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受信者コマンドのフィルターの作成

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2010-07-28

いくつかの Exchange  管理シェル コマンドを使用して、受信者にフィルターをかけることができます。Exchange コマンドにより、次の種類のフィルターを作成できます。

  • 既定のフィルター

  • カスタム フィルター (RecipientFilter パラメーターを使用)

  • カスタム フィルター (Filter パラメーターを使用)

  • カスタム フィルター (ContentFilter パラメーターを使用)

Microsoft Exchange Server 2003 以前のバージョンでは、LDAP フィルター構文を使用して、カスタム アドレス一覧、グローバル アドレス一覧 (GAL)、電子メール アドレス ポリシー、および配布グループを作成します。Exchange Server 2007 および Exchange Server 2010 では、LDAP 構文は OPATH フィルター構文に置き換えられています。Exchange では、既存の LDAP フィルターはサポートされますが、これを編集することはできません。LDAP フィルターを変更するには、これを OPATH フィルターにアップグレードする必要があります。詳細については、「カスタム LDAP フィルターを OPATH フィルターにアップグレードする」を参照してください。

目次

既定のフィルター

カスタム フィルター (RecipientFilter パラメーターを使用)

カスタム フィルター (フィルター パラメーターを使用)

カスタム フィルター (ContentFilter パラメーターを使用)

OPATH 構文の追加情報

既定のフィルター

既定のフィルターは、よく使用される Exchange フィルターで、動的配布グループ、電子メール アドレス ポリシー、アドレス一覧、または GAL を作成する際のさまざまな受信者フィルター条件を満たすために使用できます。既定のフィルターを使用すると、Exchange 管理コンソール (EMC) で Exchange 管理シェルまたはウィザードを使用できます。既定のフィルターを使用して、以下の操作を実行することができます。

  • 受信者のスコープを指定します。

  • 会社名、部署、都道府県などのプロパティに基づいて、条件付きフィルターを追加します。

  • 受信者のカスタム属性を追加します。詳細については、「カスタム属性について」を参照してください。

次のパラメーターは、既定のフィルターと見なされます。

  • IncludedRecipients

  • ConditionalCompany

  • ConditionalDepartment

  • ConditionalStateOrProvince

  • ConditionalCustomAttribute1–15.

既定のフィルターは、次のコマンドレットで使用できます。

ここでは、シェルで既定のフィルターを使用して動的配布グループを作成する例について説明します。この例の構文は、電子メール アドレス ポリシー、アドレス一覧、または GAL の作成に使用する構文と似ていますが、同じではありません。既定のフィルターを作成する際には、次の内容を確認する必要があります。

  • グループに含める受信者が所属する組織単位 (OU)(これは RecipientContainer パラメーターに対応します。)

    注意

    ここでの OU の選択は、動的配布グループの作成時にのみ適用され、電子メール アドレス ポリシー、アドレス一覧、または GAL の作成時には適用されません。

  • グループに含める受信者の種類(これは IncludedRecipients パラメーターに対応します。)

  • フィルターに追加する条件(これは ConditionalCompanyConditionalDepartmentConditionalStateOrProvince、および ConditionalCustomAttribute パラメーターに対応します。)

この例では、"Contoso.com/Users" という OU 内のユーザー メールボックスに "Contoso Finance" という動的配布グループを作成し、Department 属性が "Finance/財務"、Company 属性が "Contoso" と定義されている受信者のみを含めるという条件を指定します。

New-DynamicDistributionGroup -Name "Contoso Finance" -OrganizationalUnit Contoso.com/Users -RecipientContainer Contoso.com/Users -IncludedRecipients MailboxUsers -ConditionalDepartment "Finance" -ConditionalCompany "Contoso"

この例では、この新しい動的配布グループのプロパティを表示します。

Get-DynamicDistributionGroup -Identity "Contoso Finance" | Format-List *Recipient*,Included*

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カスタム フィルター (RecipientFilter パラメーターを使用)

既定のフィルターで、必要な動的配布グループ、電子メール アドレス ポリシー、およびアドレス一覧の作成や変更を行えない場合は、RecipientFilter パラメーターを使用してカスタム フィルターを作成できます。

受信者フィルター パラメーターは、次のコマンドレットで使用できます。

RecipientFilter パラメーターで使用できるフィルター可能なプロパティの詳細については、「-RecipientFilter パラメーターのフィルター可能なプロパティ」を参照してください。

次の例では、RecipientFilter パラメーターを使用して動的配布グループを作成します。この例の構文は、電子メール アドレス ポリシー、アドレス一覧、または GAL の作成に使用する構文と似ていますが、同じではありません。

