Outlook 2010 で迷惑メールの制限を計画する
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-29
ここでは、Outlook 2013 の迷惑メール フィルターのしくみ、および組織の要件を満たすように迷惑メール フィルターと画像の自動ダウンロードを設定する方法について説明します。
この記事は Outlook 管理者を対象としています。使用しているコンピューターで Outlook の迷惑メールに関するオプションを構成するには、「迷惑メール フィルター」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81371\&clcid=0x411) を参照してください。
この記事の内容
概要
サポートされるアカウントの種類
Exchange Server におけるサポート
迷惑メール フィルターのユーザー インターフェイスを構成する
画像の自動ダウンロードを構成する
概要
Microsoft Outlook 2010 には、迷惑メール メッセージの受信や表示を回避できるようにする機能が用意されています。このような機能として、迷惑メール フィルターと、外部サーバーからのコンテンツの自動ダウンロードを無効にする機能があります。
画像の自動ダウンロードの設定は、電子メール メッセージ内で外部サーバーからの画像、サウンド、およびその他のコンテンツのダウンロードを自動的にブロックすることによって、電子メール メッセージ内の Web ビーコンがアクティブ化する危険性を軽減するのに役立ちます。コンテンツの自動ダウンロードは、既定では無効になっています。
注意
Outlook 2013 は、インターネットからダウンロードするアクティブ コンテンツを自動的に保存します。Office Outlook 2007 およびそれ以前のバージョンと同様に、Outlook 2013 では、Web ビーコンとして使用できるアクティブ コンテンツをダウンロードする前に、確認のメッセージを表示します。しかし、Office Outlook 2007 およびそれ以前のバージョンとは異なり、アイテムを閉じるときに、変更を保存するよう求められることはありません。代わりに、ダウンロードされたコンテンツが自動的に保存されます。
迷惑メール フィルターによって、ユーザーは迷惑メール メッセージが表示されることを回避できます。既定では、このフィルターは有効になっており、処理レベルは [低] に設定されています。この設定では、明らかに迷惑メールと判断できるメッセージだけがフィルター処理されます。迷惑メール フィルターは、以前のバージョンの Outlook (Microsoft Office Outlook 2003 より前のバージョン) で迷惑メール メッセージの処理に使用されていたルールに代わるものです。このフィルターでは、特定の送信者との間でやり取りされるメッセージを自動的にブロックまたは許可するフィルター リストを使用できるほか、ソフトウェアに組み込まれたテクノロジを利用した電子メール メッセージ評価によって、メッセージが迷惑メールである可能性が判断されます。
迷惑メール フィルターは 2 つの部分で構成されています。
差出人セーフ リスト、宛先セーフ リスト、受信拒否リストの 3 つの迷惑メール フィルター リスト
メッセージの内容、迷惑メール フィルターのリストに含まれる送信者からのメールであるかなど、各種条件に基づいて、未読メッセージを迷惑メールとして処理するかどうかを評価する迷惑メール フィルター
迷惑メール フィルターのすべての設定は、各ユーザーの Outlook プロファイルに保存されます。プロファイルの設定より優先するグループ ポリシーを使用したり、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して迷惑メール フィルターの既定の構成を設定したりできます。
迷惑メール フィルターは、Outlook 2013 アカウントの種類のサブセットとして提供されます。種類の一覧については、後の「サポートされるアカウントの種類」を参照してください。迷惑メール フィルターが最も効果的に機能するのは、Microsoft Exchange Server 2003 以降と組み合わせて使用した場合です。Outlook 2013 と組み合わせて使用できる最も古い Exchange Server は Exchange Server 2003 です。
Outlook ユーザーを Outlook 2013 にアップグレードした場合、ユーザーに新しいリストを展開しない限り、既存の迷惑メール フィルター リストが保持されます。
サポートされるアカウントの種類
Outlook 2013 では、以下のアカウントの種類について、迷惑メール フィルターがサポートされています。
Exchange キャッシュ モードの Microsoft Exchange Server 電子メール アカウント
メールが個人用 Outlook データ ファイル (.pst) に配信される場合の Microsoft Exchange Server 電子メール アカウント
HTTP アカウント
POP アカウント
Windows Live Hotmail アカウント
IMAP アカウント
Outlook 2013 の迷惑メール フィルターでは、以下のアカウントの種類はサポートされていません。
オンライン モードの Microsoft Exchange Server 電子メール アカウント
サードパーティの MAPI プロバイダー
Exchange Server におけるサポート
