Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツール
トピックの最終更新日: 2011-05-25
リリース/更新 2009 年 7 月
このトピックでは、Microsoft Exchange 2003 向けの更新バージョンの Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールについて説明します。このツールは、最初は Microsoft Exchange Server 5.5 Service Pack 3 (SP3) の一部としてリリースされました。このツールは、Exchange Server 2007 および Microsoft Exchange Server 2010 とも互換性があります。
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを使用すると、Exchange 組織間で空き時間情報およびパブリック フォルダ コンテンツをレプリケートできます。これにより、関係のない Exchange 組織間で会議、予定、連絡先、およびパブリック フォルダの情報を調整できます。
このツールは、Replication Configuration プログラム (Exscfg.exe) およびレプリケーション サービス (Exssrv.exe) という 2 つのプログラムで構成されています。Replication Configuration プログラムは、レプリケーション頻度、ログ オプション、レプリケートするフォルダ、および使用するアカウントを設定するための構成ファイルを作成します。レプリケーション サービスでは、Replication Configuration プログラムにより作成される構成ファイルを使用して、1 つのサーバー (発行元として指定) からの情報で 1 つ以上の Exchange サーバー (購読側として指定) の情報を継続的に更新します。
Schedule+ Free/Busy 情報は、発行元から購読側に対してのみレプリケートされます。そのため、空き時間情報を双方向で更新するには、2 つの空き時間情報セッションが必要です。パブリック フォルダは、発行元と購読側の間で双方向にレプリケートできます。レプリケーション頻度、メッセージとフォルダのレプリケーションのログ、およびレプリケーション処理に割り当てる処理能力を構成できます。
このトピックには、以下の情報が含まれています。
- 複数の Exchange 組織のシナリオ
- セキュリティ
- 展開フェーズ
- 計画
- 準備
- インストールおよび構成
- テスト
- 計画フェーズ
- 準備フェーズ
- 発行元サーバーの準備
- 購読側サーバーの準備
- Exchange 2007 組織または Exchange 2010 組織での可用性アドレス スペースの追加
- 単一サーバーの Exchange 組織での Exchange 2007 または Exchange 2010 の構成
- インストールおよび構成フェーズ
- システム要件
- ネットワーク要件
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールのインストール
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールの実行
- 3 つ以上の Exchange 組織間で空き時間情報データを共有する方法
- テスト フェーズ
- 一般的な問題
複数の Exchange 組織のシナリオ
企業内に複数の Exchange 組織が存在する場合があります。複数の Exchange 組織が存在する理由としては、以下のものが挙げられます。
- 異なる Exchange 組織を持つ企業を合併または買収した場合
- 親組織と合併される可能性のある別の Exchange 組織にサーバーが追加された場合
- 旧バージョンの Exchange で、パブリック フォルダ情報および空き時間情報をさまざまな組織にある Exchange サーバーと共有する必要がある場合
- 地理的な制約のため、複数の Exchange サーバーが異なる組織で個別に管理されている場合
- 企業にビジネス パートナーが存在し、その 2 つの組織がそれぞれの Exchange サーバーを 1 つの Exchange 組織構造に移行せずに情報共有することに合意している場合
複数の組織を含む Exchange トポロジが存在する場合、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを使用して、空き時間情報およびパブリック フォルダ情報をレプリケートできます。
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セキュリティ
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、組織内のパブリック フォルダ コンテンツの共有を支援する一方で、外部の Exchange 組織のユーザーによるパブリック フォルダ システムへの直接的なリモート アクセスを防ぎます。企業間での情報共有には、ネットワーク セキュリティおよびレプリケートされたコンテンツの詳細な管理との緊密な統合が必要になります。共有に参加する各企業は、パブリック フォルダ環境の詳細な評価を実施し、外部組織との共有に適したパブリック フォルダを判別する必要があります。
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、メールボックスが有効なユーザー アカウントのセキュリティ資格情報を使用して、参加する各組織からパブリック フォルダ ストアへの認証を行います。これらの共有ユーザー アカウントのログオン資格情報は、セキュリティで保護する必要があります。これを行わないと、セキュリティ違反が発生する可能性があります。Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、レプリケーション時に共有情報の機密性を確保するために役立ちます。ただし、レプリケートされたデータを正しく保護する作業は、購読側組織の Exchange 管理者のみが行う必要があります。
展開フェーズ
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを Exchange 環境に展開するには、通常は以下のフェーズが必要になります。
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計画
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) サービスをホストする組織を決定します。
- 構成ファイルを作成する Exchange 管理者を決定します。
- レプリケートするデータの種類 (パブリック フォルダまたは空き時間コンテンツ) を決定します。
- 空き時間情報をレプリケートする場合は、メールが有効な連絡先を各組織で作成する方法を決定します。
- コンテンツのレプリケーション方向 (一方向または双方向) を決定します。
- アクセス許可のレプリケーションとコンテンツの削除を処理する方法を決定します。
準備
- パートナー組織の各ユーザーについて、メールが有効な連絡先を作成します。
- 発行元サーバーを準備します。
- 購読側サーバーを準備します。
- Office Outlook 2007 クライアントを使用している Exchange 2007 のみが存在する組織の可用性アドレス スペースを追加します。
- 単一サーバーの Exchange 組織で Exchange 2007 を構成します。
インストールおよび構成
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをインストールおよび実行するためのシステム要件とネットワーク要件が満たされるようにします。
- 正しいサービス アカウントを使用して、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをインストールします。
- 構成ツールを使用して、コンテンツをレプリケートするためのレプリケーション セッションを作成します。
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テスト
- Microsoft Outlook を使用して、パートナー組織のユーザーとの間で会議出席依頼の送信および承諾を行います。
- レプリケーション間隔が経過するまで待ってから、レプリケーション エラーがあるかどうかを確認します。
- パートナー組織のユーザーについて、更新後の空き時間情報を検証します。
- パブリック フォルダの場合、新しいコンテンツを作成し、レプリケーション後に購読側組織を確認します。
計画フェーズ
Exchange 組織間でパブリック フォルダ コンテンツまたは空き時間情報を正常にレプリケートするには、適切な計画を策定することが重要です。Inter-Organization Replication tool (組織間のレプリケーション) ツールをインストールする前に、それぞれの企業の Exchange 管理者が共同して以下の問題を検討した上で展開計画を策定する必要があります。
