複数のメールボックスの検索について
適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3
トピックの最終更新日: 2016-11-28
組織が (組織ポリシー、準拠、または訴訟に関連した) 法的な証拠開示要件に従う場合、Microsoft Exchange Server 2010 の複数のメールボックスの検索を使用して Exchange メールボックスにある関連コンテンツの探索検索を実行できます。
複数のメールボックスの検索では、Exchange 検索 によって作成されたコンテンツ インデックスを使用します。Exchange コントロール パネル (ECP) は、法務および法令遵守責任者、レコード マネージャー、人事 (HR) 担当者などの非技術者に対する使いやすい検索インターフェイスを提供します。役割ベースのアクセス制御 (RBAC) では、証拠開示管理 管理役割グループを使用できるため、ユーザーが Exchange 構成に対する運用変更を行える可能性のある管理者特権を付与する必要なく、非技術者に検出タスクを委任できます。
目次
複数のメールボックスの検索の使用
Exchange 検索 および高度な検索テクニック
"検出の管理" 役割グループおよび管理役割
探索メールボックス
探索検索の実行
検索結果の表示
探索検索のログ
訴訟ホールドと検出
複数のメールボックス検索に関連する管理タスクについては、「複数メールボックス検索の管理」を参照してください。
複数のメールボックスの検索の使用
複数のメールボックスの検索の一般的な使用法を次に示します。
法的証拠開示 メッセージング レコードの法的証拠開示要求に応じることが、訴訟に関係する組織の最も重要なタスクの 1 つです。専用ツールがないと、異なるメールボックス データベースに存在する可能性のある、複数のメールボックス内のメッセージング レコードを検索する作業は、時間もかかり、またリソースの消費量も大きくなる可能性があります。複数のメールボックスの検索を使用すると、1 つ以上の Exchange 2010 サーバーで、さまざまな場所に存在する可能性のある、複数のメールボックスに格納された大量の電子メール メッセージを検索できます。
内部調査 複数のメールボックスの検索を使用すると、内部調査の一環として、マネージャーまたは法務部門からの要求を促進できます。
人事の監視 複数のメールボックスの検索を使用すると、標準的な電子メールの監視要求や特定の検索などの HR の要求を簡単に実行することができます。
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Exchange 検索 および高度な検索テクニック
複数のメールボックスの検索では、Exchange 検索 によって作成されたコンテンツ インデックスを使用します。複数のメールボックスの検索で要求される豊富な検索機能を提供するため、Exchange 検索 に新しい機能が追加されました。IT 部門で検出要求を受信したとき、複数のメールボックスの検索用のメールボックス データベースをクロールおよびインデックスする際には、1 つのコンテンツ インデックス処理エンジンだけで、他のリソースは使用されません。
Exchange 検索 の詳細については、「Exchange Search について」を参照してください。
複数のメールボックスの検索では高度な検索テクニック (AQS) も使用します。これは、Microsoft Office Outlook 2007 と Outlook 2010 の Windows 検索 およびクイック検索で使用される使い慣れたクエリ構文です。AQS に精通したユーザーであれば、強力な検索クエリを簡単に作成してコンテンツ インデックスを検索できます。
AQS の詳細については、「高度な検索テクニックのプログラムでの使用」を参照してください。
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"検出の管理" 役割グループおよび管理役割
ユーザーが探索検索を実行するには、ユーザーを 証拠開示管理 RBAC 役割グループに追加する必要があります。この役割グループは、2 つの管理役割で構成されます。ユーザーが探索検索を実行できるようにする"メールボックス検索" の役割と、メールボックスを訴訟ホールドの対象にする 法的情報保留 の役割です。証拠開示管理 RBAC 役割グループの詳細については、「検出の管理」を参照してください。RBAC の詳細については、「役割ベースのアクセス制御について」を参照してください。
既定では、証拠開示管理 役割グループにはメンバーが存在しません。検出関連のタスクを実行するためのアクセス許可は、ユーザーには割り当てられません。また Exchange 管理者には、既定では探索検索を実行するためのアクセス許可がありません。組織の管理 管理役割グループのメンバーである Exchange 管理者は、ユーザーを 証拠開示管理 役割グループに追加してカスタム役割グループを作成し、検出マネージャーのスコープをユーザーのサブセットに絞り込むことができます。RBAC 役割の変更の監査により、証拠開示管理 役割グループの割り当てを追跡するために十分なレコードが保管されていることを確認します。詳細については、「管理者監査ログを構成する」を参照してください。
