バージョン依存レジストリキー

[アーティクル]
08/09/2011

マネージアセンブリの多くは、COM で使用するために Windows のレジストリに登録する必要があります。登録を必要としない COM 相互運用機能を使用するアセンブリには、この要件は該当しません。

アセンブリを登録するには、アセンブリ登録ツール (Regasm.exe) または RegistrationServices クラスによって公開されるメソッドを使用します。どちらの機構でも、コンピューター上で同一アセンブリの複数のバージョンを side-by-side 実行できるようにするバージョン依存レジストリキーが作成されます。

このトピックでは、Regasm.exe がどのように COM 対応レジストリエントリを追加および削除するかについて説明します。このトピックは、カスタムインストールプログラムを作成する場合に、COM 相互運用機能用に side-by-side 実行を行うための登録の要件を理解する上で役立ちます。

バージョン依存キーのレジストリのレイアウト

アセンブリを最初に登録するときに、Regasm.exe によって、一連の最上位レベルのキーがアセンブリ内のクラスごとに作成され、HKEY CLASSES\ROOT\CLSID\{}\InprocServer32 キーの下にサブキーが追加されます。これにより、アセンブリのバージョンを一意に特定できます。 className バージョン 1.0.0.0 のサブキーのレジストリのレイアウトを次に示します。

CLSID\{}
@="namespaceName.className"
CLSID\{}\InprocServer32
@="mscoree.dll"
ThreadingModel = "Both" 
Class="namespaceName.className"
Assembly="name, Version=2.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
RuntimeVersion="v1.0.3705"
1.0.0.0
   Class="namespaceName.className"
   Assembly="name, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
          RuntimeVersion="v1.0.3705"
CLSID\{}\ProgId
@="namespaceName.className"
CLSID\{}\ImplementedCategories\{guid}

アセンブリの新しいバージョンを登録すると、Regasm.exe により、新しいバージョンのバージョン依存サブキーが追加されます。上のレジストリレイアウトに示されているように、同じアセンブリのすべてのバージョンは、最上位レベルのキーを共有します。同じアセンブリのサブキー 1.0.0.0 と 2.0.0.0 のレイアウトの部分を次に示します。

1.0.0.0
   Class="namespaceName.className"
   Assembly="name, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
          RuntimeVersion="v1.0.3705"
2.0.0.0
   Class="namespaceName.className"
   Assembly="name, Version=2.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
          RuntimeVersion="v1.1.5000"

バージョン依存キーの削除

アセンブリのバージョンをアンインストールすると、Regasm.exe によって、そのバージョン依存サブキーだけが削除されます。たとえば、className バージョン 1.0.0.0 をアンインストールすると、Regasm.exe は 1.0.0.0 サブキーを削除しますが、最上位レベルのキーと 2.0.0.0 サブキーはすべて残ります。

CLSID\{}
   @="namespaceName.className"
CLSID\{}\InprocServer32
   @="mscoree.dll"
ThreadingModel = "Both" 
Class="namespaceName.className"
Assembly="name, Version=2.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
RuntimeVersion="v1.0.3705"
Version
2.0.0.0
   Class="namespaceName.className"
   Assembly="name, Version=2.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken="
          RuntimeVersion="v1.1.5500"
CLSID\{}\ProgId
   @="namespaceName.className"
CLSID\{}\ImplementedCategories\{guid}

アセンブリの最後のバージョンをアンインストールすると、Regasm.exe は、すべてのバージョン依存サブキーを削除します。また、アセンブリに関連付けられている最上位レベルのキーもレジストリから削除されます。