーと比較され、リソース使用時のボトルネックおよび統合の可能性を特定するのに役立ちます。
このリリースでは、UCP および SQL Server のすべてのマネージド インスタンスが次の要件を満たしている必要があります。
SQL Server は Version 10.50 以上である必要があります。
SQL Server のインスタンスの型は データベース エンジンであることが必要です。
SQL Server ユーティリティは、単一の Windows ドメイン、または双方向の信頼関係を持つドメイン内で操作する必要があります。
SQL Server の UCP およびすべてのマネージド インスタンスの SQL Server サービス アカウントには、Active Directory 内のユーザーに対する読み取り権限が必要です。
登録するSQL Server インスタンスをSQL Azureすることはできません。
このリリースでは、UCP が次の要件を満たしている必要があります。
SQL Server のインスタンスはサポートされているエディションである必要があります。 SQL Serverのエディションでサポートされている機能の一覧については、「SQL Server 2014 のエディションでサポートされる機能」を参照してください。
UCP は SQL Server の大文字と小文字が区別されるインスタンスでホストすることをお勧めします。
UCP コンピューター上のキャパシティ プランニングについては、次の推奨事項を考慮してください。
一般的なシナリオでは、UCP の UMDW データベース (sysutility_mdw) で使用されるディスク領域は、SQL Server のマネージド インスタンス 1 つにつき年間約 2 GB です。 この推定値は、マネージド インスタンスによって収集されるデータベース オブジェクトおよびシステム オブジェクトの数に応じて変化します。 UMDW (sysutility_mdw) のディスク領域の増加率は、最初の 2 日間で最大になります。
一般的なシナリオでは、UCP の msdb に使用されるディスク領域は、 SQL Serverのマネージド インスタンス 1 つにつき約 20 MB です。 この推定値は、リソース使用率のポリシーと、マネージド インスタンスによって収集されるデータベース オブジェクトおよびシステム オブジェクトの数に応じて変化します。 一般に、ポリシー違反の数が増加したり、変化しやすいリソースの移動期間が長くなるにつれて、使用されるディスク領域が増加します。
UCP からマネージド インスタンスを削除しても、マネージド インスタンスのデータ保持期間の有効期限が切れるまでは、UCP のデータベースで使用されているディスク領域は縮小されません。
このリリースでは、SQL Server のすべてのマネージド インスタンスが次の要件を満たしている必要があります。
UCP をホストする SQL Serverインスタンスが大文字と小文字を区別しない場合は、SQL Server のマネージド インスタンスでも大文字と小文字を区別しないことをお勧めします。
FILESTREAM データは、 SQL Server ユーティリティの監視機能ではサポートされていません。
詳細については、「SQL Server 2014 のエディションでサポートされるSQL Serverおよび機能の最大容量の仕様」を参照してください。
SQL Server ユーティリティの概念の詳細については、「 SQL Server ユーティリティの機能とタスク」を参照してください。
重要
SQL Server ユーティリティ コレクション セットは、 SQL Server ユーティリティ以外のコレクション セットとサイド バイ サイドで実行できます。 つまり、 SQL Server のマネージド インスタンスは、 SQL Server ユーティリティのメンバーであれば、他のコレクション セットによって監視できます。 ただし、マネージド インスタンスのすべてのコレクション セットは、そのデータをユーティリティ管理データ ウェアハウスにアップロードすることに注意してください。 詳細については、「SQL Serverの同じインスタンスでユーティリティ コレクション セットとユーティリティ 以外のコレクション セットを実行する際の考慮事項」および「ユーティリティ コントロール ポイントのData Warehouseの構成 (SQL Server ユーティリティ)」を参照してください。
ウィザードの手順
次のセクションでは、ウィザードのワークフローの各ページについて詳しく説明します。 リンクをクリックすると、ウィザードのページの詳細に移動できます。 この操作を実行する PowerShell スクリプトの詳細については、PowerShell の 例を参照してください。
インスタンスの登録ウィザードの概要
このウィザードを起動するには、ユーティリティ エクスプローラーのツリーでユーティリティ コントロール ポイントを展開し、 [マネージド インスタンス] ノードを右クリックして、 [マネージド インスタンスの追加] をクリックします。
続行するには、 [次へ] をクリックします。
SQL Server インスタンスの指定
接続ダイアログ ボックスで SQL Server のインスタンスを選択するには、 [接続] をクリックします。ComputerName\InstanceName の形式でコンピューター名と SQL Server インスタンス名を指定します。 詳細については、「 サーバーへの接続 (データベース エンジン)」を参照してください。
続行するには、 [次へ] をクリックします。
接続ダイアログ
[サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、サーバーの種類、コンピューター名、および SQL Server インスタンス名の情報を確認します。 詳細については、「 サーバーへの接続 (データベース エンジン)」を参照してください。
注意
接続が暗号化されている場合、暗号化された接続が使用されます。 接続が暗号化されていない場合、 SQL Server ユーティリティは暗号化された接続を使用して再接続します。
続行するには、 [接続] をクリックします。
ユーティリティ コレクション セットのアカウント
SQL Server ユーティリティ コレクション セットを実行する Windows ドメイン アカウントを指定します。 このアカウントは、 SQL Server ユーティリティ コレクション セットの SQL Server エージェント プロキシ アカウントとして使用されます。 また、既存の SQL Server エージェント サービス アカウントを使用することもできます。 検証の要件を満たすには、次のガイドラインに従ってアカウントを指定します。
