サイト作成のプロセスを計画する (Windows SharePoint Services)
この記事の内容 :
サイトを作成できるユーザーとサイトの作成方法を決定する
Self-Service Site の管理の計画
カスタム サイト作成プロセスの計画
ワークシート
組織によっては、サイトを作成できるユーザーやサイトの作成タイミングを厳密に制御する必要がある場合があります。ユーザーに対して、必要に応じてサイトのアクセスおよび作成を許可する場合もあります。この記事は、組織に適したサイト作成プロセスの種類と、そのプロセスを実装するために使用する方法を決定するのに役立ちます。
サイトを作成できるユーザーとサイトの作成方法を決定する
既定では、新しいサイト コレクション (および新しいトップレベル Web サイト) は、サーバーの全体管理を使用してのみ作成できます。つまり、ファーム管理者グループのメンバのみが作成できます。少数の人だけがトップレベル サイトを追加できるようにして、環境を厳しく制御および管理する必要がある組織には、この動作が適しています。ただし、以下のいずれかの要件がある場合は、既定のトップレベル サイト作成方法が適していないことがあります。
ユーザーに対して、非公式の一時的なトップレベル サイトの作成 (短期プロジェクト用など) を許可する場合。
チーム、グループ、またはコミュニティがやり取りするための、非公式の場所を作成する場合。
トップレベル サイトを (内部または外部で) ホストしており、トップレベル サイトの要求および受信を行うための、できるだけ迅速で低コストのプロセスが必要な場合。
環境への制御をある程度維持しながら、ユーザーが各自のサイトを作成できるようにするには、いくつかの方法があります。以下のいずれの方法が組織に最適か検討してください。
Self-Service Site の管理 サーバーの全体管理で Self-Service Site の管理を有効にすると、ユーザーが特定の Web アプリケーション内で /sites パス (または指定したその他のパス) の下にサイト コレクションを作成できます。この方法が最も適しているのは、グループまたはコミュニティがサイトを作成できるようにする場合です。また、サイトをホストしていて、ユーザーが複雑なプロセスを待たずにサイトを作成できるようにする場合にも適しています。Self-Service Site の管理のサインアップ ページは、課金システムと統合したり、作成時にサイトに関するカスタム メタデータを追跡するために必要なすべての情報を含むページにカスタマイズまたは置換したりすることができます。この方法は、多数のユーザーが複数のサイトにアクセスする必要がある場合には適していません。Self-Service Site の管理では権限がそれぞれ異なるサイト コレクションが作成されるため、ユーザーを別のサイト コレクションに一意に追加する必要があります。代わりにサブサイトを使用すると、サイト コレクションの親サイトからユーザーを継承できます。また、Windows SharePoint Services 3.0 の場合、検索は特定のサイト コレクション内で動作します。したがって、ユーザーが複数のサイト間でコンテンツを検索できるようにする場合は、それらのサイトをサイト コレクション内のサブサイトに含めます。
既存のサイトのサブサイト ユーザーが新しいサイト コレクションやトップ レベル サイトではなく既存サイトのサブサイトを作成するように制限します。既存のサイトに対してフル コントロールまたは階層管理者のアクセス許可レベルを持つユーザーは、サブサイトを作成できます。サイト コレクションの数は引き続き管理されるので、これは最も制限された方法です。サイトは常に他のサイトのサブサイトです。そのため、数が少なければ、それらの整理は簡単です。また、組織内の全員がサブサイトを必要とし、サイト コレクションの階層内の異なるレベルにそれぞれサブサイトを作成した場合、サイト コレクションはすぐに操作しにくくなり、整理および参照するのが非常に困難になります。
注意
この機能をユーザーに対して許可しない場合は、サイト コレクション レベルまたは Web アプリケーション レベルで、フル コントロールまたは階層管理者のアクセス許可レベルから、サブサイトの作成権限を削除します。
注意
これらの方法のどちらを使用しても、コンテンツ データベース内で各サイトが占める容量は制御できません。サイトのサイズを制御するには、クォータを使用し、サイト コレクションに対してサイズ制限を設定する必要があります。サブサイトに対して個々のサイズ制限を設定することはできません。詳細については、「サイトのメンテナンスおよび管理を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
Self-Service Site の管理の計画
