セクションの要素によって継承される全般属性
ASP.NET では、構成設定はリソースに対して階層的に適用されます。 構成設定は親構成ファイルから継承されます。 このトピックでは、すべてのセクション要素が継承する全般属性の一部を説明します。
セクションの要素
セクションの要素は構成セクションのメンバーです。 これには、構成セクション グループのメンバーである要素は含まれません。
構成セクションの宣言は、configSections 要素内の構成ファイルの一番上に表示されます。 section 要素に含まれる各宣言は、セクションの名前、およびそのセクションの構成データを処理する .NET Framework クラス (ConfigurationSection から派生します) の名前を指定します。 section タグは sectionGroup タグにグループ化できます。
詳細については、「ASP.NET 構成ファイル」または「ASP.NET 構成ファイルの編集」を参照してください。
全般属性
すべてのセクション要素に設定できる全般属性を次の表に示します。 これらの全般属性は、セクション要素の子要素も継承します。 lock という単語が名前に含まれる属性はすべて、構成ファイルの指定された内容が変更されないよう保護することを目的としています。 既定では、ロックされる要素または属性はありません。
属性 |
説明 |
---|---|
configSource |
省略可能な String 型の属性です。 関連する構成セクションを定義したインクルード ファイルが存在する場合に、そのファイルの名前を指定します。 ConfigSource プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 configSource 属性を使用する場合、要素設定はマージできないので、セクション全体を別ファイルに移動する必要があります。 外部ファイルに何らかの変更があると、既定でアプリケーションが再起動されます。 この動作を変更して、変更があるたびにアプリケーションが再起動されることがないようにするには、Web.config ファイルの configSections の section 要素 (全般設定スキーマ) で restartOnExternalChanges 属性を false に設定します。 |
lockAllAttributesExcept |
省略可能な String 属性で、値としてコンマ区切りのリストを使用できます。 親要素について、指定された属性以外のすべての属性をロックします。 LockAllAttributesExcept プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 構成階層では、階層の上位にあるレベルをロックすることはできません。 |
lockAllElementsExcept |
省略可能な String 属性で、値としてコンマ区切りのリストを使用できます。 親要素について、指定された子要素以外のすべての子要素をロックします。 LockAllElementsExcept プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 |
lockAttributes |
省略可能な String 属性で、値としてコンマ区切りのリストを使用できます。 親要素の属性をすべてロックします。 LockAttributes プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 |
lockElements |
省略可能な String 属性で、値としてコンマ区切りのリストを使用できます。 親要素の子要素をすべてロックします。 LockElements プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 |
lockItem |
省略可能な String 型の属性です。 該当する属性がある要素をロックする場合は true。それ以外の場合は false。 既定値は、false です。 この属性は、任意の要素を個別にロックする場合に使用できる他、指定したコレクションでコレクション要素をロックする場合にも使用できます。 また、任意のセクション全体をロックする場合にも使用できます。 LockItem プロパティを通じて、プログラムでアクセスできます。 |
使用例
Machine.config ファイルの一部を次のコード例に示します。 構成セクション ハンドラーは、system.web セクション グループと anonymousIdentification セクションに対して宣言されています。 その下では、system.Web 構成要素と anonymousIdentification 構成要素が宣言されています。
system.Web 構成要素は構成セクション グループのメンバーです。したがって、属性は含みません。
anonymousIdentification 構成要素は構成セクションのメンバーなので、上の表に示した属性を継承します。 configSource 属性には関連付けられている外部ファイルがあり (要素の内容を格納するため)、内容の変更を防ぐために lockItem 属性が true に設定されています。
<configuration>
<configSections>
<!-- Other configuration sections. -->
<sectionGroup name="system.web" ...>
<section name="anonymousIdentification" ... />
</sectionGroup>
</configSections>
<system.web>
<anonymousIdentification configSource="IDSourceFile.xml"
lockItem="true" />
</system.web>
</configuration>