- 組織間で空き時間情報をレプリケートする必要があるかどうか。
- 空き時間情報のレプリケーションを必要としているのは、一方の組織のみか、または両方の組織か。
- レプリケーションを、特定の管理グループ (サイト) のユーザーについてのみ行うか、またはすべてのユーザーについて行うか。
- 他の組織で、空き時間情報のすべてのユーザーについてメールが有効な連絡先をどのように作成するか。
- 組織間でパブリック フォルダ コンテンツをレプリケートする必要があるかどうか。
- どのパブリック フォルダを各組織からレプリケートする必要があるか。
- 購読側組織内のレプリケートされたパブリック フォルダ コンテンツに対する変更を、発行元組織に再度レプリケートするかどうか。
- フォルダまたはコンテンツの削除を購読側組織にレプリケートするかどうか。
- 購読側組織内のレプリケートされたパブリック フォルダ データをどのようにセキュリティで保護するか。
- どの組織が Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをホストする必要があるか。
- レプリケーション セッション用の構成ファイルを作成および保守する責任者はだれか。
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールからのネットワーク トラフィックが、ファイアウォール デバイスにより禁止されるかどうか。
これらは、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを展開する前の計画フェーズで検討する必要がある考慮事項の一部です。
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準備フェーズ
Exchange 組織間で空き時間情報をレプリケートする場合、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールでは、元の組織のメールボックスが有効なユーザー アカウントを表すために、パートナー組織のメールが有効な連絡先が必要になります。メールボックスのプライマリ SMTP アドレスは、メールが有効な連絡先とメールボックスを対応させるために使用される一意のキーです。
通常、これは組織間でグローバル アドレス一覧 (GAL) を同期するツールまたはアプリケーションを使用して処理されます。この機能は、次のアプリケーションに備わっています。
- Microsoft Identity Lifecycle Manager 2007。詳細については、「Microsoft Identity Lifecycle Manager 2007 FP1 Product Overview」を参照してください。
- Microsoft Forefront Identity Manager。詳細については、「Forefront Identity Manager 2010」を参照してください。
メールが有効なこれらの連絡先を手動で作成することもできます。ただし、手動で作成する場合の欠点は、それが静的な変更になるという点です。そのため、あるフォレスト内でメールボックスが有効なユーザー アカウントを更新しても、他のフォレスト内の連絡先は更新されません。
発行元サーバーの準備
最初の手順は、Exchange サーバーが発行元になるように準備することです。発行元サーバーは、Exchange 組織から情報を収集し、それをパッケージ化します。その後、発行元は、作成したスケジュールに基づいて、Exchange 組織外の購読側 Exchange サーバーにその情報を送信します。発行元は、情報のレプリケート元となるソース サーバーと考えることができます。
発行元サーバーを準備するには、レプリケーション処理で Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールが使用するサービス アカウントとメールボックス アカウントを作成する必要があります。このメールボックスは、発行元サーバー上に存在しなければなりません。そのサービス アカウントとメールボックスに適切なアクセス許可を割り当て、ツールがレプリケーション中に使用するパブリック フォルダを作成する必要もあります。
重要 : |
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作成するサービス アカウントおよびメールボックス アカウントは、発行元または購読側のいずれかにおいて、レプリケートする各パブリック フォルダおよびサブフォルダの所有者として一覧に表示されている必要があります。これにより、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、ある組織から別の組織に匿名および既定のアクセス許可をレプリケートできます。Microsoft Office Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、パブリック フォルダの所有権とアクセス許可を変更できます。空き時間情報のレプリケーションを行う場合は、空き時間情報フォルダに対する編集者アクセス許可を割り当てます。このシナリオ用に発行元を準備するにはこれで十分です。 |
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Exchange 2003 組織で組織間レプリケーションの発行元サーバーを準備するには、次の操作を行います。
ツールが MAPI サービス アカウントとして使用する Windows NT アカウントおよび関連する Exchange メールボックスを作成します。メールボックスは、発行元サーバー上のメールボックス ストアに作成します。表示名は、Active Directory フォレスト内で一意になるようにします。
組織間でレプリケートするすべてのパブリック フォルダおよび Schedule+ Free/Busy システム フォルダについて、Exchange システム マネージャを使用して、発行元サーバー上にレプリカが存在するようにします。
Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、レプリケートするすべての最上位のパブリック フォルダおよびサブフォルダの所有者として、作成したサービス アカウント メールボックスを追加できます。Schedule+ Free/Busy フォルダの既定のアクセス許可を変更する必要はありません。
Exchange システム マネージャを使用して、ルート パブリック フォルダに ExchsyncSecurityFolder というパブリック フォルダを作成し、作成したサービス アカウント メールボックスに "フォルダの表示" アクセス許可を付与できます。このフォルダに既定のアクセス許可または匿名のアクセス許可を指定しないでください。このフォルダは、レプリケーション サービスでセキュリティ強化を目的として使用されるため、発行元と購読側の両方のサーバーに存在する必要があります。
Outlook を使用して、MAPI サービス アカウントにログオンし、サーバー上のメールボックスを初期化できます。この手順により、アクセス許可およびアクセス権が正しいことを検証します。
Exchange Server 2007 および Exchange 2010 の場合は、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して管理を行います。どちらの管理ツールを使用しても、以下の手順を実行できます。Outlook および Public Folder DAV-Based Administration (PFDAVAdmin) を使用して、パブリック フォルダの作成およびパブリック フォルダへのアクセス許可の追加を行うこともできます。
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Exchange 2007 組織または Exchange 2010 組織で組織間レプリケーションの発行元サーバーを準備するには、次の操作を行います。
ツールが MAPI サービス アカウントとして使用する Windows NT アカウントおよび関連する Exchange メールボックスを作成します。メールボックスは、発行元サーバー上のメールボックス ストアに作成します。表示名は、Active Directory フォレスト内で一意になるようにします。詳細については、「New-Mailbox」を参照してください。
パブリック フォルダ ストアがまだ存在していない場合は、発行元サーバーで新しいパブリック フォルダ データベースを作成します。
New-PublicFolderDatabase -name "<Public Folder Database Name>" -storagegroup "<Storage Group Name>"
