データベース ミラーリング監視サーバー
自動フェールオーバーをサポートするには、データベース ミラーリング セッションが高い安全性モードで構成されている必要があります。また、このセッションに 監視サーバーと呼ばれる 3 番目のサーバー インスタンスを配置する必要もあります。 ミラーリング監視サーバーは、必要に応じて配置できる SQL Server のインスタンスです。ミラーリング監視サーバーを使用することにより、高い安全性モードのセッションのミラー サーバーが、自動フェールオーバーを開始するかどうかを決定できるようになります。 2 つのパートナーとは異なり、ミラーリング監視サーバーではデータベースの操作は行いません。 ミラーリング監視サーバーの唯一の役割は、自動フェールオーバーをサポートすることです。
注意
高パフォーマンス モードでは、ミラーリング監視サーバーによって可用性が低下する可能性があります。 データベース ミラーリング セッションでミラーリング監視サーバーを構成すると、プリンシパル サーバーは他のサーバー インスタンスの少なくとも 1 つに接続している必要があります。つまり、ミラー サーバーおよびミラーリング監視サーバーの両方またはいずれか一方と接続している必要があります。 どちらにも接続していないとデータベースが使用できなくなり、サービスの強制はできません (データが失われる損失の可能性あります)。 したがって、高パフォーマンス モードでは、ミラーリング監視サーバーを常に無効に設定しておくことを強くお勧めします。 高パフォーマンス モードに対するミラーリング監視サーバーの影響については、「 データベース ミラーリングの動作モード」を参照してください。
次の図は、ミラーリング監視サーバーを使用した高い安全性モード セッションを示しています。
このトピックの内容
複数のセッションでのミラーリング監視サーバーの使用
特定のサーバー インスタンスは、それぞれ異なるデータベースに対応している同時実行データベース ミラーリング セッションで、ミラーリング監視サーバーとして機能することができます。 セッションが異なれば、異なるパートナーを含めることができます。 次の図は、ミラーリング監視サーバーが異なるパートナーを含む 2 つのデータベース ミラーリング セッションに参加しているサーバー インスタンスを示しています。
同じサーバー インスタンスを一部のセッションではミラーリング監視サーバーとして、他のセッションではパートナーとして、同時に使用することも可能です。 ただし実際には、ミラーリング監視サーバーまたはパートナーのどちらかとしてサーバー インスタンスを使用するのが普通です。 これは、パートナーが運用データベースをサポートするのに十分なハードウェアを備えた高度なコンピューターを必要とするのに対し、ミラーリング監視サーバーは、SQL Server 2014 をサポートする使用可能な任意の Windows システムで実行できるためです。
ソフトウェアとハードウェアの推奨事項
ミラーリング監視サーバーは、パートナーとは別のコンピューターに常駐させることを強くお勧めします。 データベース ミラーリング パートナーは SQL Server Standard Edition および SQL Server Enterprise Edition でのみサポートされます。 一方、ミラーリング監視サーバーは、 SQL Server Workgroup および SQL Server Express でもサポートされます。 以前のバージョンの SQL Serverからアップグレードしている間を除き、ミラーリング セッション内のすべてのサーバー インスタンスでは、同じバージョンの SQL Serverを実行している必要があります。 たとえば、 SQL Server 2008 ミラーリング監視サーバーは、 SQL Server 2008 ミラーリング構成からアップグレードする場合にサポートされますが、既存または新規の SQL Server 2008 R2 以降のミラーリング構成には追加できません。
ミラーリング監視サーバーは、 SQL Serverのこれらのエディションのいずれかをサポートする任意の信頼性の高いコンピューター システムで実行できます。 ただし、実行中の SQL Server の Standard バージョンに必要な最小構成のサーバー インスタンスをミラーリング監視サーバーとして使用することをお勧めします。 これらの要件の詳細については、「SQL Server 2014 をインストールするためのハードウェアとソフトウェアの要件」を参照してください。
自動フェールオーバーでのミラーリング監視サーバーの役割
データベース ミラーリング セッションの間は、すべてのサーバー インスタンスが接続の状態を監視します。 パートナー間の相互接続が失われると、各パートナーはミラーリング監視サーバーを使用して、少なくとも 1 つのパートナーが現在データベースとして機能していることを確認します。 同期ミラー サーバーからプリンシパル サーバーへの接続が失われても、ミラーリング監視サーバーとの接続が失われていなければ、ミラー サーバーはミラーリング監視サーバーにアクセスして、ミラーリング監視サーバーとプリンシパル サーバーとの接続が失われたかどうかを判断します。
プリンシパル サーバーとミラーリング監視サーバーとの接続が失われていなければ、自動フェールオーバーは行われません。 プリンシパル サーバーは引き続きデータベースとして機能し、パートナーから再接続されるときに、その間蓄積したログ レコードをミラー サーバーに送信します。
プリンシパル サーバーからミラーリング監視サーバーへの接続も失われている場合、ミラー サーバーはプリンシパル データベースが使用できないことを認識します。 この場合、ミラー サーバーはすぐに自動フェールオーバーを開始します。
ミラー サーバーからミラーリング監視サーバーおよびプリンシパル サーバーへの接続がどちらも失われた場合、プリンシパル サーバーがどのような状態であっても、自動フェールオーバーは行えません。
この少なくとも 2 つのサーバー インスタンスが接続されていなければならない要件を、 クォーラムと呼びます。 クォーラムでは、複数のパートナーが同時にデータベースとして機能することはないことが保証されます。 クォーラムの動作およびセッションに対するクォーラムの影響については、「クォーラム: データベースの可用性にミラーリング監視サーバーが与える影響 (データベース ミラーリング)」を参照してください。
ミラーリング監視サーバーを追加または削除するには
ミラーリング監視サーバーを追加するには
ミラーリング監視サーバーを削除するには
参照
データベース ミラーリング セッション中の役割の交代 (SQL Server)
Database Mirroring Operating Modes
クォーラム: データベースの可用性にミラーリング監視サーバーが与える影響 (データベース ミラーリング)
データベース ミラーリング中に発生する可能性のあるエラー
ミラーリング状態 (SQL Server)