PWA サイトを作成する (Project Server 2010)
適用先: Project Server 2010
トピックの最終更新日: 2017-01-17
Microsoft Project Web App (PWA) サイトを作成すると、指定された Microsoft SQL Server のインスタンスに、4 つの Microsoft Project Server 2010 データベースが作成されます。
注意
組織でデータベース管理者がデータベースを手動で作成する必要がある場合は、この記事の手順に進む前に、データベース管理者が「Project Server データベースを手動で作成する」を参照して、4 つの Project Server データベース、および Microsoft SharePoint Server 2010 コンテンツ データベースを作成しておく必要があります。
注意
ファーム内のサーバーがインターネットに接続されていない場合、いくつかの PWA および SharePoint Server ページの読み込みに時間がかかる場合があります。これは、SharePoint Server 証明書が最新のルート チェーンを取得するのに Microsoft ダウンロード サーバーに接続しようとするために発生します。この問題を回避するには、SharePoint Server ファーム内のサーバーの [証明書パス検証の設定] グループ ポリシー設定を構成して、サーバーが証明書を自動的に更新しないようにします。詳細については、「Project Server 2010: PWA と SharePoint のページの読み込みが遅い (https://blogs.msdn.com/b/brismith/archive/2012/03/05/project-server-2010-slow-load-times-of-pwa-and-sharepoint-pages.aspx)」をご覧ください。
今後、ファーム内のサーバーをインターネットに接続する場合は、SharePoint Server ファーム内のサーバーの [証明書パス検証の設定] グループ ポリシー設定で、証明書を自動的に更新するよう再構成することをお勧めします。
PWA サイトを作成する
Project Web App サイトには、これをホストする Web アプリケーションが必要です。既存の Web アプリケーションを使用するか PWA 用に新規作成することができます。Web アプリケーションの作成方法の詳細については、「Web アプリケーションを作成する (SharePoint Server 2010)」をご覧ください。
重要
各 PWA サイトとその関連するプロジェクト ワークスペースには、別個の SharePoint Server 2010 コンテンツ データベースを使用することを強くお勧めします。専用のコンテンツ データベースで PWA サイトを適切に切り離すには、他の管理者が PWA の展開先の Web アプリケーション上に新しいサイトを作成中でないときに PWA を展開する必要があります。
PWA とその関連するプロジェクト ワークスペースを、別個のコンテンツ データベースに入れることにより、サイトの移行手順およびバックアップと復元手順が大幅に簡素化されます。
PWA サイトを作成するための 5 つの基本的な手順は次のとおりです。
コンテンツ データベースを作成して、PWA サイトとその関連するプロジェクト ワークスペースをホストする。
既存のコンテンツ データベースを一時的にロックする。
PWA サイト自体を作成する。
PWA コンテンツ データベースをロックして、その他のサイト コレクションの追加を禁止する。
既存のコンテンツ データベースをロック解除する。
SharePoint Server 2010 は、ラウンド ロビン アルゴリズムを使用して、コンテンツ データベース間でサイト コレクションの分配を決定します。PWA サイトを特定のコンテンツ データベースに展開するには、PWA を展開する予定の Web アプリケーション内の既存のコンテンツ データベースをすべてロックする必要があります。このプロセスは、ユーザー アクセスには影響しません。新しいサイト コレクションの分配のみに影響します。
注意
PWA 専用の新しい Web アプリケーションに PWA を展開すると、PWA 用のその Web アプリケーションで作成された、既定のコンテンツ データベースを使用できます。この場合は、ロックするための以下の手順に従う必要はありません。ただし、PWA を展開したら、そのコンテンツ データベースについては、[このデータベースに作成できるサイトの最大数] を "1" に設定することを強くお勧めします。これにより、追加のサイト コレクションが今後 PWA を超えてそのデータベースに作成されるのを防ぐことができます。
コンテンツ データベースをロックするには、PWA サイトの展開先とする予定の Web アプリケーションに関連するコンテンツ データベースごとに、次の手順を実行します。
重要
このセクションに記載されている手順を実行している間、PWA の展開先とする予定の Web アプリケーションに他の管理者がサイト コレクションを追加しないようにしてください。
コンテンツ データベースをロックするには
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーションの管理] セクションで、[コンテンツ データベースの管理] をクリックします。
[現在のサイト コレクション数] 列で、ロックするデータベースのサイト コレクションの数を確認します。
[データベース名] 列で、ロックするコンテンツ データベースのリンクをクリックします。
[データベース容量の設定] セクションで、次の操作を実行します。
[このデータベースに作成できるサイトの最大数] ボックスに、このデータベースの既存のサイト コレクション数を入力します (この手順で前に説明した [現在のサイト コレクション数] 列の値です)。
注意
このパラメーターの現在の値を書き留めてください。PWA サイトの作成後、この値に戻す必要があります。
[警告イベントが生成される前のサイト数] ボックスに、[このデータベースに作成できるサイトの最大数] に使用されている値よりも小さい数を入力します。
注意