詳細については、「New-PublicFolderDatabase」を参照してください。
組織間でレプリケートするすべてのパブリック フォルダについて、発行元サーバー上にレプリカが存在することを確認してください。詳細については、「Set-PublicFolder」を参照してください。
レプリケートするすべての最上位のパブリック フォルダおよびサブフォルダの所有者として、作成したサービス アカウント メールボックスを追加できます。Schedule+ Free/Busy フォルダの既定のアクセス許可を変更する必要はありません。
Add-PublicFolderClientPermission -User <ServiceAccount> -AccessRights:Owner -Identity "<Top-Level Public Folder>"
詳細については、「Add-PublicFolderClientPermission」を参照してください。
ルート パブリック フォルダに ExchsyncSecurityFolder というパブリック フォルダを作成し、作成したサービス アカウント メールボックスに "フォルダの表示" アクセス許可を付与します。このフォルダに既定のアクセス許可または匿名のアクセス許可を指定しないでください。このフォルダは、レプリケーション サービスでセキュリティ強化を目的として使用されるため、発行元と購読側の両方のサーバーに存在する必要があります。ExchsyncSecurityFolder という名前で最上位のパブリック フォルダを新たに作成するには、以下の管理シェル コマンドレットを使用します。
New-PublicFolder -Name "ExchsyncSecurityFolder"
詳細については、「New-PublicFolder」を参照してください。
ExchsyncSecurityFolder に対して適切なアクセス許可を設定するには、以下の管理シェル コマンドレットを使用します。
Add-PublicFolderClientPermission -User <ServiceAccount> -AccessRights:FolderVisible -Identity "\ExchsyncSecurityFolder" Remove-PublicFolderClientPermission -User Default -AccessRights:Author -Identity "\ExchsyncSecurityFolder" Remove-PublicFolderClientPermission -User Anonymous -AccessRights:CreateItems -Identity "\ExchsyncSecurityFolder"
詳細については、「Add-PublicFolderClientPermission」および「Remove-PublicFolderClientPermission」を参照してください。
Outlook を使用して、MAPI サービス アカウントにログオンし、サーバー上のメールボックスを初期化することで、アクセス許可およびアクセス権が正しいことを検証できます。
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購読側サーバーの準備
購読側は、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを使用した場合に情報のレプリケート先となる Exchange サーバーです。購読側を構成するには、ツールがサービス アカウントとして使用できる Windows NT アカウントおよび関連する Exchange メールボックスを作成する必要があります。また、レプリケーション処理でツールが必要とする最上位のパブリック フォルダを作成しなければなりません。空き時間情報データをレプリケートする場合、対象組織の空き時間情報フォルダのレプリカが、購読側サーバー上に存在する必要があります。
Exchange 2003 組織で組織間レプリケーションの購読側サーバーを準備するには、次の操作を行います。
ツールがサービス アカウントとして使用する Microsoft Windows NT アカウントおよび関連する Exchange メールボックスを作成します。表示名は、Active Directory フォレスト内で一意になるようにします。
Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、レプリケートするフォルダ階層のすべての部分について、最上位のフォルダを作成することができます。購読側サーバーでサブフォルダを作成する必要はありません。サブフォルダは、ツールによって自動的に作成されます。
Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、最上位の各フォルダに対する "発行編集者" アクセス許可を、作成したサービス アカウント メールボックスに付与します。
Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、対象組織の空き時間情報フォルダのレプリカを購読側サーバーに追加します。
Outlook または Exchange システム マネージャを使用して、ルート パブリック フォルダ外に ExchsyncSecurityFolder というパブリック フォルダを作成し、作成したサービス アカウント メールボックスに "フォルダの表示" アクセス許可を付与します。このフォルダに既定のアクセス許可または匿名のアクセス許可を指定しないでください。このフォルダは、レプリケーション サービスでセキュリティ強化を目的として使用されるため、発行元と購読側の両方のサーバーに存在する必要があります。
Outlook を使用して、MAPI サービス アカウントにログオンし、サーバー上のメールボックスを初期化することで、アクセス許可およびアクセス権が正しいことを検証します。
注 : 双方向でレプリケートを行う場合、サーバーは発行元にも購読側にもなり得ます。
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Exchange 2007 では、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して管理を行います。いずれかの管理ツールを使用して、以下の手順を実行します。Outlook および Public Folder DAV-Based Administration (PFDavAdmin) を使用して、パブリック フォルダの作成およびパブリック フォルダのアクセス許可の構成を行うこともできます。
Exchange 2007 組織または Exchange 2010 組織で組織間レプリケーションの購読側サーバーを準備するには、次の操作を行います。
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールがサービス アカウントとして使用する Windows アカウントおよび関連する Exchange メールボックスを作成します。表示名は、Active Directory フォレスト内で一意になるようにします。詳細については、「New-Mailbox」を参照してください。
パブリック フォルダ ストアがまだ存在していない場合は、購読側サーバーで新しいパブリック フォルダ データベースを作成します。
New-PublicFolderDatabase -name "<Public Folder Database Name>" -storagegroup "<Storage Group Name>"
詳細については、「New-PublicFolderDatabase」を参照してください。
Outlook を使用して、MAPI サービス アカウントにログオンし、サーバー上のメールボックスを初期化することで、アクセス許可およびアクセス権が正しいことを検証できます。
レプリケートするフォルダ階層のすべての部分について、最上位のフォルダを作成します。購読側サーバーでサブフォルダを作成する必要はありません。サブフォルダは、ツールによって自動的に作成されます。
New-PublicFolder -Name <Top-Level Folder>
詳細については、「New-PublicFolder」を参照してください。
対象組織の空き時間情報フォルダのレプリカを購読側サーバーに追加します。
詳細については、「パブリック フォルダの設定を構成する方法」を参照してください。
最上位の各フォルダに対する "発行編集者" アクセス許可を、作成したサービス アカウント メールボックスに付与します。
Add-PublicFolderClientPermission -User <ServiceAccount> -AccessRights:PublishingEditor -Identity "\<Top-Level Folder>"
詳細については、「Add-PublicFolderClientPermission」を参照してください。
