Move-ClusteredMailboxServer (RTM)
適用先: Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-06-05
ここでは、使用可能なパッシブ クラスタ ノードに Microsoft Exchange Server 2007 クラスタ化メールボックス サーバー (CMS) を移動するための Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットの使用方法を説明します。
構文
move-ClusteredMailboxServer -Identity <ServerIdParameter> -MoveComment <String> -TargetMachine <String> [-DomainController <Fqdn>] [-IgnoreDismounted <SwitchParameter>] [-ValidateOnly <SwitchParameter>]
解説
Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットは、ノード間におけるクラスタ化メールボックス サーバーのスケジュールされた停止を開始するために使用します。この状況は、メールボックス サーバーのホストに障害があった場合の予定外の停止とは対照的です。
Move-ClusteredMailboxServer の操作が正しく開始されるには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 指定したターゲット コンピュータでクラスタ化メールボックス サーバーが実行されていないこと。
- 指定したターゲット コンピュータが使用可能で、同一クラスタのメンバであること。
Move-ClusteredMailboxServer の操作が完了すると、以下のいずれかの結果になります。
指定したクラスタ化メールボックス サーバーが、それまでアクティブだったノードから全データを引き継ぎ、指定したターゲット ノード上で稼働します。
注 : コマンド発行時にクラスタ化メールボックス サーバーがオフラインだった場合は、オフラインのままで指定ノードに移されます。 Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを実行した結果としてデータの損失が発生する場合は、コマンドレットの実行が (ほとんどの場合) 回避され、クラスタ化メールボックスは元のノード上で存続します。
重要 : Move-ClusteredMailboxServer 処理の遅い段階でエラーが発生した場合は、新しいノードにクラスタ化メールボックスが移されます。
このタスクでは、タスクを開始するために使用するアカウントに、対象サーバーの Exchange Server 管理者の役割およびローカルの Administrators グループの権限が委任されている必要があります。Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
パラメータ
パラメータ | 必須かどうか | 種類 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter |
Identity パラメータには、移動対象のクラスタ化メールボックス サーバーの名前または GUID を指定します。 |
Confirm |
省略可能 |
Boolean |
Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。既定値は $true です。 |
DomainController |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Fqdn |
DomainController には、ドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。 |
MoveComment |
必須 |
System.String |
MoveComment パラメータには、発行する移動コマンドの理由を指定します。イベント ログにコメントが記録されます。 |
TargetMachine |
必須 |
System.String |
TargetMachine パラメータには、移動先のターゲット コンピュータの名前を指定します。このコンピュータは、クラスタのメンバである必要があり、クラスタ化メールボックス サーバーを実行していてはなりません。クラスタ化メールボックス サーバーの冗長化されたサーバーのリストに含まれている必要があります。 |
IgnoreDismounted |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
IgnoreDismounted パラメータは、マウント解除されたストレージ グループをレプリケーションの状態確認の目的では無視していることを表します。既定値は $false です。マウント解除されたストレージ グループに破損したログ ドライブがある場合は、この種の障害があると処理を完了できないため、このパラメータを指定する必要があります。$true を指定する場合は、マウント解除されたストレージ グループのすべてのログ ファイルがターゲット上にあることを確認してください。 |
ValidateOnly |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
ValidateOnly パラメータは、Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットのターゲット検証の部分を実行します。これにより、ターゲット ノードでのレプリケーションがすべてのストレージ グループについて正常かどうかが検証されます。 |
WhatIf |
省略可能 |
Boolean |
WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。既定値は $true です。 |
エラー
エラー | 説明 |
---|---|
|
タスクは、通信にエラーが発生したか、またはクラスタが使用できないため、クラスタに接続できませんでした。 これは、ノードが使用できない、ノードは使用できるがクラスタが使用できない、使用しているコンピュータがノードまたはコンピュータにアクセスできない、などが考えられます。 |
|
このタスクでは Exchange 2007 のみをサポートしており、<ServerName> は Exchange 2007 サーバーではありません。 |
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ユーザーに Exchange Server 管理者の権限がありません。 |
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指定されたサーバーが存在しません。 |
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指定されたサーバーが存在しないため、クラスタ化メールボックス サーバーを移動できません。指定されたサーバー :<サーバー名>。 |
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アクティブ ノードとの通信を開始できませんでした。 |
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ターゲット コンピュータとの通信を開始できませんでした。 |
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システム アテンダントを検出できませんでした。 |
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インフォメーション ストアを検出できませんでした。 |
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ターゲット コンピュータのクラスタ サービスに接続できませんでした。 |
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指定されたターゲット コンピュータは、既に別のクラスタ化メールボックス サーバーをホストしています。 |
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クラスタ化メールボックス サーバー オブジェクトとターゲット コンピュータとの間で、バージョンの互換性がありません。 |
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管理されたストレージ グループが Active Directory ディレクトリ サービスで見つかりませんでした。 |
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クラスタ連続レプリケーション (CCR) では、ストレージ グループに単一のデータベースしか含められません。 |
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ターゲットが壊れていて無視できない場合、移動は許可されません。 |
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ターゲットでレプリケーションに時間がかかりすぎている場合、移動は許可されません。 |
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ターゲットでのレプリケーションは Move-ClusteredMailboxServer の操作をサポートする準備ができていません。 |
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移動、開始、または停止中の移動はできません。 |
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クラスタ化メールボックス サーバーが移動元でオフラインになりませんでした。 |
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クラスタ化メールボックス サーバーがターゲット コンピュータへの基本的な移行に失敗しました。 |
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クラスタ化メールボックス サーバーがターゲット上で保留状態から別の状態に移りませんでした。 |
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クラスタ化メールボックス サーバーがオンラインになりませんでした。 |
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クラスタ サービスとの通信の際に一時的な問題が発生しました。 |
例
次のコード例は、破損したデータベースを回復するために CMS という名前のクラスタ化メールボックス サーバーを NodeB に移動する方法を示しています。
Move-ClusteredMailboxServer -Identity:CMS -TargetMachine:NodeB -MoveComment:"Recover corrupted MDB"
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。