ユーザーが Exchange キャッシュ モードを使用している場合または個人用 Outlook データ ファイル (.pst) にダウンロードする場合は、どのコンピューターからでも利用できる迷惑メール フィルター リストは、サーバーによるメールの評価にも使用されます。したがって、ユーザーの受信拒否リストに含まれている送信者からのメールは、サーバー上の迷惑メール フォルダーに移動され、Outlook 2013 では評価されません。そのうえで、Outlook 2013 において迷惑メール フィルターに基づく電子メール メッセージの評価が行われます。
迷惑メール フィルターのユーザー インターフェイスを構成する
ユーザー用の迷惑メール フィルターの動作を設定するオプションを指定できます。以下のようなオプションがあります。
迷惑メール フィルターの処理レベルを設定する
迷惑メールの可能性があるメッセージを完全に削除または迷惑メール フォルダーに移動する
ユーザーの連絡先からの電子メール メッセージを信頼する
迷惑メール フィルターの既定値は、ユーザーにとって適切な処理が行われるように設定されています。ただし、Outlook 2013 を組織に展開するときに、これらの設定の既定値を変更し、他のオプションやポリシーを設定することもできます。
迷惑メールの設定は 1 回だけ設定されます。ユーザーが初めて Outlook 2013 を起動すると、ユーザーが選択したプロファイルに迷惑メール設定が構成されます。ユーザーが使用するその他のプロファイル、またはその後作成したプロファイルには、構成した設定は記録されません。それらのプロファイルでは既定の設定が使用されます。
迷惑メール フィルター設定の既定値は、以下のとおりです。
迷惑メールの処理レベル: 低
迷惑メールを削除する: オフ
連絡先からの電子メールを信頼する: オフ
OCT を使用してこれらのオプションを構成することによってユーザー用の既定値を指定したり、グループ ポリシーによってこれらのオプションを適用したりできます。迷惑メール フィルターのオプションを構成する方法については、「Outlook 2010 で迷惑メールの設定を構成する」を参照してください。
重要
-
OCT を使用して既定値を構成したり、グループ ポリシーによって設定を適用したりする場合は、新しい構成を適用するために、[迷惑メール インポート リスト] を構成する必要があります。
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グループ ポリシーの詳細については、「Office 2010 のグループ ポリシーの概要」および「Office 2010 でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」を参照してください。
-
OCT の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。
Outlook 2013 の迷惑メール フィルターには、以下の設定を構成できます。OCT の場合は、[ユーザー設定の変更] ページの [Microsoft Outlook 2010\Outlook のオプション\ユーザー設定\迷惑メール] にこれらの設定があります。グループ ポリシーの場合は、[ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Outlook 2010\Outlook のオプション\ユーザー設定\迷惑メール] にこれらの設定があります。
迷惑メールのオプション | 説明 |
---|---|
電子メールの送信先をユーザーの [差出人セーフ リスト] に追加する |
電子メールの送信先をユーザーの [差出人セーフ リスト] に自動的に追加します。 |
迷惑メールに関する UI を非表示にする |
グループ ポリシーにおいて、迷惑メール フィルターを無効にし、関連する設定を Outlook で非表示にします。 |
電子メール アドレスに不審なドメイン名が含まれる場合の警告を表示しない |
電子メール アドレスに不審なドメイン名が含まれる場合の警告を非表示にします。 |
迷惑メール インポート リスト |
OCT 内のオプションです。OCT またはグループ ポリシーで構成されている他の迷惑メール設定を有効にするには、この設定を有効にする必要があります。 |
迷惑メールの処理レベル |
ユーザーに対する迷惑メールの処理レベル ([処理しない]、[低]、[高]、[信頼済みの一覧のみ]) を選択します。 |
迷惑メール インポート リストの内容を上書き/追加する |
迷惑メール インポート リストへの上書きから、リストへの追加に、既定の処理を変更します。 |
迷惑メールを削除する |
迷惑メールとして判別されたメールを、迷惑メール フォルダーに移動せずに削除します。 |
[受信拒否リスト] のパスを指定する |
[受信拒否リスト] に追加または上書きする電子メール アドレスの一覧を含むテキスト ファイルを指定します。 |
[宛先セーフ リスト] のパスを指定する |
[宛先セーフ リスト] に追加または上書きする電子メール アドレスの一覧を含むテキスト ファイルを指定します。 |
[差出人セーフ リスト] のパスを指定する |
[差出人セーフ リスト] に追加または上書きする電子メール アドレスの一覧を含むテキスト ファイルを指定します。 |
連絡先からの電子メールを信頼する |
ユーザーの連絡先フォルダーに含まれている電子メール アドレスを信頼します。 |
既定の迷惑メール フィルター リストを展開する
ユーザーに既定の迷惑メール フィルター リストを展開できます。迷惑メール フィルターでは、これらのリストが以下のように使用されます。
差出人セーフ リスト このリスト内の電子メール アドレスまたはこのリスト内のドメイン名を含む電子メール アドレスから受信した電子メール メッセージは、迷惑メールとして処理されません。
