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見積損失の繰り入れについて

適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012

契約の合計原価が契約の合計収益を超えると判断した場合、見積損失の繰り入れを使用して、プロジェクトの予想される損失を経費トランザクションとして識別することができます。

見積プロジェクトで合計原価が契約金額を超える場合、超過分の経費が、"見積" フォームの [損益] タブにある [未収損益] フィールドに負の値で表示されます。

注意

[見積] フォームを開くには、使用している製品のバージョンに応じて次のいずれかを実行します:

  • Microsoft Dynamics AX 2012 R2:プロジェクト管理および会計 >共通 >プロジェクト >すべてのプロジェクト をクリックします。 固定価格プロジェクトまたは投資プロジェクトを選択または開きます。[プロジェクト] のフォームの [収益認識基準] クイックタブで [見積プロジェクト ID] フィールドを右クリックし、ショートカットメニューの [詳細の表示] をクリックします。 [見積プロジェクト] フォームの、[関連情報] グループで、見積" をクリックします。

  • それ以外[プロジェクト管理および会計]、[共通]、[プロジェクト]、[見積プロジェクト] の順にクリックします。Action Pane見積プロジェクト タブの 関連情報 グループで、見積 をクリックします。

見積損失の繰り入れには、固定価格プロジェクトおよび投資プロジェクトに対して適用できます。固定価格プロジェクトの合計見積金額が契約金額を超えると、直ちに損失が適用されます。投資プロジェクトには、最大資本化の限度が適用されます。

損失の転記方法は、プロジェクト タイプ、固定価格プロジェクト、選択したマッチング原則によります。一般に、未収収益が少なくなるか費用が計上されるかのいずれかになります。

固定価格プロジェクト

固定価格プロジェクトでは、合計見積原価が合計契約金額を超えたときに見積損失を検出できます。

Aa571519.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif収益計上枠の完成基準の方法

プロジェクトの合計見積原価が契約金額を超える場合、契約金額を超えた分が未収費用として計上されます。原価 (原価明細行に入力された金額) が契約金額と比較されます。見積を転記する際に、契約金額を超えた分の金額が、仕掛品未収損失 (貸方) 勘定および未収損失 (借方) 勘定に経費トランザクションとして転記されます。また、未収損失 (借方) 勘定に転記されます。

Aa571519.collapse_all(ja-jp,AX.60).gif収益計上枠の完成比率方法

プロジェクトの合計見積原価が契約金額を超える場合、販売額または収益のいずれかとして計上される金額が少なくなります。原価 (原価明細行に入力された金額) が契約金額と比較されます。次の原則を使用すると、見積が転記され、それに応じて契約金額を超えた分の金額が転記されます。

  • ルールに一致する [売却額] : [未収収益 - 販売額] は [仕掛品 - 販売額] 勘定に転記されます。

  • ルールに一致する [生産 + 利益] : [未収収益 - 利益] は [仕掛品 - 利益] 勘定に転記されます。

投資プロジェクト

投資プロジェクトでは、最大資本化の方法を使用する必要があります。最大資本化の限度により、プロジェクト原価の仕掛品値の最大値が決まります。プロジェクト原価が最大資本化金額と比較され、最大資本化の限度を超えた分の金額が、仕掛品 - 未収損失 (貸方) 勘定および未収損益 (借方) 勘定に経費トランザクションとして転記されます。

見積の最大資本化金額は手動で入力します。プロジェクトで最大資本化の限度を超える場合、超過分の経費が、"見積" フォームの [合計] タブにある [未収損益] フィールドに表示されます。

手動で入力された見積金額は、損失があり見積損失のチェック ボックスがオンになっている場合は、自動的に再計算されないようになっています。これにより、レポート用に完成比率の値を記録しておくことができます。

参照

見積 (フォーム)

見積損失に対する繰り入れの設定

見積へのプロジェクトの添付