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移行の概要と考慮事項 (Project Server 2010)

 

適用先: Project Server 2010

トピックの最終更新日: 2015-03-09

重要

Project Server 2010 のパブリック ベータ版から Project Server 2010 の製品版へのアップグレードは明示的に制限されており、サポートされていません。この制限は、一括アップグレードとデータベース接続アップグレードの両方に該当します。

Microsoft Office Project Server 2003 から Microsoft Project Server 2010 への移行は、次の 2 つの手順を実行するプロセスです。

  1. Project Server 2003 から Microsoft Office Project Server 2007 に移行する。

  2. Office Project Server 2007 から Project Server 2010 に移行する。

Project Server 2003 から Project Server 2007 に移行する

次の 2 とおりの方法のどちらかを使用して、Project Server 2003 から Office Project Server 2007 への移行を実行できます。

  • 標準の移行: 標準の移行では、Office Project Server 2007 をインストールしてから、移行ツールとして知られるユーティリティを使用して Project Server 2003 からデータを移行する必要があります。

  • 仮想移行環境 (VME: Virtual Migration Environment): これは Office Project Server 2007 SP2 を含む完全に構成可能な環境であり、Hyper-V イメージにパッケージ化されています。VME は、Project Server 2003 データの Office Project Server 2007 データ形式への移行を唯一の目的として、スタンドアロン環境として実行できます。VME により、Project Server 2003 ユーザーは、中間となる Office Project Server 2007 環境をセットアップせずに Project Server 2010 に移行できます。

Project Server 2003 から Office Project Server 2007 への移行は "移行ツール" (Microsoft Office Project Professional 2007 のインストール ディスクからインストールできます) を使用して実行します。移行ツールは、コマンド ライン ツールです。

移行アーキテクチャ図

移行ツールは、Project Server 2003 データベースからデータを読み取り、データのクリーニングと再フォーマットを実行して、Office Project Server 2007 に保存します。プロジェクト、エンタープライズ リソースなど、一部のデータは、Project Server Interface (PSI) を介して Office Project Server 2007 を実行しているコンピューターに保存されます。すべての Office Project Web Access データ、アップグレード メタデータなど、その他のデータは、直接 Office Project Server 2007 データベースに書き込まれます。

Project Server 2003 を Windows SharePoint Services 2.0 と統合していた場合は、Windows SharePoint Services 2.0 を Service Pack 2 (SP2) にアップグレードしてから、Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする必要があります。データ (案件、リスク、ドキュメント) およびプロジェクト アイテムと Windows SharePoint Services アイテム間のリンクは、両方とも移行プロセスの最後にアップグレードされます。

Project Server 2003 データベースから Office Project Server 2007 にデータを移行できるのは、Service Pack 2a (SP2a) 以降のサービス パックが適用されている場合に限られます。Project Server 2003 の最新のサービス パックは Service Pack 3 です。

注意

Windows SharePoint Services 2.0 は、Project Server 2003 のオプションのコンポーネントでした (Office Project Web Access は Windows SharePoint Services 2.0 に依存していませんでした)。ただし、Windows SharePoint Services 3.0 は Office Project Server 2007 の必須コンポーネントです (Office Project Server 2007 の Office Project Web Access は、Windows SharePoint Services 3.0 を基盤として構築されており、Office Project Server 2007 展開は、Windows SharePoint Services ファーム インフラストラクチャを基盤としています)。そのため、上図では、Office Project Server 2007 と Windows SharePoint Services 3.0 が同じサーバー上に示されています。

注意

コマンド ライン移行ツールは、ユーザー インターフェイスを持たない特別なバージョンの Office Project Professional 2007 と考えることができます。したがって、Microsoft Project Professional と移行ツールを同じコンピューター上で同時に実行することはできません。

Project Server 2003 から Office Project Server 2007 への移行に関する詳細なドキュメントについては、「Project Server 2003 から Project Server 2010 にアップグレードする」を参照してください。

Project Server 2007 から Project Server 2010 に移行する

Office Project Server 2007 から Project Server 2010 への移行は、次の 2 とおりの方法で実行できます。

  • **一括:**Office Project Server 2007 インストールが、それがインストールされているのと同じコンピューター上の Project Server 2010 にアップグレードされます。

  • **データベース接続:**Office Project Server 2007 データベースがバックアップされて、Project Server 2010 データベースをホストすることになる SQL Server が実行されているコンピューター上で復元されます。その後で、別のコンピューターにインストールされている Office Project Server 2007 が、復元された Office Project Server 2007 データベースを使用して Microsoft Project Web App インスタンスをプロビジョニングすることで、データベースをアップグレードします。

Project Server 2010 にアップグレードするために Project Server 2003 から Office Project Server 2007 に移行する場合は、上記のどちらの方法を使用してもかまいません。

データベース接続方式でのアップグレードを計画する場合

重要

Project Server 2010 への一括アップグレードを実行する予定の場合は、お使いの Office Project Server 2007 インストールが、64 ビット版の Windows Server 2008 プラットフォーム上にある必要があります。要件の詳細については、この記事の「サーバーの要件」のセクションを参照してください。一括アップグレードの詳細については、「Project Server 2010 への一括アップグレード」を参照してください。

注意

仮想移行環境が利用可能になったら、この方法でアップグレードする予定の場合は、仮想移行環境を使用して Project Server 2003 から Office Project Server 2007 に移行した後は、実行できるのが、データベース接続方式を使用した Project Server 2010 へのアップグレードのみとなる点に注意してください。

