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Outlook 2007 で Exchange キャッシュ モードを構成する

更新日: 2009年12月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

この記事の内容 :

  • Office カスタマイズ ツールを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成する

  • グループ ポリシーを使用して Exchange キャッシュ モード設定を構成する

Microsoft Office Outlook 2007 アカウントで Exchange キャッシュ モードを使用するように構成している場合、Office Outlook 2007 では、ユーザーのコンピュータのオフライン フォルダ ファイル (.ost) に格納されているユーザーの Exchange メールボックスのローカル コピーとオフライン アドレス帳 (OAB) が使用されます。キャッシュされたメールボックスと OAB は Exchange サーバーとの間で定期的に更新されます。

Exchange キャッシュ モードは、Microsoft Exchange Server の電子メール アカウントについてのみ構成できます。Exchange キャッシュ モードは、Microsoft Exchange Server 2000 以降のバージョンでサポートされていますが、Exchange Server 2003 以降のバージョンでこの機能を使用することをお勧めします。

Exchange キャッシュ モードのオプションを構成しない場合、Exchange キャッシュ モードの現在の状態は、Outlook を新しいバージョンにアップグレードしても既存のプロファイルについては変更されません。たとえば、ユーザー アカウントが Microsoft Office Outlook 2003 で Exchange キャッシュ モードを使用するように構成されていた場合、このユーザーが Office Outlook 2007 にアップグレードしても Exchange キャッシュ モードは有効のままになります。新しい .ost ファイルまたは OAB ファイルの場所は既定の場所です。Windows XP の場合、この場所は %userprofile%\Local Settings\Application Data\Microsoft\Outlook です。Windows Vista の場合、この場所は %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Outlook です。

Exchange サーバーとの同期の Exchange キャッシュ モード設定を変更するかどうかを検討する場合は、Office Outlook 2007 では、Outlook 2003 に比べて、電子メールが高速に更新されるようにタイミングが向上していることに注意してください。ただし、状況によっては、既定の同期設定の変更が必要になる場合があります。

組織内で、Exchange キャッシュ モードとオフラインで使用する .ost ファイルを使用していないユーザー用の .ost ファイルの既定の場所など、Exchange キャッシュ モードの複数のオプションを構成できます。別の .ost の場所を指定しない場合、ユーザーが Exchange キャッシュ モードで Outlook を起動したときに既定の場所に .ost ファイルが作成されます。

Outlook グループ ポリシー テンプレート (Outlk12.adm) を使用して、Exchange キャッシュ モードをカスタマイズし、強制することができます。または、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して既定の設定を構成することもできます。その場合はユーザーが設定を変更できます。

Office カスタマイズ ツールを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成する

Office カスタマイズ ツールを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成する

  1. Office カスタマイズ ツール (OCT) で、ツリー ビューの [Outlook] セクションにある [Exchange Server 設定の指定] をクリックします。次に、[Exchange Server 接続を構成する] をクリックします。

    [!メモ] Exchange Server の設定を構成するには、[Outlook プロファイル] ページで [プロファイルの変更] または [新しいプロファイル] をクリックする必要があります。

  2. ユーザーの .ost ファイルの新しい場所を指定するには、[詳細設定] をクリックし、[オフラインで使用できるようにする] をクリックします。.ost ファイルの場所のフォルダ パスとファイル名を入力します。[オフライン アドレス帳ファイルの保存先のパス] ボックスにもパスを入力し、[OK] をクリックします。

  3. Exchange キャッシュ モードを有効または無効にしたり、Exchange キャッシュ モードを有効にしたときの既定のダウンロードの動作を指定したりするには、[Exchange Server 設定の指定] ページの [Exchange キャッシュ モードを構成する] をクリックします。

  4. ユーザーに対して Exchange キャッシュ モードを有効にするには、[Exchange キャッシュ モードを使用する] チェック ボックスをオンにします。既定では、このチェック ボックスをオンにしていない場合、[Exchange キャッシュ モードを構成する] をクリックしても、Exchange キャッシュ モードは無効になっています。

  5. 手順 4. で Exchange キャッシュ モードを有効にした場合は、既定のダウンロード オプションを選択します。

    • [ヘッダーのみをダウンロードする] : ユーザーに対して、ヘッダー情報とメッセージまたはアイテムの本文の先頭部分 (256 KB のプレーン テキスト形式の情報バッファ) が表示されます。アイテム全体をダウンロードするには、ダブルクリックしてメッセージを開くか、閲覧ウィンドウの下部にある [メッセージの残りの部分を今すぐダウンロードする] をクリックします。

    • [ヘッダーに続いてアイテム全体をダウンロードする] : 最初にすべてのヘッダーがダウンロードされた後、アイテム全体がダウンロードされます。ダウンロードの順序は時系列的ではない場合があります。ユーザーが現在アクセスしているフォルダのヘッダーに続いてアイテム全体がダウンロードされ、次にユーザーが最近表示したフォルダのヘッダーに続いてアイテム全体がダウンロードされます。

