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単純な Exchange 組織の計画

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2008-03-13

Microsoft Exchange Server 2007 の 4 つの定義済みの組織モデルのうち、単純な Exchange 組織は、Exchange 2007 を展開できる最も基本的なトポロジを表しています。単純な Exchange 組織は以下のいずれかを含みます。

  • 組織全体に対してすべての Exchange サービスを提供し、すべての Exchange データを格納する単一の Exchange サーバー
  • 冗長化されたディレクトリ サーバーとエッジ トランスポート サーバーが境界ネットワークに配置されたトポロジにある、複数の Exchange サーバー

単一サーバーによる単純な Exchange 組織

単一サーバーによる単純な Exchange 組織は、Active Directory ディレクトリ サービス サーバーとして構成されたコンピュータで実行される、64 ビットの製品版 Exchange 2007 から構成されます。単純な Exchange 組織は、製品版の Microsoft Windows Small Business Server 2003 (Windows SBS) サーバー ソフトウェアに付属するバージョンの Exchange を実行している単一のコンピュータで構成することもできます。どちらのソリューションも、Active Directory と Exchange を同じコンピュータでホストする単一サーバー トポロジであるため、これらのトポロジは、単一のサービスの提供場所 (SDL) にのみインストール可能で、1 つの Active Directory サイトだけを含むことができます。このソリューションでは、クライアント サービスの場所 (CSL) は SDL と物理的に同じ場所です。

Exchange 2007 との関連では、一緒に展開できるすべてのサーバーの役割が、Active Directory ディレクトリ サーバーとしても構成されている単一のコンピュータに展開されるという点が、単純な Exchange 組織をよく表している特徴です。エッジ トランスポート サーバーの役割を除くすべてのサーバーの役割を、同じコンピュータに展開できます。

note注 :
その他に、同じコンピュータで複数のサーバーの役割を同時にホストする例外は 1 つで、Exchange 2007 を Windows サーバー クラスタにインストールする場合のみです。Windows サーバー クラスタには、メールボックス サーバーの役割のみをインストールできます。

エッジ トランスポート サーバーは、単一サーバーによる単純な Exchange 組織には含まれません。このサーバーの役割を単一サーバーの Exchange 組織に導入すると、その組織は自動的に、複数サーバーによる単純な Exchange 組織として再定義されます。単一サーバーによる単純な Exchange 組織でインターネット電子メールを送受信するために、ハブ トランスポート サーバーはインターネットに直接接続されます。

important重要 :
すべてのサーバーの役割が物理的に同じコンピュータにインストールされているため、単一サーバーによる単純な Exchange 組織は、当然、インターネットに直接接続しているメールボックス サーバーも含んでいます。このため、Microsoft Internet Security and Acceleration (ISA) Server などのファイアウォールを、インターネットと Exchange サーバーとの間に展開することを強くお勧めします。

図 1 に、単一のサーバーを使用してすべての Exchange サービスとすべてのディレクトリ サービスを提供する単純な Exchange 組織を示します。

単純な Exchange 組織トポロジ

複数サーバーによる単純な Exchange 組織

複数サーバーによる単純な Exchange 組織は、Active Directory ディレクトリ サーバーとして構成されたコンピュータで実行されている 64 ビット製品版の Exchange 2007、Exchange 2007 はインストールされておらず、Active Directory ディレクトリ サーバーとして構成された 2 番目のコンピュータ、およびエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされている 3 番目のコンピュータから構成されます。複数サーバーによる単純な Exchange 組織にはエッジ トランスポート サーバーが含まれるため、このトポロジでは、ハブ トランスポート サーバーをインターネットに直接接続することはできません。

複数サーバーによる単純な Exchange 組織は、Centro と呼ばれる Microsoft インフラストラクチャ ソリューションから構成することもできます。Centro とは、25 ~ 250 台のパーソナル コンピュータを備える中規模の企業に向けて設計された、新しいインフラストラクチャ ソリューションを表すコード名です。Centro は、Windows Server 2008 のテクノロジに基づいて構築されています。

このトポロジは複数のサーバーから構成されますが、SDL と CSL はどちらも物理的に同じ場所に置かれます。

図 2 に、3 台のサーバーを使用して Exchange サービス、冗長化されたディレクトリ サービス、および境界ネットワークに展開されるエッジ トランスポート サーバーを提供する、単純な Exchange 組織を示します。さらに、64 ビット ソフトウェア ベースのファイアウォールは、セキュリティと保護を高めるためにエッジ トランスポート サーバーにインストールできます。エッジ トランスポート サーバーの役割およびファイアウォールは、ファイアウォールが TCP ポート 25 をスキャンしない限り、同じコンピュータ上に共存できます。エッジ トランスポート サーバーは、接続フィルタや IP 評価分析の組み込みの保護機能の利点を最大限に活用し、接続拒否のコストを最小限に留めるように、直接受信接続を制御する必要があります。

単純な Exchange 組織トポロジ

単純な Exchange 組織を計画する場合の考慮事項

展開の計画段階にあり、単純な Exchange 組織に任意の Exchange 2007 サーバーを展開する前に、以下の点を考慮してください。

  • Windows SBS を使用する場合にのみ、単一サーバーによる単純な Exchange 組織を展開することをお勧めします。
  • Centro を使用する場合にのみ、複数サーバーによる単純な Exchange 組織を展開することをお勧めします。

単純な Exchange 組織の移行

既存の Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server 組織を Exchange 2007 組織に移行する場合、単一のサーバー上で一括アップグレードを実行できないことに注意してください。既存の組織に Exchange 2007 サーバーを追加し、メールボックスやその他のデータを Exchange 2007 サーバーに移動してから、Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーを組織から削除する必要があります。単純な Exchange 組織では、組織内に Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーを保持して Exchange 2007 サーバーと共存させることは想定されていません。移行は短期間に行われるため、Exchange 2007 と以前の Exchange バージョンの共存について計画する必要はありません。組織内に Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーを保持することを計画するとしたら、その組織は単純な Exchange 組織ではなく、標準的な Exchange 組織と見なされます。

単純な Exchange 2007 組織の展開および移行の詳細については、「単純な Exchange 組織の展開」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。