ルート パブリック フォルダに ExchsyncSecurityFolder というパブリック フォルダを作成し、作成したサービス アカウント メールボックスに "フォルダの表示" アクセス許可を付与します。このフォルダに既定のアクセス許可または匿名のアクセス許可を指定しないでください。このフォルダは、レプリケーション サービスでセキュリティ強化を目的として使用されるため、発行元と購読側の両方のサーバーに存在する必要があります。ExchsyncSecurityFolder という名前で最上位のパブリック フォルダを新たに作成するには、以下の管理シェル コマンドレットを使用します。
New-PublicFolder -Name "ExchsyncSecurityFolder"
詳細については、「New-PublicFolder」を参照してください。
ExchsyncSecurityFolder に対して適切なアクセス許可を設定するには、以下の管理シェル コマンドレットを使用します。
Add-PublicFolderClientPermission -User <ServiceAccount> -AccessRights:FolderVisible -Identity "\ExchsyncSecurityFolder" Remove-PublicFolderClientPermission -User Default -AccessRights:Author -Identity "\ExchsyncSecurityFolder" Remove-PublicFolderClientPermission -User Anonymous -AccessRights:CreateItems -Identity "\ExchsyncSecurityFolder"
詳細については、「Add-PublicFolderClientPermission」および「Remove-PublicFolderClientPermission」を参照してください。
Outlook を使用して、MAPI サービス アカウントにログオンし、サーバー上のメールボックスを初期化することで、アクセス許可およびアクセス権が正しいことを検証します。
注 : 双方向でレプリケートを行う場合、サーバーは発行元にも購読側にもなり得ます。
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Exchange 2007 組織または Exchange 2010 組織での可用性アドレス スペースの追加
Office Outlook 2007 ユーザーが、従来の Exchange サーバー (Exchange 2007 以前) のメールボックス ユーザーの空き時間情報を表示する場合や、別のフォレストで従来の Outlook クライアント (Office Outlook 2007 以前) を使用しているユーザーの空き時間情報を表示する場合には、Add-AvailabilityAddressSpace コマンドレットを使用して可用性サービスを構成する必要があります。Exchange 2007 フォレスト内の任意のサーバーで、このコマンドレットを 1 回実行するだけで済みます。
以下のコマンドを実行して、パブリック フォルダの空き時間情報の可用性を設定します。
Add-AvailabilityAddressSpace -ForestName <Legacy Exchange SMTP domain name> -AccessMethod PublicFolder
たとえば、次のように実行します。
Add-AvailabilityAddressSpace -ForestName Contoso.com -AccessMethod PublicFolder
単一サーバーの Exchange 組織での Exchange 2007 または Exchange 2010 の構成
購読側サーバーが組織内の唯一の Exchange 2007 サーバーまたは Exchange 2010 サーバーであり、このサーバーにすべての Exchange サーバーの役割がインストールされている場合、追加の構成作業が必要になります。
可用性サービスから組織内の Schedule+ Free/Busy パブリック フォルダに対して行われる DAV 要求は、HTTPS ではなく HTTP を使用して /public 仮想ディレクトリに送信されます。
既定では、クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされると、仮想ディレクトリは SSL (Secure Sockets Layer) を要求するように構成されます。このため、単一サーバー環境では、可用性サービスはパブリック フォルダから空き時間情報を取得できません。したがって、この組織の Outlook 2007 ユーザーが他の組織の空き時間情報データを照会しようとすると、空き時間情報データではなくハッシュ記号が表示されます。
この状況を回避するには、次の 3 つの方法のいずれかを使用します。
- 別の Exchange 2007 サーバーをインストールし、クライアント アクセス サーバーの役割をそのサーバーに移動します。
- インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャで、/public 仮想ディレクトリの [SSL が必要] を無効にします。
- Outlook 2007 クライアント コンピュータでレジストリ パラメータを設定することで、それらが可用性サービスを経由せずに、パブリック フォルダのすべての空き時間情報を直接照会するように指定します。
詳細については、Exchange チームのブログの記事「Configuring Interorg Free/Busy in a single server Exchange Server 2007 organization」を参照してください。
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インストールおよび構成フェーズ
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを展開するには、事前にいくつかのインストール要件が満たされている必要があります。よくある誤解は、発行元として機能する各 Exchange 組織が、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールの実行インスタンスをそれぞれホストする必要があると考えられていることです。その構成方法でも問題ありませんが、必要なのはツールの 1 つの実行インスタンスのみです。
システム要件
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) 構成ツールおよびレプリケーション サービスをホストするコンピュータは、Windows ドメインに接続されている必要があり、以下のオペレーティング システム要件を満たしていなければなりません。
- Microsoft Windows 2000 Server Service Pack 3、または任意の Service Pack を適用した 32 ビット バージョンの Windows Server 2003。
- Windows Server 2008 はサポートされません。
また、Exchange Server または Exchange 管理ツールがインストールされている必要があります。
たとえば、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) 構成ツールを以下の構成でインストールできます。
- Service Pack 2 を適用した Exchange Server 2003 を実行するサーバー
- Exchange 2003 システム管理ツールがインストールされている Exchange 以外のサーバー
また、以下のことに注意してください。
- Exchange 2007 サーバーの役割をホストしているコンピュータへの Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールのインストールはサポートされていません。
- MAPI/CDO ライブラリが存在するコンピュータに Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをインストールすることはできません。
- いずれかのバージョンの Outlook がインストールされていたことのあるコンピュータには、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをインストールしないでください。
- 参加している Exchange 組織間の信頼関係は必要ありません。
- Exchange 2010 Service Pack 1 (SP1) を実行しているサーバーに情報をレプリケートする場合、その Exchange 2010 SP1 サーバーには少なくともメールボックスの役割または CAS の役割がインストールされている必要があります。
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ネットワーク要件