SQL Server エージェント サービス アカウントのオプションを指定する場合は、次のガイドラインに従います。
- SQL Server エージェント サービス アカウントには、ビルトイン アカウント (LocalSystem、NetworkService、LocalService など) ではなく、Windows ドメイン アカウントを指定する必要があります。
続行するには、 [次へ] をクリックします。
SQL Server インスタンスの検証
このリリースでは、 SQL Server ユーティリティに登録する SQL Server インスタンスで、次の条件が満たされている必要があります:
条件 | 修正措置 |
---|---|
指定された SQL Server インスタンスと UCP に対する管理者特権が必要です。 | 指定された SQL Server インスタンス、および UCP の管理者特権を持つアカウントでログオンします。 |
SQL Server のエディションでインスタンスの登録がサポートされている必要があります。 | SQL Serverのエディションでサポートされている機能の一覧については、「SQL Server 2014 のエディションでサポートされる機能」を参照してください。 |
SQL Server UCP で TCP/IP が有効になっている必要があります。 | SQL Server UCP で TCP/IP を有効にします。 |
別の SQL Server UCP で登録されている SQL Server インスタンスは使用できません。 | 指定した SQL Server のインスタンスが既存の SQL Server ユーティリティの一部として既に管理されている場合、そのインスタンスを別の UCP に登録することはできません。 |
既に UCP である SQL Server インスタンスは使用できません。 | 指定した SQL Server のインスタンスが、接続先の UCP とは別の UCP の場合、インスタンスをこの UCP に登録することはできません。 |
SQL Server インスタンスに SQL Server ユーティリティ コレクション セットがインストールされている必要があります。 | SQL Serverのインスタンスを再インストールします。 |
指定された SQL Server インスタンスのコレクション セットを停止する必要があります。 | 指定された SQL Serverインスタンスの既存のコレクション セットを停止します。 データ コレクターが無効になっている場合は、それを有効にして、実行中のコレクション セットを停止し、UCP の作成操作に対して検証規則を再実行します。 データ コレクターを有効にするには : オブジェクト エクスプローラーで、 [管理] ノードを展開します。 [データ コレクション] を右クリックし、 [データ コレクションの有効化] をクリックします。 コレクション セットを停止するには : オブジェクト エクスプローラーで、[管理] ノード、 [データ コレクション] 、 [システム データ コレクション セット] の順に展開します。 停止するコレクション セットを右クリックして [データ コレクション セットの停止] をクリックします。 メッセージ ボックスにはこのアクションの結果が表示され、コレクション セットのアイコンに赤い丸が付いている場合は、コレクション セットが停止していることを示します。 |
指定した SQL Server インスタンスで SQL Server エージェント サービスを開始する必要があります。 | 指定した SQL Server インスタンスで SQL Serverエージェント サービスを開始します。 指定した SQL Server インスタンスが SQL Server フェールオーバー クラスターのインスタンスである場合は、 SQL Server エージェント サービスを手動で開始するように構成します。 それ以外の場合は、 SQL Server エージェント サービスが自動的に開始されるように構成します。 |
UCP の SQL Server エージェント サービスを開始する必要があります。 | UCP の SQL Server エージェント サービスを開始します。 SQL Server UCP が SQL Server フェールオーバー クラスターのインスタンスである場合は、 SQL Server エージェント サービスを手動で開始するように構成します。 それ以外の場合は、 SQL Server エージェント サービスが自動的に開始されるように構成します。 |
WMI が正しく構成されている必要があります。 | WMI の構成をトラブルシューティングするには、「 SQL Server ユーティリティのトラブルシューティング」を参照してください。 |
SQL Server エージェント プロキシ アカウントは、UCP の有効な Windows ドメイン アカウントである必要があります。 | 有効な Windows ドメイン アカウントを指定します。 アカウントが有効であることを確認するには、Windows ドメイン アカウントを使用して UCP にログオンします。 |
プロキシ アカウント オプションを選択した場合、 SQL Server エージェント プロキシ アカウントは、指定した SQL Serverインスタンスの有効な Windows ドメイン アカウントである必要があります。 | 有効な Windows ドメイン アカウントを指定します。 アカウントが有効であることを確認するには、Windows ドメイン アカウントを使用して、指定した SQL Server のインスタンスにログオンします。 |
SQL Server エージェント サービス アカウントをビルトイン アカウント (Network Service など) にすることはできません。 | アカウントを Windows ドメイン ユーザー アカウントに再割り当てします。 アカウントが有効であることを確認するには、Windows ドメイン アカウントを使用して、指定した SQL Server のインスタンスにログオンします。 |
SQL Server エージェント サービス アカウントは、UCP の有効な Windows ドメイン アカウントである必要があります。 | 有効な Windows ドメイン アカウントを指定します。 アカウントが有効であることを確認するには、Windows ドメイン アカウントを使用して UCP にログオンします。 |