宛先セーフ リスト このリスト内の電子メール アドレスまたはこのリスト内のドメイン名を含む電子メール アドレスに送信された電子メール メッセージは、迷惑メールとして処理されません。
受信拒否リスト このリスト内の電子メール アドレスまたはこのリスト内のドメイン名を含む電子メール アドレスから受信した電子メール メッセージは、常に迷惑メールとして処理されます。
ドメイン名または電子メール アドレスが、受信拒否リストと差出人セーフ リストの両方に登録されている場合、差出人セーフ リストの設定が受信拒否リストの設定より優先されます。これにより、必要なメールが誤って迷惑メールとして処理される可能性が低くなります。これらのリストは、Exchange サーバーに保存されるので、移動ユーザーも利用できます。
迷惑メール フィルター リストを展開するには、テスト用のコンピューターでリストを作成し、そのリストをユーザーに配布します。リストを配布するには、ネットワーク共有にリストを配置する方法のほか、リモート ユーザーがドメインに接続していない場合には OCT の [ファイルの追加] オプションを使用してファイルを追加する方法もあります。提供するリストは既定のリストです。グループ ポリシーを使用してリストを展開した場合は、ユーザーは Outlook セッション中にリストを変更できます。ユーザーが Outlook を再起動すると、既定ではグループ ポリシーによってリストに内容が追加されます。[迷惑メール インポート リストの内容を上書き/追加する] を有効にしている場合には、ユーザーによる変更は展開した元のリストで上書きされます。既定のリストを作成して展開する方法については、「Outlook 2010 で迷惑メールの設定を構成する」を参照してください。
画像の自動ダウンロードを構成する
HTML 形式のメッセージの多くには、画像やサウンドが含まれています。このような画像やサウンドは、メッセージ自体に含まれずに、メッセージを開くかプレビューしたときに、Web サーバーからダウンロードされることがあります。通常、これは非常にサイズが大きいメッセージを送信するのを避けるために、適正な送信者によって行われます。
一方、迷惑メールの送信者は、外部サーバー上のコンテンツへのリンクを使用して、電子メール メッセージに Web ビーコンを含めることがあります。Web ビーコンは、ユーザーがメッセージを開くかプレビューしたときに、それを Web サーバーに通知します。Web ビーコンによる通知は、ユーザーの電子メール アドレスが有効であることを迷惑メールの送信者に通知します。この結果、さらに多くの迷惑メールがユーザーに送信されることがあります。
画像やその他のコンテンツを自動的にダウンロードしない機能は、(メッセージからリンクする外部コンテンツの) 不快な内容が表示されないようにしたり、低帯域幅で接続している場合にダウンロードに必要な時間と帯域幅を消費する価値のある画像やコンテンツであるかどうかを検討したりするのにも役立ちます。ユーザーは、メッセージ ヘッダーの下にある情報バーをクリックするか、ブロックされた画像を右クリックすると、メッセージ内にあるブロックされた画像またはコンテンツを表示できます。
既定では、外部コンテンツが信頼済みサイト ゾーンの Web サイトからのものであるか、[差出人セーフ リスト] に登録されているアドレスまたはドメインからのものである場合を除き、Outlook 2013 では画像またはその他のコンテンツは自動的にダウンロードされません。この動作を変更して、どのゾーン (信頼済みサイト、ローカル イントラネット、およびインターネット) からのコンテンツも自動的にダウンロードするか、自動的にブロックすることもできます。
画像の自動ダウンロードには、以下の設定を構成できます。OCT の場合は、[ユーザー設定の変更] ページの [Microsoft Outlook 2010\セキュリティ\画像の自動ダウンロード設定] にこれらの設定があります。グループ ポリシーの場合は、[ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Outlook 2010\セキュリティ\画像の自動ダウンロード設定] にこれらの設定があります。
画像の自動ダウンロードのオプション | 説明 |
---|---|
[差出人セーフ リスト] および [宛先セーフ リスト] に登録されているユーザーからのコンテンツを自動的にダウンロードする |
ユーザーの [差出人セーフ リスト] または [宛先セーフ リスト] に登録されているユーザーからの電子メール メッセージでコンテンツを自動的にダウンロードするには、このオプションを有効にします。 |
信頼済みゾーンをブロックする |
[画像の自動ダウンロード] のセーフ ゾーンに信頼済みゾーンを含めるには、このオプションを無効にします。 |
HTML 形式の電子メールに含まれる画像および外部コンテンツを表示する |
HTML 形式のメールで自動的に外部コンテンツを表示するには、このオプションを有効にします。 |
セーフ ゾーンからのコンテンツのダウンロードを許可しない |
信頼済みゾーン、インターネット、およびイントラネットの設定で定義されるセーフ ゾーンのサイトのコンテンツを自動的にダウンロードするには、このオプションを無効にします。 |
[画像の自動ダウンロード] のセーフ ゾーンにインターネットを含める |
すべてのインターネット メールで画像を自動的にダウンロードします。 |
[画像の自動ダウンロード] のセーフ ゾーンにイントラネットを含める |
すべてのイントラネット メールで画像を自動的にダウンロードします。 |
画像の自動ダウンロードを構成する方法については、「Outlook 2010 で迷惑メールの設定を構成する」を参照してください。