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを使用するためのネットワーク要件は、次のとおりです。
- Exchange 組織間に MAPI 対応ローカル エリア ネットワーク (LAN) 接続が存在する。
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールが使用する Exchange サーバーを、NetBIOS 名および完全修飾ドメイン名によりリモートで解決できるように、名前解決が構成されている。
- Exchange 組織間にファイアウォールが存在する場合、ファイアウォール ルールの例外が設定されている。
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを頻繁に使用する場合は、2 つの外部ネットワークが通信する必要があります。これには、ツールが機能できるようにするための名前解決およびファイアウォール構成の変更が含まれる場合があります。
名前解決
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、名前解決を使用して各 Exchange サーバーを特定します。そのため、ネットワーク間で NetBIOS 名前解決が必要になります。これは WINS (Windows Internet Name Service)、LMHOSTS ファイル、または Domain Name System (DNS) のいずれかを使用して行うことができます。
ファイアウォール
発行元と購読側の Exchange サーバー間のすべての通信で、リモート プロシージャ コール (RPC) が使用されます。これは、TCP/IP ポート 135 経由で実行されます。Exchange サーバーは、RPC エンドポイント マッパー サービスへの接続についてポート 135 を監視します。
Exchange Server 2003 を起動すると、Exchange ストアおよびシステム アテンダントから戻される応答や情報を伝達するために使用するランダム ポートが割り当てられます。ポートがランダムなため、通信を確立するのが難しくなります。これらのポートはファイアウォール上またはプロキシ サーバー上で "開く" ことができません。各 Exchange サーバーに対する変更を行い、ランダム ポートが静的に割り当てられるようにする必要があります。
通信用に静的ポートを割り当てることで、その静的ポート経由の Exchange サーバーとクライアント間の TCP/IP 接続を有効にするように、ルーターおよびファイアウォールを構成できます。この構成については、次の Microsoft サポート技術情報の記事を参照してください。
- 270836「Exchange Server の静的ポートの割り当て」
- 298369「MAPI クライアントの要求に対応する際に特定のポートを使用するようにグローバル カタログ サーバーを構成する方法」
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購読側サーバーで静的ポートを割り当てる方法
レジストリ エディタを起動します。
次のレジストリ キーを探してクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSExchangeSA\Parameters
Microsoft Exchange SA RFR インターフェイスに対して以下のエントリを追加します。
- 名前 : TCP/IP Port
- 値 : REG_DWORD
- データ値 : <ポート番号>
注 : ポートの割り当ては、1024 ~ 5000 (10 進数) の範囲で行う必要があります。 Microsoft Exchange Directory NSPI Proxy インターフェイスに対して以下のエントリを追加します。
- 名前 : TCP/IP NSPI Port
- 種類 : REG_DWORD
- データ値 : <ポート番号>
次のレジストリ キーを探してクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSExchangeIS\ParametersSystem
Microsoft Exchange Information Store インターフェイスに対して以下のエントリを追加します。
- 名前 : TCP/IP Port
- 種類 : REG_DWORD
- データ値 : <ポート番号>
レジストリ エディタを終了します。
注 : これらの変更を有効にするには、Exchange サーバーを再起動する必要があります。双方向レプリケーションを有効にする場合は、上の手順を発行元サーバーでも実行する必要があります。
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Exchange サーバーがグローバル カタログ サーバーでもある場合
レジストリ エディタを起動します。
次のレジストリ キーを探してクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NTDS\Parameters
[編集] メニューで、[値の追加] をクリックし、次のレジストリ値を追加します。
- 値の名前 : TCP/IP Port
- データの種類 : REG_DWORD
- 基数 : 10 進
- 値のデータ : <ポート番号> (10 進)
注 : ポートの割り当ては、1024 ~ 5000 (10 進数) の範囲で行う必要があります。
Name Service Provider Interface (NSPI) の初期化時に静的マッピングが読み取られるように、グローバル カタログ サーバーを再起動します。
これらの手順が完了したら、ポート 135 に加えてこれらのポートでも TCP/IP 接続が可能になるように、パケット フィルタ (またはファイアウォール) を構成します。レジストリ エディタを終了します。
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールのインストール
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをダウンロードするには、Exchange 2003 のダウンロードに関するページを参照してください。このツールは 2 つのファイルで構成されています。
- Exscfg.exe (Microsoft Exchange Replication Configuration プログラム)
- Exssrv.exe (Microsoft Exchange レプリケーション サービス)
これらのファイルを使用するには、次の操作を行います。
- ツールが使用する作業ディレクトリを作成します (C:\IORepl など)。
- この作業ディレクトリに Exssrv.exe および Exscfg.exe ファイルをコピーまたはインストールします。
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Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールの実行
レプリケーションをセットアップするには、構成ファイルを作成する必要があります。構成ファイルには、レプリケーション セッションを格納します。各セッションは、空き時間情報セッションまたはパブリック フォルダ セッションのいずれかになります。
注 : |
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レプリケートするパブリック フォルダに、IOrepl 接続が作成されるサーバーと同じサーバーにあるローカル レプリカが含まれるサーバー間で接続を確立することをお勧めします。この場合パブリック フォルダ ストアは、IOrepl 接続で指定されている同じ Exchange サーバー上にあります。MAPI 接続に使用されるメールボックスも、同じ Exchange サーバー上にあります。 |
空き時間情報のレプリケーション用の構成ファイルを作成する方法
Exscfg.exe をダブルクリックします。
[セッション] メニューの [追加] をクリックします。
[セッションの追加] ダイアログ ボックスで、[Schedule+ Free/Busy のレプリケーション] を選択します。
注 : |
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[ファイル]、[新規作成] の順に選択して、新しいセッションではなく新しい構成を作成します。 |
[Free/Busy セッションの構成] 画面には、ExchSync セッションが正しく機能するために構成する必要がある以下の 4 つのセクションがあります。
- [セッション]
- [発行元の組織]
- [購読側の組織]
- [発行元サイトのフィルタ]
[セッション] をセットアップする方法
セッションの表示名 ([タイトル]) を入力します。
