サーバー間のコンテンツを展開する
最終更新日: 2010年3月13日
適用対象: SharePoint Server 2010
Microsoft SharePoint Server 2010 には、豊富な展開ユーザー インターフェイスが用意されています。ほとんどの展開シナリオは、スクリプトを必要としないユーザー インターフェイス (UI) を介して、IT 担当者が実行できます。ただし、オブジェクト モデルを使用して、同じネットワーク上にないサーバー間でコンテンツを展開したり、共通タスクを自動化するスクリプトを記述するような他のシナリオを処理するために引き続き使用することができます。ここでは、SharePoint Server 2010 のコンテンツ展開機能の概要を説明し、カスタム展開ソリューションの構築および実装に必要なバックグラウンドとリソースを開発者に提供します。
コンテンツ展開の概念と範囲について検討する前に、コンテンツ展開がソリューションとなる基本的なシナリオについて考えてみましょう。インターネット用サイトの通常の IT シナリオでは、コンテンツはインターネット ネットワークのユーザーによって作成され、いくつかのネットワークに分かれています。たとえば、ネットワークにはイントラネットとインターネット用ネットワークとの間に 1 つ以上のファイアウォールが存在する場合があります。このシナリオでは、コンテンツの作成、編集、および承認のために、内部コンテンツ プロバイダーは SharePoint Server 2010 サイトにアクセスする必要がありますが、セキュリティ上の理由から、システムはイントラネットを着信インターネット トラフィックからシールドする必要があります。インターネット ユーザーが SharePoint Server 2010 サイトにアクセスする必要があるのは明らかです。IT 部門は内部コンテンツおよびイントラネット用のサーバー ファームと、実稼動サイトをホストするインターネット用ネットワーク向けの別のサーバー ファームにサーバーをしばしば分けますが、これがその理由の 1 つになっています。作成者は内部ファームで作業し、インターネット ユーザーは実稼動サイトでコンテンツを閲覧します。このサーバー ファームの分割によって、作成したコンテンツを送信元の作成ファームから送信先の運用ファームに一貫性のある、簡単な方法で移動させる必要が生じます。このソリューションがコンテンツ展開です。
コンテンツ展開を使用して、送信元サーバー ファームから送信先サーバー ファームにコンテンツを配信することができます。コンテンツ展開は、2 層 (作成、実稼動)、3 層 (作成、ステージング、実稼動)、および n 層トポロジをサポートします。コンテンツ展開は、SharePoint Server 2010 でコンテンツを正常に展開するための基本的な手順がトポロジに関係なく一貫しているため、多くのさまざまなトポロジ配置をある程度、柔軟にサポートできます。
送信元ファームからコンテンツをエクスポートします。
送信元ファームから送信先ファームにコンテンツをトランスポートします。
送信先ファームにコンテンツをインポートします。
注意
コンテンツ展開は常に一方向です。常に送信元ファームまたはサイト コレクションから送信先ファームまたはサイト コレクションに移動する "シングル マスタ" システムです。
これらの手順を完了するオブジェクト モデルを使用するコードを記述することができます。UI で実行する内容とまったく同じ操作をコードによってコンテンツに展開したり、SharePoint サーバーの全体管理サイトから展開を設定する際には満たせないニーズを満たすように、展開を調整するエクスポートおよびインポート用のカスタム プロパティを設定できます。また、送信元ファームと送信先ファームの接続が制限されているか、利用できない場合に、コンテンツのパッケージをエクスポートし、インポートするコードを作成することもできます。
通常のコンテンツ展開では、この機能がコンテンツを送信元ファームから送信先ファームに自動的にトランスポートし、リモート インポートをインスタンス化します。コンテンツの展開は、パスとジョブを使用してこれらの手順を管理します。
パスは、送信元ファームと送信先ファームの間の接続です。パスには、展開される送信元 Web アプリケーションとサイト コレクション、送信先ファームの認証、および送信先ファームの Web アプリケーションとサイト コレクションに関する情報が含まれています。パスは、作成および実稼動のサイト コレクション間のマッピングを表します。パスはコンテンツを展開しません。
ジョブは、パスに関連付けられ、送信元サイト コレクションを展開するサイトと展開するスケジュールを厳密に決定します。多くのジョブを 1 つのパスに関連付けることができ、それぞれを異なるスケジュールで実行し、サイトの特定のセクションに展開できます。ジョブは、毎回手動で再起動せずに、コンテンツ展開を定期的更新できます。
たとえば、AdventureWorks にはいくつかの Office SharePoint Server 2007 サイト コレクションがあります。これらのコレクションには、1 時間ごとに更新する必要があるプレス リリース サイトや毎月更新する必要がある社員に関するサイトがあります。1 時間ごとにジョブを実行し、プレス リリース サイトを展開するジョブと、1 か月に 1 回ジョブを実行し、社員に関するサイトを展開する 2 つのジョブを作成することにより、両方のサイトをそれぞれのスケジュールに基づいて確実に更新できます。
このセクションの内容
[方法] サーバー間でコンテンツを展開する
オブジェクト モデルを使用して、2 つのサーバー間でコンテンツを展開する方法を参照してください。[方法] 切断されたシナリオで展開をカスタマイズする
コンテンツ展開機能がデータのトランスポートに使用する接続が利用できない場合に、コンテンツをサーバー間でエクスポートし、インポートする方法を参照してください。
関連項目
参照
ContentDeploymentConfiguration
ContentDeploymentNotificationSettings
ContentMigration
ContentMigrationSettings
ContentMigrationType