コンテンツ タイプについて
最終更新日: 2010年11月1日
適用対象: SharePoint Foundation 2010
この記事の内容
コンテンツ タイプによるデータ要件のカプセル化
コンテンツ タイプによるコンテンツの標準化
ファイル形式に依存しないコンテンツ タイプ
コンテンツ タイプの作成
コンテンツ タイプとは、Microsoft SharePoint Foundation 2010 のリストまたはドキュメント ライブラリにあるアイテムまたはドキュメントのカテゴリに対する、メタデータ (列)、ワークフロー、動作、およびその他の設定をまとめて再利用できるようにしたものです。コンテンツ タイプを利用することで、情報のカテゴリに対する設定を再利用可能な方法で一元的に管理できるようになります。
たとえば、業務で、経費明細書、発注書、および請求書という 3 種類のドキュメントを使用するとします。この 3 種類のドキュメントには、共通の特性がいくつかあります。その 1 つは、これらのドキュメントはすべて財務関係のドキュメントで、通貨の値を使用したデータを含んでいます。ただし、各ドキュメントには、それぞれ独自のデータ要件、ドキュメント テンプレート、およびワークフローがあります。このビジネス問題に対する解決策の 1 つは、4 つのコンテンツ タイプを作成することです。1 つ目のコンテンツ タイプ財務関係のドキュメントでは、組織内のすべての財務関係のドキュメントに共通するデータ要件をカプセル化します。残りの 3 つのコンテンツ タイプ経費明細書、発注書、および請求書では、財務関係のドキュメントから共通の要素を継承します。さらに、メタデータの固有のセット、新しいアイテムを作成するときに使用するドキュメント テンプレート、アイテムを処理するための固有のワークフローなど、それぞれの種類に固有の特性を定義できます。
この例の各コンテンツ タイプは、サイト階層内にある任意のドキュメント ライブラリで使用でき、すべてのコンテンツ タイプを同じドキュメント ライブラリで一緒に使用することもできます。ビジネス要件が変化した場合、新しい要件に合うようにコンテンツ タイプを変更して、コンテンツ タイプが使用されているすべてのドキュメント ライブラリに更新内容をプッシュダウンできます。
コンテンツ タイプによるデータ要件のカプセル化
コンテンツ タイプは、情報のカテゴリに対するデータ要件をカプセル化する手段です。コンテンツ タイプには、次の情報を入れることができます。
このタイプに割り当てるメタデータ (プロパティ)。このメタデータは、コンテンツ タイプを追加するときにリストまたはドキュメント ライブラリに追加されるサイト内の列によって表されます。詳細については、「列」を参照してください。
このコンテンツ タイプで使用するユーザー設定の新規作成フォーム、編集フォーム、および表示フォーム。詳細については、「コンテンツ タイプのユーザー設定情報」を参照してください。
このコンテンツ タイプのアイテムに使用できるワークフロー。選択したイベントや条件に基づいて、またはユーザーの選択によって自動的に開始するように定義できます。詳細については、WorkflowAssociations プロパティを参照してください。
ドキュメントのコンテンツ タイプの場合は、このタイプのドキュメントの基になるドキュメント テンプレート。詳細については、「DocumentTemplate 要素 (ContentType)」を参照してください。
このコンテンツ タイプと関連するカスタム ソリューションに必要な情報。この情報は、1 つまたは複数の XML ドキュメントとしてコンテンツ タイプに保存できます。詳細については、「コンテンツ タイプのユーザー設定情報」を参照してください。
コンテンツ タイプによるコンテンツの標準化
コンテンツ タイプは、固有のリストまたはドキュメント ライブラリに依存せずに定義できるので、複数の SharePoint Foundation サイトのリストに特定のコンテンツ タイプを利用できるようにすることができます。これにより、サイト コレクションに格納するコンテンツの種類の定義と管理を集中的に行えます。たとえば、法律関係のドキュメント コンテンツ タイプを使用すると、法律関係のドキュメントが複数のサイトで作成され、格納される場合でも、すべての法律関係のドキュメントが同じメタデータを追跡することができます。
ファイル形式に依存しないコンテンツ タイプ
コンテンツ タイプは、ファイル形式に依存しません。たとえば、ビジネス計画を表すコンテンツ タイプを作成するとします。このコンテンツ タイプは、どのようなファイル形式にも適用できます。以下のような形式が考えられます。
参考資料を含む Microsoft Word ドキュメント
財務計画を含む Microsoft Excel ブック
ベンチャー投資のための Microsoft PowerPoint プレゼンテーション
デモ用の Windows Media ファイル
指定したメタデータを含む SharePoint Foundation リスト アイテム
これらのファイルはすべてビジネス計画コンテンツ タイプに割り当てることができます。リスト アイテム、フォルダーなど、まったくファイルを持たないアイテムにコンテンツ タイプを割り当てることもできます。
コンテンツ タイプの作成
列とコンテンツ タイプは、以下の 3 通りの方法で作成できます。
SharePoint Foundation ユーザー インターフェイスを使用する。
SharePoint Foundation オブジェクト モデルを使用する。
XML 定義ファイルに基づいてコンテンツ タイプを設定するフィーチャーを展開する。詳細については、「フィーチャーの使用」を参照してください。
サイト レベルで作成するコンテンツ タイプは、子サイトまたはリストに適用できます。詳細については、「サイトとリストのコンテンツ タイプ」を参照してください。
関連項目
概念
SharePoint Foundation のワークフローの概要