組織名およびレプリケーションの方向を含めます。たとえば、「Organization A to Organization B」と入力します。
[スケジュール] をクリックし、要件に応じたレプリケーション スケジュールを作成します。レプリケーションの間隔は、最短で 5 分です。
[ログ出力] をクリックし、当該セッションのログ出力を有効にします。ログ ファイル (ファイルのインストール時に作成した作業ディレクトリにあります) では、サービスが開始または停止した時間、検出されたエラー、各セッションの統計情報 (レプリケートされるメッセージおよびフォルダの数など) が報告されます。
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[発行元の組織] をセットアップする方法
[サーバー/メールボックス] に、発行元のサーバー名およびこのサーバー用に作成したサービス アカウント メールボックスを入力します。
[詳細設定] をクリックし、発行元サービス アカウントのユーザー名、パスワード、およびドメインを入力します。
注 : <ドメイン>\<ユーザー名> という形式でユーザー名を指定しないでください。"ユーザー名" フィールドにはユーザー名のみ、"ドメイン" フィールドにはドメイン名のみを指定してください。
[購読側の組織] をセットアップする方法
[サーバー/メールボックス] に、購読側のサーバー名およびこのサーバー用に作成したサービス アカウント メールボックスを入力します。
[詳細設定] をクリックし、購読側サービス アカウントのユーザー名、パスワード、およびドメインを入力します。
注 : <ドメイン>\<ユーザー名> という形式でユーザー名を指定しないでください。"ユーザー名" フィールドにはユーザー名のみ、"ドメイン" フィールドにはドメイン名のみを指定してください。
[発行元サイトのフィルタ] をセットアップする方法
[サイト一覧] をクリックし、空き時間情報をレプリケートするサイト (管理グループ) を選択します。既定では、[すべてのサイト] チェック ボックスがオンになっています。[ログオン] ボタンを有効にするには、このチェック ボックスをオフにします。[ログオン] ボタンをクリックして、発行元組織で使用可能なサイトを列挙します。[ログオン] ボタンをクリックすると、以下のことを検証できます。
- 発行元の ExchSync サービス アカウント資格情報が正しく入力されている
- ExchSync サービス アカウントが発行元の空き時間情報フォルダにアクセスできる
- ローカル DNS 解決が正しく機能している
- Exchange サーバーへの MAPI (RPC) 接続がファイアウォールにより阻止されていない
使用可能なサイトを列挙したら、[すべてのサイト] チェック ボックスを再度オンにして、サーバー上で使用可能な空き時間情報フォルダをそれぞれレプリケートします。または、各サイトのレプリケートする空き時間情報フォルダを手動で選択し、矢印をクリックして [選択されたサイト] の下に移動します。[OK] をクリックして完了します。
3 つ以上の Exchange 組織間で空き時間情報データをレプリケートする場合は、[カスタム受信者の空き時間情報データを発行する] オプションを使用します。詳細については、「3 つ以上の Exchange 組織間で空き時間情報データを共有する方法」を参照してください。
[OK] をクリックしてセッションを構成ファイルに追加し、[保存] をクリックします。
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パブリック フォルダ レプリケーション用の構成ファイルを作成する方法
Exscfg.exe をダブルクリックします。
[セッション] メニューの [追加] をクリックします。
[セッションの追加] ダイアログ ボックスで、[パブリック フォルダのレプリケーション] を選択します。
[パブリック フォルダ セッションの構成] 画面には、ExchSync セッションが正しく機能するために構成する必要がある以下の 4 つのセクションがあります。
- [セッション]
- [発行元の組織]
- [購読側の組織]
- [フォルダ一覧]
[セッション] をセットアップする方法
セッションの表示名 ([タイトル]) を入力します。組織名およびレプリケーションの方向を含めます。たとえば、「Organization A to Organization B」と入力します。
[スケジュール] をクリックし、要件に応じたレプリケーション スケジュールを作成します。レプリケーションの間隔は、最短で 5 分です。
[ログ出力] をクリックし、当該セッションのログ出力を有効にします。ログ ファイル (ファイルのインストール時に作成した作業ディレクトリにあります) では、サービスが開始または停止した時間、検出されたエラー、各セッションの統計情報 (レプリケートされるメッセージおよびフォルダの数など) が報告されます。
[最大タスク数] ボックスの上矢印と下矢印を使用して、レプリケーションに使用するスレッドの数を選択します。レプリケーションのパフォーマンスを向上させるには、2 または 4 を使用します。これより大きい数値を使用すると、サーバーのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
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[発行元の組織] をセットアップする方法
[サーバー/メールボックス] に、発行元のサーバー名およびこのサーバー用に作成したサービス アカウント メールボックスを入力します。
[詳細設定] をクリックし、発行元サービス アカウントのユーザー名、パスワード、およびドメインを入力します。
注 : <ドメイン>\<ユーザー名> という形式でユーザー名を指定しないでください。"ユーザー名" フィールドにはユーザー名のみ、"ドメイン" フィールドにはドメイン名のみを指定してください。
[購読側の組織] をセットアップする方法
[サーバー/メールボックス] に、購読側のサーバー名およびこのサーバー用に作成したサービス アカウント メールボックスを入力します。
[詳細設定] をクリックし、購読側サービス アカウントのユーザー名、パスワード、およびドメインを入力します。
注 : <ドメイン>\<ユーザー名> という形式でユーザー名を指定しないでください。"ユーザー名" フィールドにはユーザー名のみ、"ドメイン" フィールドにはドメイン名のみを指定してください。
[フォルダ一覧] をセットアップする方法
[フォルダ一覧] をクリックし、レプリケートするフォルダを選択します。発行元と購読側の両方のサーバーについて [ログオン] をクリックし、両方の組織のパブリック フォルダ ツリーを列挙します。[ログオン] をクリックすると、以下のことを検証できます。
- 発行元の ExchSync サービス アカウント資格情報が正しく入力されている
- ExchSync サービス アカウントが発行元の空き時間情報フォルダにアクセスできる
- ローカル DNS 解決が正しく機能している
- Exchange サーバーへの MAPI (RPC) 接続がファイアウォールにより阻止されていない
[セッションのフォルダ一覧] ダイアログ ボックスで、レプリケートする発行元のパブリック フォルダまたはフォルダ階層を選択してから、購読側の宛先フォルダを選択します。
以下のオプションのオンとオフを切り替えることで、レプリケート対象として選択したパブリック フォルダまたはフォルダ階層に対する残りのレプリケーション オプションを構成します。
- [矢印] - 既定では、パブリック フォルダは一方向 (発行元から購読側) にレプリケートされます。レプリケーションの一方向と双方向を切り替えるには、このオプションを使用します。
- [サブフォルダ] - このオプションは、選択したフォルダのサブフォルダをレプリケートできるようにします (選択した場合、サブフォルダが購読側で自動的に作成されます)。
- [削除] - このオプションでは、発行元組織から購読側組織にレプリケートするパブリック フォルダを削除できます (双方向レプリケーションを有効にしている場合は、購読側組織から発行元組織にレプリケートするパブリック フォルダも削除できます)。
- [既定] - このオプションは、発行元組織のパブリック フォルダから購読側組織のパブリック フォルダに、既定のアクセス許可をレプリケートできるようにします。
- [匿名] - このオプションは、発行元組織のパブリック フォルダから購読側組織のパブリック フォルダに、匿名のアクセス許可をレプリケートできるようにします。
注 : パブリック フォルダの残りのアクセス許可はレプリケートされません。購読側組織の管理者が、残りのアクセス許可を手動で追加する必要があります。多数のパブリック フォルダの既存のアクセス許可をインポートまたはエクスポートするには、Public Folder DAV-based Administration ツールを使用できます。詳細については、「Microsoft Exchange Server Public Folder DAV-Based Administration Tool」を参照してください。
