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Lync Server 2013 の集中ログ サービスによって作成されたキャプチャ ログの検索を使用する

 

トピック最終更新日時: 2013-02-21

集中ログ サービスの検索機能は、次の理由から便利で強力です。

  • 検索と結果が、定義する条件に基づいて、1 台のコンピューター、プール、サイト、またはグローバル サイトで実行されます。

  • 広範囲での検索から始めて、時間、コンポーネント、コンピューターなど、検索の条件を絞り込むことができます。 検索は同じログに対して行われるため、検索条件を変更したときにログ セッションを再実行する必要はありません。

  • 検索の結果は、スコープ内のすべてのコンピューターとプールから収集され、検索条件のすべての結果を表す 1 つの出力ファイルに集約されます (実行しているシナリオおよびシナリオによって取得されたデータに限定されます)。 使い慣れた Snooperメモ帳などのツールを使用して、出力ファイルおよび展開全体からのトレース メッセージを読み取ります。

個々の各コンピューター上の CLSAgent によって、1 つまたは複数のシナリオに基づいたログが作成されます (1 台のコンピューターあたり 2 つのシナリオをいつでも実行できます)。 ログと関連するインデックス ファイルおよびキャッシュ ファイルは、CLSAgent によって管理されます。 検索を定義して実行すると、その検索コマンドが CLSAgent に対して取得する情報を指示します。 CLSAgent はログ ファイル、キャッシュ ファイル、およびインデックス ファイルに対してクエリを実行し、検索の結果を CLSContoller に返します。 CLSController は、検索の範囲内のすべてのコンピューターおよびプールから、検索結果を受け取ります。 次に、CLSController はログを集約 (結合) し、最も古いエントリが先頭で、最新のエントリが末尾になるように、時系列に配置します。

各検索の後、Sync-CsClsLogging コマンドレットが実行されて、検索で使用されるキャッシュ (CLSAgent が管理するキャッシュ ファイルで使用されるものではない) をフラッシュします。 キャッシュをフラッシュすることで、次の検索操作で CLSController はクリーンなログおよびトレース ファイルのキャプチャ バッファーを使用できます。

集中ログ サービスのメリットを最大限に活用するには、調査中の問題に関連するコンピューターとプール ログからのトレース メッセージのみを返すように検索を構成する方法をよく理解する必要があります。 問題

Lync Server Management Shell を使用して一元的なログ サービス検索機能を実行するには、CsAdministrator または CsServerAdministrator ロールベースのアクセス制御 (RBAC) セキュリティ グループ、またはこれら 2 つのグループのいずれかを含むカスタム RBAC ロールのメンバーである必要があります。 このコマンドレットが割り当てられているすべての RBAC ロールの一覧 (自分で作成したカスタム RBAC ロールを含む) を返すには、Lync Server Management Shell または Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets -match "Lync Server 2013 cmdlet"}

次に例を示します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets -match "Set-CsClsConfiguration"}

このトピックの以降の部分では、トラブルシューティングを最適化するための検索の定義方法について説明します。

集中ログ サービスを使用して基本的な検索を実行するには

  1. Lync Server 管理シェルを起動する: [スタート] をクリックし、[ すべてのプログラム] をクリックし、[ Microsoft Lync Server 2013] をクリックして、[ Lync Server 管理シェル] をクリックします。

  2. AlwaysOn シナリオが展開内でグローバル スコープで実行していることを確認し、コマンド プロンプトで次のように入力します。

    Search-CsClsLogging -OutputFilePath <string value of path and file to write the output file>
    

    注意

    既定では、Search-CsClsLogging は検索の結果をコンソールに送ります。 検索結果をファイルに保存する場合は、–OutputFilePath <文字列の完全修飾ファイル パス>を使用します。 -OutputFilePath パラメーターを定義するには、パラメーターにパスとファイル名を文字列形式で指定し、引用符で囲みます (たとえば、C:\LogFiles\SearchOutput.txt)。 この例では、ディレクトリ C:\LogFiles が存在し、フォルダー内のファイルに対して読み取りと書き込みのアクセス許可 (NTFS の場合は変更のアクセス許可) を持っている必要があります。 出力は追加され、上書きはされません。 個別のファイルが必要な場合は、検索ごとに個々のファイル名を定義します。

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -OutputFilePath "C:\LogFiles\logfile.txt"
    

一元的なログ サービスを使用してプールまたはコンピューターで基本的な検索を実行するには

  1. 検索を特定のプールまたはコンピューターに限定するには、-Computers パラメーターを使用し、コンピューターの完全修飾名で定義されるコンピューターを引用符で囲み、コンマで区切って指定します。

    Search-CsClsLogging -Computers <string value of computer names> -OutputFilePath <string value of path and file to write the output file>
    

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Computers "fe01.contoso.net" -OutputFilePath "C:\LogFiles\logfile.txt"
    
  2. 複数のコンピューターを検索するには、次に示すように、複数のコンピューター名をそれぞれ引用符で囲み、コンマで区切って入力します。

    Search-CsClsLogging -Computers "fe01.contoso.net", "fe02.contoso.net", "fe03.contoso.net" -OutputFilePath "C:\LogFiles\logfile.txt"
    
