Windows PowerShell 2.0 エンジンの使用
Windows PowerShell は、以前のバージョンとの下位互換性を保つように設計されています。 Windows PowerShell 2.0 用に記述されたコマンドレット、プロバイダー、スナップイン、モジュール、スクリプトは、変更することなく新しいバージョンの Windows PowerShell で実行できます。 ただし、Microsoft .NET Framework 4 では、ランタイムのアクティブ化ポリシーが変更されました。 Windows PowerShell 2.0 用に記述され、共通言語ランタイム (CLR) 2.0 でコンパイルされた Windows PowerShell ホスト プログラムは、変更を加えなければ、CLR 4.0 以降でコンパイルされた新しいバージョンの Windows PowerShell で実行できません。
Windows PowerShell 2.0 エンジンは、既存のスクリプトまたはホスト プログラムが Windows PowerShell 5.1 との互換性がないために実行できない場合に限り使用することが意図されています。 この例には、古いバージョンの Exchange または SQL Server モジュールが含まれます。 そのようなケースはまれと考えられます。
Windows PowerShell 2.0 エンジンを必要とする多くのプログラムは、エンジンを自動的に起動します。 次の手順は、エンジンを手動で起動する必要のあるまれな状況のためのものです。
非推奨とセキュリティに関する考慮事項
Windows PowerShell 2.0 は、2017 年 8 月に非推奨となりました。 詳細については、PowerShell ブログのお知らせを参照してください。
Windows PowerShell 2.0 には、バージョン 3、4、および 5 で追加された強化機能とセキュリティ機能の多くがありません。 ユーザーはなるべくこれを使用しないことを強くお勧めします。 詳細については、「シェルとスクリプト言語のセキュリティの比較」および「PowerShell ♥ ブルー チーム」を参照してください。
必要なプログラムのインストールと有効化
Windows PowerShell 2.0 エンジンを起動する前に、Windows PowerShell 2.0 エンジンと Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1 を有効にします。 方法については、「Windows PowerShell のインストール」をご覧ください。
Windows Management Framework 3.0 以降がインストールされているシステムには、すべての必要なコンポーネントが揃っています。 これ以上の構成は必要ありません。 Windows Management Framework のインストールについては、WMF のインストールと構成に関するページを参照してください。
Windows PowerShell 2.0 エンジンを起動する方法
Windows PowerShell を起動すると、既定で最新バージョンが起動します。 Windows PowerShell 2.0 エンジンで Windows PowerShell を起動するには、PowerShell.exe
の Version パラメーターを使用します。 コマンドは、Windows PowerShell と Cmd.exe を含む任意のコマンド プロンプトで実行できます。
PowerShell.exe -Version 2
Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用してリモート セッションを開始する方法
リモート セッションで Windows PowerShell 2.0 エンジンを実行するには、Windows PowerShell 2.0 エンジンを読み込むリモート コンピューターでセッション構成 ("エンドポイント" とも呼ばれる) を作成します。 セッション構成は、リモート コンピューターに保存され、許可されているユーザーは誰でもそれを使って Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用するセッションを作成できます。
これは、通常システム管理者によって実行される高度なタスクです。
次の手順では、Register-PSSessionConfiguration コマンドレットの PSVersion パラメーターを使用して、Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用するセッション構成を作成します。 New-PSSessionConfigurationFile コマンドレットの PowerShellVersion パラメーターを使用して、Windows PowerShell 2.0 エンジンを読み込むセッションのセッション構成ファイルを作成することも、Set-PSSessionConfiguration パラメーターの PSVersion パラメーターを使用して、Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用するようにセッション構成を変更することもできます。
セッション構成ファイルの詳細については、「about_Session_Configuration_Files」を参照してください。 セットアップとセキュリティを含むセッション構成の詳細については、「about_Session_Configurations」を参照してください。
リモートの Windows PowerShell 2.0 セッションを開始するには
Windows PowerShell 2.0 エンジンを必要とするセッション構成を作成するには、PSVersion パラメーターに値
2.0
を指定してRegister-PSSessionConfiguration
コマンドレットを使用します。 接続の "サーバー側" (受信側) にあるコンピューターでこのコマンドを実行します。次のサンプル コマンドは、Server01 コンピューター上に PS2 セッション構成を作成します。 このコマンドを実行するには、 [管理者として実行] オプションを使用して Windows PowerShell を起動します。
Register-PSSessionConfiguration -Name PS2 -PSVersion 2.0
PS2 セッション構成を使用する Server01 コンピューターでセッションを作成するには、リモート セッションを作成するコマンドレット (`New-PSSession` コマンドレットなど) の ConfigurationName パラメーターを使用します。
セッション構成を使用するセッションを開始すると、Windows PowerShell 2.0 エンジンが自動的にセッションに読み込まれます。
次のコマンドは、PS2 セッション構成を使用する Server01 コンピューターでセッションを開始します。 このコマンドでは、セッションが
$s
変数に保存されます。$s = New-PSSession -ComputerName Server01 -ConfigurationName PS2
Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用してバックグラウンド ジョブを開始する方法
Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用してバックグラウンド ジョブを開始するには、Start-Job コマンドレットの PSVersion パラメーターを使用します。
次のコマンドは、Windows PowerShell 2.0 エンジンを使用してバックグラウンド ジョブを開始します。
Start-Job {Get-Process} -PSVersion 2.0
バックグラウンド ジョブの詳細については、「about_Jobs」を参照してください。