次の方法で共有


トランスポート設定のプロパティの構成

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2012-11-12

トランスポート設定では、すべてのハブ トランスポート サーバーが組織内で Microsoft Exchange Server 2010 を実行する方法を定義します。構成したオプションは、すべてのハブ トランスポート サーバーによって使用されます。

トランスポート サーバーに関連する他の管理タスクについては、「トランスポート サーバーの管理」を参照してください。

実行内容

  • EMC を使用してグローバル トランスポート設定を構成する

  • シェルを使用してグローバル トランスポート設定を構成する

EMC を使用してグローバル トランスポート設定を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「トランスポート構成」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ハブ トランスポート] にアクセスします。

  2. 結果ウィンドウで、[グローバル設定] タブをクリックし、[トランスポート設定] をダブルクリックします。

  3. Exchange 組織内のすべてのハブ トランスポート サーバーに対するトランスポート制限とトランスポート収集の設定を構成するには、[全般] タブを使用します。

    • [最大受信サイズ (KB)]   このフィールドでは、組織内の受信者が受信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10,240 KB です。有効な入力の範囲は 0 ~ 2,097,151 KB です。[最大受信サイズ (KB)] の隣のチェック ボックスをオフにすると、組織内の受信者が受信できるメッセージ サイズは制限されません。

    • [最大送信サイズ (KB)]   このフィールドでは、組織内の送信者が送信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10,240 KB です。有効な入力の範囲は 0 ~ 2,097,151 KB です。[最大送信サイズ (KB)] の隣のチェック ボックスをオフにすると、組織内の送信者が送信できるメッセージ サイズは制限されません。

    • [受信者の最大数]   このフィールドでは、メッセージでの受信者の最大数を指定します。既定は 5000 です。有効な入力の範囲は 0 ~ 2147483647 です。[受信者の最大数] の隣のチェック ボックスをオフにすると、メッセージでの受信者の数は制限されません。Exchange 2010 では、展開されない配布グループは 1 人の受信者として扱われます。

    • [メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)]   このフィールドでは、各メールボックス データベースのトランスポート収集の最大サイズを指定します。既定値は 18 MB です。このパラメーターの有効な入力の範囲は、0 ~ 2,097,151 MB です。

      トランスポート収集を有効にするには、[メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)][最大保存期間 (日)] の値を、両方とも 0 より大きくする必要があります。

    • [最大保存期間 (日)]   このフィールドでは、トランスポート収集に電子メール メッセージを保持する期間を指定します。既定値は 7 日です。有効な入力値の範囲は 0 ~ 24855 日です。

      トランスポート収集を有効にするには、[メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)][最大保存期間 (日)] の値を、両方とも 0 より大きくする必要があります。

    • [外部ポストマスター アドレスを指定]   このフィールドには、システムが生成したメッセージの送信者として使用される電子メール アドレスと、組織外部の送信者へ送信される通知を指定します。

  4. [メッセージ配信] タブを使用して、Sender ID と接続フィルターの対象外となる境界ネットワークにインストールされている内部 SMTP サーバーの IP アドレスを構成します。内部の送信者が監視する配信状態通知 (DSN) コードも構成できます。これらの DNS に対応する配信不能レポート (NDR) は、ポストマスター メールボックスにコピーされます。

    注意

    メールボックスが Microsoft Exchange 受信者に割り当てられている場合にのみ、NDR がポストマスター メールボックスにコピーされます。既定では、Microsoft Exchange 受信者に割り当てられているメールボックスはありません。

    [メッセージ配信] タブで、次の項目を構成します。

    [組織の IP アドレスの範囲と、境界領域に展開されたサーバーの IP アドレスを入力してください。これらの IP アドレスは Sender ID と接続フィルターでは無視されます]   この一覧を使用して、組織の境界に展開されている SMTP サーバーの IP アドレスを指定します。

