パフォーマンスとスケーラビリティに関する新機能
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2006-11-15
Microsoft Exchange Server 2007 では、パフォーマンスとスケーラビリティに関して多くの点が強化されています。これらの強化はメモリ管理に焦点を合わせており、それによってストレージの効率が高まり、最適化機能がいっそう自動化されています。Exchange 2007 のパフォーマンスとスケーラビリティの強化点には、具体的には、以下の点が含まれます。
- 64 ビット アーキテクチャ
- 最適化されたデータベース エンジンとキャッシュ
- 新しいトランスポート パイプライン
64 ビット アーキテクチャ
64 ビット版の Exchange Server は、パフォーマンスとスケーラビリティに新しい可能性をもたらします。64 ビットでは使用可能なメモリが増大するため、Exchange 2007 のパフォーマンス特性は、Exchange Server 2003 とは大きく異なります。64 ビット コードであることは、Exchange 2007 のために必要とされる I/O が大幅に減少することも意味します。現在の大規模な Exchange の展開では、一般的に、スケーラビリティを備えるためにパフォーマンスの高い記憶域ネットワーク (SAN) ベースのストレージ ソリューションが必要になります。Exchange 2007 と増大したメモリを利用すれば、I/O スループットが大幅に減少します。SAN 上で継続して Exchange 2007 を運用できますが、必要な I/O サブシステムとスループットは、Exchange 2007 によって大幅に減少します。
64 ビット アーキテクチャでは、1 台の Exchange 2007 サーバー上に作成できるストレージ グループとデータベースの数も大幅に増加します。以前のバージョンの Exchange Server では、ストレージ グループは 4 つまで、データベース数は各ストレージ グループに 5 つまでに制限されていました。Exchange 2007 では、ストレージ グループとデータベースの最大数が大幅に増加しています。Exchange 2007 サーバーごとに、最大 50 のストレージ グループと最大 50 のデータベースを作成できます。
64 ビット アーキテクチャでは、既存の Exchange Server 2003 サーバーのインプレース アップグレードが不可能になります。その代わりに、新しい Exchange 2007 サーバーを展開するには、新しい 64 ビット対応のハードウェアを購入する必要があります。
注 : |
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1 つのストレージ グループに複数のデータベースを配置することは可能ですが、最大限の可用性を得るため、ストレージ グループごとに 1 つのデータベースのみを使用することをお勧めします。 |
最適化されたデータベース エンジンとキャッシュ
Exchange 2007 のデータベース エンジンとキャッシュは、スケーラビリティのために最適化されました。この変更は、必要とされる I/O スループットが削減されたことも意味します。メモリ システムの規模が拡大したことで、より大容量のキャッシュを Exchange ストアに割り当てることができるため、ユーザー単位でもより多くのキャッシュを割り当てられます。この結果、クライアントの要求するデータが、ディスク サブシステムではなくメモリから提供される確率が高まっています。
さらに、データベースのページ サイズが 4 KB から 8 KB に拡大されました。ページ サイズが 8 KB であることによって、メッセージ全体の内容が 1 回の I/O 操作で読み込まれる可能性と、メッセージの内容をデータベースの単一ページに格納できるようになる可能性が高まります。
新しいトランスポート パイプライン
Exchange 2007 のトランスポート パイプラインは、組織内のハブ トランスポート サーバー上のカテゴライザにすべてのメッセージをルーティングするために連携して動作する、サーバーの役割、接続、コンポーネント、およびキューの集まりです。新しいトランスポート エンジンは、以前のバージョンの Exchange より非常に多くのメッセージをサポートできます。
Exchange 2007 の新しいトランスポート パイプラインの詳細については、「トランスポートとルーティングに関する新機能」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。