    • [アイテム全体をダウンロードする] : アイテム全体がダウンロードされます。ダウンロードの順序は時系列的ではない場合があります。ユーザーが現在アクセスしているフォルダのアイテム全体がダウンロードされ、次にユーザーが最近表示したフォルダのアイテム全体がダウンロードされます。

  6. ヘッダーのみのモードをオフにするには、[低速回線接続ではヘッダーのみをダウンロードする] チェック ボックスをオフにします。ヘッダーのみのダウンロードは、ユーザーの接続が低速である場合の既定の動作です。ユーザーのコンテンツ スループットが高速であるときに Outlook で低速接続であると認識される場合や、その逆の場合があります。このような場合には、このオプションをオンまたはオフにします。

  7. Exchange キャッシュ モードでユーザーの .ost ファイルの同期をとるときには、メール以外の共有フォルダのダウンロードを無効にすることを選択します。既定では、メール以外の共有フォルダはダウンロードされます。パブリック フォルダのお気に入りをダウンロードすると、ユーザーが Unicode 以外の .ost を使用している場合、ユーザーの .ost ファイルのサイズが 2 ギガバイト (GB) の制限を超える可能性があります。この場合、Outlook で同期をとるとエラーになります。

  8. Exchange キャッシュ モードでユーザーの .ost ファイルの同期をとるときは、パブリック フォルダのお気に入りをダウンロードするように選択します。既定では、パブリック フォルダのお気に入りはダウンロードされません。パブリック フォルダのお気に入りをダウンロードすると、ユーザーが Unicode 以外の .ost ファイルを使用している場合、ユーザーの .ost ファイルのサイズが 2 GB の制限を超える可能性があります。この場合、Outlook で同期をとるとエラーになります。また、パブリック フォルダのお気に入りの同期をとると、ネットワークのトラフィックが増加し、低速接続回線を使用するユーザーにとって適切ではない場合があります。

グループ ポリシーを使用して Exchange キャッシュ モードの設定を構成する

グループ ポリシーを使用して Exchange キャッシュ モードのオプションをカスタマイズする

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. Exchange キャッシュ モードのオプションをカスタマイズするには、次のパスで、設定するポリシーをダブルクリックします。たとえば、[新規および既存の Outlook プロファイルで Exchange キャッシュ モードを使用する] をダブルクリックします。

    • ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\ツール | アカウント設定\Exchange\Exchange キャッシュ モード

    • ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\ツール | アカウント設定\Exchange : Exchange キャッシュ モードの 2 つのオプションは [共有フォルダのデータを同期する] および [Exchange キャッシュでの低帯域幅のしきい値] です。

  3. [有効にする] をクリックし、必要に応じてオプションを選択します。

  4. [OK] をクリックします。

OCT のツリー ビュー (ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\ツール | アカウント設定\Exchange\Exchange キャッシュ モード) で Exchange キャッシュ モードを構成できる設定を、次の表に示します。

Exchange キャッシュ モードのオプション 説明

[新規および既存の Outlook プロファイルで Exchange キャッシュ モードを使用する]

既定では、ユーザーは Exchange キャッシュ モードを構成するか、またはオンライン モードを使用するか決定できます。この設定を有効にすると、新規および既存の Outlook プロファイルは、Exchange キャッシュ モードを使用するように構成されます。この設定を無効にすると、オンライン モードを使用するように新規および既存の Outlook プロファイルが構成されます。

[Exchange キャッシュ モードではユーザーが [送受信] をクリックするか F9 キーを押したときに同期を行わない]

既定では、Exchange キャッシュ モードのアカウントでユーザーが [送受信] をクリックするか F9 キーを押したときに、Outlook は Exchange Server と同期されます。この設定が有効になっている場合、[送受信] をクリックするか F9 キーを押しても、同期するのが 1 つのフォルダのみである場合を除き、Exchange とは同期されません。Shift キーを押しながら F9 キーを押すと、現在のフォルダを同期できます。

[サーバーへの変更のアップロードを開始するまでの待機秒数を入力する]

Exchange サーバーに変更をアップロードするまでの待機秒数を指定します。

Outlook での既定のアップロード待機秒数は 15 秒です。

[サーバーからの変更のダウンロードを開始するまでの待機秒数を入力する]

Exchange サーバーから変更をダウンロードするまでの待機秒数を指定します。

Outlook での既定のダウンロード待機秒数は 5 秒です。

[変更の同期を開始するまでの最長待機秒数を入力する]

Exchange サーバーにすべての変更をアップロードするまでの最長待機秒数を指定します。

Outlook での既定の最長待機秒数は 60 秒です。

次の手順は、既定のアップロード タイマと最長待機秒数タイマの関係を示しています。

  • アップロード タイマで 15 秒経過する間にローカルの変更が発生した場合、アップロード タイマが再起動します。

  • 15 秒経過する前に他のローカルな変更が発生しない場合、そのデータは Exchange サーバーと同期されます。

  • 15 秒経過する前に変更が継続して発生した場合、アップロード待機タイマの現在の秒数にかかわらず、すべての変更は 60 秒後に Exchange サーバー コンピュータに同期されます。

