次の方法で共有


DaRT 回復イメージを使用してリモート コンピューターを回復する方法

Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) 10 のリモート接続機能を使用して、エンドユーザーのコンピューターで DaRT ツールをリモートで実行します。エンド ユーザーが管理者やヘルプ デスク担当者に特定の情報を提供すると、その IT 管理者やヘルプ デスク担当者は、エンド ユーザーのコンピューターを制御して、必要な DaRT ツールをリモートから実行することができます。

回復イメージを作成したときに DaRT ツールを無効にしていても、すべてのツールにアクセスすることができます。リモート接続以外のすべてのツールは、エンド ユーザーは使用できません。

DaRT 回復イメージを使用してリモート コンピューターを回復するには

  1. DaRT 回復イメージを使用して、エンド ユーザーのコンピューターを起動します。

    通常、DaRT 回復イメージをどのように展開しているかによって、次のいずれかの方法で DaRT を起動して、リモート コンピューターを回復します。DaRT 回復イメージの展開の詳細については、「DaRT 10 の展開」を参照してください。

    • 問題のあるコンピューターの回復パーティションから、DaRT を起動します。

    • ネットワークのリモート パーティションから、DaRT を起動します。

    各方法の利点と欠点については、「DaRT 10 回復イメージの保存方法と展開方法を計画する」を参照してください。

    どちらの方法で DaRT から起動する場合でも、エンド ユーザー用のブート オプション (複数可) のブート デバイスを BIOS で有効にする必要があります。

    注意

    BIOS の設定は、社内で使用しているハード ディスク ドライブやネットワーク アダプター、他のハードウェアによって異なります。

    DaRT 回復イメージでコンピューターを起動すると、[NetStart] ダイアログ ボックスが開きます。

  2. ネットワーク サービスを初期化するかどうかを確認するメッセージが表示されたら、次のいずれかを選択します。

    • はい - DHCP サーバーがネットワークに存在すると見なして、そのサーバーから IP アドレスを取得します。ネットワークで DHCP ではなく静的 IP アドレスを使用している場合は、後で DaRT の TCP/IP の構成ツールを使用して静的 IP アドレスを指定することができます。

    • いいえ - ネットワークの初期化プロセスをスキップします。

  3. ドライブ レターの割り当てをし直すかどうかを示します。Windows をオンラインにして実行している場合は、システム ボリュームは、通常、C ドライブに割り当てられます。ただし、WinRE で Windows をオフラインにして実行する場合は、元のシステム ボリュームが別のドライブに割り当てられることがあるので、混乱する可能性があります。割り当てし直すことを選択すると、DaRT によって、オフラインとオンラインのドライブ文字が同じになるように割り当てられます。割り当てをし直すのは、起動プロセスの後半でオフラインのオペレーティング システムを選択した場合のみです。

  4. [システム回復オプション] ダイアログ ボックスで、キーボード レイアウトを選択します。

  5. 表示されるシステム ルート ディレクトリ、インストールされているオペレーティング システムの種類、およびパーティションのサイズを確認します。使用しているオペレーティング システムが表示されず、ドライバーがないことが原因であると思われる場合は、[ドライバーの読み込み] をクリックして問題のドライバーを読み込んでから、デバイスにインストール メディアを挿入して、ドライブを選択します。

  6. 修復または診断するコンピューターを選択して、[次へ] をクリックします。

    注意

    最後に Windows 10 を起動しようとしたときに正しく起動しなかったと Windows 回復環境 (WinRE) が判断した場合は、スタートアップ修復が自動的に実行されることがあります。この問題の解決方法の詳細については、「DaRT 10 のトラブルシューティング」を参照してください。

    レジストリ ハイブが壊れているか存在しない場合は、レジストリ エディターと DaRT の他のユーティリティの機能が制限されます。オペレーティング システムを選択しないと、使用できないツールもあります。

    [システム回復オプション] ウィンドウが開き、各種回復ツールが一覧表示されます。

  7. [システム回復オプション] ウィンドウで、[Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset] をクリックして、[Diagnostics and Recovery Toolset] を開きます。

