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チュートリアル: ビジネス アプリケーションのローカライズ

このチュートリアルでは、WCF RIA サービス ビジネス アプリケーションにローカリゼーション サポートを追加する方法について説明します。現在、世界各地のユーザーが多数のビジネス アプリケーションを使用する必要があります。Silverlight、ASP.NET、および WCF RIA サービス では、特定のカルチャまたはロケールに合わせてローカライズされたアプリケーションがサポートされています。このチュートリアルでは、ブラウザーの言語設定の値に応じて、英語またはカナダ フランス語で記述されたユーザー インターフェイス文字列を読み込むことができるアプリケーションを作成します。

RIA_Walkthrough_Loc_01

このチュートリアルでは、次の作業について説明します。

  • 特定の言語をサポートするようにクライアント プロジェクトを構成する。

  • リソースをローカライズする。

  • ローカライズされたリソースを使用するようにテスト ページを構成する。

  • ローカライズされたページを読み込むように Internet Explorer を構成する。

  • 双方向言語のサポートを追加する。

前提条件

このチュートリアル、および WCF RIA サービス のドキュメントで紹介されている他のチュートリアルでは、WCF RIA サービス および WCF RIA サービス Toolkit に加え、Visual Studio 2010 や Silverlight のランタイムと SDK など、前提条件となっているいくつかのプログラムが適切にインストールおよび構成されている必要があります。また、SQL Server 2008 R2 Express with Advanced Services をインストールして構成し、AdventureWorks OLTP と LT データベースをインストールすることも必要です。

これらの各前提条件を満たしているかどうかを確認するための詳細な手順については、「WCF RIA Services の前提条件」ノード内のトピックを参照してください。このチュートリアルを進める前に、トピックに記載されている手順に従って、この RIA サービス チュートリアルを実行するときに発生する問題をできるだけ最小限に抑えるようにします。

クライアント プロジェクトの構成

次の手順では、クライアント プロジェクト ファイル内でサポートされる言語を指定する方法を示します。

クライアント プロジェクトを構成するには

  1. Visual Studio 2010 で、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックして、新しい RIA サービス プロジェクトを作成します。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [インストールされたテンプレート][Silverlight][Silverlight ビジネス アプリケーション] テンプレートをクリックし、新しいプロジェクトに LocalizedBusinessApp という名前を付けます。

  3. ソリューション エクスプローラーで、クライアント プロジェクト (LocalizedBusinessApp) を右クリックし、[プロジェクトのアンロード] をクリックします。

  4. クライアント プロジェクトを再び右クリックし、[LocalizedBusinessApp.vbproj の編集] または [LocalizedBusinessApp.csproj の編集] をクリックします。

    RIA_LBA01_EditProject

    プロジェクト ファイルがデザイナーで開きます。

  5. SupportedCultures 要素を探して、フランス語 (カナダ) [fr-CA] のカルチャ コードを追加します。カルチャ コードを区切るには、コンマまたはセミコロンを使用します。

    <SupportedCultures>en-US,fr-CA</SupportedCultures>
    
  6. プロジェクト ファイルを保存して閉じます。

  7. ソリューション エクスプローラーで、クライアント プロジェクトを右クリックし、[プロジェクトの再読み込み] をクリックします。

    プロジェクトがソリューション エクスプローラーに再度読み込まれます。

リソースのローカライズ

追加言語のサポートをアプリケーションに追加する場合は、基本的に、既存のリソース ファイルのコピーを作成し、コピーしたファイルの名前を変更した後、新しくコピーしたリソース ファイル内の文字列を変換します。次の手順では、サーバー プロジェクトおよびクライアント プロジェクトでリソースをローカライズする方法を示します。

サーバー リソースをローカライズするには

  1. ソリューション エクスプローラーで、サーバー プロジェクト (LocalizedBusinessApp.Web) の Resources フォルダーを展開します。

