モビリティの要件の定義
トピックの最終更新日: 2012-10-09
Lync Server 2010 モビリティ機能の計画フェーズでは、展開手順を決めるためにいくつかの決定を行う必要があります。
以下の点について決定する必要があります。
Lync モバイル クライアントで、自動検出を使用しますか。
自動検出をサポートする場合は、内部および外部ドメイン ネーム システム (DNS) レコードを新しく作成し、サブジェクトの別名を、フロントエンド サーバー、ディレクター、およびリバース プロキシの証明書に追加し、さらにリバース プロキシで新しい Web 公開ルールを作成する必要があります。詳細については、「モビリティの技術要件」を参照してください。自動検出を使用すると、ユーザーは、モバイル デバイス設定に URL を入力しなくても、企業ネットワーク内外のどこからでも自動的に Lync Server Web サービスを見つけることができます。
自動検出の代わりに手動設定を使用する場合、モバイル ユーザーはモバイル デバイスに以下の URL を手動で入力する必要があります。
https://<ExtPoolFQDN>/Autodiscover/autodiscoverservice.svc/Root for external access
https://<IntPoolFQDN>/AutoDiscover/AutoDiscover.svc/Root for internal access
自動検出を使用することを強くお勧めします。手動設定を使用するのは、主にトラブルシューティングを行う場合です。
自動検出のサポートを決めた場合は、SIP ドメインごとにサブジェクトの別名でリバース プロキシ上の証明書を更新しますか。
SIP ドメインが多い場合、リバース プロキシ上のパブリック証明書の更新は非常に高コストになる可能性があります。この場合には、最初の自動検出サービス要求がポート 443 で HTTPS を使用する代わりにポート 80 で HTTP を使用するような自動検出の実装を選択できます。この方法は、推奨の方法ではありません。この方法を選択した場合は、リバース プロキシ上の証明書を更新する必要はありませんが、ポート 80 の HTTP に対応する Web 公開ルールを作成する必要があります。詳細については、「モビリティの技術要件」と「自動検出サービスの要件」を参照してください。
企業ネットワークの内外で Lync モバイル クライアントをサポートしますか。または企業ネットワークの内部のみでクライアントをサポートしますか。
企業ネットワークの内外でモバイル クライアントをサポートする場合は、モバイル デバイスはどの場所からでもモビリティ機能にアクセスできます。既定の構成は、企業ネットワークの内外でクライアントをサポートするようになっています
既定の構成では、モバイル クライアントのトラフィックが外部サイトを経由することを許可していますが、モバイル クライアントのトラフィックを内部企業ネットワークに制限することができます。トラフィックを内部ネットワークに制限すると、モバイル デバイスが企業ネットワーク内に存在する場合に限り、ユーザーはそのモバイル デバイス上で Lync モバイル アプリケーションを使用できます。この構成をサポートするには、Set-CsMcxConfiguration コマンドレットを実行する必要があります。さらに、Cookie ベースの永続性を実現するために、フロントエンド サーバーおよびディレクター ハードウェア ロード バランサーで、内部 Web サービスの仮想 IP (VIP) を設定する必要があります。ハードウェア ロード バランサーの要件の詳細については、「負荷分散の要件」を参照してください。Set-CsMcxConfiguration を使用してモバイル クライアントのトラフィックを内部ネットワークに制限する方法の詳細については、「Mobility Service と自動検出サービスのインストール」を参照してください。
Apple iOS デバイスと Windows Phone でプッシュ通知をサポートしますか。
プッシュ通知をサポートすると、サポートされている Apple iOS デバイスと Windows Phone は、モバイル アプリケーションが非アクティブな場合に発生するイベントの通知を受け取ります。Lync Online データセンターにあるクラウドベースの Lync Server 2010 プッシュ通知サービスとのフェデレーション関係を維持するようにエッジ サーバーを構成し、さらにプッシュ通知を有効にするコマンドレットを実行する必要があります。
モバイル デバイス プロバイダーの 3G またはデータ ネットワークでプッシュ通知をサポートするだけでなく、Wi-Fi ネットワークでもプッシュ通知をサポートする場合は、エンタープライズ Wi-Fi ネットワークでポート 5223 を発信用としてオープンする必要があります。Wi-Fi ネットワークでプッシュ通知をサポートすると、Wi-Fi のみを使用するモバイル デバイスと室内での受信が弱いモバイル デバイスがサポートされます。
プッシュ通知をサポートしない場合は、Apple モバイル デバイスおよび Windows Phone のユーザーは、モバイル アプリケーションが非アクティブな場合に発生するインスタント メッセージの招待状、不在着信のメッセージなどのイベントに気付かなくなります。
すべてのユーザーがモビリティ機能にアクセスできるようにしますか。またはモビリティ機能にアクセスできるユーザーを指定できるようにしますか。
既定では、グローバル モビリティ ポリシーによって、すべてのユーザーがモビリティや勤務先電話からの通話機能にアクセスできます。Lync モバイル アプリケーションや勤務先電話からの通話機能を使用できるユーザーをサイト単位またはユーザー単位で定義する場合は、サイト範囲またはユーザー範囲のモビリティ ポリシーを新しく作成する必要があります。
エンタープライズ VoIP が有効になっていないユーザーが、クリックして参加を使用して会議に参加できるようにしますか。
モビリティ機能や勤務先電話からの通話機能にアクセスできるユーザーは、エンタープライズ VoIP が有効になっている必要があります。しかし、エンタープライズ VoIP が有効になっていないユーザーは、適切な音声ポリシーが割り当てられていれば、モバイル デバイスのリンクをクリックして会議に参加できます。特定の音声ポリシーをこれらのユーザーに割り当てるか、ユーザーに適用されるグローバルまたはサイト レベルのポリシーが存在することを確認できます。割り当てた音声ポリシーには、公衆交換電話網 (PSTN) 使用法レコードとユーザーが会議に参加するためにダイヤルできる領域を定義するルートが必要です。音声ポリシー、PSTN 使用法レコード、およびルートの設定の詳細については、「音声ポリシー、PSTN 使用法レコード、およびボイス ルートの構成」を参照してください。
注: クリックして参加を使用するモバイル ユーザーは、音声ポリシーと、関連する PSTN 使用法レコードおよびボイス ルートが必要です。これは、モバイル デバイス上のリンクをクリックすると、Lync Server 2010 から発信通話が行われるためです。