  8. [Diagnostics and Recovery Toolset] ウィンドウで [リモート接続] をクリックし、[DaRT リモート接続] ウィンドウを開きます。ヘルプ デスクからのリモート アクセスを受け入れるようにというメッセージが表示されたら、[OK] をクリックします。

    [DaRT リモート接続] ウィンドウが開き、チケット番号、IP アドレス、およびポートの情報が表示されます。

  9. ヘルプ デスクのコンピューターで、[DaRT リモート接続ビューアー] を開きます。

  10. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft DaRT 10]、[DaRT リモート接続ビューアー] の順にクリックします。

  11. [DaRT リモート接続] ウィンドウに、必要なチケット、IP アドレス、およびポートの情報を入力します。

    注意

    この情報は、エンド ユーザーのコンピューターで作成された情報なので、エンド ユーザーから提供されているはずです。エンド ユーザーのコンピューターで使用可能な IP アドレスの数によっては、複数の IP アドレスから選択しなければならない場合があります。

  12. [接続] ボタンをクリックします。

これで、IT 管理者がエンド ユーザーのコンピューターを制御して、DaRT ツールをリモートから実行できるようになります。

注意

inv32.xml というファイルには、ポート番号や IP アドレスなどのリモート接続情報が含まれています。既定では、通常、このファイルは %windir%\system32 にあります。

リモート接続プロセスをカスタマイズするには

  • winpeshl.ini ファイルを編集して、リモート接続プロセスをカスタマイズすることができます。winpeshl.ini ファイルを編集する方法の詳細については、「Winpeshl.ini ファイル」を参照してください。

    次に表に、エンド ユーザーのコンピューターとのリモート接続を確立する方法をカスタマイズするコマンドとパラメーターを示します。

    コマンド パラメーター 説明

    RemoteRecovery.exe

    -nomessage

    エンド ユーザーにリモート接続を受け入れるかどうかを確認するメッセージを表示しません。エンド ユーザーが、このメッセージに「はい」と応答したかのように、リモート接続が続行されます。

    WaitForConnection.exe

    なし

    リモート接続が実行されなくなるか、エンド ユーザー コンピューターとの有効な接続が確立されるまで、カスタム スクリプトの続行を停止します。

    重要

    このコマンドを単独で指定した場合は機能しません。スクリプト内で指定する必要があります。

  • 次に、DaRT を起動しようとすると直ちに [リモート接続] ツールが開くようにカスタマイズした winpeshl.ini ファイルの例を示します。

    [LaunchApps]
    "%windir%\system32\netstart.exe -network -remount"
    "cmd /C start %windir%\system32\RemoteRecovery.exe -nomessage"
    "%windir%\system32\WaitForConnection.exe"
    "%SYSTEMDRIVE%\sources\recovery\recenv.exe"
    

DaRT が開始されると、RAM ディスクの \Windows\System32\ に inv32.xml ファイルが作成されます。このファイルには、接続情報 (IP アドレス、ポート、チケット番号) が含まれます。このファイルをネットワーク共有にコピーして、ヘルプ デスクのワークフローを開始することができます。たとえば、カスタム プログラムが接続ファイルのネットワーク共有を確認してから、サポート チケットを作成したり、通知を電子メールで送信することができます。

コマンド プロンプトからリモート接続ビューアーを実行するには

  • コマンド プロンプトから DaRT リモート接続ビューアーを実行するには、DartRemoteViewer.exe コマンドと次のパラメーターを指定します。

    パラメーター 説明

    -ticket=<ticketnumber>

    <ticketnumber> は、ダッシュを含むチケット番号です。リモート接続ツールで生成されます。

    -ipaddress=<ipaddress>

    <ipaddress> は、リモート接続ツールで生成された IP アドレスです。

    -port=<port>

    <port> は、指定した IP アドレスに対応するポートです。

    注意

    上記のパラメーターの変数は、エンド ユーザーのコンピューターで作成されるので、エンド ユーザーから提供されるはずです。

  • 3 つのパラメーターをすべて指定したら、データが有効な場合は、プログラムを実行するとすぐに接続が開始されます。パラメーターのいずれかが有効でない場合は、パラメーターがまったく指定されなかったものとしてプログラムが実行されます。

関連項目

その他の参照情報

DaRT 10 の操作
DaRT 10 を使用したコンピューターの回復