バックアップおよび復元の計画
トピックの最終更新日: 2009-05-04
組織の高可用性を実装するためには、「高可用性のサポートを得るための計画」で決定したコンポーネントに加えて、組織で必要となるバックアップおよび復元のコンポーネントも決定する必要があります。必要なコンポーネントは、バックアップと復元の戦略によって決まります。組織のバックアップと復元の戦略は、主にコンポーネントの重要度によって決まります。Office Communications Server 2007 R2 には、個々のデータベースの単純なバックアップから、サイトの障害時に切り替えて使用するために同じハードウェアとソフトウェアを完備した第 2 サイトの作成まで、いくつかのオプションがあります。Office Communications Server 2007 R2 では、バックアップおよび復元プロセスを自動化したり、効果的で効率のよいバックアップと復元を推進したりするためのツールが提供されます。
Office Communications Server 2007 R2 のバックアップと復元に関連する要件とオプションを理解し、最適なバックアップと復元の手順を実装するには、次の点を理解する必要があります。
- バックアップおよび復元が必要な設定。このような設定には、グローバル レベル、プール レベル、およびコンピュータ レベルの設定が含まれます。
- バックアップおよび復元が必要なデータ。これには、フロントエンド サーバー、バックエンド サーバー、アーカイブ サーバー、監視サーバー、およびグループ チャット サーバーに存在するデータベースとファイル共有、さらに Active Directory ドメイン サービス (AD DS) に格納されているドメイン情報が含まれます。
- 利用できる復元メカニズム。これには、復元が必要になったときに、単にデータの復元や、1 つ以上のサーバーまたはプールの再構築により、データや設定を復旧してサービスを復元すれば十分なのか、それとも、適切な可用性を提供するために、サービス停止状態になったときにすぐにオンラインにできる別のサイトを管理する必要があるのかどうかが含まれます。
これらの決定は、すべてのオプションの理解と評価が必要になる重要な決定です。十分なバックアップと復元の計画を作成してから展開を開始することをお勧めします。その後、計画の情報を使用して、組織のバックアップと復元を実現するために必要なコンポーネントを決定します。
Communicator Web Access サーバーのバックアップと復元
ユーザー固有の情報 (連絡先リストなど) は Communicator Web Access サーバーには格納されません。代わりに、この情報は、AD DS または Office Communications Server 2007 R2 データベースに格納されます。したがって、個々のコンピュータ (またはコンピュータのセット) の障害はユーザー情報にまったく影響しません。また、Communicator Web Access サーバー上のユーザー データをバックアップする必要もありません (バックアップの対象となるようなデータがありません)。
コンピュータの障害時に影響を受けるのは、そのコンピュータでホストされている仮想サーバーです。このことは、サーバー プールとは対照的に仮想サーバーが 1 台のコンピュータでホストされている場合に特に当てはまります。このような場合、その 1 台のコンピュータに障害が発生すると、仮想サーバーが消失し、ユーザーはその仮想サーバーにアクセスできなくなります。
サーバー障害による被害を最小限に抑えるために、Communicator Web Access マネージャを使用して、仮想サーバーの構成を XML ファイルにエクスポートできます。サーバーで障害が発生した場合は、次の操作を行って、Communicator Web Access サービスをすぐに復元できます。
- 64 ビット版の Windows Server 2003 または Windows Server 2008 を実行する新しいコンピュータをセットアップします。このコンピュータの名前と IP アドレスは、障害が発生したサーバーと同じにする必要があります。
- Communicator Web Access と Office Communications Server 管理ツールを代替サーバーにインストールしてアクティブ化します。
- Communicator Web Access マネージャを使用して、構成ファイルを Communicator Web Access にインポートします。このインポート プロセスによって、障害が発生したコンピュータでホストされていた仮想サーバーが再作成されます。
Windows Server 2003 または Windows Server 2008 がプレインストールされたスタンバイ コンピュータがある場合は、この方法によって、比較的短い中断でサービスを復元できます。コンピュータの名前と IP アドレスは障害が発生したサーバーと同じであり、インポートされた仮想サーバーの設定は、障害が発生したコンピュータに格納されていた仮想サーバーとまったく同じなので、ユーザーは、これまで使用していたものと同じ URL と同じ認証方法を使用して、この "新しい" Communicator Web Access サーバーにログオンできます。