この例では、カスタム フィルターを使用して、Company 属性が "Contoso"、Office 属性が "North Building/北館" と定義されているユーザー メールボックス用の動的配布グループを作成します。

New-DynamicDistributionGroup -Name AllContosoNorth -OrganizationalUnit contoso.com/Users -RecipientFilter { ((RecipientType -eq 'UserMailbox') -and (Company -eq 'Contoso') -and (Office -eq 'North Building')) }

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カスタム フィルター (フィルター パラメーターを使用)

Filter パラメーターを使用してコマンドの結果をフィルター処理し、取得するオブジェクトを指定できます。たとえば、すべてのユーザーまたはグループを取得する代わりに、フィルター文字列を使用することで一連のユーザーまたはグループを指定できます。この種類のフィルターでは、オブジェクトの構成や属性は変更されません。変更されるのは、コマンドから返されるオブジェクトのセットだけです。

Filter パラメーターによるコマンド結果の変更は、サーバー側のフィルター処理と呼ばれます。サーバー側のフィルター処理では、コマンドとフィルターがサーバーに送信され、サーバーで処理されます。シェルではクライアント側のフィルター処理もサポートしています。この場合、コマンドはサーバーからすべてのオブジェクトを取得し、その後、ローカルのコンソール ウィンドウでフィルターを適用します。クライアント側のフィルター処理を実行するには、Where-Object コマンドレットを使用します。サーバー側のフィルター処理およびクライアント側のフィルター処理の詳細については、「コマンド出力の操作」の「データをフィルター処理する方法」を参照してください。

Filter パラメーターが含まれるコマンドレットのフィルター可能なプロパティを検索するには、オブジェクトに対して Get コマンドを実行し、Format-List パラメーターによりパイプライン処理して出力をフォーマットします。ここで返される値のほとんどは、Filter パラメーターで使用できます。次の例では、メールボックス "Ayla" の詳細リストを返します。

Get-Mailbox -Identity Ayla | Format-List

Filter パラメーターは、次のコマンドレットで使用できます。

Filter パラメーターで使用できるフィルター可能なプロパティの詳細については、「-Filter パラメーターのフィルター可能なプロパティ」を参照してください。

この例では、Filter パラメーターを使用して役職に "manager/マネージャー" という単語が含まれるユーザーに関する情報を返します。

Get-User -Filter {Title -like '*Manager*'}

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カスタム フィルター (ContentFilter パラメーターを使用)

ContentFilter パラメーターを使用して特定のメッセージ内容を選択し、これを New-MailboxExportRequest コマンドレットの使用時にエクスポートできます。コンテンツ フィルターと一致する内容を含むメッセージが見つかると、そのメッセージが .pst ファイルにエクスポートされます。

この例では、"Ayla" のメールボックスで本文に "company prospectus/企業目論見書" という語句が含まれるメッセージを検索するエクスポート要求を作成します。この語句が見つかると、この語句を含むメッセージのすべてが .pst ファイルにエクスポートされます。

New-MailboxExportRequest -Mailbox Ayla -ContentFilter {Body -like "*company prospectus*"}

ContentFilter パラメーターで使用できるフィルター可能なプロパティの詳細については、「-ContentFilter パラメーターのフィルター可能なプロパティ」を参照してください。

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OPATH 構文の追加情報

独自のカスタム フィルターを作成する場合は、以下の点を確認してください。

  • Filter パラメーターまたは RecipientFilter パラメーターでは、OPATH 構文文字列の全体を波かっこ { } で囲みます。

  • 演算子の前には必ずハイフンを付けます。最も一般的な演算子は次のとおりです。

    • -and

    • -or

    • -not

    • -eq (等しい)

    • -ne (等しくない)

    • -lt (より小さい)

    • -gt (より大きい)

    • -like (文字列の比較)

    • -notlike (文字列の比較)

  • RecipientFilter および Filter パラメーターの多くのプロパティでは、ワイルドカード文字が使用できます。ワイルドカード文字を使用する場合、eq 演算子の代わりに like 演算子を使用します。like 演算子は、文字列などのさまざまな種類のパターン マッチを検索するために使用されますが、eq 演算子は完全な一致を検索するために使用されます。

  • 使用できる演算子の情報を取得するには、以下のコマンドを実行します。

    • Help about_logical_operator

    • Help about_comparison_operator

  • 受信者の種類の大半のプロパティを使用してフィルター文字列を作成できます。特定のコマンドレットで使用できるフィルター可能なプロパティの詳細については、「Exchange 2010 で PowerShell を使用する (Exchange 管理シェル)」のコマンドレット関連トピックを参照してください。

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