Restore-StorageGroupCopy (RTM)
適用先: Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-10-23
ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 クラスタ連続レプリケーション (CCR) またはローカル連続レプリケーション (LCR) ソリューションで Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して、パッシブ モードのストレージ グループ コピーをアクティブ化する方法について説明します。CCR 構成では、Restore-StorageGroupCopy は、自動マウント機能によってデータベースがマウントされず、管理者が明示的に介入してデータベースをマウントする必要がある場合に使用されます。このシナリオでは、管理者は Mount-Database 操作を実行する前に、Restore-StorageGroupCopy を使用します。LCR 構成では、Restore-StorageGroupCopy は LCR を無効にして、パッシブ コピーを Mount-Database で使用可能にするために使用されます。どちらの構成でも、Restore-StorageGroupCopy はパッシブ コピーへのレプリケーションを終了し、そのコピーを Mount-Database コマンドレットで使用できるようにします。
構文
Restore-StorageGroupCopy -Identity <StorageGroupIdParameter> [-DomainController <Fqdn>] [-Force <SwitchParameter>] [-ReplaceLocations <SwitchParameter>]
解説
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは、アクティブなデータベースまたはストレージ グループの障害から回復するために、Exchange 2007 管理者が CCR または LCR コピーをアクティブ化するときに必要です。このコマンドは CCR 構成および LCR 構成の両方で使用します。既定では、Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは管理者がレプリケーションを終了するときに使用します。これは CCR 構成および LCR 構成の両方で使用します。
LCR 構成では、管理者がファイル システムまたはボリュームの操作を通してデータを移動することが期待されます。コピー データベースに使用されるパスと運用データベースに使用されるパスの間で表記規則を維持するために、この方法をお勧めします。
ReplaceLocations パラメータは、管理者がレプリケーションを終了してコピーのパスを運用ストレージ グループおよびデータベースの場所の属性にプッシュする場合に、LCR 構成で使用します。運用データベース オブジェクトとストレージ グループ オブジェクトのパスは、コピーにある場所に更新されます。この処理はすばやく行われるので、データベースの即時マウントが可能です。このオプションを使用しない場合は、運用場所でコピーのデータを使用可能にする必要があります。ファイル システムの名前変更コマンドまたはボリューム操作を通してこれを実行できない場合、停止期間はログおよびデータベースのコピーに必要な時間に比例します。
CCR 構成では、アクティブ化されるコピーは別のノード上の正しい場所にあります。そのため、アクティブ化の一部としてログまたはデータベースの場所を変更する必要はありません。
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して、新しくアクティブになったノード上のストレージ グループのマウントに関する損失の限定を上書きできます。たとえば、AutoDatabaseMountDial をロスレスに設定すると、最後にマウントされたノードのログ ファイルのうち、1 つでもコピーおよびコピー上での再生ができなかった場合は、データベースがマウントされません。この状態では、ストレージ グループ コピーを復元してデータベースをマウントできます。
注 : |
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特定の状況では、新しくアクティブになったノード上のストレージ グループのマウントに関する損失の限定を上書きするには、前にアクティブだったノードのストレージ グループを再シードすることが必要な場合があります。損失のあった領域の 1 つ以上のログが既にデータベースに書き込まれていた場合は、再シードが必要になります。 |
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは以下の目標のために使用できます。
ストレージ グループのデータベースをマウント可能とマークします。
ストレージ グループのデータベースをマウントすることによって生じるデータ損失に関するレポートを提供します。
ストレージ グループに対してコピー元サーバー上で作成されたすべてのログがコピーの中に存在するかどうかをチェックし、存在しない場合は、もう一度コピーを試みます。
注 : すべてのログ ファイルが使用可能でなく、Restore-StorageGroupCopy コマンドレットでコピー元からログ ファイルを正常にコピーできなかった場合、結果のデータベースにはデータ損失が発生します。CCR でデータ損失がどのように管理されるかについては、「クラスタ連続レプリケーション」を参照してください。 LCR の場合、ストレージ グループ コピーの無効化も行います。
LCR の場合、結果のデータベースに損失が発生したときは、コンテンツのインデックスの再インデックス処理が行われます。
LCR の場合、このコマンドはストレージ グループをホストしているサーバー上で実行する必要があります。
注 : CCR の場合、指定したコピーをアクティブ コピーにするには、最初にマウントする必要があります。マウントされてアクティブになると、そのコピーは以降のレプリケーション動作の新しいコピー元になります。
次のコードを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。
- Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカル Administrators グループ
Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
パラメータ
パラメータ | 必須かどうか | 種類 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.StorageGroupIdParameter |
Identity パラメータには、次のいずれかの値を指定します。
|
Confirm |
省略可能 |
Boolean |
Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。既定値は $true です。 |
DomainController |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Fqdn |
クラスタ化メールボックス サーバーを見つけるためにドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。 |
Force |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
Force パラメータは、タスクがプログラムによって実行され、管理者の入力を求めることが不適切な場合に使用できます。コマンドレットで Force を指定しないと、管理者の入力が求められます。コマンドレットで Force が指定され、値が省略されている場合の既定値は $true です。 |
ReplaceLocations |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
ReplaceLocations パラメータは、管理者がレプリケーションを終了してコピーのパスを運用ストレージ グループおよびデータベースの場所の属性にプッシュする場合に、LCR 構成で使用します。運用データベース オブジェクトとストレージ グループ オブジェクトのパスは、コピーにある場所に更新されます。 ReplaceLocations パラメータは CCR 構成では無効です。 |
WhatIf |
省略可能 |
Boolean |
WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。既定値は $true です。 |
エラー
エラー | 説明 |
---|---|
|
タスクは、通信にエラーが発生したか、またはクラスタが使用できないため、クラスタに接続できませんでした。 |
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サーバーが Exchange 2007 サーバーではありません。 |
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ユーザーに Exchange Server 管理者の権限がありません。 |
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ストレージ グループの指定されたサーバーは存在しません。 |
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タスクはレプリケーション対象のコンピュータ上で実行する必要があります。 |
|
指定したパラメータが存在しないか、指定した組み合わせが無効です。 |
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これはサポートされていないレプリケーション構成です。レプリケーションが有効になっていません。 |
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ReplaceLocations パラメータが指定され、要求されたパスで運用ストレージ グループの場所を更新できませんでした。 |
|
指定したコピーは正常な状態にありません。 |
|
指定したストレージ グループのデータベースのマウントは解除されていません。 |
|
レプリケーションはストレージ グループを使用可能にする準備ができていません。 |
|
内部エラーが発生しました。Restore-StorageGroupCopy コマンドで LCR のすべてのデータベースに関する情報の取得に失敗しました。 |
|
バックアップが進行中であったため、内部エラーが発生しました。 |
|
内部エラーが発生しました。オンラインではありません。 |
|
ストレージ グループにデータベースが 1 つもありません。 |
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復元の結果としてのデータ損失の量を含む、実行された処理と成功のレポートです。レポートにはパスが更新されたかどうかも報告されます。また、次に何を実行するかも示します。 |
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ストレージ グループは既にマウント可能になっています。 |
例
次のコード例は、SG1 というストレージ グループに対するレプリケーションを終了する方法を示しています。
Restore-StorageGroupCopy -Identity:SG1
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。