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レプリケーション サービスをセットアップする方法
Exssrv.exe をダブルクリックします。Exssrv.exe を初めて実行する場合は、[インストール] をクリックします。
[インストール] ダイアログ ボックスで、サービスを実行するアカウントの Windows NT アカウント名およびパスワードを入力します。このアカウントには、"ローカル ログオンを許可する" 権限と "サービスとしてログオン" 権限が必要です。
注 : アカウントは <ドメイン>\<ユーザー名> という形式で入力する必要があります。 作成した構成ファイルのパスおよびファイル名を入力します。
コンピュータの起動時に、サービスを自動的に開始するかどうかを指定します。サービスをインストールしたら、[開始] をクリックするか、[サービス] スナップインから開始します。
3 つ以上の Exchange 組織間で空き時間情報データを共有する方法
複数の Exchange 組織で空き時間情報データを共有するには、レプリケーションを容易にするためにハブおよびスポーク トポロジを有効にする必要があります。組織間で GAL 同期が行われ、一方の Exchange 組織内のメールボックスが有効なユーザー アカウントは、他方の組織内でメールが有効な連絡先として表示されます。
発行元サーバーとしてハブ サーバーを使用して作成するセッションでは、[カスタム受信者の空き時間情報データを発行する] チェック ボックスがオンになっている必要があります。次の例は、3 つの組織が存在し、組織 2 がハブ サーバーの場合に必要なセッションの構成を示しています。
- 組織 2 から組織 1 へのセッション ([カスタム受信者の空き時間情報データを発行する] チェック ボックスをオンにする)
- 組織 1 から組織 2 へのセッション
- 組織 2 から組織 3 へのセッション ([カスタム受信者の空き時間情報データを発行する] チェック ボックスをオンにする)
- 組織 3 から組織 2 へのセッション
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テスト フェーズ
空き時間情報データまたはパブリック フォルダ データ、あるいはその両方をレプリケートするように Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを構成したら、データが Exchange 組織間で実際にレプリケートされていることを確認します。
空き時間情報データをテストする方法
組織 A で、テスト対象としてメールボックスが有効なユーザー アカウント (ユーザー A) を 1 つ選択します。テストを簡略化するために、ユーザー A のメールボックス ストアが、構成ファイルで発行元サーバーとして一覧表示されているパブリック フォルダ ストアをポイントするようにします。
ユーザー A が他方の組織内に、対応するメールが有効な連絡先を持っていること、およびその連絡先にユーザー A のプライマリ SMTP アドレスと一致する電子メール アドレスがあることを確認します。
ユーザー A として組織 A にログオンし、組織 A の別のユーザーに対する予定または会議出席依頼を作成して保存します。
組織 A の他のユーザーが、ユーザー A の空き時間情報データを照会でき、会議の時間中は予定ありとして表示されることを確認します。
これらの手順を組織 B のユーザー B についても繰り返します。
Exscfg.exe を実行し、空き時間情報のレプリケーション セッションを作成します。
Exssrv.exe を実行して [開始] を選択するか、[サービス] スナップインでサービスを開始して、Exchange レプリケーション サービスを開始します。
レプリケーション サイクルが完了するまで待ってから、出力ログを確認します。
ユーザー A としてログオンして新しい会議出席依頼を作成し、ユーザー B を招待します。ユーザー B の空き時間情報データが表示されることを確認します。
双方向で空き時間情報データをレプリケートする場合は、ユーザー B としてログオンし、新しい会議出席依頼を作成した後で、ユーザー A を招待します。ユーザー A の空き時間情報データが表示されることを確認します。
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パブリック フォルダ データをテストする方法
Exscfg.exe を実行し、パブリック フォルダ レプリケーション セッションを作成します。
Exssrv.exe を実行して [開始] を選択するか、[サービス] スナップインでサービスを開始して、Exchange レプリケーション サービスを開始します。
Outlook または Outlook Web Access を使用して、ユーザー A として発行元組織にログオンします。
レプリケートするパブリック フォルダに移動し、コンテンツを追加します。
レプリケーション サイクルが完了するまで待ってから、出力ログを確認します。
Outlook または Outlook Web Access を使用して、ユーザー B として購読側組織にログオンし、コンテンツが存在することを確認します。
一般的な問題
シナリオ A
[Free/Busy セッションの構成] を構成する際に、[発行元サイトのフィルタ] で [サイト一覧] をクリックします。[すべてのサイト] オプションをクリックして無効にし、[ログオン] をクリックします。この操作は、次のエラー メッセージが表示されて失敗します。
"メールボックスの情報を使用して Exchange Server にログオンできません。"
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 発行元組織の [詳細情報] で、サービス アカウントのユーザー名、パスワード、およびドメインを正しく入力しているかどうか。<ドメイン>\<ユーザー名> または user@domain.com という形式でユーザー名を指定しないでください。
- NetBIOS 名を使用して Exchange サーバーに ping を実行できるかどうか。
- パブリック フォルダ ストアがマウントされ、すべてのユーザーが使用できるようになっているかどうか。
- 発行元サーバー上にあるサービス アカウント メールボックスが [Free/Busy セッションの構成] で定義されているかどうか。
- サービス アカウントと同じ表示名を持つ、メールボックスが有効な別のユーザー アカウントがあるかどうか。
- リモート フォレスト内のサーバーに接続しようとしている場合に、組織間にファイアウォールがあるかどうか。組織間にファイアウォールがある場合は、Exchange サーバーで静的ポートを正しく割り当てており、該当するポートの除外をファイアウォールで設定しているかどうか。また、ネットワーク トレースを収集し、ファイアウォールが DCE-RPC パケットを破棄しているかどうかを確認してください。
- 一部のファイアウォールでは、Windows Server 2003 Service Pack 1 ベースまたは Windows Vista ベースのコンピュータからのネットワーク トラフィックが拒否される場合があります。詳細については、Microsoft サポート技術情報の文書番号 899148「Windows Server 2003 Service Pack 1 ベースのコンピュータまたは Windows Vista ベースのコンピュータからのネットワーク トラフィックが一部のファイアウォールで拒否されることがある」を参照してください。
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シナリオ B
レプリケーション サービスをインストールしようとすると、次のエラー メッセージが表示され、サービスを作成できません。
"サービスを作成できません。"
このエラー メッセージをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- [インストール] をクリックして [インストール] ウィンドウを表示する際に、<ドメイン>\<ユーザー名> の形式でサービス アカウント情報を正しく入力したかどうか。
シナリオ C
レプリケーション サービスを開始しようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。
"サービスとしてログインできません。サービスとしてログインするためのアクセス許可が、アカウントに設定されていることを確認してください。"
このエラー メッセージをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- レプリケーション サービスを開始するために指定したアカウントに、サーバー上で "ローカル ログオンを許可する" 権限と "サービスとしてログオン" 権限が付与されているかどうか。
