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回復用データベース

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2010-03-06

回復用データベース (RDB) は特別な種類のメールボックス データベースで、回復操作の一部として、復元されたメールボックス データベースをマウントし、復元されたデータベースからデータを抽出できます。Restore-Mailbox コマンドレットを使用すると、RDB からデータを抽出できます。抽出後、データをフォルダーにエクスポートしたり、既存のメールボックスに結合したりできます。RDB を使用すると、現在のデータへのユーザー アクセスを妨げずに、データベースのバックアップやコピーからデータを回復できます。

Microsoft Exchange Server 2010 は回復用データベースに直接データを復元する機能をサポートしています。回復したデータを回復用データベースとしてマウントすると、管理者は 1 つのメールボックス内に個別のメールボックスまたは個別の項目を復元できます。回復用データベースへの復元は、2 つの方法で実行できます。

  • 回復用データベースが既に存在する場合、アプリケーションはデータベースをマウント解除し、データを回復用データベースとログ ファイル上に復元して、データベースを再度マウントできます。

  • データベースとログ ファイルは、任意のディスクの場所に復元できます。Exchange は復元されたデータを分析してトランザクション ログを再生することで、データベースを最新の状態にします。その後、回復済みのデータベース ファイルをポイントするように回復用データベースを構成できます。

メールボックス データベースと回復用データベースの相違

RDB はいくつかの点で、標準的なメールボックス データベースとは異なります。

  • RDB は、Exchange 管理シェルを使用して作成されます。

  • RDB からメールを送信することはできません。RDB へのすべてのクライアント プロトコルのアクセス (SMTP、POP3、および IMAP4 を含む) はブロックされます。この設計のため、RDB を使用して、メールをメッセージング システムに挿入したり、メッセージング システムから削除したりすることはできません。

  • Microsoft Office Outlook または Outlook Web App を使用したクライアント MAPI アクセスはブロックされます。RDB では MAPI アクセスがサポートされていますが、回復ツールやアプリケーションのみによってサポートされます。MAPI を使用して RDB のメールボックスにログインする場合は、メールボックス GUID とデータベース GUID の両方を指定する必要があります。

  • RDB 内のメールボックスをユーザー アカウントに接続することはできません。ユーザーが RDB 内のメールボックスのデータにアクセスできるようにするには、メールボックスを既存のメールボックスに結合するか、フォルダーにエクスポートする必要があります。

  • システムとメールボックスの管理ポリシーは適用されません。この設計により、回復プロセス中、RDB の項目はシステムによって削除されることはありません。

  • RDB では、オンライン保守は実行されません。

  • RDB では、循環ログを有効にすることはできません。

  • RDB は、メールボックス データベースのデータのみの回復に使用されます。RDB を使用してパブリック フォルダー データを回復することはできません。

  • 1 つの RDB のみを、いつでもメールボックス サーバーにマウントできます。RDB の使用は、メールボックス サーバーごとの 100 データベース制限にカウントされません。

  • RDB のメールボックス データベース コピーを作成することはできません。

  • RDB は、復元操作のターゲットとして使用することはできますが、バックアップ操作のターゲットとして使用することはできません。

  • RDB としてマウントされた、回復したデータベースはいかなる場合も、元のメールボックスに結び付けられることはありません。

回復用データベースの使用

RDB を使用する前に、特定の要件を満たす必要があります。RDB は、Exchange 2010 メールボックス データベースにのみ使用できます。Exchange の以前のバージョンのメールボックス データベースはサポートされていません。また、データの結合と抽出に使用されるターゲット メールボックスは、RDB にマウントされたデータベースと同じ Active Directory フォレスト内に存在する必要があります。

RDB を使用すると、次のような場合にデータを回復することができます。

  • 同じサーバーのダイヤル トーン回復  元のデータベースがバックアップから復元された後、ダイヤル トーン回復操作の一部として、RDB から回復を実行することができます。

  • 代替サーバーのダイヤル トーン回復   代替サーバーを使用してダイヤル トーン データベースをホストし、元のデータベースがバックアップから復元された後で、RDB からデータを回復することができます。

  • メールボックス回復  削除されたメールボックスの保存期間が経過したときに、個別のメールボックスをバックアップから回復することができます。その後、復元されたメールボックスからデータを抽出して、ターゲット フォルダーにコピーするか、別のメールボックスと結合することができます。

  • 特定の項目の回復   メールボックスから削除された項目をバックアップ データから復元することができます。

注意

内容をアクティブなメールボックスに回復する際、フォルダー アクセス制御リスト (ACL) は保持されません。通常、回復プロセスではメールボックス データが回復され、元のデータベースに内容が結合されるので、ACL を回復またはコピーする必要はありません。

RDB は、次の条件とシナリオで、メールボックス データベースの回復に使用されます。

  • 元のデータベースおよびそのデータベース内のメールボックスに関する論理情報は、Active Directory 内で変更されずにそのまま残ります。

  • 1 つのメールボックスまたは 1 つのデータベースを復元する必要があります。回復シナリオには、次のものがあります。

    • ダイヤル トーン データベースの使用中に、データベースを回復および修復して、最終的には 2 つのデータベースを結合する。

    • そのデータベースの元のサーバー以外のサーバーで、データベースを回復する。必要に応じて、回復したデータを元のサーバーに結合することが可能。

    • 削除された項目の保存期間の経過後、ユーザーによってメールボックスから削除された項目を回復する。

パブリック フォルダーの内容を回復する必要がある場合、RDB は使用できません。さらに、一般的に RDB は、サーバー全体を復元する必要がある場合、複数のデータベースを復元する必要がある場合、または Active Directory トポロジを変更または再構築する必要のある緊急事態向けには設計されていません。

RDB を作成する方法の詳細な手順については、「回復用データベースの作成」(英語) を参照してください。RDB を作成する方法の詳細な手順については、「回復用データベースを使用してデータを復元する」(英語) を参照してください。

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