重要
ユーザーが 証拠開示管理 役割グループに追加されていない場合、または "メールボックス検索" の役割を割り当てられていない場合、ECP では複数のメールボックスの検索のユーザー インターフェイスがユーザーに表示されません。また、複数のメールボックスの検索のコマンドレットは Exchange 管理シェルでは利用できません。
ユーザーを 証拠開示管理 役割グループに追加する方法の詳細については、「ユーザーを探索管理役割グループに追加する」を参照してください。
注意
複数のメールボックスの検索は、適切なアクセス許可を持つユーザーに、Exchange 2010 組織全体に格納されているすべてのメッセージング レコードへのアクセスを許可できる強力な機能です。証拠開示管理 役割グループまたは "メールボックス検索" 役割を持つその他の役割グループへのメンバーの追加、"メールボックス検索" の管理役割の割り当て、探索メールボックスへのメールボックス アクセス許可の割り当てなどの検出動作を制御および監視することが重要です。
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探索メールボックス
探索検索を実行する場合、検索結果を格納する対象メールボックスを指定する必要があります。探索メールボックスは、次の機能を提供する特殊な種類の Exchange 2010 メールボックスです。
より容易で安全な対象メールボックスの選択 ECP を使用して探索検索を作成する場合、探索メールボックスだけが、検索結果を格納するリポジトリとして利用可能になります。組織で使用可能なメールボックスの一覧を調べる必要がありません。これにより、検出マネージャーが、機密内容のメッセージを格納する際に別のユーザーのメールボックス、またはセキュリティ保護されていないメールボックスを誤って選択する可能性もなくなります。
大きなメールボックス記憶域クォータ 対象メールボックスは、探索検索から返される大量のメッセージ データを格納できる大きさである必要があります。既定では、探索メールボックスには 50 ギガバイト (GB) のメールボックス記憶域クォータがあります。このクォータを増やすことは可能ですが、50 ギガバイトを超える探索メールボックスはサポートされていません。
注意
Exchange 2010 Service Pack 1 (SP1) では、検出マネージャーが検索結果の予測を取得し、探索検索によって戻されるアイテムの総数および合計サイズを判定することができます。
既定でセキュリティで保護 すべてのメールボックスの種類と同様、探索メールボックスには関連付けられた Active Directory ユーザー アカウントがあります。ただし、既定では、このアカウントは無効になっています。探索メールボックスへのアクセスを明示的に承認されたユーザーのみが、メールボックスにアクセスできます。証拠開示管理 役割グループのメンバーには、既定の探索メールボックスへのフル アクセスのアクセス許可が割り当てられています。作成した追加の探索メールボックスでは、どのユーザーにもメールボックス アクセス許可が割り当てられていません。
重要
Exchange 2010 SP1 では、メールボックス監査ログを有効にすることで、メールボックスの所有者、代理人、管理者によるメールボックスへのアクセス、およびフォルダーやメッセージへのアクセスや削除などの操作を監査できます。詳細については、「メールボックス監査ログについて」を参照してください。
電子メール配信が無効 Exchange アドレス一覧には表示されますが、ユーザーが探索メールボックスに電子メールを送信することはできません。探索メールボックスへの電子メールの配信は、配信制限の使用によって禁止されています。これにより、検索結果の整合性が維持されます。
Exchange 2010 セットアップは、表示名 [探索検索メールボックス] を持つ 1 つの探索メールボックスを作成します。シェルを使用すると、追加の探索メールボックスを作成できます。既定では、作成した追加の探索メールボックスには、メールボックス アクセス許可が割り当てられていません。探索メールボックスを作成する方法の詳細については、「探索メールボックスを作成する」を参照してください。
また、複数のメールボックスの検索は、表示名 [SystemMailbox{e0dc1c29-89c3-4034-b678-e6c29d823ed9}] を持つシステム メールボックスを使用して、複数のメールボックスの検索のメータデータを保管します。システム メールボックスは、Exchange 管理コンソール (EMC) や Exchange のアドレス一覧には表示されません。複数のメールボックスの検索のシステム メールボックスが存在するメールボックス データベースを削除する前に、システム メールボックスを別のメールボックス データベースに移動する必要があります。
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探索検索の実行