このパラメーターの現在の値を書き留めてください。PWA サイトの作成後、この値に戻す必要があります。
[OK] をクリックします。
コンテンツ データベースを作成するには
SharePoint サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] セクションで、[コンテンツ データベースの管理] をクリックします。
[コンテンツ データベースの追加] をクリックします。
[Web アプリケーション] セクションで、PWA サイトの展開先とする予定の Web アプリケーションを選びます。
[データベース名と認証] セクションに、PWA データベースの展開先とする予定のデータベース サーバー名と、データベースの名前を入力します。
[OK] をクリックします。
コンテンツ データベースの作成と構成が完了したら、次は PWA サイト自体を作成します。
PWA サイトを作成するには
SharePoint サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
[サービス アプリケーションの管理] ページで、[Project Server Service アプリケーション] をクリックします。
[Project Web App サイトの管理] ページで、[Project Web App サイトの作成] をクリックします。
次の表で指定されているとおりに、[Project Web App サイトの作成] ページでの設定を完了させます。
オプション 説明 Project Web App をホストする SharePoint Web アプリケーション
PWA サイト用の Web アプリケーション。
Project Web App のパス
この PWA サイトの、ルート サイトからのパス。
言語の選択
この PWA サイトのユーザー インターフェイス言語。
ホスト ヘッダーとしての Project Web App のパスを使用する
ルート URL (https://www.contoso.com など) で PWA サイトをホストする場合は、このオプションを使用します。
管理者アカウント
この PWA のインスタンスの Project Server Administrators セキュリティ グループに追加されるユーザー アカウント。初めて PWA サイトにアクセスする場合は、このアカウントを使用する必要があります。
プライマリ データベース サーバー
Project Server データベースをホストする SQL Server のインスタンス。データベース管理者が既に Project Web App データベースを作成している場合は、適切なテキスト ボックスにそれらのデータベースの名前を指定します。データベースがまだ作成されていない場合は、自動的に作成されます。
発行済みデータベース名
この PWA のインスタンスの Project Server の発行済みデータベースの名前。
下書きデータベース名
この PWA のインスタンスの Project Server の下書きデータベースの名前。
アーカイブ データベース名
この PWA のインスタンスの Project Server のアーカイブ データベースの名前。
レポート データベース サーバー
レポート データベースを展開する SQL Server のインスタンス (プライマリ データベース サーバーと異なる場合)。
プライマリ データベース サーバーを使用する
レポート データベースを、先に指定したプライマリ データベース サーバーに展開する場合は、このチェック ボックスをオンにします。レポート データベースを別のデータベース サーバーに展開する場合は、このチェック ボックスをオフにし、使用する SQL Server のインスタンスを [レポート データベース サーバー] ボックスで指定します。
レポート データベース名
この PWA のインスタンスの Project Server のレポート データベースの名前。
このサイトの SharePoint コンテンツのクォータ
PWA サイトの最大サイト記憶域 (メガバイト単位)。
このサイトの SharePoint コンテンツのクォータ警告
サイトの記憶域レベル (メガバイト単位)。これに達すると、警告の電子メール メッセージがサイト管理者に送信されます。
[OK] をクリックします。
Project Server が PWA サイトの作成プロセスを開始します。このプロセスには、少し時間がかかることがあります。サイトの作成プロセスが完了すると、PWA サイト一覧に状態が [準備済み] として表示されます。
PWA サイトの準備が完了したら、作成したコンテンツ データベースにそのサイトが作成されたことを確認します。Get-SPSite Windows PowerShell コマンドを使用して、新しいコンテンツ データベースをパラメーターとして渡します。
PWA サイトの場所を確認するには
次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。
[スタート] メニューで [すべてのプログラム] をクリックします。
[Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。
[SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。
Windows PowerShell コマンド プロンプト (PS C:\>) で、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。
Get-SPSite -ContentDatabase <ContentDatabaseName>
このコマンドは、PWA サイトの URL を返し、それ以外の URL は返しません。
注意
PWA サイトの URL 以外の URL がコンテンツ データベースの一覧に含まれている場合は、PWA サイトを削除し、新しいコンテンツ データベースを使用して手順をやり直してください。
PWA サイトが目的のコンテンツ データベースに作成されたら、そのデータベースをロックして、SharePoint Server 2010 がそのデータベースに他のサイト コレクションを追加できないようにする必要があります。そのためには、コンテンツ データベースの最大サイト数を 1 に設定します。
