トランスポート ルールの述語
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-04-09
ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで使用することができる、述語、述語プロパティ、および値について説明します。Addresses
述語プロパティは複雑なため、これについてもさらに詳しく説明します。
Exchange 2007 では、トランスポート ルール エージェントは述語を使用して、トランスポート ルールで使用される条件と例外を作成します。ハブ トランスポート サーバーの役割およびエッジ トランスポート サーバーの役割は、どちらもサーバーの役割を通過する電子メール メッセージにトランスポート ルールを適用できます。ただし、各サーバーの役割で使用できる述語は異なります。
述語および述語プロパティ
述語は、特定の電子メール メッセージにトランスポート ルールを適用する必要があるかどうかを判断するために、メッセージを調べる条件または例外を指定します。一部の述語はメッセージの "宛先" フィールドまたは "差出人" フィールドを調べ、他の述語は件名、本文、または添付ファイルのサイズを調べます。メッセージにトランスポート ルールを適用する必要があるかどうかを判断するため、ほとんどの述語では、メッセージのテストに使用する値を指定する必要があります。これらの値は、述語の 1 つ以上のプロパティに割り当てられます。一部の述語は、述語プロパティを必要としません。
述語に値を割り当てるには、その述語の述語プロパティを判断する必要があります。たとえば、Words
述語プロパティは SubjectContains
条件と共に使用する必要があります。ハブ トランスポート サーバーで使用する必要がある述語プロパティについては、表 2 を参照してください。エッジ トランスポート サーバーで使用する必要がある述語プロパティについては、表 3 を参照してください。
一部の述語では、2 つの述語プロパティを設定する必要があります。これは、一部の述語が、メッセージ ヘッダーなど、電子メール メッセージのセクション内の特定のフィールドを調べるためです。メッセージ ヘッダーを調べる述語を指定する場合、1 つ目の述語プロパティには調べる対象となる特定のヘッダー フィールドを指定し、2 つ目の述語プロパティにはテストするメッセージ ヘッダーの値を指定します。この場合、サーバーの役割に応じて、表 2 および表 3 の「2 番目の述語プロパティ」列に示された 2 番目の述語プロパティの値も指定する必要があります。たとえば、Message-ID ヘッダー フィールドで contoso.com
などの特定の文字列を調べるように述語を構成できます。
表 1 は、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できる述語プロパティの一覧です。
表 1 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール用の述語プロパティ
述語プロパティ | 予期される形式 | 説明 |
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Active Directory メールボックス、連絡先、または配布グループ オブジェクトの配列 |
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メッセージ分類オブジェクト |
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単一の値 ( |
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正規表現の配列 |
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単一の文字列 |
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単一の整数 |
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単一の値 ( |
以下の条件のいずれかに当てはまる場合、送信者または受信者は組織内であると見なされます。
メールが有効な連絡先が組織内または組織外のいずれであるかを判断するために、受信者または送信者のアドレスのドメイン部分が、このセクションで説明した承認済みドメイン一覧と比較されます。 承認済みドメインの詳細については、「承認済みドメインの管理」を参照してください。 |
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単一の整数 ( |
単位が付加されていない整数は、バイトとして扱われます。 |
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文字列の配列 |
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ハブ トランスポート サーバーでサポートされる述語
表 2 は、ハブ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できる述語の一覧です。
表 2 ハブ トランスポート サーバーでサポートされるトランスポート ルールの述語
サポートされるルール述語 | 述語名 | 最初の述語プロパティ | 2 番目の述語プロパティ | 説明 |
---|---|---|---|---|
差出人がユーザーの場合 |
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該当なし |
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差出人が配布リストのメンバの場合 |
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該当なし |
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差出人が組織の内部または外部のユーザーの場合 |
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該当なし |
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宛先がユーザーの場合 |
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|
該当なし |
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宛先が配布リストのメンバの場合 |
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該当なし |
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宛先が組織の内部または外部のユーザーの場合 |
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該当なし |
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異なる配布リストのメンバ間の場合 |
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"宛先" フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合 |
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該当なし |
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"宛先" フィールドの受信者に配布リストのメンバが含まれている場合 |
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該当なし |
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CC フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合 |
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該当なし |
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CC フィールドの受信者に配布リストのメンバが含まれている場合 |
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|
該当なし |
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"宛先" フィールドまたは CC フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合 |
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該当なし |
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"宛先" フィールドまたは CC フィールドの受信者に配布リストのメンバが含まれている場合 |
AnyOfToCcHeaderMemberOf |
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該当なし |
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"件名" フィールドに特定の文字が含まれている場合 |
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該当なし |
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メッセージの "件名" フィールドまたは本文に特定の文字が含まれている場合 |
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該当なし |
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メッセージ ヘッダーに特定の文字が含まれている場合 |