[Exchange キャッシュ モード (ファイル | Exchange キャッシュ モード)]

新規プロファイルの既定の Exchange キャッシュ モードを指定し、[ファイル] メニューの [Exchange キャッシュ モード] サブメニューにあるダウンロード オプションを無効にします。これは Microsoft Exchange Server 2003 以降のバージョンにのみ適用されます。

[[アイテムを完全にダウンロード] を無効にする (ファイル | Exchange キャッシュ モード)]

Exchange キャッシュ モードのダウンロード オプション メニューで、[アイテムを完全にダウンロード] オプションを無効にします。これは Microsoft Exchange Server 2003 以降のバージョンにのみ適用されます。

[[ヘッダーに続いてアイテムを完全にダウンロード] を無効にする (ファイル | Exchange キャッシュ モード)]

Exchange キャッシュ モードのダウンロード オプション メニューで、[ヘッダーに続いてアイテムを完全にダウンロード] オプションを無効にします。これは Microsoft Exchange Server 2003 以降のバージョンにのみ適用されます。

[[ヘッダーをダウンロード] を無効にする (ファイル | Exchange キャッシュ モード)]

Exchange キャッシュ モードのダウンロード オプション メニューで、[ヘッダーをダウンロード] オプションを無効にします。これは Microsoft Exchange Server 2003 以降のバージョンにのみ適用されます。

[[低速回線接続ではヘッダーのみダウンロード] を無効にする (ファイル | Exchange キャッシュ モード)]

Exchange キャッシュ モードのダウンロード オプション メニューで、[低速回線接続ではヘッダーのみダウンロード] オプションを無効にします。これは Microsoft Exchange Server 2003 以降のバージョンにのみ適用されます。

[パブリック フォルダのお気に入りをダウンロード]

パブリック フォルダのお気に入りをユーザーの .ost ファイルと同期します。

[メール フォルダ以外の共有フォルダをダウンロードする]

既定では、Exchange キャッシュ モードが有効な場合、ユーザーがアクセスする他のメールボックス内のほとんどの共有フォルダは自動的にダウンロードされ、ユーザーのローカル .ost ファイルにキャッシュされます。共有のメール フォルダだけはキャッシュされません。この設定では、メール以外のフォルダを自動的にダウンロードしないように変更することができます。

Exchange キャッシュ モードを構成できる設定を、次の表に示します。[ユーザーの構成]、[管理用テンプレート]、[Microsoft Office Outlook 2007]、[ツール | アカウント設定]、[Exchange] の順にクリックします。

[Exchange] 領域の Exchange キャッシュ モード オプション 説明

[共有フォルダのデータを同期する]

ユーザーが Outlook フォルダに最後にアクセスしてから、Outlook と Exchange の同期が中止されるまでの経過日数を指定します。

[Exchange キャッシュでの低帯域幅のしきい値]

ビット レートのしきい値を指定します。ビット レートがこの値を下回った場合、ネットワーク接続は低速接続と認識されます。

組織内のユーザーがまだ .ost ファイルを使用していない場合は、Exchange キャッシュ モードとオフラインで使用する既定の .ost ファイルの場所を構成することを決定できます。別の .ost の場所を指定しない場合、ユーザーが Exchange キャッシュ モードで Outlook を起動したときに既定の場所に .ost の場所が作成されます。

グループ ポリシーを使用して .ost の既定の場所を構成する

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. .ost の既定の場所を構成するには、[ユーザーの構成]、[管理用テンプレート]、[Microsoft Office Outlook 2007]、[その他]、[PST 設定] の順にクリックし、[OST ファイルの既定の場所] をダブルクリックします。

  3. [有効] をクリックしてポリシーの設定を有効にします。

  4. テキスト ボックスに, .ost ファイルの既定の場所を入力します。以下に例を示します。

    %userprofile%\Local Settings\Application Data\Microsoft\newfolder

  5. [OK] をクリックします。

[PST ファイルと OST ファイルの既定の場所] の設定を使用して、個人用フォルダ (.pst) ファイルと .ost ファイルの両方の新しい既定の場所を定義できます。

Exchange Server のバージョンと設定によって Unicode がサポートされている場合は、新しい Outlook ファイルを Unicode で作成することを要求できます。たとえば、ユーザー アカウントが Exchange キャッシュ モードを使用するように構成されている場合に、サイズの大きい Exchange メールボックスに対応するための追加の領域を持つ .ost ファイルが必要なときに便利です。このような状況でのユーザー アカウントの構成の詳細については、「Outlook 2007 で Exchange キャッシュ モードの展開を計画する」を参照してください。

新しい Outlook ファイルに Unicode を指定する

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. [ユーザーの構成]、[管理用テンプレート]、[Microsoft Office Outlook 2007]、[その他] の順にクリックし、閲覧ウィンドウの [優先する PST モード (Unicode/ANSI)] をダブルクリックします。

  3. [有効にする] をクリックします。

  4. [新しい PST の既定の形式を選択してください] ボックスの一覧の [常に Unicode PST にする] をクリックします。

  5. [OK] をクリックします。

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