証拠開示管理 役割グループに追加されたユーザーは、探索検索を実行できます。証拠開示管理 役割グループの詳細については、このトピックの「"検出の管理" 役割グループおよび管理役割」を参照してください。
次の図に示すように、ECP の Web ベース インターフェイスを使用して探索検索を実行できます。これにより、レコード マネージャー、法令遵守責任者、法務および HR の専門家などの非技術者が、複数のメールボックスの検索を簡単に使用できるようになります。シェルを使用して探索検索を実行することもできます。
注意
ハイブリッド展開の環境では、メールボックスは社内メールボックス サーバー上やクラウドベース組織内にあるため、社内組織の ECP を使用してクラウドベース メールボックスの検出検索を実行できます。メッセージを検出メールボックスにコピーするには、社内の検出メールボックスを選択する必要があります。検索結果で返されるクラウドベース メールボックスからのメッセージは、指定した社内検出メールボックスにコピーされます。
ハイブリッド展開の詳細については、「共存について」を参照してください。
探索検索インターフェイス
検索を実行する場合は、Exchange 2010 で検索オブジェクトが作成されます。このオブジェクトを操作して、検索の開始、停止、変更、削除を行います。探索検索によって返されるアイテムは、検索の対象メールボックスとして選択された探索メールボックスにコピーされます。複数の検索を同時に実行できます。
注意
複数のメールボックスの検索は、1 つの Exchange 2010 機能です。複数のメールボックスの検索を使用して検索できるのは、Exchange 2010 サーバー上にあるメールボックスだけです。検索結果を最適化するため、単一の検索で検索するメールボックスを 2,500 個未満にすることをお勧めします。2,500 個を超えるメールボックスを検索する場合は、複数の検索を作成できます。たとえば、配布グループまたは動的配布グループ内のユーザーのメールボックスを検索できます。
複数のメールボックスの検索では .pst ファイル内のメッセージは検索されません。管理および法的証拠開示のコストを減らすには、ユーザー用にアーカイブ メールボックスを準備することをお勧めします。アーカイブ メールボックスの詳細については、「個人アーカイブについて」を参照してください。
探索検索の実行には、以下が適用されます。
キーワード メッセージの内容を検索するためにキーワードおよび語句を指定できます。論理演算子 AND、OR、NOT も使用できます。複数単語語句の完全な一致を検索するには、語句を二重引用符で囲む必要があります。たとえば、"plan and competition" という語句を検索すると、語句の完全一致を含むメッセージが返されます。一方、plan AND competition を指定すると、メッセージのどこかに単語 [plan] と [competition] が含まれるメッセージが返されます。AQS を使用することもできます。詳細については、「高度な検索テクニックのプログラムでの使用」を参照してください。高度なキーワード検索の詳細については、「高度なキーワード検索」を参照してください。
注意
複数のメールボックスの検索では正規表現をサポートしていません。
AND および OR などの論理演算子がキーワードではなく演算子として扱われるようにするには、大文字で入力する必要があります。複数の論理演算子 (AND、OR、NOT など) が混在しているクエリに対しては、明示的なかっこを使用して間違いや誤解を避けることをお勧めします。たとえば、WordA と WordB のいずれか、および WordC と WordD のいずれかを含むメッセージを検索する場合は、(WordA OR WordB) AND (WordC OR WordD) と入力する必要があります。
送信者または受信者 検索範囲を絞り込むため、メッセージの送信者または受信者を指定できます。電子メール アドレス、表示名、またはドメイン名を使用できます。ドメイン名を使用すると、そのドメインのすべてのユーザーが送受信したアイテムを検索できます。たとえば、Contoso, Ltd から送信された電子メールを検索するには、ECP の [差出人] フィールドに「@contoso.com」と指定します。シェルで Senders パラメーターに @contoso.com を指定することもできます。
日付の範囲 既定では、複数のメールボックスの検索は、日付の範囲によって検索を限定しません。特定の日付の範囲内に送信されたメッセージを検索するには、開始日と終了日を指定することで検索の範囲を絞り込むことができます。終了日を指定しない場合は、検索を再開するたびに最新の結果が返されます。
メールボックス 複数のメールボックスの検索では、Exchange 組織の Exchange 2010 メールボックス サーバー上にあるすべてのメールボックスを検索できます。または、検索するメールボックスを指定できます。グループのメンバーであるメールボックス ユーザーを含めるには、配布グループを指定することもできます。
