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基本的な MDX スクリプト (MDX)

多次元式 (MDX) スクリプトは、Microsoft SQL Server Analysis Servicesのキューブの計算プロセスを定義します。 MDX スクリプトには、以下の 2 種類があります。

既定の MDX スクリプト
キューブを作成すると、そのキューブの既定の MDX スクリプトが Analysis Services によって作成されます。 このスクリプトは、キューブ全体の計算パスを定義します。

ユーザー定義の MDX スクリプト
キューブを作成した後で、キューブの計算機能を拡張するためにユーザー定義の MDX スクリプトを追加することができます。

既定の MDX スクリプト

キューブを定義するときに Analysis Services によって作成される既定の MDX スクリプトには、1 つの CALCULATE ステートメントが含まれています。 この単一の CALCULATE ステートメントは既定の MDX スクリプトの先頭に置かれており、最初の計算パスでキューブ全体が計算されるということを示しています。

既定の MDX スクリプトには、キューブ デザイナーで作成された、名前付きセット、割り当て、および計算されるメンバーを作成するためのスクリプト コマンドも入ります。

  • Analysis Services は、既定の MDX スクリプトにスクリプト コマンドを直接追加します。

  • キューブ内の名前付きセットごとに、対応する CREATE SET ステートメントが既定の MDX スクリプトに存在します。

  • キューブに定義されている計算されるメンバーごとに、対応する CREATE MEMBER ステートメントが既定の MDX スクリプトに存在します。

既定の MDX スクリプトの中のスクリプト コマンド、名前付きセット、および計算されるメンバーの順番は、キューブ デザイナーの [計算] タブを使って制御できます。 既定の MDX スクリプトに格納されている計算の定義の詳細については、「 多次元モデルの計算」を参照してください。

関連付けられている MDX スクリプトがない場合、キューブは既定の MDX スクリプトを使用します。 キューブには最低 1 つの MDX スクリプトを関連付ける必要があります。これは、キューブが計算の動作を決定するにあたって MDX スクリプトに依存しているためです。 つまり、キューブが MDX スクリプトに関連付けられていない場合、または関連付けられている MDX が空の場合、そのキューブはセルの計算がまったくできないことになります。 Analysis Services Scripting Language (ASSL) コマンドまたは分析管理オブジェクト (AMO) のいずれかを使用してプログラム的にキューブを作成する場合は、単一の CALCULATE ステートメントが入った既定の MDX スクリプトをキューブのために作成することをお勧めします。

MDX スクリプトの内容

MDX スクリプトには以下のステートメントと式を入れることができます。

すべての MDX スクリプト ステートメント
MDX スクリプトにおいて、MDX スクリプト ステートメントは、計算のコンテキストと範囲を制御し、MDX スクリプト内の他のステートメントの動作を管理します。 このカテゴリには以下のステートメントが含まれます。

MDX スクリプト ステートメントの詳細については、「 MDX スクリプト ステートメント (MDX)」を参照してください。

CREATE MEMBER
CREATE MEMBER ステートメントは、計算されるメンバーを作成します。 計算されるメンバーを作成する方法の詳細については、「 MDX での計算メンバーの作成 (MDX)」を参照してください。

CREATE SET
CREATE SET ステートメントは名前付きセットを作成します。 名前セットを作成する方法の詳細については、「 MDX での名前付きセットの作成 (MDX)」を参照してください。

条件付きステートメント
条件ステートメントは、MDX スクリプトに条件ロジックを追加します。 このカテゴリには CASE および IF ステートメントが含まれます。

代入式
代入式は、制約されたサブキューブに式 (値など) を代入します。 制約されたサブキューブ式は、MDX スクリプト内でサブキューブの "境界" を定義する、制約されたセット式の集合です。 以下のコードに、制約されたサブキューブ式の構文を示します。

<Constrained subcube> ::= (   
    ( <Constrained set> [<Crossjoin operator> <Constrained set>...] |  
    <ROOT function> |  
    <TREE function> |  
    LEAVES() |  
    * ) [, <Constrained subcube>...]  
<Constrained set> ::=   
    <Natural hierarchy>.MEMBERS |   
    <Natural hierarchy>.LEVEL(<numeric expression>).MEMBERS |   
    { <Natural hierarchy member> } |   
    DESCENDANTS( <Natural hierarchy member>, <Level expression>, ( SELF | AFTER | SELF_AND_AFTER ) ) |   
    DESCENDANTS( <Natural hierarchy member>, , LEAVES )  
<Natural hierarchy> ::= <Hierarchy identifier>  
<Natural hierarchy member> ::= <Natural hierarchy>.<identifier>[.<identifier>...]  

参照

MDX 言語リファレンス (MDX)
MDX スクリプティングの基礎 (Analysis Services)