Outlook 2010 のグローバル アドレス一覧の同期を無効にする
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-29
この記事では、グループ ポリシーを使用して Microsoft Exchange グローバル アドレス一覧 (GAL) と Microsoft Outlook 2010 連絡先の同期を無効にする方法、およびレジストリを構成することによって更新の前に確認を求めるよう GAL 同期を構成する方法について説明します。
この記事の内容
概要
はじめに
グループ ポリシーを使用して GAL 同期を無効にする
更新の前に確認を求めるよう GAL 同期を構成する
概要
Outlook 2013 は、その連絡先フォルダーのエントリと Exchange GAL の SMTP アドレスが一致する場合に同期を行います。この同期は一方向、すなわち GAL から Outlook の連絡先フォルダーに同期が行われます。
ユーザーの Outlook の [連絡先] フォルダーの電話エントリが会社の GAL で使用されている形式と異なる形式で作成されると、連絡先電話番号に矛盾が生じる可能性があります。たとえば、国内から電話をかける場合にはある種の電話番号のプレフィックス形式が必要で、国外から電話をかける場合には別のプレフィックス形式が必要なロケールがあるとします。ユーザーが国外から電話をかけるのに必要なプレフィックス形式で Outlook 2013 連絡先を作成した場合、GAL の詳細を使用して Outlook 2013 連絡先が更新されると、"移動修正" が発生します。
移動修正では、ユーザーが Outlook 連絡先に作成した電話番号が上書きされ、隣接する電話番号フィールドに移動されます。たとえば、[勤務先] フィールドの電話番号は [勤務先 2] フィールドに移動されます。
同期が行われた後は、変更を一括して元に戻すことはできません。ただし、Outlook 連絡先を手動で更新したり、相違が多い場合はユーザーの Exchange メールボックスを復元したりできます。プログラムによるソリューションも可能ですが、[メモ] フィールドから前の値を取得するには複雑なデータ検証が必要です。大企業の場合、このソリューションは簡単には実現できません。
既定では、Outlook 2013 では GAL 同期が有効になっています。ただし、連絡先の同期がユーザーの組織で大きな問題となる場合は、Microsoft Office 2010 を導入する前、またはこのような状況が発生する可能性に気付いたときに、Outlook 2013 の GAL 同期を無効にすることができます。
はじめに
GAL 同期中に Outlook が行う連絡先の修正、および構成できる設定の一覧については、「有効化またはカスタマイズする Outlook 2010 機能を決定する」の「グローバル アドレス一覧の同期」セクションを確認してください。
Outlook 2013 テンプレートのダウンロード、およびその他の管理用テンプレートの詳細については、「Office 2010 管理用テンプレート ファイル (ADM、ADMX、ADML) および Office カスタマイズ ツール」を参照してください。
権限の詳細については、「Office 2010 でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」の「グループ ポリシー管理コンソールのグループ ポリシー オブジェクト権限」セクションを参照してください。
グループ ポリシーを使用して GAL 同期を無効にする
グループ ポリシーの [グローバル アドレス一覧の同期をブロックする] 設定を構成することによって、Outlook 連絡先との GAL 同期を無効にできます。このグループ ポリシー設定を適用した後は、構成を変更できません。
グループ ポリシーを使用して GAL 同期を無効にするには
グループ ポリシーで、Outlook 2010 テンプレート (Outlk14.adm) を読み込みます。
グループ ポリシー管理コンソール (GPMC) を開きます。[スタート]、[コントロール パネル]、[管理ツール]、[グループ ポリシー管理] の順にクリックします。
コンソール ツリーで、構成するグループ ポリシー オブジェクト (GPO) を含むフォレストおよびドメイン内で [グループ ポリシー オブジェクト] をダブルクリックします。[グループ ポリシー オブジェクト] のパスは、[フォレスト名]\ドメイン\[ドメイン名]\グループ ポリシー オブジェクト です。
構成する GPO を右クリックし、[編集] をクリックします。
ツリー ビューで、[ユーザーの構成]、[管理用テンプレート]、[従来の管理用テンプレート]、[Microsoft Outlook 2010]、[Outlook Social Connector] の順に展開し、閲覧ウィンドウで [グローバル アドレス一覧の同期をブロックする] をダブルクリックします。
[有効]、[適用]、[OK] の順にクリックします。
注意
[グローバル アドレス一覧の同期をブロックする] 設定は、[ユーザー設定の変更] ページの [Microsoft Outlook 2010\Outlook Social Connector] の下の Office カスタマイズ ツール (OCT) でも使用できます。この設定をセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp) 用に構成し、Office 2010 セットアップの一部として構成を展開できます。
OCT を使用して GAL 同期を無効にした場合ば、ユーザー インターフェイス (UI) で有効にすることができます。この手順を実行するには、リボンの [表示] タブをクリックし、[人物情報ウィンドウ] ボタンをクリックし、[アカウント設定] コマンドをクリックして、表示されるダイアログ ボックスの [設定] ボタンをクリックします。OCT の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。
更新の前に確認を求めるよう GAL 同期を構成する
以下に示す HKEY_CURRENT_USER\Software\ Microsoft\Office\Outlook\SocialConnector のレジストリ設定を構成することによって、確認を求めることなく更新する (既定の動作) 代わりに、更新の前に確認を求めるよう GAL 同期を構成できます。
設定をユーザーのコンピューターに展開するためのスクリプトを作成します。スクリプトの作成については、「スクリプト センター」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=158045\&clcid=0x411) を参照してください。
| レジストリ キー | 種類 | 説明 | 値 |
|---|---|---|---|
ScheduleContactGALSync |
DWORD |
GAL 同期設定を構成します。ただし、リボンの [表示] リボン タブをクリックし、[人物情報ウィンドウ] ボタンをクリックし、[アカウント設定] コマンドをクリックして表示されるダイアログ ボックスの [設定] ボタンをクリックして、ユーザー インターフェイスから設定を上書きできます。 |
0 = 連絡先を GAL と同期しない 1 = 連絡先を最新の GAL 情報で自動的に更新する 2 = 連絡先を最新の GAL 情報で更新する前に確認を求める |
GalSyncExcludedLocales |
String |
固有のロケールに設定されたワークステーションの場合は、確認を求めることなく更新する (既定の動作) 代わりに、更新の前に確認を求めるよう GAL 同期を構成します。 重要 このレジストリ値は、ScheduleContactGALSync キーが存在しない場合にのみ適用されます。ScheduleContactGALSync は、ユーザー インターフェイスから手動で GAL 同期オプションを設定した場合に作成されます。 |
国コードについては、「ISO 3166-1 alpha-3 (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=197158&clcid=0x411) (英語) を参照してください。 |