Exchange 2007 RTM で Exchange 2003 のグローバルなメッセージ サイズの制限を変更する方法
適用先: Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-03-19
Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用すると、MicrosoftExchange Server 2007 のほとんどのメッセージ サイズの制限を設定できます。ただし、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用しているとき、次のメッセージ サイズの制限は表示されません。
- 送信メッセージのサイズ 既定値は 10,240 KB です。
- 受信メッセージのサイズ 既定値は 10,240 KB です。
- 受信者の最大数 既定値は 5,000 です。
これらのメッセージ サイズの制限は、Exchange Server 2003 で使用されているグローバルなメッセージ サイズの制限に対応しています。これらのグローバルなメッセージ サイズの制限は、次の Exchange 2007 環境に存在します。
- Exchange 2003 からアップグレードした Exchange 2007 環境 Exchange 2003 組織を Exchange 2007 にアップグレードしたときにグローバルなメッセージ サイズの制限を [制限なし] に設定した場合、Exchange 2007 をセットアップするとこれらのグローバルなメッセージ サイズの制限の値が次のように変更されます。
- 送信メッセージのサイズ 10,240 KB
- 受信メッセージのサイズ 10,240 KB
- 受信者の最大数 5,000
Exchange 2003 組織を Exchange 2007 にアップグレードしたときにグローバルなメッセージ サイズの制限を特定の値に設定した場合、Exchange 2007 をセットアップしてもこれらの特定のグローバルなメッセージ サイズの制限の値は変更されません。
- Exchange 2003 からアップグレードしたのではない純粋な Exchange 2007 環境 Exchange 2007 をセットアップすると、グローバルなメッセージ サイズの制限の値が次のように設定されます。
- 送信メッセージのサイズ 10,240 KB
- 受信メッセージのサイズ 10,240 KB
- 受信者の最大数 5,000
純粋な Exchange 2007 環境または Exchange 2003 と Exchange 2007 の混合環境では、グローバルなメッセージ サイズの制限がストア ドライバによって使用されます。ストア ドライバは、ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされた、Exchange 2007 を実行するコンピュータに存在します。ストア ドライバは、メールボックス サーバーに存在するメールボックスとの間で受信メッセージと送信メッセージをトランスポートする役割を果たします。ストア ドライバの詳細については、「トランスポートのアーキテクチャ」を参照してください。
次の組織のメッセージ サイズの制限は、Exchange 管理シェルの Set-TransportConfig コマンドレットを使用して設定されます。
- MaxReceiveSize 既定値は無制限です。
- MaxSendSize 既定値は無制限です。
- MaxRecipientEnvelopeLimit 既定値は無制限です。
組織のメッセージ サイズの制限は、Exchange 組織のハブ トランスポート サーバーに適用されます。
グローバルなメッセージ サイズの制限と対応する組織のメッセージ サイズの制限が競合する場合は、小さいほうの値が優先されます。グローバルなメッセージ サイズの制限と対応する組織のメッセージ サイズの制限を同じ値に設定することをお勧めします。
グローバルなメッセージ サイズの制限は、Active Directory ディレクトリ サービスに格納されます。グローバルなメッセージ サイズの制限は、次の方法で変更できます。
- Exchange システム マネージャを使用する Exchange 組織にまだ Exchange 2003 サーバーが存在する場合、これらの設定は Exchange システム マネージャでのみ変更できます。
- Active Directory サービス インターフェイス (ADSI) Edit ツールを使用する ADSI Edit は Windows Support Tools に含まれています。ADSI Edit を使用すると、Exchange オブジェクトの表示と編集を直接行うことができます。ADSI Edit は、Exchange 2003 サーバーを含む Exchange 組織でも使用できます。
開始する前に
以下の手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange 組織管理者の役割が委任されている必要があります。
Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
手順
Exchange システム マネージャを使用してグローバルなメッセージ サイズの制限を変更するには、次の操作を行います。
Exchange 2003 を実行しているサーバーで Exchange システム マネージャを起動します。
[グローバル設定] を展開します。
[メッセージ配信] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[メッセージ配信のプロパティ] で [既定] タブをクリックします。グローバルなメッセージ サイズの制限は、それぞれ対応する組織のメッセージ サイズの制限の値に一致するように設定することをお勧めします。以下の設定を変更できます。
- 送信メッセージ サイズ** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxSendSize パラメータに対応します。[制限なし] または [最大サイズ (KB)] を選択すると、送信メッセージのサイズ制限をキロバイト (KB) 単位で入力できます。既定値は 10,240 KB です。このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,097,151 KB です。
- 受信メッセージ サイズ** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxReceiveSize パラメータに対応します。[制限なし] または [最大サイズ (KB)] を選択すると、受信メッセージのサイズ制限をキロバイト (KB) 単位で入力できます。既定値は 10,240 KB です。このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,097,151 KB です。
