引当階層を設定する
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3
注意
このトピックは、倉庫管理 モジュールの機能に適用されます。これは、在庫管理 モジュールの機能には適用されません。
引当階層は、注文プロセスで、注文を入力する時点以降の引当詳細を延期するために使用されます。階層は、品目の保管と追跡用分析コード (在庫状態およびライセンス プレートなど) に基づいて決定されます。
このトピックでは、引当階層の作成方法または変更方法、および品目に階層を割り当てる方法について説明します。また、分析コード グループと [在庫状態] と [ライセンス プレート] 分析コードを設定するためのガイドラインを提供します。
倉庫プロセスの情報の自動取得
サイト、倉庫、および在庫状況に関する情報は注文プロセスに必要ですが、場所などの詳細は注文の引当を作成した後に提供できます。たとえば、引当階層に基づいて、集荷に最適な場所が倉庫管理システムによって取得されます。
例
特定の在庫状況の特定のサイトと倉庫から、品目を引当てます。注文明細行のリリースされた製品は [サイト]、[倉庫]、[在庫状態]、[保管場所] と [ライセンス プレート] を含む引当階層に関連付けられます。注文入力が完了すると、注文プロセスの倉庫に固有な詳細を管理する必要はありません。引当の階層と、販売注文のサイト、倉庫、および在庫の状態に基づいて、倉庫管理システムは集荷元の場所とライセンス プレートを識別します。
引当階層の要素の順番
引当階層の要素は、実際の引当が行われるときに認識される分析コードを決定します。各分析コードは引当に必要で、階層の要素の順序は引当を行うときに重要になります。ただし、引当システムが階層の必要な順番に存在しない分析コードを識別し提供できるため、常に、階層ですべての分析コードを指定する必要はありません。
例
特定の在庫状態の品目を引当てする場合があります。この場合、[サイト]、[倉庫] と [在庫状態] を指定できます。引当は、たとえば、サイトと在庫状態のみに基づくことはできません。同じ在庫状態の品目がサイトの別の倉庫にある可能性があるので、倉庫は在庫状態より階層でより高いランクになります。ただし、指定したサイトおよび在庫状態は、手持在庫品目がある倉庫を決定するのに引当システムに必要な十分な情報です。
注文入力に必要な分析コード
倉庫管理システムにより識別される品目の場所。通常、場所の下の階層の分析コードは、集荷中などの倉庫のプロセスで決まります。注文を入力する際に、場所の下に表示される分析コードと場所を指定する必要はありません。ただし、注文プロセスに必要な場所の下にある分析コードを作成する場合は、この分析コードを階層で場所の上に移動する必要があります。
例
注文を入力する際に、顧客が通常同じバッチ番号および [バッチ番号]から注文する製品を決定する必要があります。この場合、[バッチ番号] 分析コードは、引当の階層で場所の上に置く必要があります。
在庫引当階層の設定
引当階層は、リリースされた製品に関連付けられている追跡および保管分析コードを使用します。保管および追跡用分析コード グループから製品を分析コードと関連付けます。
引当階層を設定する際、階層に含める必要がある分析コードと分析コードの順番に関するルールのセットを遵守する必要があります。たとえば、倉庫をサイトの上にランクすることはできません。階層を設定する際、サポートされていない階層を作成しようとすると、エラー メッセージが表示されます。
保管分析コード グループと追跡用分析コード グループに製品を関連付ける方法の詳細については、「在庫分析コードと分析コード グループについて」を参照してください。
在庫引当階層を設定するには、次の手順に従います。
倉庫管理 >設定 >在庫 >引当階層 をクリックします。
[新規] をクリックして、新しい引当階層を作成します。
引当階層の名前を入力します。
[選択済] グループで、引当階層から削除する分析コードを選択します。
[利用可] グループに選択した分析コードを移動するには、[>] をクリックします。
分析コード [サイト]、[倉庫]、[在庫状態]、[保管場所] および[ライセンス プレート] はすべて、引当階層で必要なレベルです。[バッチ番号] や [シリアル番号] など追加の分析コードは、関連する追跡用分析コード グループで使用される場合にのみ必要です。