サービス アカウント オプションを選択した場合、 SQL Server エージェント サービス アカウントは、指定した SQL Serverインスタンスの有効な Windows ドメイン アカウントである必要があります。 | 有効な Windows ドメイン アカウントを指定します。 アカウントが有効であることを確認するには、Windows ドメイン アカウントを使用して、指定した SQL Server のインスタンスにログオンします。 |
検証結果に失敗した条件が示されている場合は、支障をきたす問題を解決した後、 [検証の再実行] をクリックして、コンピューターの構成を確認します。
検証レポートを保存するには、 [レポートの保存] をクリックし、ファイルの場所を指定します。
続行するには、 [次へ] をクリックします。
インスタンス登録の概要
概要ページには、 SQL Server ユーティリティに追加する SQL Server インスタンスの情報が表示されます。
マネージド インスタンスの設定は次のとおりです。
SQL Server のインスタンス名:ComputerName\InstanceName
ユーティリティ コレクション セットのアカウント:DomainName\UserName
続行するには、 [次へ] をクリックします。
SQL Server インスタンスの登録
登録ページでは、次のように、処理の進行状況が表示されます。
インスタンスを登録する準備をしています。
収集されたデータのキャッシュ ディレクトリを作成しています。
ユーティリティ コレクション セットを構成しています。
登録処理に関するレポートを保存するには、 [レポートの保存] をクリックし、ファイルの場所を指定します。
ウィザードを完了するには、 [完了] をクリックします。
注意
登録する SQL Server のインスタンスに SQL Server 認証を使用して接続し、UCP があるドメインとは異なる Active Directory ドメインに属するプロキシ アカウントを指定した場合、インスタンスの検証には成功しますが、次のエラー メッセージが表示されて登録処理に失敗します。
Transact-SQL ステートメントまたはバッチの実行中に例外が発生しました。 (Microsoft.SqlServer.ConnectionInfo)
追加情報: Windows NT グループ/ユーザー '<DomainName\AccountName>' に関する情報を取得できませんでした。エラー コード0x5。 (Microsoft SQL Server、エラー:15404)
このエラーのトラブルシューティングの詳細については、「 SQL Server ユーティリティのトラブルシューティング」を参照してください。
重要
SQL Server のマネージド インスタンス上の "ユーティリティ情報" コレクション セットのプロパティは一切変更しないでください。また、データ コレクションはユーティリティ エージェント ジョブによって制御されるため、データ コレクションのオン/オフを手動で切り替えることも避けてください。
インスタンスの登録ウィザードが完了したら、SSMS の ユーティリティ エクスプローラーのナビゲーション ウィンドウで、 [マネージド インスタンス] ノードをクリックします。 登録済みの SQL Server インスタンスは、 ユーティリティ エクスプローラー のコンテンツ ウィンドウのリスト ビューに表示されます。
データ収集プロセスはすぐに開始されますが、ユーティリティ エクスプローラーのコンテンツ ウィンドウ内のダッシュボードとビューポイントに最初に表示されるまで最大 30 分かかる場合があります。 データの収集は 15 分間隔で続行されます。 データを更新するには、 ユーティリティ エクスプローラーのナビゲーション ウィンドウで [マネージド インスタンス] ノードを右クリックして [更新] をクリックするか、リスト ビューで SQL Server インスタンス名を右クリックして [更新] をクリックします。
SQL Server ユーティリティからマネージド インスタンスを削除するには、 ユーティリティ エクスプローラーのナビゲーション ウィンドウで [マネージド インスタンス] を選択してマネージド インスタンスのリスト ビューを設定し、 SQL Server ユーティリティ エクスプローラーのコンテンツ ウィンドウのリスト ビューで インスタンス名を右クリックして、 [マネージド インスタンスを削除] を選択します。
PowerShell を使用した SQL Server インスタンスの登録
次の例を使用して、 SQL Server インスタンスを既存の SQL Server ユーティリティに登録します:
$UtilityInstance = new-object -Type Microsoft.SqlServer.Management.Smo.Server "ComputerName\UCP-Name";
$SqlStoreConnection = new-object -Type Microsoft.SqlServer.Management.Sdk.Sfc.SqlStoreConnection $UtilityInstance.ConnectionContext.SqlConnectionObject;
$Utility = [Microsoft.SqlServer.Management.Utility.Utility]::Connect($SqlStoreConnection);
$Instance = new-object -Type Microsoft.SqlServer.Management.Smo.Server "ComputerName\ManagedInstanceName";
$InstanceConnection = new-object -Type Microsoft.SqlServer.Management.Sdk.Sfc.SqlStoreConnection $Instance.ConnectionContext.SqlConnectionObject;
$ManagedInstance = $Utility.EnrollInstance($InstanceConnection, "ProxyAccount", "ProxyPassword");
参照
SQL Server ユーティリティの機能とタスク
SQL Server ユーティリティでの SQL Server のインスタンスの監視
SQL Server ユーティリティのトラブルシューティング