アドレス一覧を作成する方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-09-19
ここでは、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、新しいアドレス一覧を作成し、適用する方法について説明します。アドレス一覧は、受信者およびその他の Active Directory ディレクトリ サービス オブジェクトの集合です。それぞれのアドレス一覧には、ユーザー、連絡先、グループ、パブリック フォルダ、会議、その他のリソースなど、1 つ以上の種類のオブジェクトを含めることができます。グローバル アドレス一覧 (GAL) には数千人の受信者を含めることができます。また、共通の属性を持つ受信者のアドレス一覧を作成でき、これによって組織内のユーザーはより簡単に目的の情報を見つけることができます。さらに、アドレス一覧は動的に作成することもできます。新しいユーザーが組織に追加されると、そのユーザーは自動的に適切なアドレス一覧に追加されます。アドレス一覧の詳細については、「アドレス一覧について」を参照してください。
開始する前に
次の手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。
- Exchange 組織管理者の役割
Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
また、このトピックの手順を実行する前に、アドレス一覧の新規作成ウィザードに表示される条件は Exchange 管理コンソールで定義済みの条件であることに注意してください。このウィザードに示されている条件以外の条件を指定する場合は、Exchange 管理シェルを使用して、アドレス一覧のカスタム クエリを作成する必要があります。カスタム受信者フィルタがあるアドレス一覧のフィルタと条件の設定は、Exchange 管理シェルでしか管理できないことに注意してください。Exchange 管理シェルを使用してカスタム フィルタを作成する方法の詳細については、「受信者フィルタを使用してアドレス一覧を作成する方法」を参照してください。
手順
Exchange 管理コンソールを使用してアドレス一覧を作成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理コンソールを起動します。
コンソール ツリーで、[組織の構成] を展開し、[メールボックス] をクリックします。
操作ウィンドウで、[アドレス一覧の新規作成] をクリックします。アドレス一覧の新規作成ウィザードが表示されます。
[概要] ページで、以下のフィールドに入力します。
[名前] このテキスト ボックスを使用して、新しいアドレス一覧の表示名を作成します。この名前には 64 文字まで指定でき、ワイルドカード文字を使用できますが、円記号 (\) を含めることはできません。
[コンテナ] アドレス一覧のコンテナのパスを選択するには [参照] をクリックします。既存のアドレス一覧に子アドレス一覧を追加するには、追加先の既存のアドレス一覧をクリックし、[OK] をクリックします。新しい親アドレス一覧を作成するには、[すべてのアドレス一覧] をクリックし、[OK] をクリックします。親アドレス一覧または子アドレス一覧の作成の詳細については、「アドレス一覧の管理」を参照してください。
[これらの受信者の種類を含む] アドレス一覧に対する受信者の種類を選択します。[なし]、[すべての受信者の種類]、または [次の特定の種類] を選択します。
- [Exchange メールボックスを持つユーザー] アドレス一覧を Microsoft Exchange Server 2007 メールボックスを持つユーザーに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。Exchange メールボックスを持つユーザーとは、Exchange 組織でユーザー ドメイン アカウントとメールボックスを持つユーザーのことです。
- [外部の電子メール アドレスを持つユーザー] アドレス一覧を外部の電子メール アドレスを持つユーザーに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。外部の電子メール アカウントを持つユーザーは、Active Directory のユーザー ドメイン アカウントを持っていますが、組織の外部の電子メール アカウントを使用しています。これにより、これらのユーザーは GAL に含まれ、配布リストに追加されます。
- [リソース メールボックス] アドレス一覧を Exchange リソース メールボックスに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。リソース メールボックスを使用すると、会議室や社用車などの会社のリソースをメールボックスによって管理できます。
- [外部の電子メール アドレスを持つ連絡先] アドレス一覧を外部の電子メール アドレスを持つ連絡先に適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。外部の電子メール アカウントを持つ連絡先は、Active Directory のユーザー ドメイン アカウントを持っていませんが、外部の電子メール アドレスは GAL で使用できます。
- [メールが有効なグループ] アドレス一覧をメールが有効になっているセキュリティ グループや配布グループに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。メールが有効なグループは配布グループと同様です。メールが有効なグループ アカウントに送信された電子メール メッセージは、複数の受信者に配信されます。
注 : ユニバーサルではない配布グループがアドレス一覧に含まれている場合、Exchange 管理コンソールでアドレス一覧をプレビューしたとき、これらの配布グループは表示されません。(手順 6. で説明する) [プレビュー] ボタンをクリックしたときにすべての配布グループが表示されるようにするには、ユニバーサルではない配布グループをユニバーサル配布グループに変換する必要があります。配布グループをユニバーサル配布グループに変換する方法の詳細については、「Set-Group」の説明を参照してください。 [次へ] をクリックします。
[条件] ページで、以下のフィールドに入力します。
[ステップ 1: 条件の選択] このセクションを使用して、アドレス一覧の 1 つ以上の条件を選択します。一覧に条件を設定しない場合は、どのチェック ボックスもオンにしないでください。このウィザードの [概要] ページでは、このアドレス一覧に対する受信者の範囲を指定できます。条件を選択することによって、アドレス一覧のメンバシップはさらに制限され、特定の条件に一致する範囲内の受信者のみとなります。以下の条件から選択できます。