Project Server 2010 へのアップグレード方式の詳細については、「Project Server 2010 へのアップグレードの概要」を参照してください。

サーバーの要件

Project Server 2003 から Project Server 2010 へのアップグレードを予定している場合は、Project Server 2003 および Office Project Server 2007 に必要なサーバーの要件を考慮することが重要です。

Project Server 2003 と Office Project Server 2007 の大きな違いは、32 ビット版および 64 ビット版のアプリケーション ソフトウェアが使用できるかどうかです。Office Project Server 2007 では、かねてからフロントエンド Web サーバー ロールとアプリケーション サーバー ロールの両方で 64 ビット版のアプリケーションを展開することを推奨してきました。Project Server 2010 では、64 ビット版のアプリケーションしか使用できません。

Office Project Server 2007 では、64 ビット版の Microsoft SQL Server の使用は強く推奨されるものでしたが、Project Server 2010 では必須です。64 ビット版のアプリケーションには、より多くのメモリ領域をアドレス指定できるという利点があり、これにより中程度または大量のワークロードを処理する際のパフォーマンスが向上します。

Project Server 2010 をインストールするには、Microsoft SharePoint Server 2010 Enterprise Edition が必須である点に注意することも重要です。

仮想化環境の公式なサポートも、Office Project Server 2007 と Project Server 2010 の新たな利点です。

Project Server 2003 Office Project Server 2007 Project Server 2010

オペレーティング システム

Windows Server 2000 SP3 32 ビット版

Windows Server 2003 32 ビット版

Windows Server 2003 SP1 32 ビット版または 64 ビット版

Windows Server 2008 32 ビット版または 64 ビット版

Windows Server 2008 64 ビット版

Windows Server 2008 R2 64 ビット版

SharePoint 製品とテクノロジ

Windows SharePoint Services 2.0 (オプション)

Windows SharePoint Services 3.0 32 ビット版または 64 ビット版

SharePoint Server 2010 Enterprise Edition 64 ビット版

SQL Server

SQL Server 2000 SP3

SQL Server 2000 SP3

SQL Server 2005 SP3 CU6

SQL Server 2008

SQL Server 2005 SP3 CU3 64 ビット版

SQL Server 2008 SP1 CCU2 64 ビット版

仮想化

サポートされていない

サポートされている

サポートされている

仮想移行環境 (VME) を使用して Project Server 2003 から Office Project Server 2007 に移行するには、Windows Server 2008 の Hyper-V 機能または Hyper-V Server 2008 が必要です。

クライアントおよびサーバー製品間でのバージョンの互換性

Project Server 2010 に移行する際は、クライアントの互換性要件も考慮する必要があります。次の表は、Microsoft Project Professional クライアントのバージョンと Project Server のバージョン間でのバージョンの互換性を示しています。すべての Microsoft Project Professional ユーザーが、アップグレード後に Project Server にアクセスするための適切なバージョンを持っていることを確認する必要があります。

クライアントのバージョン 接続可能なサーバーのバージョン

Office Project Professional 2003

Project Server 2002、Project Server 2003

Office Project Professional 2007

Office Project Server 2007、Project Server 2010

注意

Office Project Professional 2007 が Project Server 2010 に接続できるのは、サーバーで下位互換性モード (BCM: Backwards Compatibility Mode) が有効になっている場合のみです。BCM の詳細については、「Project Server 2010 へのアップグレードの概要」を参照してください。

Microsoft Project Professional 2010

Project Server 2010

次の表は、Project Web App で必要なサポート対象のブラウザーを、Project Server のバージョンごとに示しています。Project Server 2003 から Project Server 2010 にアップグレードする場合は、Project Web App ユーザーが、アップグレード後にそのデータにアクセスするために必要なブラウザーを持っていることを確認してください。

Project Web App のバージョン 必要なブラウザー

Project Server 2003

Internet Explorer 5.5、6.0、7.0、8.0

Office Project Server 2007

Internet Explorer 6.0、7.0、8.0

Project Server 2010

Internet Explorer 7.0 および 8.0

ユーザー設定フィールドとルックアップ テーブルの名前の衝突

Office Project Server 2007 と Project Server 2010 の両方で予約されているユーザー設定フィールドとルックアップ テーブルの名前がいくつかあります。それらのいずれかの名前が現在の Project Server 2003 データベースで使用されている場合、移行をさらに進める前に、Project Server 2003 でユーザー設定フィールドとアウトライン コードを変更する必要があります。Project Server 2003 インスタンスに接続された Microsoft Office Project Professional 2003 を使用して、検証と修正を行ってください。

予約されているアウトライン コードまたはユーザー設定フィールド 種類 Office Project Server 2007 Project Server 2010

コストの種類

リソース

X

X

状況

タスク

X

X

状態

プロジェクト

X

X

チーム名

リソース

X

X

承認された終了日

プロジェクト

X

承認された開始日

プロジェクト

X

影響を受ける分野

プロジェクト

X

前提事項

プロジェクト

X

業務ニーズ

プロジェクト

X

提案の適合性

プロジェクト

X

フラグの状態

タスク

X

目標

プロジェクト

X

実施後のレビュー日

プロジェクト

X

実施後のレビュー メモ

プロジェクト

X

主要な目的

プロジェクト

X

プロジェクトの部署

プロジェクト

X

提案のコスト

プロジェクト

X

終了予定日

プロジェクト

X

開始予定日

プロジェクト

X

リソースの部署

リソース

X

また、「Project Server 2003 データを確認する」で、Project Server 2003 データを移行する前にチェックできる事柄を確認してください。