  2. RegistrationDataResources.resx ファイルを右クリックし、[コピー] をクリックします。

  3. Resources フォルダーを右クリックし、[貼り付け] をクリックします。

  4. RegistrationDataResources.resx のコピーの名前を RegistrationDataResources.fr-CA.resx に変更します。

    note注 :
    リソースがそのカルチャに属していることが正しくわかるように、カルチャ コードをファイル名に含めてください。
  5. 同様に、ValidationErrorResources.resx ファイルをコピーし、ファイル名を ValidationErrorResources.fr-CA.resx に変更します。

    RIA_LBA03WebResources

  6. RegistrationDataResources.fr-CA.resx をダブルクリックして、リソース デザイナーで開きます。

  7. 次の表に示すように、英語の値とコメントをフランス語の値とコメントに置き換えます。

    通常、コメントの文字列はツールヒントに使用されます。

    名前 コメント

    EmailLabel

    E-mail

    FriendlyNameDescription

    Comment voulez-vous que votre nom être affiché dans l'application?

    FriendlyNameLabel

    Nom amical

    PasswordConfirmationLabel

    Confirmer le mot de passe

    PasswordDescription

    Le mot de passe doit être 7 caractères longs et doit contenir au moins un caractère spécial par exemple @ ou #

    Changer ceci si vous changez votre longueur de mot de passe et les politiques de force

    PasswordLabel

    Mot de passe

    SecurityAnswerLabel

    Réponse de sécurité

    SecurityQuestionLabel

    Question de sécurité

    UserNameLabel

    Nom de l'utilisateur

  8. ファイルを保存して閉じます。

    Tipヒント :
    このチュートリアルでは、すべての文字列をローカライズしているわけではありません。サーバー リソースのローカライズを完了するには、ValidationErrorResources.fr-CA.resx もローカライズします。
  9. クライアント プロジェクトで、Web フォルダーを展開した後、Resources フォルダーを展開します。

  10. Resources フォルダーを右クリックし、[追加] をクリックし、[既存の項目] をクリックします。

  11. LocalizedBusinessApp.Web\Resources フォルダーに移動します。

  12. Ctrl キーを押しながら次のファイルをクリックして選択します。

    • RegistrationDataResources.fr-CA.resx

    • RegistrationDataResources.fr-CA.Designer.vb (または .cs)

    • ValidationErrorResources.fr-CA.resx

    • ValidationErrorResources.fr-CA.Designer.vb (または .cs)

  13. [追加] ボタンの下矢印をクリックし、[リンクとして追加] をクリックします。

    RIA_LBA04_AddingResxAsLink

    ローカライズされたファイルは、クライアント プロジェクトにリンクとして追加されます。

クライアント リソースをローカライズするには

  1. クライアント プロジェクトで、Assets フォルダーを展開した後、Resources フォルダーを展開します。

  2. ApplicationStrings.resx のコピーを作成し、名前を ApplicationStrings.fr-CA.resx に変更します。

  3. ErrorResources.resx のコピーを作成し、名前を ErrorResources.fr-CA.resx に変更します。

  4. SecurityQuestions.resx のコピーを作成し、名前を SecurityQuestions.fr-CA.resx に変更します。

    RIA_LBA05_ClientResources

  5. ApplicationStrings.fr-CA.resx をリソース デザイナーで開きます。

  6. 次のように、英語の値とコメントをフランス語の値とコメントに置き換えます。

    名前 コメント

    AboutPageTitle

    De

     

    AlreadyRegisteredLabel

    Déjà inscrit?

     

    ApplicationName

    Nom d'application

     

    BackToLoginButton

    De retour à la Connexion

     

    BusyIndicatorLoadingUser

    Application d'initialisation....

    Ce message est affiché pendant l'initialisation d'application

    BusyIndicatorLoggingIn

    Connecter...

    Affiché pendant LoginOperation

    BusyIndicatorRegisteringUser

    Soumettre Enregistrement...