分析コードを選択し、[上へ移動] または [下へ移動] をクリックして、階層のレベルの上または下に分析コードを移動します。
リリースされた製品に引当階層を割り当てる
リリースされた製品に引当階層を割り当てるには、保管分析コード グループと追跡用分析コード グループを製品に割り当てる必要があります。また、[保管分析コード グループ] と [追跡用分析コード グループ] の製品に表示される物理追跡分析コードと保管分析コードは、引当階層の分析コードのフィールドに対応する必要があります。引当階層の分析コードのフィールドは、[在庫引当階層] フォームに一覧表示されます。
リリースされた製品に保管および追跡用分析コード グループを割り当てる方法の詳細については、「保管分析コード グループの作成」および「オプション: 追跡用分析コード グループの作成」セクションのガイドラインを参照してください。
製品に引当階層を割り当てるには、次の手順に従います。
製品情報管理 >共通 >リリースされた製品 をクリックします。
[アクション ペイン] で、[設定] をクリックし、[引当階層] をクリックします。
"品目に引当階層を割り当てます" フォームの [引当階層] フィールドで、引当階層を選択します。
トランザクションを含む品目の引当階層を変更する
品目にトランザクションがない場合、リリース製品に引当階層を割り当てるには、前のセクションのガイドラインを使用して、品目の引当階層を変更できます。詳細については、「リリースされた製品に引当階層を割り当てる」を参照してください。ただし、品目にトランザクションが含まれる場合、階層を変更するには、次の手順に従う必要があります。
階層を変更する前に、品目のすべてのトランザクションは完了している必要があります。つまり、すべての品目が購入または販売されている必要があります。
注意
いずれかの倉庫に負の棚卸資産がある場合、引当階層を変更しないでください。これによりデータが破損する可能性があります。
リリースされた製品に保管および追跡用分析コード グループを割り当てる方法の詳細については、「保管分析コード グループの作成」および「オプション: 追跡用分析コード グループの作成」セクションのガイドラインを参照してください。
トランザクションがある品目の引当階層を変更するには、次の手順に従います。
倉庫管理 >定期処理 >品目階層の変更 をクリックします。
[選択] をクリックして、階層を変更する必要がある品目を選択し、[OK] をクリックします。
[名前] フィールドで、新しい引当階層を選択し、[OK] をクリックします。
保管分析コード グループを作成および割り当てる
倉庫管理プロセスを使用し、引当階層を適用するには、少なくとも 1 つの保管分析コードがある 1 つ以上の保管分析コード グループを設定する必要があります。保管分析コード グループをリリースされた製品に割り当てる必要があります。
保管分析コード グループを作成するには、次の手順に従います。
製品情報管理 >設定 >分析コード グループ >保管分析コード グループ をクリックします。
[新規] をクリックして、新しい保管分析コード グループを作成します。
名前と説明を入力します。
このグループに関連付けられている製品の倉庫管理を有効にするには、[倉庫管理プロセスの使用] チェック ボックスをオンにします。このチェック ボックスをオンにすると、そのフィールドの一連のチェック ボックスが各分析コードでオンになります。このフォームにあるフィールドの詳細については、「保管分析コード グループ (フォーム)」を参照してください。
保管分析コード グループをリリースされた製品に割り当てるには、次の手順に従います。
製品情報管理 >共通 >リリースされた製品 をクリックします。
[アクション ウィンドウ] の [新規] グループで、[製品] をクリックして、新しい製品を作成します。新規製品の作成方法の詳細については、「キー タスク : 製品の定義」を参照してください。
製品を選択し、[アクション ウィンドウ] の [設定] グループで、[分析コード グループ] をクリックします。[保管分析コード グループ] フィールドで、保管分析コード グループを選択します。
