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デジタル資産の管理

最終更新日: 2011年6月7日

適用対象: SharePoint Server 2010

企業組織では、企業内および顧客とのコミュニケーションを向上するために、デジタル テクノロジおよびデジタル メディア コンテンツ (オーディオおよびビデオ ファイルなど) の使用が増加しています。Microsoft SharePoint Server 2010 では、150 MB 未満のオーディオおよびビデオ ファイルのサポートが最適化され、イメージ ファイルからのメタデータの抽出が向上し、デモンストレーションおよびプレゼンテーション用に設計された最大で 2 GB までのオーディオおよびビデオ ファイルがサポートされます。

機能の概要

ビデオに関して、SharePoint Server 2010 では、さまざまな種類の SharePoint Server 2010 ページへのビデオの追加、および以下の機能によるビデオの再生がサポートされます。

  • Microsoft Silverlight 2.0 に組み込まれるメディア プレーヤー。Extensible Application Markup Language (XAML) で動作するテーマをサポートします。

  • アセット ライブラリで使用するための "ビデオ" コンテンツ タイプ。

  • "メディア Web パーツ"。これを使用してビデオをページおよび Web パーツ ページに含めることができます。

  • ビデオの選択をサポートするアセットの選択機能

オーディオに関して、SharePoint Server 2010 では、以下の機能が提供されます。

  • アセット ライブラリで使用するための "オーディオ" コンテンツ タイプ。オーディオ ファイルの保存と再生をサポートします。

  • オーディオ ファイルの選択をサポートするアセットの選択機能

イメージに関して、SharePoint Server 2010 では、以下の機能が提供されます。

  • アセット ライブラリで使用するための "イメージ" コンテンツ タイプ。イメージ ファイルの保存と表示をサポートします。

サポートされるシナリオ

SharePoint Server 2010 のデジタル資産管理は、デジタル メディア コンテンを以下の 3 つの主なシナリオで組み込むことができるように設計されています。

  • ポータル サイト、チーム サイト、またはインターネット公開サイト

  • コミュニティ生成型のオーディオ サイトとビデオ サイト

  • 学習サイトと教育サイト

ポータル サイトまたはインターネット公開サイトでのデジタル メディア コンテンツ

ポータル サイトおよびインターネット公開サイトでは、通常、コンテンツの送信が管理されます。コンテンツ タイプに関係なく、コンテンツをこれらのサイトのどちらかに送信するには、送信するコンテンツの各側面を制御するプロセスまたはポリシーに従う必要があります。これを行うには、より主観的な編集上の考慮事項 (サイトの対象ユーザーに対してコンテンツがどの程度関係するか) や、より具体的な技術仕様 (圧縮率やファイル形式など) を理解する必要があります。

デジタル メディア コンテンツの検索および表示操作は、他のコンテンツ タイプ (書き込まれたドキュメントやイメージ ファイルなど) と同じサイト固有の操作と表示環境に従います。多くの場合、オーディオ コンテンツとビデオ コンテンツは、他のコンテンツ (HTML テキストなど) と共にインラインでサイトに表示されます。

ポータル サイトおよびインターネット公開サイトでは、比較的に短い、小さいファイル サイズ (通常は、オーディオで 5 MB 以下、ビデオで 25 MB 以下) のオーディオ ファイルおよびビデオ ファイルがホストされます。通常、これらのサイトでは、数千ほどのオーディオまたはビデオ ファイルがホストされます。

インターネット公開サイトでのビデオ コンテンツの使用例については、「Microsoft PressPass」サイトを参照してください。

コミュニティ生成型のオーディオおよびビデオ サイト

ポータルおよびインターネット公開サイトとは対称的に、コミュニティ生成型のオーディオおよびビデオ サイトでは、送信、操作、表示に対して異なる方法が使用されます。

コミュニティ生成型のビデオ サイトでは、通常、送信が管理されません。あらゆるユーザーがオーディオおよびビデオ ファイルをアップロードできます。正式な送信プロセスはほとんどないか、またはありません。サービス品質は、ファイル サイズの制限など、技術的な制約を適用することで管理されます。デジタル メディアが一定のファイル サイズを超えることができないようにすることで、一貫性を維持し、サイトのコンテンツを高い信頼性で実行できます。

コミュニティ生成型のオーディオおよびビデオ サイトのユーザーは、オーディオまたはビデオ ファイルのメタデータに基づく検索あるいは操作を行って、デジタル メディアを探します。たとえば、SharePoint Server 2010 または Microsoft ASP.NET ベースの Web パーツを使用してビデオ コンテンツをホストするサイトでは、各ビデオ ファイルに関連付けられたメタデータを使用して、ビデオの整理と表示が行われます。メタデータを使用してビデオの整理と表示を行うことで、サイトで、静的および動的なビデオ表示モデルを使用できます。

  • 人間が読めて、選択可能な URL が使用されている場合、メディアは静的です。

  • メディア プレーヤーが選択されていて、明示的なメディアの URL が提供されていない場合、メディアは動的です。プレーヤーは、メディアの URL を実行時に受け取って、その URL からのメディアを、サーバーにポスト バックすることなく、クライアント コンピューターに表示できます。