Self-Service Site の管理を使用すると、ユーザーが独自のトップレベル Web サイトを自動的に作成および管理できるようになります。Web アプリケーションで [Self-Service Site の管理] をオンにすると、ユーザーは特定のパス (既定では /sites パス) の下位に、独自のトップレベル Web サイトを作成できます。この機能をオンにすると、Web アプリケーションのルート パスにあるトップレベル サイトにお知らせが追加されるので、そのお知らせを表示する権限を持つユーザーはリンク先にジャンプすることができます。
注意
Self-Service Site の管理に /sites 以外のパスを使用する場合は、そのパスをワイルド カードを使用した管理対象パスとして追加する必要があります。詳細については、「サイトのパスを決定する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
当然のことながら、この機能は Web サーバーのセキュリティに影響を与えます。このため Self-Service Site の管理は既定で無効になっており、使用するには有効にする必要があります。Self-Service Site の管理は、一度に単一の Web アプリケーションで有効にできます。サーバー ファーム内のすべての Web アプリケーションで使用する場合は、各 Web アプリケーションについて個別に有効にする必要があります。
Self-Service Site の管理を有効にする場合は、以下の点を検討してください。
通常、代理のサイト コレクション管理者が必要になります。管理上の通知 (クォータを超えた場合の通知、使用されていない Web サイトをチェックする場合の通知など) は、管理者と代理の管理者に送られます。担当者と代理の担当者がいると、担当者が不在でも代理の担当者が必要な作業を実行できるので、これらのサイトに関する管理者の負担が軽減されます。
記憶域のクォータを定義し、それを Web アプリケーションの既定のクォータとして設定します。
コンテンツ データベースごとに許可されているサイトの数を確認します。これをクォータと組み合わせると、システム内のデータベースのサイズを制限するのに役立ちます。
使用されていない Web サイトの通知を有効にして、忘れられたサイトや価値がなくなったサイトを識別できるようにします。
Self-Service Site の管理では、既存の Web アプリケーション上に新しいトップレベル Web サイトが作成されるので、新たに作成された Web サイトは、Web アプリケーションの既定のクォータ設定、使用されていない Web サイトに関する通知設定、およびその他の管理ポリシーを自動的に継承します。
ワークシートでの作業 |
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サイト作成ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73138&clcid=0x411) を使用して、Self-Service Site の管理の使用に関する決定事項を記録してください。 |
カスタム サイト作成プロセスの計画
もちろん、ユーザー設定フォームを使用して、バックエンド請求システムと統合されたサイトを要求する独自のサイト作成プロセスを作成すれば、顧客のクレジット カードや企業のコスト センターに請求することができます。サイト作成の一部に含める必要のある複雑なシステムまたはプロセスがある場合は、カスタム アプリケーションを作成して、そこでサイト作成インターフェイスを呼び出し、その他の必要なタスクを実行してください。ただし、サイト作成ページに少数のユーザー設定フィールドを追加するだけでよい場合 (たとえば、特定のサイトを社内のどの部署が要求しているのかを追跡するだけでよい場合) は、Self-Service Site の管理を使用し、必要な情報を含むようにサインアップ ページをカスタマイズすることを検討してください。サイト定義で scsignup.aspx ページをカスタマイズすると、アプリケーション全体を開発しなくても、必要なメタデータを含めることができます。
ワークシートでの作業 |
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サイト作成ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73138&clcid=0x411) を使用して、サイト作成プロセスを計画してください。 |
カスタム アプリケーションの構築またはサイト定義でのページの編集の詳細については、Windows SharePoint Services 3.0: ソフトウェア開発キット (SDK) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=72207&clcid=0x411) を参照してください。
ワークシート
サイト作成のプロセスを計画するには、以下のワークシートを使用します。