    • [追加 - IP アドレス]   サブネット マスクを使用せずに IP アドレスを入力したり、クラスレス ドメイン間ルーティング (CIDR) 表記法を使用してサブネット マスクを指定したりするには、[追加] または [追加] の横にある下向き矢印をクリックして、[IP アドレス] を選択します。[内部 SMTP サーバーの IP アドレスの追加] ダイアログ ボックスで、直接 IP アドレスを入力するか、CIDR 表記を使用してサブネットを指定します。たとえば「192.168.1.1」と入力すると、そのホストだけが境界サーバーの一覧に追加されますが、「192.168.1.0/24」と指定すると、192.168.1.0 のクラス C サブネット全体が境界ネットワークとして指定され、ネットワーク上のサーバーからのメッセージはいずれも Sender ID や接続フィルターの対象とはなりません。

      [追加 - IP およびマスク]   IP アドレスまたはサブネットをドットで区切られた 10 進数表記のサブネット マスクと共に入力するには、[追加] の横にある下向き矢印をクリックし、[IP およびマスク] をクリックします。[内部 SMTP サーバーの追加 - IP およびマスク] ダイアログ ボックスで、IP アドレスとサブネット マスクを入力します。

      [追加 - IP アドレスの範囲]   範囲の最初の IP アドレスと最後の IP アドレスを使用して IP アドレス範囲を指定するには、[追加] の横にある下向き矢印をクリックし、[IP アドレスの範囲] をクリックします。[内部 SMTP サーバーの追加 - IP アドレスの範囲] ダイアログ ボックスで、IP アドレスの範囲の開始アドレスと終了アドレスを指定します。

    • [編集]   以前に追加した IP アドレスを変更するには、IP アドレスを選択して [編集] をクリックします。

    • [削除]   IP 禁止一覧から既存のエントリを削除するには、そのエントリを選択し、[削除] アイコン をクリックします。

    [内部の送信者を監視する配信状態通知 (DSN) コードを入力します。これらの DSN コードを含む NDR メッセージは、ポストマスターの電子メール アカウントに転送されます]   内部の送信者が監視する DSN コードを指定します。これらの DSN コードを持つ NDR はすべて Microsoft Exchange 受信者のメールボックスにコピーされます。以下の操作を実行できます。

    • [追加]   DSN コードを追加するには、3 桁の DSN コードを「x.y.z」のように入力し、[追加] をクリックします。

    • [編集]   既存の DSN コードを編集するには、DSN コードを選択し、[編集] をクリックします。

      [削除]   既存の DSN コードを削除するには、DSN コードを選択し、[削除] アイコン をクリックします。

シェルを使用してグローバル トランスポート設定を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「トランスポート構成」。

Set-TransportConfig コマンドレットを使用して、組織内のグローバル トランスポート設定を構成します。最も使用頻度の高いグローバル設定のプロパティのみを構成できる EMC とは異なり、Set-TransportConfig コマンドレットでは、トランスポート サーバーが機能する方法を定義するすべてのグローバル設定を構成できます。

次に、このコマンドレッドの使用方法の例をいくつか紹介します。

Set-TransportConfig コマンドレットを使用すると、トランスポート収集の MaxDumpsterSizePerDatabase パラメーターの設定を変更できます。データベースごとの最大サイズ (MaxDumpsterSizePerdatabase パラメーター) は、送信できる最大のメッセージのサイズの 1.5 倍に設定することをお勧めします。たとえば、最大メッセージ サイズが 10 メガバイト (MB) である場合、MaxDumpsterSizePerDatabase パラメーターの値は 15 MB に設定します。最大メッセージ サイズを指定していない組織では、データベースごとの最大サイズの値を、組織内で送信される平均的なサイズのメッセージの 1.5 倍に設定することをお勧めします。

この例では、NDR および組織外部の送信者に対してシステムが生成するその他のメッセージの送信者として使用するため、電子メール アドレス postmaster@contoso.com を構成します。

Set-TransportConfig -ExternalPostmasterAddress postmaster@contoso.com

この例では、組織のシャドウ冗長を有効にしています。

Set-TransportConfig -ShadowRedundancyEnabled $true 

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportConfig」を参照してください。

 © 2010 Microsoft Corporation.All rights reserved.