Set-CsPstnGateway
トピックの最終更新日: 2012-03-26
公衆交換電話網 (PSTN) ゲートウェイのプロパティを変更します。PSTN ゲートウェイは、外部の PSTN ネットワーク上のデバイスと内部のエンタープライズ VoIP ネットワーク上のデバイスとの間で通話をルーティングするのに役立ちます。
構文
Set-CsPstnGateway [-Identity <XdsGlobalRelativeIdentity>] [-AlternateByPassId <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Default <$true | $false>] [-Force <SwitchParameter>] [-GatewaySipClientTcpPort <Nullable>] [-GatewaySipClientTlsPort <Nullable>] [-MediationServer <String>] [-RepresentativeMediaIP <String>] [-Routable <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
PSTN ゲートウェイを使用すると、エンタープライズ VoIP のユーザーは、PSTN ネットワーク上のユーザーに通話を発信したり、PSTN ネットワーク上のユーザーから通話を受信したりできます。これらのゲートウェイは、仲介サーバーと PSTN ネットワークの間のブリッジとして動作します。
PSTN ゲートウェイは通常、時分割多重構内交換網 (PBX) 電話システムを使用する場合に必要になります。その場合、一般的には、エンタープライズ VoIP 通話を PSTN ネットワークにルーティングするために PSTN ゲートウェイと仲介サーバーが必要です。一方、IP-PBX システムを使用する場合は、PBX と仲介サーバーの間に直接 SIP 接続を作成して、PSTN ゲートウェイを不要にすることができます。
PSTN ゲートウェイは、インストールして構成した後、Set-CsPstnGateway コマンドレットを使用して管理できます。
このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが Set-CsPstnGateway コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Set-CsPstnGateway"}
パラメーター
パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Xds Identity |
変更する PSTN ゲートウェイのサービス ID です。次に例を示します。-Identity "PstnGateway:192.168.0.240"。 PSTN ゲートウェイを指定するときには、"PstnGatewayServer:" プレフィックスを省略できます。次に例を示します。-Identity "atl-cs-001.litwareinc.com"。 |
AlternateBypassId |
省略可能 |
Guid |
代替バイパス ID を表すグローバル一意識別子 (GUID) です。この ID は Lync Server 2010 によって自動生成され、ヘアピン コールを排除するために使用されます。この ID により、システムの構成方法に応じて、ヘアピン コールが自動的に 仲介サーバー をバイパスするように設定できます。ユーザーが個々のサブネットを定義し、すべてのサイトおよび地域と関連付ける必要はありません。 これを行うには、一般に、バイパスをグローバルに有効にしてネットワーク構成サイトと地域を使用し、使用する PSTN ゲートウェイのトランク構成のバイパスを有効にする必要があります。 ヘアピン コールは、PSTN ネットワークからの着信通話が、着信の転送または同時呼び出しを使用してそのネットワークまでルーティングして戻される場合に発生します。 |
Default |
省略可能 |
ブール値 |
True に設定すると、このゲートウェイは Office Communications Server 2007 R2 から送信される通話を処理します。1 つの仲介サーバーによって管理されるゲートウェイのコレクションには、既定のゲートウェイを 1 つだけ含めることができます。 |
GatewaySipClientTcpPort |
省略可能 |
整数 |
伝送制御プロトコル (TCP) による仲介サーバーとの通信で使用するリッスン ポートです。既定値は 5066 です。 |
GatewaySipClientTlsPort |
省略可能 |
整数 |
トランスポート層セキュリティ (TLS) プロトコルによる仲介サーバーとの通信で使用するリッスン ポートです。既定値は 5067 です。 |
MediationServer |
省略可能 |
文字列 |
PSTN ゲートウェイと関連付ける仲介サーバーのサービス ID です。次に例を示します。-MediationServer "MediationServer:atl-cs-001.litwareinc.com"。 |
RepresentativeMediaIP |
省略可能 |
文字列 |
ゲートウェイと関連付けるメディア プロセッサの IP アドレスです。プロセッサの場所が信号送信アドレスと異なることが前提です。メディア バイパスと通話受付管理 (CAC) の両方は、ゲートウェイのメディア プロセッサの場所に基づいています。既定では信号送信アドレスと同じ場所になります。2 つの場所が異なる場合 (たとえば、メディア プロセッサがリモート サイトにあり、信号発信ピアが中央サイトにある場合) は、メディア プロセッサの IP アドレスを使用して RepresentativeMediaIP を構成する必要があります。 同じサイトに複数のメディア プロセッサを展開しており、それぞれに独自の IP アドレスがある場合は、RepresentativeMediaIP プロパティの構成時にそれらの IP アドレスのいずれかを使用できます。 |
Routable |
省略可能 |
ブール値 |
True に設定すると、ゲートウェイを発信ルーティングのルートで使用できます。 |
Force |
省略可能 |
文字列 |
コマンドレットを実行するときに発生する可能性のある、すべての確認メッセージまたは致命的ではないエラー メッセージが表示されないようにします。 |
WhatIf |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
なし。Get-CsPstnGateway は、パイプライン処理された入力を受け入れません。
戻り値の種類
Set-CsPstnGateway はオブジェクトまたは値を戻しません。代わりに、Microsoft.Rtc.Management.Xds.DisplayPstnGateway オブジェクトの既存のインスタンスを変更します。
例
-------------------------- 例 1 ------------------------
Set-CsPstnGateway -Identity "PstnGateway:192.168.0.240" -Default $True
例 1 に示すコマンドでは、ゲートウェイ PstnGateway:192.168.0.240 を既定のゲートウェイに構成しています。つまり、PstnGateway:192.168.0.240 を使用して Office Communications Server 2007 R2 を発信元とする通話を処理できます。
-------------------------- 例 2 ------------------------
Get-CsService -PstnGateway | ForEach-Object {Set-CsPstnGateway -Identity $_.Identity -Routable $True}
上記のコマンドでは、組織内のすべての PSTN ゲートウェイを構成し、これらのゲートウェイをそれぞれ発信ルーティングで使用できるようにしています。これを実行するため、コマンドではまず、Get-CsService コマンドレットと PstnGateway パラメーターを使用して、現在使用中のすべての PSTN ゲートウェイのコレクションを戻します。次にこのコレクションを、ForEach-Object コマンドレットにパイプ処理します。ForEach-Object は、コレクションの各ゲートウェイに対して Set-CsPstnGateway コマンドレットを実行し、それぞれの Routable プロパティを True に設定します。