  3. 1 台のコンピューターではなくプール全体を検索する必要がある場合は、-Computers パラメーターを -Pools に変更し、コンピューター名を削除して、1 つまたは複数のプールに置き換えます。各プールは引用符で囲み、コンマで区切ります。

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Pools "pool01.contoso.net" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    
  4. 検索コマンドを使用する場合、プールは、展開内の任意のプール (フロントエンド プール、エッジ プール、常設チャット サーバー プールなど)、または展開内のプールとして定義されている他のプールにすることができます。

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Pools "pool01.contoso.net", "pchatpool01.contoso.net", "intedgepool01.contoso.net" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    

時間のパラメーターを使用して検索を実行するには

  1. Lync Server 管理シェルを起動する: [スタート] をクリックし、[ すべてのプログラム] をクリックし、[ Microsoft Lync Server 2013] をクリックして、[ Lync Server 管理シェル] をクリックします。

  2. 既定では、検索の時間固有パラメーターの開始時刻は、検索を開始する時刻の 30 分前です。 つまり、午後 4:00:00 に検索を開始すると、3:30:00 PM から 4:00:00 PM まで定義したコンピューターとプールのログが検索されます。 現在の時刻より 60 分または 3 時間前を検索する必要がある場合は、-StartTime パラメーターを使用して、検索を開始する時間を表す日時文字列を設定します。

    たとえば、-StartTime および -EndTime を使用して日時の範囲を定義することにより、2012/11/20 8 AM ~ 9 AM の間のプールでの検索を定義できます。 次に示すように、出力パスを設定して、c:\logfile.txt という名前のファイルに結果を書き込むことができます。

    Search-CsClsLogging -Pools "pool01.contoso.net" -StartTime "11/20/2012 08:00:00 AM" -EndTime "11/20/2012 09:00:00 AM" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    

    注意

    日時の文字列は、"日付 時間" と"時間 日付" のどちらででも指定できます。 " コマンドは文字列を解析し、日付と時刻に適切な値を使用します。

  3. 2012/11/20 11:00:00 AM から始まるログを取得するには、-StartTime を定義します。 既定の検索時間は、特定の -EndTime を定義しない限り、30 分です。 検索の結果、定義したコンピューターまたはプールから、11:00:00 AM ~ 11:30:00 AM の範囲のログが返されます。

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Pools "pool01.contoso.net" -StartTime "11/20/2012 11:00:00 AM" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    
  4. 特定の時間内でログの検索を行うには、-StartTime および -EndTime を定義します。 コンピューター edge01.contoso.net における 1 PM から 2:45 PM までのログが必要です。

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Computers "edge01.contoso.net" -StartTime "11/20/2012 1:00:00 PM" -EndTime "11/20/2012 2:45:00 PM" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    

他の条件および一致オプションを使用して高度な検索を行うには

  1. Lync Server 管理シェルを起動する: [スタート] をクリックし、[ すべてのプログラム] をクリックし、[ Microsoft Lync Server 2013] をクリックして、[ Lync Server 管理シェル] をクリックします。

  2. 特定のコンポーネントのトレースを収集するコマンドを実行するには、次のように入力します。

    Search-CsClsLogging -Components <components to search on> -OutputFilePath <fully qualified path to output logs>
    

    次に例を示します。

    Search-CsClsLogging -Components "SIPStack","S4","UserServices" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    

    検索の結果、過去 30 分の間に展開内のすべてのコンピューターおよびプールで、SIPStack、S4、および UserServices のトレース コンポーネントを持つすべてのログ エントリが返されます。

  3. 同じコンポーネントを使用した検索を、pool01.contoso.net という名前のフロントエンド プールのみに制限するには、次のように入力します。

    Search-CsClsLogging -Components "SIPStack","S4","UserServices" -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    
  4. 複数のパラメーターを使用するコマンドの既定の検索ロジックでは、定義された各パラメーターに対して論理 OR を使用します。 この動作は、-MatchAll パラメーターを指定することで変更できます。 これを行うには、次のように入力します。

    Search-CsClsLogging -CallId "d0af828e49fa4dcb99f5f80223a634bc" -Components "SIPStack","S4","UserServices" -MatchAll -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"
    
  5. AlwaysOn のように、シナリオが定期的に実行するように設定されている場合、または、長期にわたって実行するシナリオが定義されている場合、ログはローカル コンピューターではなくファイル共有に置かれることがあります。 ファイル共有は、New-CsClsConfiguration で新しい構成を作成するとき、または Set-CsClsConfiguration で既存の構成を変更するときに、CacheFileNetworkFolder パラメーターを使用して定義します。 検索のログ コレクションにファイル共有を含めない場合は、次に示すように、SkipNetworkLogs パラメーターを使用します。

    Search-CsClsLogging -Components "SIPStack","S4","UserServices" -StartTime "11/1/2012 00:00:01 AM" -EndTime "11/20/2012 2:45:00 PM" -SkipNetworkLogs -OutputFilePath "C:\Logfiles\logfile.txt"