シナリオ D
レプリケーション サービスを開始しようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。
"サービス コントロール マネージャにアクセスできません。"
このエラー メッセージをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- ドメイン コントローラでサービスを実行しようとしているかどうか。その場合に、メンバ サーバーに Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールをインストールして、レプリケーション サービスを開始できるかどうか。
- ドメイン管理者アカウントの資格情報を指定して、サービスを開始できるかどうか。各レプリケーション セッションで既に明示的に資格情報を指定している場合、サービス アカウントを使用してレプリケーション サービスを開始する必要はありません。
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シナリオ E
レプリケーション サービスを実行すると、アプリケーション ログに 115 エラー イベントが生成され、失敗します。
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 115 エラー イベントは、ExchsyncSecurityFolder が見つからないことを示しています。このフォルダが存在し、フォルダ名が正しいことを確認します。名前の前後にスペースが入っていないことを確認します。このフォルダに対するアクセス許可を正しく設定していること (サービス アカウントに "フォルダの表示" 権限があること) を確認します。
シナリオ F
レプリケーション サービスを実行すると、アプリケーション ログに 116 エラー イベントが生成され、失敗します。
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 116 エラー イベントは、セキュリティの問題があることを示しています。エラーで示されているアカウントに、ExchsyncSecurityFolder、空き時間情報フォルダ、または最上位のパブリック フォルダに対するアクセス権がありません。以下のことを確認します。
- サービス アカウントに、ExchsyncSecurityFolder に対する "フォルダの表示" 権限がある
- サービス アカウントに、最上位の各パブリック フォルダに対する "所有者" 権限がある
- 空き時間情報フォルダに対する既定のアクセス許可がある - 既定 (編集者)、匿名 (なし)
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シナリオ G
レプリケーション サービスを実行すると、118 エラー イベントが生成され、失敗します。
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 118 エラー イベントは通信エラーです。Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールが、問題のサーバーに接続できません。名前解決が正しいことと、ネットワーク接続を確認します (トレース ルートと ping)。正しいバージョンの MAPISVC.INF を使用しており、これが破損していないことを確認します。Outlook がインストールされていないことを確認します。Outlook がインストールされている場合は Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールを別のコンピュータにインストールします。
シナリオ H
レプリケーション サービスを実行すると、120 エラー イベントが生成され、失敗します。
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 120 エラー イベントは通信エラーです。Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールがリモート サーバーに接続できましたが、接続が確立されませんでした。ネットワーク接続を確認し (トレース ルートと ping)、パケット損失が発生していないことを確認します。サービス アカウント メールボックスの正しいユーザー名とパスワードを使用しており、そのアカウントの有効期限が切れていないことを確認します。
シナリオ I
購読側組織のメールが有効な新しい連絡先の空き時間情報が更新されません。
この問題をトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、過去の変更内容と、情報をレプリケートしたユーザーを追跡します。そのため、常にすべてのものをレプリケートする必要はありません。発行元組織のメールボックスが、購読側組織のメールが有効な連絡先と対応していない場合、このメールボックスを再度レプリケートしないというマークが付けられます。この後、購読側組織の当該ユーザーについてメールが有効な連絡先が作成された場合でも、既にマークが付けられているのでレプリケートされません。この情報は、作業ディレクトリの "dat" ファイルに保存されます。
- この問題を修正するには、レプリケーション サービスを停止し、"dat" ファイルを削除して、レプリケーション サービスを再開します。次回、Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは完全な同期を実行し、メールが有効な新しい連絡先を検出します。
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シナリオ J
Inter-Organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールがレプリケーションを実行せず、ログ ファイルで次のエラーが報告されます。
"エラー : 変更されたメッセージ [SK=<GUID>] をフォルダ '<Free/Busy システム フォルダ>' (サーバー [<サーバー名>]) にインポートできません。メッセージは存在していましたが、削除されました。"
このエラーをトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- いずれかの Exchange 組織に、Exchange 2003 と Exchange 2007 の両方のサーバーが存在するかどうか。れらのサーバーが存在する場合に、Inter-Organization (組織間のレプリケーション) ツールがどのサーバーを指定しているか。この組織内の Exchange 2003 パブリック フォルダ データベースが指定されている場合、パブリック フォルダ データベースを保持するすべての Exchange 2007 サーバーが Exchange 2007 Service Pack 1 Rollup Update 6 以降のバージョンを実行していることを確認してください。
- 一部のメールボックスが Exchange 2003 から Exchange 2007 に移行された後、一部の空き時間情報メッセージが Exchange 2007 から Exchange 2003 サーバーにレプリケートされません。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 955443「一部の空き/予約済みのメッセージはレプリケートされません Exchange 2007 から Exchange 2003 サーバーまで Exchange Server 2007 を Exchange Server 2003 から一部のメールボックスは移行後」を参照してください。
- 購読側組織で、発行元組織のユーザーの空き時間情報メッセージを空き時間情報フォルダから削除したかどうか。このレプリケーションにパブリック フォルダ API を使用しており、これらのメッセージは同じメッセージ ID を持つため、これらのメッセージを再度レプリケートすることはできません。レプリケーションを続行するには、新しい空き時間情報メッセージを発行元組織で作成する必要があります。詳細については、マイクロソフト製品サポート サービスまでお問い合わせください。
シナリオ K
レプリケーション サービスが、構成ファイルで指定された資格情報ではなく、サービス アカウントの資格情報を使用してログオンしています。
この問題をトラブルシューティングする際は、次のことを検討してください。
- 構成ファイルで資格情報を設定するときに、[詳細設定] タブを選択し、正しい資格情報を入力します。これにより、Inter-organization Replication (組織間のレプリケーション) ツールは、サービス アカウント資格情報ではなく、正しい資格情報を強制的に使用することになります。
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