個人用アーカイブ 既定では、メールボックス ユーザーに対して個人用アーカイブが有効になっている場合、複数のメールボックスの検索でアーカイブ メールボックスも検索されます。ECP には、これを無効にするためのオプションがありません。アーカイブ メールボックスを除外するには、シェルを使用して検索を作成または変更する必要があります。
メッセージの種類 既定では、電子メール メッセージだけが検索されます。ただし、検索に含めることができるメッセージの種類には、連絡先、ドキュメント、インスタント メッセージングの会話、ジャーナル、会議、およびメモがあります。
添付ファイル 複数のメールボックスの検索では、Exchange 検索 でサポートされている添付ファイルを検索します。メールボックス サーバー上にファイルの種類に対する検索フィルター (iFilter とも呼ばれます) をインストールすることで、別のファイルの種類のサポートを追加できます。
検索不能アイテム 検索不能アイテムは、Exchange 検索 によってインデックス処理できないメールボックスのアイテムです。理由として、添付ファイルに対するインストール済みの検索フィルターがない、フィルター エラー、暗号化されたメッセージである、などが挙げられます。探索検索を作成している場合、検索結果に検索不能アイテムを含めることができます。
セーフ リスト 特定のファイルの種類にはインデックス処理できるコンテンツが含まれておらず、そのため Exchange 検索 によってインデックス処理されません。これらのファイルの種類は検索不能アイテムと見なされます。これらのファイルの種類を含むメールボックス アイテムは、検索不能アイテムの一覧に戻されません。詳細については、「Exchange Search の既定のフィルター」を参照してください。
暗号化されたアイテム S/MIME を使用して暗号化されたメッセージは Exchange 検索 によってインデックス処理されないため、複数のメールボックスの検索ではこれらのメッセージが検索されません。検索結果に失敗したアイテムを含めるオプションを選択した場合、これらの S/MIME 暗号化されたメッセージは、失敗したアイテムとして返されます。
IRM で保護されたアイテム Information Rights Management (IRM) を使用して保護されたメッセージは、Exchange 検索 によってインデックス処理されるため、探索検索の結果に含まれます。メッセージは、Exchange 2010 メールボックス サーバーと同じ Active Directory フォレスト内の Active Directory Rights Management サービス (AD RMS) サーバーを使用して保護されている必要があります。IRM の詳細については、「権限での保護」を参照してください。
重要
Exchange 検索 が、解読の失敗により、または IRM が無効になっているため、IRM で保護されたメッセージのインデックス処理に失敗した場合、保護されたメッセージが失敗したアイテムの一覧に追加されません。検索結果に失敗したアイテムを含めるオプションを選択した場合、解読できなかった、保護されたメッセージが結果に含まれない可能性があります。
検索に IRM で保護されたメッセージを含めるには, .rpmsg 添付ファイルを持つメッセージを返すために別の探索検索を作成できます。クエリ文字列attachment:rpmsg
を使用して、すべての保護されたメッセージを検索することができます。これにより、インデックス処理されているかどうかに関係なく、検索されたメールボックスからすべての IRM で保護されたメッセージが返されます。この場合、正常にインデックス処理された保護されたメッセージを含め、検索基準に一致するメッセージを 1 つの検索で返すシナリオでは、検索結果の重複が発生する可能性があります。この検索では、インデックス処理できなかった、保護されたメッセージが返りません。すべての保護されたメッセージに対する 2 回目の検索を実行すると、正常にインデックス処理され、最初の検索で返された、保護されたメッセージも含まれます。また、2 回目の検索によって返された、保護されたメッセージは、最初の検索に使用されたキーワードなどの検索基準に一致しない可能性があります。重複除去 Exchange 2010 SP1 では、探索検索結果の重複除去を有効にして、一意のメッセージのインスタンスを 1 つだけ探索メールボックスにコピーできます。重複除去には次の利点があります。
コピーするメッセージ数の削減により、記憶域の要件と探索メールボックスのサイズを低減できます。
探索検索結果の確認を担当する検出マネージャー、弁護士その他の負荷を軽減できます。
検索結果内の重複アイテム数によっては、探索コストを削減できます。
Exchange 2010 SP1 にアップグレードされていない Exchange 2010 サーバーの探索メールボックスを選択した場合、検索結果の重複除去は実行されません。重複除去を使用するには、Exchange 2010 SP1 メールボックス サーバーにある探索メールボックスを選択する必要があります。