注意
この設定を行っても、新しいプロジェクト ワークスペース サイトの作成は妨げられません。
コンテンツ データベースをロックするには
SharePoint サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] セクションで、[コンテンツ データベースの管理] をクリックします。
[データベース名] 列で、作成したコンテンツ データベースのリンクをクリックします。
[データベース容量の設定] セクションで、次の操作を実行します。
[警告イベントが生成される前のサイト数] ボックスに、「0」と入力します。
[このデータベースに作成できるサイトの最大数] ボックスに、「1」と入力します。
[OK] をクリックします。
PWA コンテンツ データベースのロックが完了したら、[このデータベースに作成できるサイトの最大数] および [警告イベントが生成される前のサイト数] で他のコンテンツ データベースを元の値に戻すことができます。
これで、新しい PWA サイトにアクセスできます。
注意
Project Web App アプリケーションが含まれるインターネット インフォメーション サービス (IIS) アプリケーション プールを初めて起動する際は, .NET Framework アプリケーションがコンパイルされ、読み込まれるため、時間がかかる場合があります。
タイムシート期間を構成する
Project Server 2010 内でチーム メンバーが時間管理とタスクの状態管理を利用するには、タイムシート期間を構成する必要があります。少なくとも 1 年間のタイムシート期間を作成することをお勧めします。タイムシート期間を作成するには、次の手順を使用します。
タイムシート期間を作成するには
PWA で、[サーバー設定] をクリックします。
[時間およびタスク管理] セクションで、[タイムシート期間] をクリックします。
[タイムシート期間] ページで以下を実行します。
[最初の期間の開始日] の横にある [カレンダー] ボタンをクリックして、最初のタイムシート期間の開始日を選びます。
重要
標準のタイムシート期間として 7 日間を選ぶと、期間はすべて、最初の期間の開始日として選んだ日の曜日から始まるようになります。組織のニーズに応じて曜日を選んでください。
重要
1 か月ごとの期間を使用するなど、可変長の期間を作成したい場合は、[タイムシート期間] ページで個別に、またはカスタム コードを使用してプログラムによりこれらを行う必要があります。
[一括作成] をクリックします。
[保存] をクリックします。
ワークフロー プロキシ アカウントを構成する
PWA サイトの使用を開始する前の最後の手順は、ワークフロー プロキシ ユーザー アカウントの設定です。既定では、このアカウントは、PWA サイトの作成に使用したアカウントに設定されます。既定の設定をそのまま使うこともできますが、今回の目的のために新たに Active Directory アカウントを作成することをお勧めします。
重要
任意のワークフローを開始する前に、アカウントを変更する必要があります。これをしないと進行中のワークフローが中断されます。
ワークフロー プロキシ アカウントを設定するには、以下の 2 つの手順に従う必要があります。
ワークフロー プロキシ Active Directory アカウントのために Project Server 2010 ユーザー アカウントを作成します。
ワークフロー プロキシ ユーザーとしてこのアカウントを構成します。
以下の手順を実行して、ワークフロー プロキシ アカウントのための Project Server 2010 を作成します。
ユーザーを作成するには
Project Web App で、[サーバー設定] をクリックします。
[セキュリティ] セクションで、[ユーザーの管理] をクリックします。
[ユーザーの管理] ページで、[新しいユーザー] をクリックします。
[新しいユーザー] ページで、以下の手順を実行します。
[ユーザーをリソースとして割り当て可能にする] チェック ボックスをオフにします。
[表示名] ボックスに、ユーザー アカウントに使用する名前 (たとえば、Workflow Proxy User) を入力します。
ユーザーの [認証] セクションで、[ユーザーのログオン アカウント] ボックスに、ワークフロー プロキシ ユーザーについて作成した Active Directory アカウントを入力します。
[このユーザーには Active Directory 同期を実行しない] チェック ボックスをオンにします。
[セキュリティ カテゴリ] エリアで、[利用可能なカテゴリ] の [自分の所属組織] を選び、[追加] をクリックします。
[自分の所属組織のアクセス許可] で、次のアクセス許可に対して、[許可] を選びます。
プロジェクトを開く
プロジェクトを Project Server に保存
エンタープライズ リソース データの表示
[グローバル アクセス権] で、次のアクセス許可に対して、[許可] を選びます。
ログオン
ユーザーとグループの管理
ワークフローおよびプロジェクト詳細ページの管理
[保存] をクリックします。
ユーザー アカウントの作成が完了すると、ワークフロー プロキシ ユーザー アカウントを設定できます。ワークフロー プロキシ ユーザー アカウントを構成するには、以下の手順を実行します。
ワークフロー プロキシ ユーザー アカウントを設定するには
PWA で、[サーバー設定] をクリックします。
[サーバー設定] ページで、[ワークフローおよびプロジェクト詳細ページ] セクションの [プロジェクト ワークフローの設定] をクリックします。
[プロジェクト ワークフローの設定] ページの、[ワークフロー プロキシ ユーザー アカウント] ボックスに、ワークフロー プロキシ ユーザーについて作成した Active Directory アカウントを入力し、[保存] をクリックします。
これで、Project Web App サイトの使用を開始する準備ができました。次のステップでは、レポートを構成して、Project Server のレポート機能およびビジネス インテリジェンス機能を有効にします。次の記事「Project Server 2010 用のレポートを構成する」に進んでください。