方法 : 発行者ポリシーを作成する

[アーティクル]
08/09/2011

アセンブリの販売元は、アップグレードしたアセンブリに発行者ポリシーファイルを含めることにより、より新しいバージョンのアセンブリを使用してアプリケーションを実行するように指示できます。発行者ポリシーファイルには、アセンブリのリダイレクトやコードベース設定を指定し、その書式にはアプリケーション構成ファイルと同じ書式を使用します。発行者ポリシーファイルをコンパイルしてアセンブリを生成し、グローバルアセンブリキャッシュに配置します。

発行者ポリシーは、次の手順で作成します。

発行者ポリシーファイルを作成します。
発行者ポリシーアセンブリを作成します。
その発行者ポリシーアセンブリをグローバルアセンブリキャッシュに追加します。

発行者ポリシーのスキーマについては、「アセンブリバージョンのリダイレクト」を参照してください。 myAssembly のあるバージョンを別のバージョンにリダイレクトする発行者ポリシーファイルを次の例に示します。

<configuration>
   <runtime>
      <assemblyBinding xmlns="urn:schemas-microsoft-com:asm.v1">
       <dependentAssembly>
         <assemblyIdentity name="myAssembly"
                           publicKeyToken="32ab4ba45e0a69a1"
                           culture="en-us" />
         <!-- Redirecting to version 2.0.0.0 of the assembly. -->
         <bindingRedirect oldVersion="1.0.0.0"
                          newVersion="2.0.0.0"/>
       </dependentAssembly>
      </assemblyBinding>
   </runtime>
</configuration>

コードベースの指定方法については、「アセンブリの場所の指定」を参照してください。

発行者ポリシーアセンブリの作成

発行者ポリシーアセンブリを作成するには、アセンブリリンカー (Al.exe) を使用します。

ライブラリアセンブリを作成するには

コマンドプロンプトに次のコマンドを入力します。

**al /link:**publisherPolicyFile **/out:**publisherPolicyAssemblyFile **/keyfile:**keyPairFile **/platform:**processorArchitecture

上記のコマンドには、次の引数を指定します。
- publisherPolicyFile 引数には、発行者ポリシーファイルの名前を指定します。
- publisherPolicyAssemblyFile 引数には、このコマンドを実行した結果作成される発行者ポリシーアセンブリの名前を指定します。アセンブリファイルの名前は、次の書式にする必要があります。
  
  policy.majorNumber.minorNumber.mainAssemblyName.dll
- keyPairFile 引数には、キーペアを含むファイルの名前を指定します。アセンブリと発行者ポリシーアセンブリには、同じキーペアで署名する必要があります。
- processorArchitecture 引数には、プロセッサ固有のアセンブリが対象とするプラットフォームを指定します。 amd64、ia64、msil、または x86 を指定できます。
  
  メモ
  
  .NET Framework Version 2.0 では、特定のプロセッサアーキテクチャを対象にできるようになりました。
policy.1.0.myAssembly という発行者ポリシーアセンブリを発行者ポリシーファイル pub.config から作成し、そのアセンブリに sgKey.snk ファイル内のキーペアを使用して厳密な名前を割り当て、x86 プロセッサアーキテクチャを対象とするアセンブリを指定するコマンドを次に示します。
```
al /link:pub.config /out:policy.1.0.myAssembly.dll /keyfile:sgKey.snk /platform:x86
```
発行者ポリシーアセンブリは、適用先アセンブリのプロセッサアーキテクチャと一致している必要があります。したがって、アセンブリの ProcessorArchitecture 値が MSIL である場合、そのアセンブリの発行者ポリシーアセンブリは /platform:anycpu を使用して作成されている必要があります。ポリシー固有のアセンブリごとに個別の発行者ポリシーアセンブリを指定する必要があります。

この規則により、アセンブリのプロセッサアーキテクチャを変更する場合、バージョン番号のメジャー部分またはマイナー部分を変更して、正しいプロセッサアーキテクチャで新しい発行者ポリシーアセンブリを指定する必要があります。アセンブリに異なるプロセッサアーキテクチャが指定されていると、古い発行者ポリシーアセンブリがアセンブリにサービスを提供できません。

また、この規則により、常にプロセッサアーキテクチャが指定されるため、以前のバージョンの .NET Framework を使用してコンパイルしたアセンブリに対しては、バージョン 2.0 のリンカーを使用して発行者ポリシーアセンブリを作成できません。

メモ
.NET Framework Version 2.0 では、特定のプロセッサアーキテクチャを対象にできるようになりました。

発行者ポリシーアセンブリのグローバルアセンブリキャッシュへの追加

発行者ポリシーアセンブリをグローバルアセンブリキャッシュに追加するには、グローバルアセンブリキャッシュツール (Gacutil.exe) を使用します。

発行者ポリシーアセンブリをグローバルアセンブリキャッシュに追加するには

コマンドプロンプトに次のコマンドを入力します。

gacutil /i publisherPolicyAssemblyFile

policy.1.0.myAssembly.dll をグローバルアセンブリキャッシュに追加するコマンドを次に示します。

gacutil /i policy.1.0.myAssembly.dll

重要
発行者ポリシーアセンブリは、元の発行者ポリシーファイルがアセンブリと同じディレクトリにある場合を除き、グローバルアセンブリキャッシュに追加できません。