Update-StorageGroupCopy
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1
トピックの最終更新日: 2007-10-31
Microsoft Exchange Server 2007 クラスタ連続レプリケーション (CCR) またはローカル連続レプリケーション (LCR) 環境内の指定したストレージ グループ コピーのレプリケーションを開始または再同期するには、Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用します。このコマンドレットは、スタンバイ連続レプリケーション (SCR) 環境でのレプリケーションの再同期にも使用できます。
構文
Update-StorageGroupCopy -Identity <StorageGroupIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DataHostNames <String[]>] [-DeleteExistingFiles <SwitchParameter>] [-DomainController <Fqdn>] [-Force <SwitchParameter>] [-ManualResume <SwitchParameter>] [-StandbyMachine <String>] [-TargetPath <LocalLongFullPath>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用すると、CCR または LCR のパッシブ コピー、または SCR ターゲットのレプリケーションを手動で開始または再同期することができます。このコマンドレットは、ストレージ グループ コピーへのレプリケーションを自動的に再開します。手動でレプリケーションを再開する場合は、ManualResume パラメータを指定してこのコマンドレットを実行します。
この操作は、以下の状況で行います。
- ベースライン データベースがない LCR または SCR を使用してストレージ グループ コピーを作成しました。
- データベースまたは SCR ターゲットのパッシブ コピーが破損しています。
- データベースまたは SCR ターゲットのパッシブ コピーが古くなっています。
- 連続レプリケーションの環境があり、パッシブ コピーへの新しいベースライン データベースを取得する必要があります。この状況は、パッシブ コピーで使用できるベースライン データベースが無効であるためか、破損、構成の変更、サーバーの損失などが原因となっている可能性があります。
- データベースのアクティブ コピーまたはパッシブ コピーでオフラインでのディスクの最適化を実行しました。
Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用する際は、以下の点に注意してください。
- TargetPath パラメータは、データベースのパッシブ コピーに対して構成された場所とは異なるパスへのデータベースのシードに使用します。たとえば、物理的に離れた場所に SCR のターゲットがある場合、TargetPath パラメータを使用して SCR のソースでローカルに更新を実行してから、データ圧縮を備えたコピー ユーティリティを使用して、SCR のターゲット コンピュータにネットワーク経由でコピーを移動できます。
- TargetPath パラメータが使用しない場合、パッシブ コピーが含まれるコンピュータで Update-StorageGroupCopy コマンドレットを発行する必要があります。
- StandbyMachine パラメータが指定されていない場合、Update-StorageGroupCopy コマンドレットは LCR または CCR のパッシブコピーに適用されます。
- バックアップ (ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) または従来のストリーミング バックアップ) が同じストレージ グループ上で実行されている間は、Update-StorageGroupCopy を実行できません。
- アクティブ コピーとの通信が失われるか、通信が失敗した場合、操作は最初から開始する必要があります。
- 空き領域は自動的に確認されないため、コマンドレットの初期化前に十分な空き領域があることを確認する必要があります。DeleteExistingFiles パラメータを使用する場合は、対象となるボリューム上にデータベースのコピーが 2 つ必要です。これは、新しいデータベースが正しく作成されるまでは、既存のデータベースが削除されないためです。
- Update-StorageGroupCopy コマンドレットにより、使用可能なネットワーク帯域幅が影響を受け、運用サーバーのパフォーマンスに何らかの影響が生じる可能性があります。DataHostNames パラメータを使用して、シードまたは再シードに使用するネットワークを指定できます。
Update-StorageGroupCopy コマンドレットを実行する場合、更新先に Exchange ファイルがなく、ストレージ グループ コピーのレプリケーション処理が中断されている必要があります。ストレージ グループのコピーを中断するには、Suspend-StorageGroupCopy コマンドレットを使用します。シードが正常に完了した後、ManualResume パラメータが指定されていない限り、ストレージ グループ コピーへのレプリケーションが自動的に再開されます。
クラスタ化メールボックス サーバーがインストールされているコンピュータで Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用するには、使用するアカウントに Exchange Server 管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
パラメータ
パラメータ | 必須かどうか | 種類 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.StorageGroupIdParameter |
Identity パラメータには、次のいずれかの値を指定します。
|
Confirm |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。既定値は $true です。 |
DataHostNames |
省略可能 |
System.String[] |
DataHostNames パラメータには、シードに使用するクラスタ ネットワークを指定します。最大 2 個のホスト名を指定できます。 |
DeleteExistingFiles |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
DeleteExistingFiles パラメータを指定すると、更新先の既存のログ ファイルは削除されます。確認対象のファイルのみ削除されます。他のファイルがあると、処理は失敗します。更新先の他のファイルは削除されません。このため、他のファイルがある場合は、手動で削除する必要があります。 |