オプション: 追跡分析コード グループを作成および割り当てる
追跡用分析コードは、引当階層には必須ではありません。
追跡分析コード グループを作成するには、次の手順に従います。
製品情報管理 >設定 >分析コード グループ >追跡用分析コード グループ をクリックします。
[新規] をクリックして、新しい追跡分析コード グループを作成します。
名前と説明を入力します。このフォームにあるフィールドの詳細については、「追跡用分析コード グループ (フォーム)」を参照してください。
追跡分析コード グループをリリースされた製品に割り当てるには、次の手順に従います。
製品情報管理 >共通 >リリースされた製品 をクリックします。
[アクション ウィンドウ] の [新規] グループで、[製品] をクリックして、新しい製品を作成します。新規製品の作成方法の詳細については、「キー タスク : 製品の定義」を参照してください。
製品を選択し、[アクション ウィンドウ] の [設定] グループで、[分析コード グループ] をクリックします。[追跡用分析コード グループ] フィールドで、追跡用コード グループを選択します。
在庫状態を設定する
在庫状態の分析コードは、「利用可能」と「利用不可」などのカテゴリに品目を分割するために使用できます。状態は、いくつでも作成できます。すべての品目に適用する、または特定の倉庫の品目のみに適用するように在庫状態の既定値を設定できます。また、特定の顧客またはベンダーに適用する在庫状態も設定できます。
在庫状態を作成するには、次の手順に従います。
倉庫管理 >設定 >在庫 >在庫状態 をクリックします。
[新規] をクリックして、新しい在庫状態を作成します。
ただし、品目の利用可能性を「利用不可」に設定する状態を作成するには、[在庫ブロック] チェック ボックスをオンにします。このチェック ボックスがオンになっていない場合は、品目は手持ちにありません。
[在庫状態] フィールドと [名前] フィールドに名前を入力します。追加の状態を作成する場合は、この手順を繰り返します。入庫および出荷プロセスに品目を使用できるようにする状態にするには、[在庫ブロック] チェック ボックスをオフにします。
すべての品目の在庫状態をコンフィギュレーションするには、次のステップに従います。
倉庫管理 >設定 >倉庫管理パラメーター をクリックします。
[一般] リンクをクリックし、[在庫状態] クイックタブを展開します。
[既定の在庫状態 ID] フィールドで、販売注文または移動オーダー明細行の品目の既定値として提案される状態を選択します。
既定の状態に販売または移動オーダー明細行を自動的に適用する場合は [販売注文および移動オーダーの既定の状態を使用] を選択します。
特定の倉庫の品目の在庫状態をコンフィギュレーションするには、次のステップに従います。
倉庫管理 >設定 >倉庫設定 >倉庫 をクリックします。
倉庫を選択してから、[倉庫管理] クイックタブを展開します。
[既定の在庫状態 ID] フィールドで、この特定の倉庫の品目の既定値として提案される状態を選択します。
在庫状態の詳細については、「棚卸資産状態の設定」を参照してください。
ライセンス プレートの設定
ライセンス プレートは、パレット、在庫置場、カート、または個々の品目など、倉庫のエンティティに、在庫を追跡するために割り当てることができる一意の番号です。
ライセンス プレートを設定するには、次の手順に従います。
倉庫管理 >設定 >倉庫設定 >ライセンス プレート をクリックします。
[新規] をクリックして、ライセンス プレートを作成し、[ライセンス プレート] フィールドに名前を入力します。
追加のライセンス プレートを作成する場合は、この手順を繰り返します。
システム管理者向け技術情報
このタスクを完了するために使用するページに対するアクセス権限がない場合は、システム管理者に連絡し、次の表に示される情報を提供します。
カテゴリ |
前提条件 |
---|---|
コンフィギュレーション キー |
システム管理 >設定 >ライセンス >ライセンス コンフィギュレーション をクリックします。 [取引] ライセンス キーを展開し、[在庫および輸送管理] コンフィギュレーション キーを選択します。 |