検索結果の予測 Exchange 2010 SP1 で探索検索を作成すると、検出マネージャーは、検索で戻されたメッセージを探索メールボックスにコピーするかどうかを決定する前に、検索結果の予測のオプションを選択することができます。検索結果の予測には、検索で戻されるアイテムの総数、合計サイズ、および指定した各キーワードで戻されたアイテムの詳細が含まれます。検索の予測には、次の利点があります。
検出マネージャーが検索クエリの効果を判断できます。検出マネージャーは、検索の予測を使用して検索クエリとキーワードの what-if 分析を実行し、より有効なクエリを作成できます。
検出マネージャーが、要件や検索目的に適合しない可能性があるが要確認である多数のアイテムをコピーしなくて済みます。
検索クエリを実行した結果、コピーが必要なアイテムが多数検出された場合、検出マネージャーは Exchange 管理者と協力して、この検索結果を格納できる記憶域が探索メールボックスにあるかどうかを判定します。
注意
検索結果の予測を計算する場合、重複除去は考慮されません。メッセージを探索メールボックスにコピーするオプションを選択して検索を再実行すると、実際にコピーされるメッセージ数は、予測のみのオプションを使用した場合の予測よりも少なくなる可能性があります。
探索検索を実行する方法の詳細については、「検出検索を作成する」を参照してください。
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検索結果の表示
検索結果は、検索用の対象メールボックスとして選択された探索メールボックスにコピーされます。既定の探索検索メールボックス以外の対象メールボックスを使用する場合、メールボックスにアクセスするためのアクセス許可を権限のあるユーザーに割り当てて、その探索メールボックスにアクセスできるようにする必要があります。権限のあるユーザーは、Microsoft Office Outlook Web App または Outlook を使用してメールボックスにアクセスできます。
メールボックスに対するフル アクセスのメールボックス アクセス許可をユーザーに割り当てる方法については、「フル アクセスのアクセス許可の管理」を参照してください。
探索メールボックスに検索結果をコピーするオプションを検出マネージャーが選択すると、その検索と同じ名前のフォルダーがコピー先のメールボックスに作成されます。そのメールボックスから返されるメッセージを格納するため、検索する各メールボックスに対してサブフォルダーが作成されます。フォルダー名は、メールボックス ユーザーの表示名と、検索が作成された日時で構成されます。メッセージは、検索されたメールボックス内の場所と同じ名前を持つフォルダーにコピーされます。たとえば、検索名が Discovery-ProjectContoso で、Paul Shen のプライマリ メールボックス内の受信トレイ フォルダーに位置するメッセージが返される場合、探索メールボックスで作成されるフォルダー階層は、Discovery-ProjectContoso -> Paul Shen-9/4/2009 3:57:10 PM -> Primary Mailbox > Inbox になります。開封/未開封状態とフォローアップ フラグを含む、すべてのメッセージ フラグが保持されます。
注意
検索マネージャーが重複除去オプションを選択すると、検索対象の全メールボックスの複数の場所で検出されるメッセージの単一インスタンスが [結果 - <タイムスタンプ>] フォルダーにコピーされます。検出マネージャーが検索でフル ログ オプションを選択すると、検索ログにメッセージの各インスタンスのエントリが含まれます。
コメント
Exchange 2010 SP1 では、検出マネージャーが探索メールボックスにコピーされたメッセージを確認する際に、これにコメントを追加することができます。検出マネージャーは、こうして特定の単語や語句を含むコメントが付いているメッセージの探索メールボックスを検索できます。
検出マネージャーはコメントを使用して訴訟番号やその他の一意の識別子とメッセージを関連付け、その番号を含む全アイテムを簡単に検索することができます。
注意
コメントはメッセージと一緒に探索メールボックスに格納されます。サード パーティにメッセージを配信する場合は、サード パーティがコメントに含まれる情報にアクセスできる可能性があることを考慮してください。コメントには、機密情報を入れないことをお勧めします。
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探索検索のログ
探索検索には 2 種類のログを使用できます。
基本ログ 既定では、基本ログは、すべてのメールボックス検索に対して有効になっています。基本ログには、検索およびその検索を実行したユーザーに関する情報が含まれます。基本ログについて取得された情報は、検索結果が格納されるメールボックスに送信される電子メール メッセージの本文に表示されます。このメッセージは、検索結果を格納するために作成されたフォルダーに保存されています。