- 受信者の制限** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータに対応します。[制限なし] または [最大 (受信者)] を選択すると、メッセージの受信者の最大数を入力できます。既定値は 5,000 です。このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,147,483,647 です。
[OK] をクリックして、[メッセージ配信のプロパティ] を閉じます。
ADSI Edit を使用してグローバルなメッセージ サイズの制限を変更するには、次の操作を行います。
必要に応じて、Microsoft Windows Support Tools をインストールします。詳細については、Windows Support Tools のインストールについてのページ (このサイトは英語の場合があります) を参照してください。
[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] を選択します。[開く] ボックスのフィールドに「C:\Program Files\Support Tools\Adsiedit.msc」と入力し、[OK] をクリックします。
ADSI Edit を開き、[構成]、[CN=Configuration]、[CN=Services]、[CN=Microsoft Exchange]、[CN=<Exchange 組織名>] の順に展開し、[CN=Global Settings] を選択します。
結果ウィンドウで [CN=Message Delivery] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[CN=Message Delivery Properties] で [属性エディタ] タブをクリックします。[属性] セクションで、次の属性を検索します。
- delivContLength** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxReceiveSize パラメータに対応する受信メッセージ サイズの制限です。
- submissionContLength** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxSendSize パラメータに対応する受信メッセージ サイズの制限です。
- msExchRecipLimit** Set-TransportConfig** コマンドレットの MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータに対応するメッセージ受信者の最大数です。
属性を変更するには、その属性を選択して [編集] をクリックします。グローバルなメッセージ サイズの制限は、それぞれ対応する組織のメッセージ サイズの制限の値に一致するように設定することをお勧めします。[整数の属性エディタ] で、次のいずれかの操作を実行します。
- グローバルなメッセージ サイズの制限を解除するには、[クリア] を選択して [OK] をクリックします。属性の値が [<未設定>] になります。
- 特定のグローバルなメッセージ サイズの制限に値を入力するには、"値" フィールドに値を入力し、[OK] をクリックします。有効な入力は以下のとおりです。
delivContLength このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,097,151 KB です。既定値は 10,240 KB です。
submissionContLength このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,097,151 KB です。既定値は 10,240 KB です。
msExchRecipLimit このパラメータの有効な入力は、0 ~ 2,147,483,647 です。既定値は 5,000 です。
変更するグローバルなメッセージ サイズの制限ごとに、手順 6. を繰り返します。
[CN=Message Delivery Properties] を閉じるには、[OK] をクリックし、[ファイル]、[終了] の順にクリックして ADSI Edit を閉じます。
Exchange 管理シェルを使用して既存の組織のメッセージ サイズの制限を表示するには、次の操作を行います。
次のコマンドを実行します。
Get-TransportConfig | fl max*
MaxReceiveSize、MaxSendSize、および MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータの表示された値を記録します。
Exchange 管理シェルを使用して組織のメッセージ サイズの制限を変更するには、次の操作を行います。
次のコマンドを実行します。
Set-TransportConfig -MaxReceiveSize <value> -MaxSendSize <value> -MaxRecipientEnvelopeLimit <value>
たとえば、受信メッセージの最大サイズと送信メッセージの最大サイズをそれぞれ 10 MB に設定し、メッセージ受信者の最大数を 5,000 に設定するには、次のコマンドを実行します。
Set-TransportConfig -MaxReceiveSize 10MB -MaxSendSize 10MB -MaxRecipientEnvelopeLimit 5000
組織のメッセージ サイズの制限は、それぞれ対応するグローバルなメッセージ サイズの制限の値に一致するように設定することをお勧めします。
MaxReceiveSize パラメータまたは MaxSendSize パラメータの値を入力するときは、値に以下の単位のいずれかを付加した形式で記述します。
- B (バイト)
- KB (キロバイト)
- MB (メガバイト)
- GB (ギガバイト)
単位が付加されていない値は、バイトとして扱われます。
MaxReceiveSize パラメータ、MaxSendSize パラメータ、および MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータの有効な入力の範囲は 0 ~ 2,147,483,647 です。制限を解除するには、unlimited
の値を入力します。
詳細情報
詳細については、以下のトピックを参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。