切断されたメールボックスについて
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-01-30
Microsoft Exchange Server 2007 の各メールボックスは、Active Directory ディレクトリ サービス ユーザーと、Exchange メールボックス データベースに格納されているメールボックス データによって構成されています。(メールボックスのコンポーネントについては、図 1 を参照してください)メールボックスのすべての構成データは、Active Directory ユーザー オブジェクトの Exchange 属性に格納されています。メールボックス データベースには、ユーザー アカウントに関連付けられたメールボックス内にあるメール データが含まれます。
重要 : |
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新規ユーザーまたは既存ユーザーのメールボックスを作成すると、そのメールボックスに必要な Exchange 属性が Active Directory 内のユーザー オブジェクトに追加されます。Exchange メールボックス データベース内で関連付けられたメールボックス オブジェクトは、メールボックスがメッセージを受信するか、ユーザーがメールボックスにログオンするまで作成されません。新しいメールボックスを作成した後、Exchange メールボックス データベース内のメールボックス オブジェクトが作成される前にそのメールボックスを削除するか無効にした場合、そのメールボックスは切断されて利用できなくなります。 |
切断されたメールボックスとは、Active Directory ユーザー アカウントに関連付けられていない、Exchange メールボックス データベース内のメールボックス オブジェクトを指します。メールボックスを削除するか無効にした場合、Exchange メールボックス データベースに格納されているデータは Active Directory 内のユーザー アカウントとの関連付けがなくなり、切断されたメールボックスとなります。
注意 : |
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メールボックスを削除すると、Exchange メールボックス データベースに格納されているメールボックス データが削除対象としてマークされると同時に、関連付けられたユーザー アカウントが Active Directory から削除されます。ユーザー アカウントを保持してユーザー アカウントからメールボックス データとの関連付けだけを削除するには、メールボックスを無効にする必要があります。詳細については、「メールボックスを無効にする方法」を参照してください。 |
メールボックス データベース全体を復元しなくてもメールボックス データを回復できるように、切断されたメールボックスはメールボックス データベース内に一定期間保存されます。既定では、切断されたメールボックスは Exchange によって 30 日間保存されます。この間、切断されたメールボックスは、既存の Active Directory ユーザー アカウントと関連付けることにより、回復することができます。削除済みメールボックスの保存の詳細については、「削除済みメールボックスおよび削除済みアイテムの保存期間の構成」を参照してください。
切断されたメールボックスの操作
切断されたメールボックスに対して 2 つの操作を実行できます。
- Active Directory 内の既存のユーザー アカウントに接続する
- Exchange メールボックス データベースから完全に削除する
切断されたメールボックスの接続
Exchange メールボックス データベース内に切断されたメールボックスが保存されている間は、切断されたメールボックスを、他のメールボックスと関連付けられていない既存の Active Directory ユーザー アカウントに接続させることができます。メールボックスを接続するシナリオとしては、次のようなものがあります。
- メールボックスを一度無効にして、そのメールボックスを Active Directory ユーザー アカウントに再接続する。
- Permanent または StoreMailboxIdentity パラメータを指定せずに Remove-Mailbox コマンドレットを使用してメールボックスを削除し、別の Active Directory ユーザー アカウントにメールボックスを再接続する。
- ユーザー メールボックスを、Exchange 組織が存在するフォレスト外のユーザー アカウントに関連付けられている、リンクされたメールボックスに変換する。リソース フォレストのシナリオは、メールボックスを外部アカウントに関連付けることが必要になる場合の例です。リソース フォレストのシナリオでは、Exchange フォレスト内のユーザー オブジェクトにメールボックスが含まれていますが、そのユーザー オブジェクトはログオンが無効になっています。Exchange フォレスト内のこれらのメールボックス オブジェクトを、外部アカウント フォレスト内で有効になっているユーザー オブジェクトに関連付ける必要があります。
Exchange 管理シェルで Connect-Mailbox コマンドレットを使用するか、Exchange 管理コンソールでメールボックスの接続ウィザードを使用することにより、メールボックスを接続できます。メールボックスの接続ウィザードは、操作ウィンドウで [受信者の構成] の下にある [切断されたメールボックス] ノードをクリックすることにより使用できます。切断されたメールボックスを接続する方法の詳細については、「メールボックスを接続する方法」を参照してください。
メールボックスを既存の Active Directory ユーザー アカウントに接続すると、そのユーザー アカウントはメールボックスの所有者となり、そのメールボックス内のすべてのコンテンツに対するフル アクセスが与えられます。
切断されたメールボックスを完全に削除する
Exchange は切断されたメールボックスをメールボックス データベース内に一定期間保存します。保存期間は、メールボックス データベースで構成されている、削除されたメールボックスの保存期間の設定によって決まります。指定された保存期間が経過すると、切断されたメールボックスは Exchange メールボックス データベースから完全に削除されます。
また、切断されたメールボックスは、Exchange 管理シェルで Remove-Mailbox コマンドレットを使用することにより、いつでも完全に削除できます。このためには、コマンドを実行するときに Permanent パラメータを $true
に設定する必要があります。
以前に切断されたメールボックスのデータをメールボックス データベースから完全に削除するには、Remove-Mailbox コマンドレットと共に StoreMailboxIdentity パラメータを使用する必要があります。Get-MailboxStatistics コマンドレットを使用することにより、切断されたメールボックスの StoreMailboxIdentity に指定する値を特定できます。このシナリオの例については、関連トピック「Remove-Mailbox」の 3 番目のコード例を参照してください。
構文およびパラメータ情報の詳細については、関連トピック「Remove-Mailbox」と「Get-MailboxStatistics」を参照してください。
詳細情報
切断されたメールボックスを接続する方法の詳細については、「メールボックスを接続する方法」を参照してください。
削除済みメールボックスの保存期間の詳細については、「削除済みメールボックスおよび削除済みアイテムの保存期間の構成」を参照してください。
切断されたメールボックスに関連する Exchange 管理シェル コマンドレットの詳細については、次のトピックを参照してください。
メールボックスの詳細については、「受信者について」を参照してください。
メールボックスの管理の詳細については、「ユーザーのメールボックスの管理」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。