コミュニティ生成型のビデオをホストとするサイトでは、通常、低いファイル サイズ制限 (通常、25 MB 未満) が適用されていますが、数百万ものビデオをホストできます。オーディオ ファイル (通常は、ポッドキャスト) をホストするコミュニティ サイトでは、5 ~ 75 MB の範囲のファイル サイズが管理され、その実行時間は数分から 1 時間以上までさまざまです。

学習サイトと教育サイト

ポータルやインターネット公開サイトなど、説明ビデオをホストするサイトでは送信が管理されます。このようなサイトでホストされるビデオは、通常、専門的に製作され、送信されて、専門家によってタグ付けされます。また、学習および教育ビデオには、キーワード、付随する字幕、同期された Microsoft PowerPoint プレゼンテーションなどのメタデータが含まれることがあります。

学習および教育サイトでは、ビデオ コンテンツおよびサイト構造全体について、操作と表示の各オプションおよび動作が管理されます。また、評価などのコミュニティ フィードバック メカニズムが、学習と教育サイトに対する組織の全体的な管理手法に組み入れられる場合があります。

通常、学習および教育サイトでは、中から大容量 (100 ~ 500 MB) の数千のビデオがホストされます。オーディオ ファイルについては、これよりも小さい場合が多く、通常は、50 ~ 150 MB です。

プログラミング モデル

SharePoint Server 2010 には、いくつかの新しい型とクライアント オブジェクト モデルが含まれます。表 1 に、API 内の新しい型の一覧とその説明を示します。

表 1. デジタル資産管理の新しい型

名前空間

説明

Microsoft.SharePoint.Publishing

MediaPlayerExtensions

メディア プレーヤーのソース テンプレートを設定できます。

Microsoft.SharePoint.Publishing.Fields

MediaField

MediaFieldValue オブジェクトを格納します。

Microsoft.SharePoint.Publishing.Fields

MediaFieldValue

MediaWebPart Web コントロールでは、メディア リソースの静的および動的なフィードがサポートされます。このコントロールには、以下のパラメーターが含まれます。

  • メディア Url

  • プレビュー Url

  • タイトル

  • 自動再生

  • 状態 (インライン、ポップアップ、または全画面表示)

Microsoft.SharePoint.Publishing.WebControls

InsertMediaRibbonButton

メディア用のボタンをリボンに追加します。

Microsoft.SharePoint.Publishing.WebControls

MediaDisplayMode

MediaWebPart Web パーツの状態。状態オプションには、インライン、ポップアップ オーバーレイ、全画面表示があります。

インライン モードでは、Web ページに組み込まれたメディア プレーヤーの [再生] を最初にクリックするときに、SharePoint Server 2010 は、他の HTML コンテンツと共に表示できる Web ページで、メディアをインラインで再生します。

ポップアップ オーバーレイ モードでは、メディア プレーヤーが復元状態の場合、メディア プレーヤーがページ上でポップアップし、親 UI の上に重ねられます。この状態では、メディア プレーヤーを最大化して全画面モードにしたり、メディア プレーヤーを閉じてインライン モードに戻ったりすることができます。

メディア プレーヤーを最大化すると、ビデオは全画面モードで再生されます。

Microsoft.SharePoint.Publishing.WebControls

MediaFieldControl

MediaWebPart をフィールド コントロールとしてレンダリングできます。また、構成可能なプロパティが提供されます。たとえば、この Web コントロールを変更し、MediaWebPart 型を自動再生したり、停止されるまでループ再生したりするように構成できます。

ページ レイアウトのデザイナーは、メディア フィールド コントロールに対する制限を構成することもできます。たとえば、デザイナーは、コントロールまたは校正用のパラメーターがページ作成者によって設定されないように制限できます。変更されないようにプロパティを無効にしても、それに対応する値は依然として UI に表示されます。

Microsoft.SharePoint.Publishing.WebControls

MediaWebPart

オーディオおよびビデオ ファイルを SharePoint サイトでホストするための標準的な方法を提供します。メディア プレーヤーには以下の機能があります。

  • 再生、一時停止、停止

  • 前方にシーク、および後方にシーク

  • ボリュームの調整

  • 表示サイズの調整。既定の標準サイズと全画面モードの切り替えができます。

  • タイトル。選択されたオーディオまたはビデオ ファイルのタイトルを表示します。

  • 閉じる。メディア プレーヤーを閉じて、ライブラリ ビューに戻します。

  • 全画面。画面全体で再生されるようにプレーヤーを拡大します (Esc キーを押すと、メディア プレーヤーは標準サイズに戻ります)。

表 2 に、クライアント側でのデジタル資産管理のプログラミングに重要な ECMAScript ファイルの一覧とその説明を示します。

表 2. デジタル資産管理のクライアント オブジェクト モデル

ファイル

説明

Mediaplayer.js

メディア プレーヤー Web パーツのロジックを含みます。

関連項目

タスク

[方法] ECMAScript を使用して MediaWebPart オブジェクトを設定する

概念

エンタープライズ コンテンツ管理

バイナリ ラージ オブジェクトのディスクベースのキャッシュ

その他の技術情報

Silverlight オブジェクト モデルを使用する

mediaPlayer Class