- [都道府県内の受信者] アドレス一覧に都道府県内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [アドレスおよび電話] タブに含まれています。
- [部署内の受信者] アドレス一覧に特定の部署内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [組織] タブに含まれています。
- [社内の受信者] アドレス一覧に特定の会社内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [組織] タブに含まれています。
- [カスタム属性が値と等しい] 各受信者には、15 個のカスタム属性があります。カスタム属性ごとに個別の条件があります。アドレス一覧に、特定のカスタム属性に対して特定の値が設定されている受信者のみを含める場合は、そのカスタム属性に対応するチェック ボックスをオンにします。
注 : 都道府県、部署、および会社の条件は、メールボックス、メール ユーザー、およびメール連絡先にのみ適用可能な属性に基づいています。これらの条件は、メールが有効な配布グループには適用されません。アドレス一覧にこのような条件を構成すると、メールが有効な配布グループは事実上すべて除外されます。
[ステップ 2: 条件の編集 (下線が引かれている値をクリックしてください)] ステップ 1 で条件を選択すると、選択した各条件はアドレス一覧の定義に追加されます。たとえば、ステップ 1 で [都道府県内の受信者] チェック ボックスをオンにすると、ステップ 2 では [都道府県が指定された都道府県の場合] 条件が表示されます。
各条件について、下線付きの用語をクリックして条件を作成します。既定では、新しい条件の下線付きの用語は [指定] です。条件を編集すると、下線付きの用語が、指定した値に変更されます。
都道府県、部署、または会社の条件の下線付きの値をクリックすると、ダイアログ ボックスが表示され、条件の値を指定できます。条件の値を作成するには、ダイアログ ボックスの次のボタンを使用します。
- [追加] テキスト ボックスに値を入力し、[追加] をクリックします。複数の値を追加できますが、重複する値は入力できません。
- [編集] 既存の値を変更するには、一覧で値を選択し、[編集] をクリックします。
- 既存の値を削除するには、一覧で値を選択し、 をクリックします。
カスタム属性条件の下線付きの値をクリックすると、ダイアログ ボックスが表示され、条件の値を指定できます。各カスタム属性には 1 つの値を指定できます。テキスト ボックスに値を入力し、[OK] をクリックします。
重要 : これらのダイアログ ボックスで入力する値は、受信者のプロパティに表示される値と正確に一致している必要があります。たとえば、[都道府県が指定された都道府県の場合] ダイアログ ボックスに「Washington」と入力した場合に、受信者のプロパティの [アドレスおよび電話] タブに県名が "WA" と表示されていると、条件が満たされません。 [プレビュー] 指定した条件に基づいて、アドレス一覧に含まれる受信者を表示するには、このボタンをクリックします。
[次へ] をクリックします。
[スケジュール] ページで、以下のフィールドに入力します。
[アドレス一覧の適用] アドレス一覧を適用するタイミングを指定するには、次のいずれかのオプションを選択します。
- [直ちに適用する] アドレス一覧を作成直後に適用するには、このボタンをクリックします。
- [次の時刻に適用する] 新しいアドレス一覧を適用する時刻を指定するには、このボタンをクリックし、対応する一覧を使用します。
[次の時間が経過したら実行中のタスクを取り消す (時間)] 新しいアドレス一覧のタスクを実行する期間を指定するには、このチェック ボックスをオンにし、対応するテキスト ボックスを使用します。既定値は 8 時間です。
[次へ] をクリックします。
[アドレス一覧の新規作成] ページで、構成設定を確認します。[新規作成] をクリックしてアドレス一覧を作成します。構成を変更するには、[戻る] をクリックします。
[完了] ページでは、アドレス一覧が正常に作成されたかどうかを確認します。[完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。[失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして必要な変更を行います。
[終了] をクリックして、アドレス一覧の新規作成ウィザードを終了します。
Exchange 管理シェルを使用してアドレス一覧を作成するには、次の操作を行います。
条件付きパラメータを使用してアドレス一覧を作成するには、次のコマンドを実行します。
New-AddressList -Name <String> -Container <AddressListIDParameter> -IncludedRecipients <Nullable> -ConditionalCustomAttribute1 <String>
たとえば、All Rooms という親コンテナに "Building 34 Meeting Rooms" という名前の子アドレス一覧を作成するには、次のコマンドを実行します。
New-AddressList -Name "Building 34 Meeting Rooms" -Container "\All Rooms" -IncludedRecipients Resources -ConditionalCustomAttribute1 "Building 34"
Exchange 管理シェルを使用してアドレス一覧を適用するには、次の操作を行います。
次のコマンドを実行します。
Update-AddressList -Identity <AddressListIdParameter>
たとえば、"Pacific Northwest Mailboxes" という名前のアドレス一覧を適用するには、次のコマンドを実行します。
Update-AddressList -Identity "Pacific Northwest Mailboxes"
構文およびパラメータの詳細については、以下の関連トピックを参照してください。
詳細情報
アドレス一覧の管理の詳細については、「アドレス一覧の管理」を参照してください。
アドレス一覧の詳細については、「アドレス一覧について」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。