メタデータを管理する
エンタープライズ検索 管理名前空間 (Microsoft.Office.Server.Search.Administration) では、エンタープライズ検索 に使用するプロパティを管理するコードを作成し、検索スキーマをいっそうきめ細かく制御できます。検索管理者は、この名前空間を使用して、次のことを実行できます。
一部の検索プロパティをスコープとして使用する (これにより、ユーザーは、検索結果に含めるアイテムをさらにきめ細かく制御できます)。
高度な検索 Web パーツで検索オプションを簡単にカスタマイズする。
検索スキーマの設定を簡単に移行する。
カスタム メタデータ用に エンタープライズ検索 を事前に構成する。
新しい エンタープライズ検索 スキーマでは、クロール プロパティと管理プロパティという 2 種類のプロパティが提供されています。これらについては次のセクションで説明します。
クロール プロパティ
クロール プロパティは、コンテンツをクロールするときに、検索インデックス サービス コンポーネントによって検出されます。
注意
クロール プロパティを検索環境に組み込むには、管理プロパティにマップする必要があります。詳細については、後の「クロール プロパティを管理プロパティにマップする」を参照してください。
クロール時にプロパティに複数の値がある場合、クロール プロパティを複数の値にすることができます。クロール プロパティは、使用されるプロトコル ハンドラに基づいて、カテゴリ別にグループ化されます。
次に示すのは、クロール プロパティの既定のカテゴリです。
HTML
Lotus Notes
PDF
XML
Office
Exchange
People
Portal
SharePoint
管理プロパティ
検索ユーザー環境の一部であるプロパティ、つまり検索結果や高度な検索などに使用できるプロパティは、管理プロパティです。
既定では、すべての管理プロパティを取得でき、文字列であるすべての管理プロパティを全文クエリ検索またはキーワード クエリ検索に使用できます。管理プロパティは複数値として宣言できます。つまり、マップされているすべてのクロール プロパティの値を格納できます。管理プロパティが複数値のクロール プロパティにマップされている場合は、クロール プロパティの複数の値を使用して管理プロパティを照会できます。.
クロール プロパティを管理プロパティにマップする
クロール プロパティを検索環境で使用できるようにするには、つまりクロール プロパティを検索クエリで使用できるようにし、高度な検索および検索結果で表示されるようにするには、クロール プロパティを管理プロパティにマップする必要があります。複数のクロール プロパティを単一の管理プロパティにマップすることも、単一のクロール プロパティを複数の管理プロパティにマップすることもできます。管理プロパティに複数のクロール プロパティがマップされていて、ドキュメントに複数のクロール プロパティの値が含まれる場合は、プロパティがマップされる順序と優先度によって、管理プロパティの値が決まります。
スキーマ オブジェクト モデルl
検索スキーマを管理するためのクラスは、Microsoft.Office.Server.Search.dll に含まれる Microsoft.Office.Server.Search.Administration 名前空間で見つかります。検索スキーマ オブジェクト モデルを次の図に示します。
検索スキーマ オブジェクト モデルl
[Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Category] クラスを使用することで、表 2 で説明する crawled プロパティのカテゴリの設定を構成できます。
表 2. クロール プロパティのカテゴリの設定
名前 |
説明 |
---|---|
Name |
カテゴリ名。 |
DiscoverNewProperties |
すべてのクロールでクローラがプロパティを自動的に検出するかどうかを示します。既定値は true です。 |
MapToContents |
すべての文字列クロール プロパティをコンテンツにマップするかどうかを示します。SharePoint カテゴリの場合は true、他のすべてのカテゴリに対しては false です。 |
AllowInFullTextQuery |
クロール プロパティが管理プロパティにマップされているとき、クロールし直さなくても、クロール プロパティを CONTAINS 句で使用できるかどうかを示します。既定の設定は、文字列プロパティの場合は全カテゴリについて true、他の型のプロパティの場合は false です。 |
表 3 で説明するように、[Microsoft.Office.Server.Search.Administration.ManagedProperty] クラスを使用すると、管理プロパティの設定を構成できます。
表 3. 管理プロパティの設定
名前 |
説明 |
---|---|
EnabledForScoping |
管理プロパティをスコープに使用できるかどうかを示します。. |
MappingDisallowed |
クロール プロパティをこの管理プロパティにマップできるかどうかを示します。 |
Retrievable |
プロパティを表示、保存、または演算子で使用できるかどうかを示します。. |
HasMultipleValues |
管理プロパティが複数の値かどうかを示します。 |
FullTextQueriable |
この管理プロパティを CONTAINS 句または FREETEXT 句で使用し、クエリを使用してプロパティを指定できるかどうかを示します。 |
NoWordBreaker |
この管理プロパティの値がワード ブレーカを通過するかどうかを示します。 |
NameNormalized |
プロパティの値が正規化された名前かどうかを示します。Active Directory ドメイン コントローラのプロパティに対してのみ適用されます。名前の正規化の例は、ユーザー名文字列をそのユーザーのフル ネームに変換することです。 |
Description |
管理プロパティに対して指定された説明。 |
ManagedType |
管理プロパティのデータ型。 |
Name |
管理プロパティの名前。 |
RemoveDuplicates |
重複がある場合に、管理プロパティが複数の値を受け取るかどうかを示します。 |
Weight |
関連性の構成に適用されます。 |
See Also
タスク
[方法] 共有サービス プロバイダの管理プロパティを取得する
[方法] 管理プロパティにマップされたクロール プロパティを取得する
参照
Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Schema
Microsoft.Office.Server.Search.Administration.ManagedProperty
Microsoft.Office.Server.Search.Administration.CrawledProperty
Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Category