DomainController |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Fqdn |
ストレージ グループ オブジェクトへのアクセスに使用するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドレットで DomainController パラメータが使用できます。 |
Force |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
タスクがプログラムによって実行され、管理者の入力を求めることが不適切な場合に、Force パラメータを使用します。コマンドレットで Force を指定しないと、管理者の入力が求められます。コマンドレットで Force が指定され、値が省略されている場合の既定値は $true です。 |
ManualResume |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用してストレージ グループ コピーでレプリケーションを自動的に再開しない場合は、ManualResume パラメータを使用します。このパラメータを使用すると、ストレージ グループ コピーへのレプリケーションを手動で再開できます。 |
StandbyMachine |
省略可能 |
System.String |
StandbyMachine パラメータには、SCR のターゲットとして構成されるサーバーの名前を指定します。このパラメータは、SCR ターゲットのストレージ グループ コピーを更新する場合に使用する必要があります。StandbyMachine パラメータが指定されていない場合、Update-StorageGroupCopy コマンドレットは LCR または CCR のパッシブコピーに適用されます。 |
TargetPath |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.LocalLongFullPath |
TargetPath パラメータには、ローカル コンピュータ上のデータベース ファイルの場所を指定します。これは、データベースが入っているディレクトリです。パスの最後の部分は更新元の基本名によって決まります。CCR 環境では、TargetPath パラメータを省略する場合、Update-StorageGroupCopy をパッシブ ノードで実行する必要があります。SCR 環境では、TargetPath パラメータを省略する場合、Update-StorageGroupCopy を SCR のターゲット コンピュータで実行する必要があります。 |
WhatIf |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。既定値は $true です。 |
エラー
エラー | 説明 |
---|---|
|
通信の問題のため、タスクはサーバーに接続できませんでした。 |
|
ストレージ グループはシードする前に中断する必要があります。 |
|
TargetPath パラメータを省略した場合、このタスクはパッシブ コピーに対して実行する必要があります。 |
|
LCR と CCR は Exchange 2007 でのみサポートされています。SCR は Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) でのみサポートされています。 |
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ユーザーには、指定されたサーバーに対する Exchange Server 管理者権限がありません。 |
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指定された ID は存在しません。 |
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指定されたストレージ グループは、レプリケーションをサポートするように構成されていません。 |
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ターゲット パスなしで更新を実行する前にログ ファイルとデータベースが削除されていませんでした。更新先のログ、データベース、チェックポイント、および .jtx ファイルを削除してください。 |
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運用データベースがマウントされていません。データベースをマウントし、タスクを再発行してください。 |
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指定されたパスは使用できないか書き込みができません。 |
|
更新元データベースには、既にバックアップが実行されています。 |
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更新元との通信が切断されました。更新は終了しました。 |
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以下のいずれかの事情のため、シードが失敗しました。
|
|
データベースのホストに必要なディレクトリの作成に失敗しました。 |
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DataHostNames パラメータには、連続レプリケーションホスト名を 2 つだけ指定できます。 |
|
ローカル ノードに登録されている連続レプリケーションホスト名を指定する必要があります。 |
例
最初の例は、Server1 の SG1 という名前のストレージ グループのパッシブ コピーを再シードする方法を示しています。
2 番目の例は、NET1 と NET2 という 2 つの連続レプリケーション ホスト名を使用して、Server1 というクラスタ化メールボックス サーバーで、SG1 という名前のストレージ グループのパッシブ コピーを再シードする方法を示しています。
3 番目の例は、SG1 という名前のストレージ グループの SCR ターゲット コピーを再シードする方法を示しています。SCR ターゲット コピーは Server2 という名前のサーバーにホストされています。
Update-StorageGroupCopy -Identity Server1\SG1
Update-StorageGroupCopy -Identity Server1\SG1 -DataHostNames {Net1,Net2}
Update-StorageGroupCopy -Identity Server1\SG1 -StandByMachine Server2
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。