    Affiché pendant que l'enregistrement est traité par le serveur

    CancelButton

    Annuler

     

    HomePageTitle

    Maison

     

    LoginButton

    connexion

     

    LoginWindowTitle

    Connexion

     

    LogOffButton

    sortie du système

     

    NotRegisteredYetLabel

    Pas inscrit pourtant?

     

    OKButton

    Bien

     

    RegisterNowButton

    Enregistrer maintenant

     

    RegistrationFormHeader

    S'il vous plaît compléter tous les champs obligatoires pour créer votre compte

     

    RegistrationWindowTitle

    Registre

     

    RememberMeLabel

    Garder m'a signé dans

     

    WelcomeMessage

    Accueil {0}

    {0} = User.DisplayName propriété

  7. ファイルを保存して閉じます。

    Tipヒント :
    クライアント リソースのローカライズを完了するには、ErrorResources.fr-CA.resx および SecurityQuestions.fr-CA.resx もローカライズします。

テスト ページの構成

次の手順では、テスト ページのカルチャ情報を指定する方法を示します。

TestPage.aspx を構成するには

  1. サーバー プロジェクトの LocalizedBusinessAppTestPage.aspx をソース ビューで開きます。

  2. ルート要素に、値が "auto" に設定されている Culture 属性および UICulture 属性を追加します。

    <%@ Page Language="VB" AutoEventWireup="true" UICulture="auto" Culture="auto" %>
    
    <%@ Page Language="C#" AutoEventWireup="true" UICulture="auto" Culture="auto" %>
    
  3. ファイルを保存します。

Internet Explorer の構成

これで、クライアント アプリケーションは、2 つの異なるバージョンのいずれかを表示する準備ができました。カナダ フランス語バージョンを表示するには、カナダ フランス語を既定の言語として使用するように Web ブラウザーを構成する必要があります。次の手順では、Internet Explorer の構成方法について説明します。

Internet Explorer を構成するには

  1. F5 キーを押してソリューションを実行します。

    アプリケーションが Internet Explorer で起動されます。Internet Explorer の言語設定が既にカナダ フランス語に設定されている場合を除き、文字列は英語で表示されます。

  2. [ツール] メニューをクリックし、[インターネット オプション] をクリックします。

    [インターネット オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [全般] タブの [言語] をクリックします。

    [言語の優先順位] ダイアログ ボックスが表示されます。

  4. [追加] をクリックします。

    [言語の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

    RIA_LBA06_IE_AddLanguageDialog

  5. [フランス語 (カナダ) [fr-CA]] を選択し、[OK] をクリックします。

  6. [言語の優先順位] ダイアログ ボックスで、フランス語を一覧の先頭に移動します。

  7. [OK] を 2 回クリックしてダイアログ ボックスを閉じます。

  8. ページを更新します。

    これにより、ページがフランス語で表示されます。

    LBA_fr-CA-Maison_homepage

  9. [connexion] リンクをクリックします。

    [ログイン] ダイアログ ボックスがフランス語で表示されます。

双方向言語のサポートの追加

Silverlight ビジネス アプリケーションに双方向言語のサポートを追加するには、前の手順を実行して、選択した双方向言語に対して示されているロケール コードを置き換えます。さらに、次の手順に示すように、フロー方向を指定する必要があります。

双方向言語のサポートを追加するには

  1. 双方向言語の文字列が含まれている各リソース ファイルに、名前が FlowDirection、値が RightToLeft に設定されている新しい行を追加します。

  2. 双方向言語を実装する各 XAML ウィンドウのルート要素に、FlowDirection 属性を追加します。

  3. 次の例に示すように、FlowDirection 属性値を、リソース ファイルに追加された値にバインドします。

    FlowDirection="{Binding Path=ApplicationStrings.FlowDirection, Source={StaticResource ResourceWrapper}}"
    

次の手順

参照

その他のリソース

Silverlight ベース アプリケーションのローカライズ
ASP.NET のグローバリゼーションおよびローカリゼーション