フル ログ フル ログには、検索で返されたすべてのメッセージに関する情報が含まれています。この情報はコンマ区切り値 (.csv) ファイルの形式で提供され、基本ログの情報を含む電子メール メッセージに添付されます。.csv ファイルの名前には検索の名前が使用されます。この情報は、法令遵守または記録保持のために必要になる可能性があります。フル ログを有効にするには、ECP で [フル ログ収集を有効にする] を選択するか、シェルで LogLevel パラメーターを使用してログ レベルを指定する必要があります。Exchange 2010 SP1 では, .csv ログ ファイルが圧縮 (.zip) ファイルに含まれます。
注意
シェルを使用して検索を作成または変更する場合、ログを無効にすることもできます。
詳細については、「複数のメールボックスの検索のログ」を参照してください。
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訴訟ホールドと検出
証拠開示要求の一環として、訴訟が決着するまでメールボックスのコンテンツの保持が必要となる可能性があります。メールボックスのコンテンツを保持するには、メールボックス ユーザーによって削除または変更されたメッセージも保持する必要があります。Exchange 2010 では、訴訟ホールドを使用してメールボックスのコンテンツを保持できます。
メールボックスが訴訟ホールドの対象となった後は、ユーザーによって削除されたメッセージや他のメールボックス アイテム、およびメールボックス アイテムの特定のプロパティに対する変更のすべてのインスタンスが、[回復可能なアイテム] フォルダーに保持されます。訴訟ホールドの詳細については、「訴訟ホールドについて」を参照してください。メールボックスを訴訟ホールドの対象にする方法の詳細については、「メールボックスの法的情報保留を有効にする」を参照してください。
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検索用メールボックスの保存
従業員が組織を離れる際、通常はメールボックスを無効化または削除します。無効化した後、メールボックスはユーザー アカウントから切断されますが、メールボックス データベースは一定期間、既定では 30 日間残されます。この期間中、管理フォルダー アシスタントは切断されたメールボックスを処理せず、保持ポリシーまたは管理フォルダー メールボックス ポリシーは適用されません。切断されたメールボックスのコンテンツは検索できません。削除されたメールボックスの保持期間が経過すると、そのメールボックスはメールボックス データベースから削除されます。
組織内に存在していない従業員のメッセージに対して組織が保持設定を適用する必要がある場合、または継続または今後の検出検索のために元従業員のメールボックスの保持が必要になる可能性がある場合は、そのメールボックスは無効化または削除できません。メールボックスにアクセスできず、新しいメッセージが送信されないことを確認するには、次の手順を実行できます。
Active Directory ユーザー & コンピューター、またはその他の Active Directory、またはアカウント プロビジョニング ツールやスクリプトを使用して、Active Directory ユーザー アカウントを無効化します。これにより、関連するユーザー アカウントを使用したメールボックス ログインが行えなくなります。
重要
メールボックスにフル アクセスするアクセス許可を持つユーザーは、まだこのメールボックスにアクセスできます。その他のユーザーによるアクセスを防ぐには、それらのユーザーのフル アクセスのアクセス許可をこのメールボックスから削除する必要があります。メールボックスへの完全なアクセス許可を削除する方法の詳細については、「フル アクセスのアクセス許可の管理」を参照してください。
メールボックス ユーザーから送信またはメールボックス ユーザーが受信するメッセージのサイズ制限を非常に低い値 (たとえば、1 KB) に設定します。これにより、メールボックスにまたはメールボックスから新しいメールの配信を阻止します。メールボックスのメッセージ サイズの制限を構成する方法の詳細については、「メールボックスまたはメールが有効なパブリック フォルダーのメッセージ サイズの制限を構成する」を参照してください。
このメールボックスへの配信制限を構成すると、メッセージを送信できるユーザーはいなくなります。詳細については、「メッセージの配信制限を構成する」を参照してください。
重要
組織に必要な他のアカウント管理プロセスでも上記の手順を実行する必要がありますが、メールボックスまたは関連ユーザー アカウントの無効化や削除は不要です。
メッセージング保持管理または検出のために、メールボックス保存の実施を計画する場合は、従業員回転率を考慮する必要があります。元従業員のメールボックスを長期保存するには、関連するユーザー アカウントも同じ期間保存しなければならないため、メールボックス サーバーにストレージを追加する必要があり、結果として Active Directory データベースの増加に繋がります。さらに、組織のアカウント プロビジョニングや管理プロセスの変更が必要になる可能性もあります。
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