営業案件を作成します。
公開日: 2017年1月
対象: Dynamics 365 (online)、Dynamics 365 (on-premises)、Dynamics CRM 2016、Dynamics CRM Online
見込みのある潜在顧客から営業案件を作成、あるいは既存の顧客に対して新しい営業案件を作成することができます。 営業案件の状態と進捗状況、販売の確率、予想されるクローズ日など、各営業案件についての情報を追跡できます。 営業案件には、後で見積もり、受注、請求に使用できる重要な営業情報が含まれます。 次のような営業情報があります。
製品カタログからの製品とサービス、および販売する予定のリスト外製品
製品カタログの製品とサービスの上書きされた価格
製品カタログの製品とサービスおよびリスト外製品の値引きされた価格
計算された売上、または予想される売上
配送料
計算された税額と合計コスト
このトピックの内容
営業案件のデータを準備する
既存の製品およびリスト外製品を追加する
価格の上書き
値引きを適用する
税額と合計を計算する
営業案件をクローズする
営業案件のデータを準備する
営業案件を作成する前に、必要なデータが Microsoft Dynamics 365 に含まれていることを確認します。
営業案件を作成する前に、取引先企業、取引先担当者、および潜在顧客を作成します。 既存の取引先企業または取引先担当者の営業案件を作成するか、または見込みのある潜在顧客を営業案件に変換できます。
各営業案件は、1 つの取引先企業または取引先担当者に関連付ける必要があります。
会社の見込み評価基準を使用して、営業案件に対する潜在顧客を評価します。 潜在顧客の状態には、オープン、見込みあり、および見込みなしがあります。
営業案件に製品を追加する場合は、製品カタログ、製品、価格表、および出荷単位がシステムに含まれる必要があります。
既存の製品およびリスト外製品を追加する
単一の営業案件を、既存製品およびリスト外製品を含む複数の製品と関連付けることができます。 既存製品は製品カタログの一部であり、製品カタログの価格表と関連付けられています。 リスト外製品とは、会社で販売していても製品カタログには含まれない製品です。 リスト外製品の価格は、製品カタログの価格表とは関連付けられていません。 既存製品またはリスト外製品は、営業案件レコードの品目です。 既存製品およびリスト外製品は、提案製品エンティティによって表されます。 製品を特定の営業案件と関連付けるには、OpportunityProduct.OpportunityId 属性を使用します。
製品カタログ、製品、価格表、および値引き表を設定するには、システム管理者特権が必要です。
製品カタログから既存製品を追加する
カタログから既存の製品を指定するには、OpportunityProduct.IsProductOverridden 属性を false に設定します。 製品 ID (OpportunityProduct.ProductId)、出荷単位ごとの価格 (OpportunityProduct.PricePerUnit)、数量 (OpportunityProduct.Quantity)、および出荷単位 (OpportunityProduct.UomId) の情報を指定します。 価格表を営業案件と関連付けるには、Opportunity.PriceLevelId 属性を使用します。 税額 (OpportunityProduct.Tax)、大口値引き (OpportunityProduct.VolumeDiscountAmount)、調整値引き (OpportunityProduct.ManualDiscountAmount) など、他の製品関連データを追加できます。
リスト外製品を追加する
リスト外製品は製品カタログに含まれていませんが、営業案件に追加できます。 リスト外製品を指定するには、OpportunityProduct.IsProductOverridden 属性を true に設定します。 製品説明 (OpportunityProduct.ProductDescription)、出荷単位ごとの価格 (OpportunityProduct.PricePerUnit)、数量 (OpportunityProduct.Quantity) の情報を指定します。 税額 (OpportunityProduct.Tax)、大口値引き (OpportunityProduct.VolumeDiscountAmount)、調整値引き (OpportunityProduct.ManualDiscountAmount) など、他の製品関連データを追加できます。
価格の上書き
リスト外製品の場合は、任意の価格と販売予定の数量を使用できます。 一方、カタログから既存の製品を追加する場合は、価格表の価格を上書きできます。 既存製品の価格表の価格を上書きするには、OpportunityProduct.IsPriceOverridden 属性を true に設定します。OpportunityProduct.PricePerUnit 属性を使用して希望の価格を指定します。
値引きを適用する
価格の上書きに加えて、大口値引きおよび調整値引きを適用できます。 値引きは品目または営業案件全体に対して適用できます。
たとえば、顧客からの製品の平均受注量が 5 出荷単位である場合は、顧客が 6 出荷単位以上の製品を注文した場合に値引きすることで、顧客に 6 出荷単位以上を発注させるインセンティブを作り出すことができます。 値引きは、値引き率または値引き額として指定できます。 提案製品の大口値引きを指定するには、OpportunityProduct.VolumeDiscountAmount 属性を使用します。 提案製品の調整値引きを指定するには、OpportunityProduct.ManualDiscountAmount 属性を使用します。 案件の一括値引きを指定するには、Opportunity.DiscountAmount 属性を使用します。
税額と合計を計算する
営業案件の予想される税額および予想される合計値は自動的に計算されます。 予想される値は、営業案件に追加されたすべての製品のまとめられたコストと関連する価格表に基づきます。 システムで計算される値を使用する代わりに、営業案件に対して予想される売上を指定することもできます。 そのためには、Opportunity.IsRevenueSystemCalculated 属性を false に設定し、予想される値を Opportunity.EstimatedValue 属性で指定します。
営業案件の総コストの内容は次のとおりです。
合計金額
合計金額から配送料を引いた額
合計値引き額
合計品目金額
合計品目値引き金額
合計値引き
合計税額
個別のコストについての情報があると、全体的なコストの分析に役立ちます。 取引のクローズに役立つ価格、値引き、配送コストの必要な調整を行うことができます。
営業案件をクローズする
顧客が製品またはサービスの購入を決定した場合、受注した営業案件として営業案件をクローズできます。 営業案件の状態は Opportunity.StateCode 属性で指定されます。 事前バインド型を使用している場合は、OpportunityState 列挙体を使用できます。 状態値の一覧については、このエンティティの候補リスト値を参照してください。組織のエンティティ メタデータを表示するには、「組織のメタデータの参照」で説明されているメタデータ ブラウザー ソリューションをインストールします。 カスタマイズされていない組織のメタデータを、EntityMetadata.xlsx という名前の Excel ファイルで見ることもできます。このファイルは、ダウンロードした SDK の最上位のフォルダーに含まれています。
営業案件をクローズすると、エンティティの種類が営業案件のクローズのレコードを作成することで、活動が自動的に作成されます。 営業案件クローズ活動の状態は OpportunityClose.StateCode 属性で指定します。 事前バインド型を使用している場合は、OpportunityCloseState 列挙体を使用できます。 状態値の一覧については、エンティティの候補リスト値を参照してください。
営業案件クローズ活動には、活動を作成したユーザーについての情報および作成日時が含まれます。 また、予想される売上、クローズ日、および競合企業についての情報も含まれます。 営業案件をクローズした理由を説明するメモを追加できます。
関連項目
営業案件エンティティ
営業案件から見積もり、受注、または請求書への変換
製品カタログ エンティティ
営業エンティティ (潜在顧客、営業案件、競合企業、見積もり、受注、請求書)
顧客エンティティ (取引先企業、取引先担当者)
コード生成ツール (CrmSvcUtil.exe) を使用して事前バインド型エンティティ クラスを作成する
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