デモ : 組み込みツールによるファームとサイト コレクションのバックアップおよび復元
Microsoft Office SharePoint Server 2007 は、いくつかのツールを使用してバックアップできます。このデモでは、組み込みツールである stsadm コマンドライン ツールとサーバーの全体管理の [バックアップの実行] ページについて説明します。
Office SharePoint Server 2007 をバックアップする前に、いくつかの概念を理解しておく必要があります。
2 種類の組み込みツールの相違点
各ツールでバックアップできるファイル
各ツールを使用したときにバックアップの場所に作成されるファイルとフォルダ
作成されたファイルおよびフォルダと、バックアップ履歴として提供される情報の関係
このビデオ デモで説明されている手順を実行するには、バックアップ ファイルを保存するバックアップの場所を作成しておく必要があります。バックアップ場所の作成の詳細については、「組み込みツールを使用して Web アプリケーションをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server 2007)」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc263097.aspx) を参照してください。
デモの再生中にメモを取る必要はありません。デモの再生が終わったら、この記事を印刷してください。この記事には、デモで説明した情報がまとめられています。
概要
これらの組み込みツールを使用して実行できるタスクの多くは同じですが、すべて同じというわけではありません。必要に応じて適切なツールを選択できるように、把握しておく必要のある主な違いを次の表に示します。
2 つのバックアップ手段の相違点
タスク | サーバーの全体管理の [バックアップの実行] ページ | Stsadm コマンドライン ツール |
---|---|---|
サーバー ファーム全体のバックアップ |
可 |
可 |
Web アプリケーションのバックアップ |
可 |
可 |
SSP のバックアップ |
可 |
可 |
個別のサイト コレクションのバックアップ |
不可 |
可 |
コンテンツ データベースのバックアップ |
可 |
可 |
バックアップのスケジュール |
不可 |
可 (Windows タスク スケジューラと併用する場合) |
組み込みツールを使用してバックアップできないアイテムは、次のとおりです。
次の構成の変更
インターネット インフォメーション サービス (IIS) の次の設定
ホスト ヘッダー
専用 IP アドレス
SSL (Secure Sockets Layer) 証明書
代替アクセス マッピング
inetpub ディレクトリ
次のカスタマイズ
ワークフロー定義
通知
プロパティ
バックアップできないアイテムの詳細については、「Office SharePoint Server のデータの保護と回復 (ホワイト ペーパー)」を参照してください。
完全および差分バックアップ
完全バックアップでは、指定したすべてのデータがバックアップされます。一方、差分バックアップでは、前回の完全バックアップ以降に変更されたデータだけがバックアップされます。完全バックアップには差分バックアップよりも多くの時間とディスク容量が必要なので、完全バックアップよりも差分バックアップの回数を多くする必要があります。次のような場合は、完全バックアップを実行することをお勧めします。
まだバックアップを作成していない。
これからサービス パックまたは更新プログラムをインストールする。
サービス パックまたは更新プログラムを直前にインストールした。
新しい Web アプリケーションまたはコンテンツ データベースをファームに追加した。新しい Web アプリケーションを作成した場合、その Web アプリケーションまたはサーバー ファーム全体の差分バックアップを行うには、完全バックアップを実行しておく必要があります。
これからファーム内の別のサーバーにインデックス サーバーの役割を再割り当てする。
その他の情報
stsadm コマンドライン ツールを使用すると、サーバー ファーム内の任意のサイト コレクションをバックアップしたり、Web アプリケーション内のすべてのサイト コレクションをバックアップしたりできます。その場合、指定したサイト コレクションまたは Web アプリケーション内のすべての SharePoint サイトがバックアップされます。Web アプリケーション全体をバックアップするよりも、個別のサイト コレクションをバックアップする方がサーバー ファームに対する負荷は大きくなるため、個別のサイト コレクションのバックアップはやむを得ない場合にのみ行うようにしてください。
構成データベースと全体管理データベースのバックアップの復元はサポートされていません。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 948725「および Windows SharePoint Services 3.0 SharePoint Server 2007 で、組み込みのバックアップと復元機能を使用して、構成データベースの復元がサポートされていません」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117755&clcid=0x411) を参照してください。このような理由から、全体管理で行ったすべての構成設定を文書化することをお勧めします。
バックアップの作成にどの組み込みツールを使用した場合も、各バックアップに関する情報は spbrtoc.xml ファイルに格納されます。このファイルは XML ファイルなので、編集を考えるユーザーもいる可能性がありますが、お勧めしません。編集した内容に間違いがあると、一部またはすべての既存のバックアップが使用できなくなる可能性があります。このファイルを直接編集する代わりに、サポート技術情報の記事 941330 で説明されている手順に従って、不要になったエントリをバックアップ履歴から削除することをお勧めします。
関連項目
概念
組み込みツールを使用してファームをバックアップする (Office SharePoint Server 2007)
ファーム全体のバックアップおよび復元 (SharePoint Server 2007)
Backup : Stsadm 操作 (Office SharePoint Server)