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差出人のアドレスに特定の文字が含まれている場合 |
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該当なし |
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"件名" フィールドにテキスト パターンが含まれている場合 |
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該当なし |
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メッセージの "件名" フィールドまたは本文にテキスト パターンが含まれている場合 |
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|
該当なし |
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メッセージ ヘッダーにテキスト パターンが含まれている場合 |
|
|
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|
差出人のアドレスにテキスト パターンが含まれている場合 |
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該当なし |
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添付ファイル名にテキスト パターンが含まれている場合 |
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該当なし |
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SCL (Spam Confidence Level) レベルが制限値以上の場合 |
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|
該当なし |
|
添付ファイルのサイズが制限値以上の場合 |
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|
該当なし |
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分類が (分類) の場合 |
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該当なし |
|
重要度が (重要度) の場合 |
|
|
該当なし |
|
エッジ トランスポート サーバーでサポートされる述語
表 3 は、エッジ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できる述語の一覧です。
表 3 エッジ トランスポート サーバーでサポートされるトランスポート ルールの述語
サポートされるルール述語 | 述語名 | 最初の述語プロパティ | 2 番目の述語プロパティ | 説明 |
---|---|---|---|---|
"件名" フィールドに特定の文字が含まれている場合 |
|
|
該当なし |
|
メッセージの "件名" フィールドまたは本文に特定の文字が含まれている場合 |
|
|
該当なし |
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メッセージ ヘッダーに特定の文字が含まれている場合 |
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|
差出人のアドレスに特定の文字が含まれている場合 |
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該当なし |
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受信者のアドレスに特定の文字が含まれている場合 |
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該当なし |
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"件名" フィールドにテキスト パターンが含まれている場合 |
|
|
該当なし |
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メッセージの "件名" フィールドまたは本文にテキスト パターンが含まれている場合 |
|
|
該当なし |
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メッセージ ヘッダーにテキスト パターンが含まれている場合 |
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|
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|
差出人のアドレスにテキスト パターンが含まれている場合 |
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|
該当なし |
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受信者のアドレスにテキスト パターンが含まれている場合 |
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該当なし |
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SCL (Spam Confidence Level) レベルが制限値以上の場合 |
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|
該当なし |
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添付ファイルのサイズが制限値以上の場合 |
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|
該当なし |
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差出人が組織の内部または外部のユーザーの場合 |
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|
該当なし |
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条件と例外へのアドレスの割り当て
Addresses
述語プロパティでは、完全なメールボックス、連絡先、メールが有効なユーザー、または配布グループ オブジェクトを渡す必要があります。SMTP (簡易メール転送プロトコル) 電子メール アドレスは、このプロパティの有効な値ではありません。Addresses
述語プロパティに割り当てる値は、配列に入れる必要があります。
メールボックス、連絡先、メールが有効なユーザー、または配布グループ オブジェクトを Addresses
述語プロパティに渡すには、適切な Exchange 管理シェル コマンドを配列内から呼び出し、オブジェクトの ID または名前をコマンドで指定する必要があります。コマンド名および ID はかっこで囲む必要があります。次のコマンド構文を使用します。
$Condition.Addresses = @((Get-Mailbox <Mailbox Name>), (Get-MailContact <Contact Name>), (Get-MailUser <Mail-Enabled User>), (Get-DistributionGroup <Distribution Group Name>))
Addresses 述語プロパティに値を割り当てるには、次の操作を行います。
単一のメールボックス オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Condition.Addresses = @((Get-Mailbox "Ted Bremer"))
単一のメール連絡先オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Condition.Addresses = @((Get-MailContact "Masato Kawai"))
単一のメールが有効なユーザー オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Condition.Addresses = @((Get-MailUser "Pilar Ackerman"))
単一の配布グループ オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Condition.Addresses = @((Get-DistributionGroup "Sales Group"))
メールボックス、ユーザー、配布グループの各オブジェクトを含めて割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Condition.Addresses = @((Get-Mailbox "Ted Bremer"), (Get-Mailbox "Kim Akers"), (Get-MailContact "Pilar Ackerman"), (Get-MailContact "Adam Barr"), (Get-MailUser "Chris Meyer"), (Get-DistributionGroup "Marketing Group"), (Get-DistributionGroup "Research Group"))
詳細情報
各コマンドの構文およびパラメータの詳細については、以下のトピックを参照してください。
トランスポート ルールの詳細については、以下のトピックを参照してください。
- トランスポート ルールを表示する方法
- 新しいトランスポート ルールを作成する方法
- トランスポート ルールを変更する方法
- トランスポート ルールを削除する方法
- 免責事項を構成する方法
- トランスポート ルールのアクション
- トランスポート ルールの正規表現
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。