バックアップと復元の準備をする (SharePoint Foundation 2010)
適用先: SharePoint Foundation 2010
万が一、障害が発生した場合に備えて、必要なデータをバックアップして回復できるようにしておくことが重要です。環境をバックアップおよび復元する前に、この記事で説明する情報、手順、および事前対策について検討します。この記事では、バックアップおよび回復の制限事項と要件、およびバックアップしたデータを受信する共有フォルダーをネットワーク上に作成する方法について説明します。
この記事の内容
制限事項
要件
共有フォルダーの作成方法
制限事項
バックアップできる内容と復元できる内容には、いくつかの制限があります。バックアップおよび回復アーキテクチャと、バックアップ対象および復元対象の詳細については、「バックアップと復元の概要 (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。
あるバージョンで作成したバックアップを別のバージョンに復元することはできません。これを行うには、アップグレード プロセスを使用する必要があります。バックアップしたファームよりも更新レベルが低いファームに復元することはできません。更新レベルが同じかそれよりも新しいファームに復元する必要があります。アップグレード方法については、「SharePoint Foundation 2010 にアップグレードする」を参照してください。
データベースを作成または削除するタスクの実行中にバックアップを行うと、それらの変更はバックアップに含まれない可能性があります。
spbackup.xml ファイルは変更しないでください。これは SharePoint Foundation 2010 によって使用されるファイルです。このファイルを変更すると、バックアップを使用できなくなる可能性があります。
要件
データをバックアップする前に、データを格納する共有フォルダーを作成する必要があります。最良のパフォーマンスで操作するには、共有フォルダーをデータベース サーバー上に作成する必要があります。バックアップを別のサーバーにアーカイブする場合は、バックアップの完了後に、バックアップ フォルダー全体をそのサーバーにコピーします。バックアップ フォルダー内にある個々のバックアップ フォルダーではなく、バックアップ フォルダー全体をコピーおよび移動してください。
SharePoint 2010 VSS Writer サービスが適切に機能するには、Microsoft SQL Server 2008 R2、SQL Server 2008 Service Pack 1 (SP1) (累積的な更新プログラム 2 の適用済み)、および SQL Server 2005 SP3 (累積的な更新プログラム 3 の適用済み) データベース ソフトウェアで提供される SQL Server VSS Writer サービスを開始する必要があります。既定では、SharePoint 2010 VSS Writer サービスは自動的に開始されません。
バックアップを実行する前に、SharePoint 2010 Administration Service がすべてのファーム サーバー上で開始されていることを確認します。スタンドアロン インストールの場合、このサービスは既定では開始されません。
バックアップを実行するユーザー アカウントが、共有バックアップ フォルダーにアクセスする権限を持っていることを確認する必要があります。
サーバーの全体管理を使用してバックアップする場合は、データベース サーバーの SQL サービス アカウント、Timer Service アカウント、およびサーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントが、バックアップの場所に対するフル コントロールの権限を持っている必要があります。
バックアップするデータベース サーバーとファーム サーバーは互いに接続できる必要があります。
ファーム アカウントを変更した場合は、バックアップを実行する前に、バックアップ データを格納する共有フォルダーへの適切な権限を新しいアカウントに付与する必要があります。
SQL Server で透過的なデータ暗号化 (TDE) を使用している場合は、SharePoint ツールまたは SQL Server ツールのどちらかを使用して環境をバックアップしても、TDE の暗号化キーはバックアップされず、復元もされません。このキーは手動でバックアップする必要があります。復元の際も、このキーは、データを復元する前に手動で復元する必要があります。詳細については、「透過的なデータ暗号化 (TDE) について」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=196394&clcid=0x411) を参照してください。
共有フォルダーの作成方法
この手順を使用して、バックアップ データを受信および保持できる共有フォルダーをネットワーク上に作成します。この共有フォルダーは、データを復元するときにも使用できます。データのバックアップおよび回復に使用できる共有フォルダーが既にある場合、この手順を実行する必要はありません。以下の手順を実行して、Microsoft SQL Server データベース ソフトウェアを実行するコンピューター、および SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストするコンピューターから共有フォルダーにアクセスできるようにします。
サーバーの全体管理を使用してバックアップする場合に、SQL Server が同じサーバーで実行されていないときは、バックアップ フォルダーを SharePoint Foundation 2010 と同じネットワークまたはデータベース サーバーに作成する必要があります。SQL Server と SharePoint Foundation 2010 の両方が同じサーバーで実行されるスタンドアロン インストールの場合は、バックアップ フォルダーの場所としてローカル ドライブ パスを使用できます。SQL Server Management Studio を使用するなど、SQL Server を使用してデータベースを直接バックアップする場合は、ローカルまたはネットワーク上のどちらかにバックアップ フォルダーを作成できます。最良のパフォーマンスで操作するには、データベース サーバー上のローカル フォルダーにバックアップしてから、そのバックアップ ファイルをネットワーク フォルダーにコピーまたは移動することをお勧めします。
共有フォルダーを作成するには
この手順を実行するユーザー アカウントが、共有フォルダーを作成するコンピューターの Administrators グループのメンバーであることを確認します。
SQL Server を実行しているコンピューター以外のコンピューターに共有フォルダーを作成する場合は、SQL Server (MSSQLSERVER) のサービス アカウントがドメイン ユーザー アカウントを使用していること、およびそのサービス アカウントが共有フォルダーに対するフル コントロールの権限を持っていることを確認してください。
バックアップ データを保存するサーバーで、共有フォルダーを作成します。
[プロパティ] ダイアログ ボックスの [共有] タブで、[共有] をクリックします。次に、[ファイルに共有] ダイアログ ボックスで、次のアカウントを追加して共同所有者の役割を割り当てます。
SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)
SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント
SharePoint 2010 Timer Service アカウント (SharePoint Foundation 2010 を使用してバックアップする場合)